日本テレビ年末時代劇スペシャル 1989東映 主演/松平健
第一部 京洛の花に舞う 決起編 1989.12.30
風雲急を告げる幕末を、国と民を思う高杉晋作を主軸に据え描く。
第一部は晋作の上海遊学から禁門の変まで。
高杉に松平健、脇も豪華キャスト。なかでも周布政之助の津川雅彦が光る。
ロケ地
- 上海の租界、オランダ村。
- 長州藩江戸屋敷、大覚寺大門。長井雅楽に食ってかかる久坂玄瑞は式台玄関前。
- 薩摩藩京屋敷、大覚寺明智門。
- 江戸・大森梅屋敷、中山邸(門、庭)。酔態の周布が土佐藩士をからかいに来るのは参道。
- 高杉が松蔭の亡骸入れた早桶を行列仕立ててゆく上野不忍池、大沢池(北岸から放生池堤)。寛永寺三枚橋を押し通るシーンは大覚寺勅使門と橋。
- 高杉が将軍に「よっ征夷大将軍」と高声で呼ばわる賀茂神社行幸、下鴨神社参道。
- 大津宿近く、大村益次郎に英国留学の許可貰う井上聞多と伊藤俊輔、琵琶湖西岸の松林と汀(舞子浜か)。
- 突然の出家後、祇園で浮かれ騒ぐ高杉、祇園の白川畔。
- 大村益次郎が執務をとる長州普門寺、大覚寺聖天堂。
- 有栖川宮邸、相国寺大光明寺南塀通用門と石庭。
第二部 四境ことごとく敵 回天編 1989.12.31
禁門の変後から明治までを描く。
四ヶ国艦隊の馬関襲撃と第一次長州征伐での血の粛清と、危地に陥った改革派は高杉の奮起により奇兵隊ほかの諸隊が活躍し萩の保守派を追い落とし、倒幕の爪を研ぎはじめる。薩長同盟も成り、第二次長州征伐は村田蔵六と高杉らの奇略により幕府から小倉城を奪うこととなる。この戦いのさなか病を得ていた高杉は倒幕の派兵を見ず病没、あとは戊辰戦争の略史がテロップで出て、新政府高官となった木戸孝充が大村益次郎の悲報を聞くシーンで幕を閉じる。
ロケ地
- 四ヶ国艦隊現るの報を受け山口の政治堂へ急行の高杉、途中伊藤俊輔を拾うのは酵素入口の坂。
- 外国勢と戦闘の山県狂介率いる騎兵隊、酵素河川敷。
- 京での志士狩りから逃れ出石へ逃げる桂小五郎、山道は保津峡落合落下岩〜川へ下りる崖道。
- 城崎温泉でアバンチュールの桂、日吉大社・日吉山荘。
- 井上聞多が襲撃され膾となる山口政庁下の袖解橋、下鴨神社参道紅葉橋。
- 高杉の檄により雪の功山寺に集結する諸隊、三井寺光浄院参道、金堂北側石段。出陣は唐院前の道。
- 奇兵隊が保守派の先鋒隊と戦う野原、酵素河川敷。
- 薩長同盟の密約が交わされる薩摩藩京屋敷、大覚寺明智門。
- 石州口浜田藩扇原関所、谷山林道。
周布の凄絶な自死を血しぶきリアルに上げて演ずる津川雅彦、巧いというか派手というか。
毛利の殿様の異名「そうせい候」をうまく挟み込んであるのは細かい。
村田蔵六の戦略は丁寧に描かれ、個性的な言辞も活写されている。さすがに「夏は暑いものです」は無し。
高杉が病を得て、というのはなんか唐突に出てくる。しかし線の太い晋作ではある。
前回に引き続き海戦のシーンが多く描かれるが、特技監督・川北紘一の仕事はかなりよくできている。炎と波のスケールが少々違和感あるものの迫力。
三千世界の鴉を殺し、の端唄は出るが辞世なし。エンディングを、幾松を演じる池上季美子が締めるのはいい。
大村益次郎に放たれる刺客に福本先生と小峰さん発見。
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