1977テレビ朝日/中村プロ
キャスト
深川奉行・速水右近/萬屋錦之介
御船手頭・向井将監/若林豪 老中・稲葉越中守/藤井貢
同心 石川新兵衛/藤原釜足、本田敬三郎/千昌夫、皆川久蔵/下塚誠、石川隼人(-16話)/島英津夫、多門伝九郎(17話-)/ジェリー藤尾
おきた/大谷直子 乳母・おとよ/ミヤコ蝶々 嶋屋宇兵衛/大友柳太郎
新開地である深川の治安維持のため、老中稲葉越中守により速水右近が抜擢される。老中は彼に葵の御紋入りの刀を与え、内々に斬り捨て御免の特権を授与。配下は同心が四人(初期設定)の小所帯。右近は御船手組長官の向井将監と親しくなり、仕置の際には毎回速足の鯨船を漕ぎ手ごと借りてゆく。手には鯨船に付属の巨大な銛を持ち悪人の座敷に乗り込むのが定番スタイル、成敗衣装はパンタロンに柔道着のような刺し子、頭には忍者メットを被るという特異なもの。仕置の前に一応老中にお伺いを立てにゆくこともあるが、ほぼ制止はきかない。役宅には乳母のおとよがいて難波屋の女将・おきたとの仲を邪魔したりする。おきたは香具師の元締・嶋屋宇兵衛の娘。
*文中近畿以外のロケ地に言及している個所がありますが、昔に見た風景を思い出してのもので現状等未確認です。ロケ地一覧にも記載していません。
第1話「疾風!斬り捨て御免」
正徳元年、無法地帯の深川に新奉行がやって来る。
初手は奉行所に巣食う腐れ外道とともに、寺社地をタテにとり悪の限りを尽くす者どもを成敗。
「下見」に町をうろつき火事場へ入ってみたり、牢屋へ放り込まれたりしてみる右近。そこで見た腐れぶりを老中に言上、深川奉行を受けるにあたり斬り捨て御免の特権を求める。これが拝領刀のかたちで許可され、成敗乱入用の「足」に御船手頭から鯨船を調達する過程が描かれ、寺社奉行以下ワル一堂に会す座敷に斬りこみ有無を言わさず「上様に代わっててめーらぁ、斬る!」。
*深川奉行所でワルに便宜を図っていたのは睦五郎、寺の生臭坊主は山本麟一。
第2話「血風!世直し快速船」
抜け荷商人の悪事の尻尾をうっかり踏んでしまった本田同心、女郎との心中を偽装され十手を奪われ万事休す。右近の情にほだされた小女が証言を申し出るが、本田の件をタテにとられているので手出しならず。ここで闇裁き発動、「やっぱり掃除をしなくちゃいけねぇか」とカッと目を見開き盃を置いた右近のカットに鯨船出動が被さる。ただならぬ気配に脅えるワルどもの描写が、妙に丁寧なのも笑える。
*殺された女郎の許婚者で海産物問屋連続殺人の下手人に石橋蓮司、首魁の抜け荷商人に天津敏、用心棒に宮口二郎。
*公式には連続殺人も解決せず船宿で十数名の殺しが起きてしまうので稲葉老中は右近を叱責、しかしこのオヤジ、このとき背中が笑っておるのだ。
*土左ヱ門の上がる水辺(多摩の堤)や女郎が葬られた無縁塚など見ていると、京都撮りとの相似点が見えて楽しい。多摩堤の松林はつくづく良い素材…大沢池堤にも松なくなってるし。
第3話「無情!人斬り河岸」
埋立工事のピンハネが主題、お話は悪徳商人に雇われている刺客の浪人が引っ張る。このご浪人さん、昼間は神社にいて木彫りをしており、子守バイトの幼女に鳩笛を作ってやる優しい「ポッポのおじちゃん」。彼は心の臓を病んだ妻に死なれており、その幼女の母も心臓を病むというべったべたな筋立て、暗殺代を高貴薬購入に宛てるも間に合わず、そのあとで深川奉行暗殺を請け負った男は不正の証拠を右近に託して死んだり。また、幼女が奉行所へおじちゃんに貰った大金を返しに来たりするが、そのやり取りがご浪人入りの早桶の前でなされるから凄い。ここで右近が盃をターンと置き、鯨船出動。
*今回稲葉老中いいところナシ、悪徳商人とつるむ藩家老が大奥つながりで手を出せぬと苦衷を訴えるが、構わず言い募る右近に「理屈が多いぞ年寄はくどいのはたくさんじゃ」と逃げる、これもカワイイ。
第4話「熱風!黄金地獄館」
贋金騒動、黒幕は勘定奉行と若年寄。掏摸が両替商から盗った財布に小判がじゃらり、これが贋金で彼は命を狙われる羽目に。お話を回すのはこのお調子者の掏摸で、追われて奉行所へ飛び込んできたり自ら牢に泊まったりする。
*掏摸に尾藤イサオ、馴染みの敵娼に片桐夕子、勘定奉行は亀石征一郎で悪徳両替商の用心棒に中田浩二。掏摸の部屋で人違いで殺される男に小島三児。
*黒幕たちは稲葉老中に手を回し支配違いを言い立て右近を牽制、コレで正体バレてるから間抜け。今回、掏摸が破れ様の成敗を覗き見しているが正体には気付かず、同心たちにカラス天狗が出たと話す。懐紙が大量で笑える。
第5話「暗黒街の紅い花」
壬生藩の内紛、深川で続く暗殺。藩政改革に奔走するも敗れ国を去った者にも、悪家老の手は容赦なく伸びる。
嶋屋宇兵衛登場を演出する話、ご浪人さんを殺した男についておきたが頑として黙秘したのはそれが元嶋屋の配下ゆえで、父を庇っていたのだった。
*嶋屋と右近を引き合わせるのは向井将監、勢力を見せつけて娘の釈放を迫る父が強面ながら微笑ましい。
*稲葉老中、壬生藩の調査報告書が入った文箱を「見ちゃいかん見たら打ち首」とか言いながら目線で示唆、老中が出てったあとすぐに見る右近も傑作。このほか、念押しにやって来た右近に悪家老のスケジュールをつらっと喋り教唆し「わしゃ何も知らんぞファー眠い」。
*今回のラス立ち、「頭が高い」はなし。壬生藩下屋敷水門の柵の向こうに、ゆらりとのぞく鯨船の舳先が笑える。
第6話「紀州藩を砲撃せよ」
紀州藩が抜け荷をはたらき、証拠隠滅に水夫を始末。殿様の道楽のための無辜の死に怒った右近は、八方破れの手法で紀州を恫喝にかかる。一旦済んだと思うと残った関係者を始末する家老に、闇裁きが下される。
*今回「成敗」は二段構え、殿様が下屋敷へやって来て新式の短筒をねぶねぶしているところに深川奉行として面会を申し入れ、正面から入ってゆき殿様を面罵し断罪、怒った殿様が銃を向けると盗ってきてあった同じものを出してぶっ放す。これが向井将監への合図だからたまらない→御船手組の大筒が紀州藩邸の門前に炸裂。この事態を収めるため蔭腹切った根来同心の妻子が殺され、残った関係者が処罰されたと知るや、鯨船出動。
*もう配下の同心や向井くんまで感化されちゃってタイヘン、藩邸へ乗り込む右近に付き従った藤原釜足が「お奉行が戻らねば斬りこみます」のほか、押し切られて大筒ファイヤの向井くんなど。おきたに手配させた土蔵破りの名人の木田三千雄もいい味、右近の無茶に「こりゃお嬢も惚れるわ」。
*銃マニアの紀伊大納言に柳生博、馬鹿殿ぶりがなかなか。家老は御木本伸介、でっぷりとした悪家老がお似合い。抜け荷実行部隊の根来同心には、長谷川明男と岸田森を配してある贅沢な構成。
*稲葉老中のおふざけは、紀州藩邸爆撃で右近と向井将監を召喚した場で炸裂。藩邸を狙ったのではなく、目標地点を藩邸前の道にして試射実験と言い張る右近の強弁に、「路上か、フフ考えたな」。
第7話「復讐!汐見橋の女」
材木の高騰は悪徳商人と組んだ幕閣の仕込み、不正を糺そうとした小役人が消されるほか、材木を売れと押しかけた町人を葵の御紋の権威を笠に着て殺す始末。右近の怒りは暫時高まってゆき、向井将監から来た「悪人の居場所」情報で鯨船出動、ワル一堂に会す船宿の塀に舳先がゆらり。
お話は、暗殺された小役人の郎党が引っ張る。優しかったご主人の仇を討とうとした彼は、ワルの雇った用心棒に嬲られ膾となって果てる。タイトルの「女」はそのご主人の妹で奈美悦子。
*悪徳商人は田中明夫、右近の揺さぶりにも動じずしれっと言い逃れる憎態。作事奉行は川合伸旺、とんだド助平でもある。若年寄も噛んでいるが影薄し。
*おきたに伊勢屋の評判を聞いた右近がすっくと立つのに「旦那また暴れるんですか」…。
*稲葉老中、右近の無茶な申請を却下。あっさり引き下がるのに「今日は妙に素直に…あいつめ今度は何をやらかすつもりかな」…期待してるのか爺さん。
*成敗の際自ら「破れ奉行」と名乗る右近「てめーらぁ、叩っ斬ってやる!」、銛は姉ちゃんに無体をはたらいていた川合伸旺に突きつけるほか、刺客の浪人をぐっさり。懐紙は拭いたのより落ちてくるほうが多め。
第8話「長崎から来た女」
黒羽織の姐さんが長崎の仇を江戸で討つ話、志半ばでワルに露見し斬られるが、通夜の席をちょっとはずした暴れ者は血の匂いをさせて戻ってくる。
*ワルは元長崎奉行とその一味、鶴次姐さんの親の店を襲い一家皆殺しで放火。姐さんはお店を下がっていた女中が生んだ子で父親はご主人、ただ一人の遺児。鶴次に赤座美代子、元長崎奉行の若年寄筆頭に和崎俊哉。
*鶴次がアリバイ工作に新兵衛さんを使うエピソードがあり、姐さんはそれを詫びて死んでゆく。角突き合せていた娼妓の小いなが一味にタレ込んだことを悔やみ、女たちを集めて首魁の一人の長崎屋に押しかける一幕もある。
*右近のむちゃくちゃは募る一方、向井将監が大坂へ訓練航海に行くのに付け込み「ちょっと長崎まで行って調べてきて」。呆れている向井くんだが、ちゃんと行って大急ぎで帰ってくる。甘やかすな。
*成敗では、「頭が高ーい」と拝領刀を畳に突き刺し、これが切り斬り捨て御免の葵の御紋と啖呵を切り「破れ奉行速水右近、てめぇらぁ斬る!」で大暴れ。今回の見どころのひとつは懐紙、右近が去ったあと生きている者が一人もいない部屋にひらひらとしつこく落ちてくる。
*鶴次の野辺送りを見る二階で、おきたが右近の闇裁きを指摘する場面が出てくる。
第9話「暗黒街のふたり」
おきたの昔の男が現れ、自分を簀巻きにして大川に投げ込んだ嶋屋に復讐をはかる。無役の旗本を抱きこんで深川を大混乱に陥れる男、懊悩するおきたにあれは昔の友三郎でないと告げた右近は、鯨船を出す。
*友三郎に森次晃嗣、おきたの腕の紅蜘蛛は彼が彫った設定で、嶋屋の背の大蜘蛛も彼。旗本は田口計で終始酔態、友三郎が大元締になると見込み援助し左うちわを目論む。
*友三郎を始末しようと出動した嶋屋、武装して夜道を行進するところで右近に止められる。銃の袋をさして竿です夜釣りに行きますと笑うのが傑作。
第10話「愛と憎しみの挽歌」
寺社地の興行利権でひと儲け企む寺社奉行、出入り商人に仕切らせるため邪魔者を暗殺。そのほかお城の奥向きにも通じており、西の丸お部屋さまから預かっている男は仇と狙われる身。しかし己の利のためその男も家族ごと始末するなど悪辣そのもの、自刃を装った卑劣な手口を見た右近、わなわな震えて鯨船を出動させる。
*夫の仇を討つため投げ刃芸人に身をやつす小扇に淡島千景、恩ある濱屋を殺され仇も消されてしまう悲劇。しかも仇は妹と結婚していて子も生しているのをまとめて殺られ、自身も襲われ家来を亡くす、これでもかの展開。深川奉行に請願にやって来るくだりがあるが、小屋に来ていて騒ぎのさなか団子食って笑ってたのが奉行と知り「もう結構です」が大笑い。
*今回の見どころはなんといっても鯨船の座敷突入。うまくいったとワル高笑いの座敷、家来が物音に気付き開けた襖の向こうの障子に映る舳先のシルエットが爆笑もの。このときばりばりメリメリの音が入っているのも傑作、直後障子突き破って船が現れる。この趣向はあと二回出てくる。
第11話「地獄の仕掛花火」
上ノ関藩のお家騒動、若君暗殺の道具に時限爆弾を思いつく江戸家老。花火職人をさらい領民のためとか騙して作らせるが右近の横槍で失敗、しかし懲りず吹き矢で暗殺。右近はそれを稲葉老中から「世間話」として聞かされる。
*職人に仕掛けを作らせている最中、藩士が「異国では時限爆裂弾という」なんて喋ってるし、実験の際人死に出てるのに、なんか最後まで目的に気付いてなさそうな職人が笑える。右近が親方に作らせる煙出る代物もなんだかヘン。
*稲葉老中の「世間話」とさらっと教唆もなかなか利いている。
*花火話なもんだから帰る鯨船の背景は花火、乗り込み時の障子シルエットも花火に照らされて浮かぶ演出。懐紙は大量。
第12話「悲愁!八千両の鈴」
盗っ人の上前をはねようとする火盗改、金の行方を知る男を追い詰めるのに何の罪もない彼の関係者を大量に殺戮。しまいに己の妾も奉行所に嗅ぎつけられたと斬って捨てるが、証拠の要らない破れ奉行が出てきてしまう。
*火盗長官は今井健二、悪辣なので成敗も念入り、銛で胸を貫いたうえ撫で斬り。この間スローモーションで、ついでに懐紙撒きもスロー。
*タイトルは隠し金に手をつけるなと恋人の半玉が戒めに渡した鈴。金を取りに行って殺された男の掌から出てくる。
*謎の外人登場、本田同心の実の嫁さんらしい。将軍の賓客設定で、お帰りの際「さんきゅう」と言う本田にどこで英語をと問い、答えの「北のほうで」のギャグを導く。
第13話「人買い!女地獄船」
賭場で借金を作らせ娘や女房をカタにとり「年季奉公」させる札差、しかし女たちは異国に売られていた。悪徳商人の裏には将軍家お抱え能師、深川奉行など手を出せぬと嘯く座敷に銛が突き立つ。
*実家で女中をしていた娘が「年季奉公」の罠にかかりその父まで殺され怒り爆発のおきたは一芝居打ち白銀屋に潜入、右近もムシリつけてお芝居で潜入したりする。しかし二人の尽力も無駄、深川奉行と明かして手打ち・今いる女たちを解放の段で一斉射撃を食らってしまう。
*稲葉老中の「教唆」は露骨、とんだ御能師もあったものと嘆いたあと「急病出来御能師出仕適わず、とくれば天下は丸く治まるソレでよいのじゃウホン」。これを聞いて目線を泳がす右近に鯨船出撃テーマが重なる。
*能師は何かというと葵の御紋入りの棗をかざし偉そうにするが、乗り込み破れ様に拝領刀をかざし「これが正真正銘の葵の御紋だてめぇの汚れた棗とは訳が違うんでぇ」とやり返される。
*「懐紙」は拭くのも落ちてくるのも大量。
第14話「河童のわび証文」
暴れ放題の旗本の若様たちを右近が懲らしめるが、メンバーの首領は目付の御曹子。ご乱行の尻拭いで目こぼしを頂くハラの汚い奴らが裏にいた。
*起こりの話は、見せ物小屋の河童芸人が若様たちにひどい目に遭う事件。萎れる父を見た娘は書かされた侘び証文を取り返しに行き手籠めにされてしまううえ、後段では右近に手ひどくやられた意趣返しに斬り殺される悲惨。ここで河童父暴発、若様に包丁で突きかかり怪我を負わせ切腹のきっかけを作る。目付自身は善人、メンバーのうち我が身を恥じ切腹した目付の倅と、あと一人は目付暗殺計画を知らせに来るなどちょっとマトモ。
*稲葉老中は若様連をそろそろ帰してやれと示唆、その際「フフフン、お主にとことんやられてはもう命も保つまいの」発言。このほか娘に風邪引きの理由を暴露されたり→酒呑みすぎて素っ裸でカッポレ←「お若い」と右近、それ若いんじゃなくてただの馬鹿。
*作事奉行と材木商が「今頃はお目付も膾に」の座敷に乱入の破れ奉行、拝領刀をかざし頭が高いに続き「この葵の紋所が殺しの代紋よぉ」…ムチャクチャ。
第15話「深夜の水門大爆破」
金座破りは一万両、運ぶ際には葵の御紋で深川奉行所の臨検をかいくぐる悪党は、昔将軍の命を助けた「御朱印者」で、勘定奉行と御用商人。手の出せぬ屋敷の堀に沈めてある金箱を豪快に取り戻す右近、盗難の責任を問われ詰腹を切らされた金座役人の遺児らが探索中露見し惨殺されるのを見てぶち切れ→鯨船で推参の運び。
*おとよとのやりとりで「天変地異」というタームが出るや、爆破を思いつきけたけたと狂ったように笑い出す右近。老中に「天変地異は避けられない、天文方によると朝倉外記の深川別邸あたりが崩れるらしい」と言い放ち豪快なプランを実行→勘定奉行邸の水門を爆破、水圧で堀の金箱を大川に。でも五つしか回収できず、水圧が足りなかったとブチブチ。
*成敗後刀を拭う懐紙、今回のは電話帳並み。
第16話「隼人よ静かに死ね」
将軍御鷹狩りの道中を狙う企み、町屋の軒に爆薬仕込みの提灯が吊るされる段になり事態を把握した隼人は、単身現場に乗り込み獅子奮迅の働きを見せるが多勢に無勢、膾となって斃れる。浪人たちを操っていたワルがまんまと逃げおおせたことにブチ切れ、右近は鯨船を出動させる。
*血塗れ隼人を抱き起こす右近のくだり、もう「わしらは永遠に不滅の父と子」とか聞こえてきそうな感じで派手ハデ。
*成敗後の懐紙電話帳クラス、落下してくるのも超大量。
*息子を亡くした新兵衛さんは巡礼に。淋しくっていけねぇとお奉行は返上された新兵衛の十手をおきたの店のお笑いコンビに渡し「二人で一本」。
*季節の表現にホトトギスが出てきて、鳴き声が入っている。いつものサンコウチョウや行々子もあり。
第17話「斬込め!大名行列」
粋人を気取り湯水の如く金を使い放蕩三昧の馬鹿殿、領民が重税にあえぐのを見かねた親分は殿様を討とうとして斬り死に、その女房が夫の遺志を果たさんと江戸にやって来る。このお話に、新入り同心の多門伝九郎がお奉行に感服する過程をからませる。
*馬鹿殿を狙う女親分に江波杏子、馬鹿殿の家老に川合伸旺。
*目をかけていた口入屋が馬鹿殿のために動いたことを知るや「今すぐ深川から出て行け」とブチ上げる右近、「無茶苦茶は俺の信条だぁ!」。無茶と言えば斬り込み覚悟の女親分に大砲まがいの花火を渡し馬鹿殿の駕籠にぶっ放させたり。この騒ぎで馬鹿殿を「士道不覚悟」に持っていく目論見が大奥がらみではずれ、稲葉老中にダメ出しされた右近はわなわなと袴を掴みしめ…画面は鯨船出動に切り替わる。懐紙電話帳。
第18話「炎の女囚狩り」
赤猫は女囚ゲットが目的、牢名主たちを丸め込み異国へ送る悪徳商人は、抜け荷の益を目付に貢いでいた。司直の手が迫るや女たちを始末し逃げおおせようとするワルども、危険に気付いた右近は鯨船を走らせる。
*ただ一人出頭した女囚を怪しんだ右近は泳がせるため老中に釈放を迫る。食い逃げ女を直々に扱えと言われむくれる稲葉老中カワイイ。
*決め台詞ちょっとプラス「てめぇらの様な悪党見過ごしにしちゃお天道様ァ西から上がらァ」。
第19話「怨花・夜霧のお竜」
大店に罠を仕掛け欠所に追い込み、所有の宝物を入手しほくそ笑むワルは大目付。調べを進めるうちにも犠牲者は増えるが、相手は元側小姓で将軍の信任厚く、大名取り立て・若年寄格に昇進の内示が下っていた。
*大目付・内藤監物に沼田曜一、弟を殺された元錠前師のお竜に大滝子。
*老中の使いが来るが、縁側に寝転がっている右近は邪魔臭そうに「イナバのじじいうさぎ」呼ばわりして居留守を使おうとするほか、仕方なく罷り出た場では屁のかっぱとか地口が飛び出す。
*監物には手出しならんと喚く稲葉老中に「聞くところによると監物殿は心の臓が」「いつ頓死するか判らない状態」と言い放つ右近が「では」と退出するのに待てコラと慌てる老中だが、去ったあと「フフ頓死か」と独りごちるのが傑作。
第20話「幕府海軍異状あり」
船手方内部に巣食う悪、しかし殺されかけても海の男の結束を重んじる向井将監。最後は死を覚悟し白装束を下に着込み、危険を顧みず悪党の部下を断罪に赴く。
*逃がし屋の黒幕は菅貫、子の将来を思う母心を操る姑息さがマル。操られる女の兄を演じる蟹江恵三がまたいい味、船饅頭の呼び込みをしていて吹き矢の名手。牢に差し入れの菓子を毒入りとわかっていて食うくだりは泣かせる。そのお千代船が見事な結束で鯨船を追い詰めるとこも見もの、たばねの姐御もイイ。成敗後の懐紙は落ちてくるのが笑うほど大量。
第21話「暗黒街の白い罠」
白魚の漁場争いと見えた抗争の裏には上つ方が一枚噛む悪謀、嶋屋宇兵衛まで牢に放り込む悪党どもが深川奉行も詰腹とブチ上げる座敷の障子には、銛の影がゆらりと映る。
*漁期でもないのに起こる紛争は水路確保のためで、流通させるのは阿片。小網町を仕切る加納屋は雑魚、宇兵衛を罪に落とす南町奉行も小物、阿片でウハウハの大物は上様御側衆で大奥ともつながり。いちおうお伺いを立てに行った右近にならんならん手を出すなの稲葉老中に、右近は「またですか」と嘆息、叩頭して去る場面に鯨船出撃テーマが重なって鳴り響く。*宇兵衛が捕われるや即牢破りを企てるおきた、短筒持って単身加納屋を殺りに行きかける宇兵衛と、二人ともキレてる親子がなかなか笑える。
第22話「死神が乗った流人船」
意に沿わぬ重職を毒殺し幕府を牛耳ろうとする奥医師、加担するは火盗改で意味もなく無宿人を狩り、流人を毒の実験台に。助かった流人から事は漏れ、ワルは悉く拝領刀の露と散る。
*流人に差し入れの毒饅頭をネタに奥医師を擽りにかかる右近、消された菓子屋から出てきたと称し食えと迫り、躊躇するワルの前で自らパクつき二口目で「ウゥ」と倒れこんで見せばぁっと顔を上げ「なんちゃって」…。
*今回は船を沈められた将監も一緒に稲葉老中に膝詰談判、ならん困ると言いつつ「代わりを探せばいいんじゃ」と教唆。
第23話「佐賀町河岸の女」
三俣中州埋め立てをめぐるトラブル、養生所建設を志す篤志家が邪魔な悪徳商人側のプランは歓楽街建設。ワルは殺し屋を雇い篤志家を狙うが、スナイパーの男はその善人の後妻の元亭主なのだった。
*黒幕の大番頭と悪徳商人に殺し屋一堂に会す座敷に船ごと突っ込み、これで二回目。まず銛が打ち込まれ、次いで船首が障子突き破って座敷へ乗り上げ。銛は回収している右近だが、お座敷へ「座礁」した船はどうするんだよいったい。
*狙撃手の伊佐吉に長谷川明男。
第24話「片道手形は死の匂い」
盗っ人の上前をはねる逃がし屋、これとつるむ旗本に火盗改。お店で凶行を働かれたうえ犯人にされた男を保護した右近は部下が射られるにおよびブチ切れ、ワルの座敷の金箱に銛が突き刺さる。
*旗本に御木本伸介、逃がし屋に須賀不二男、火盗の変態人斬り同心に勝部演之。
*多門が射られたあと一応稲葉老中にお伺いをたてにゆく右近、証拠が揃ってナイから来た・イイですネとつらっと言うのに老中「ならんと言うたら」と返す画面に水門オープンが重なる。ラス立ちでは火盗同心を最後に丁寧にメッタ斬り。
第25話「闇に消えた三億両」
一山当てると江戸へ出たまま不明の父を求め佐渡からやって来た兄妹、しかし兄はワルを嗅ぎ回るうち落命。残された妹は役人に不信を抱き頑な、それを見た多門は蛮勇を奮い単身悪の巣へ潜入する。
*抜け荷を匂わせ実はくすねた佐渡の上納金を搬入という大ワル、船頭を次々始末のほか目をつけられた仲間もあっさり消す非道ぶり。タレコミ屋を盲信するなと多門に忠告するお奉行の一言が伏線に。*鯨船出撃シーンが新バージョン。
第26話「仁義なき暗黒街」
埋立工事独り占めを目論み嶋屋に仕掛ける悪党、挑発に耐える嶋屋だが子分を二人血祭りにされ遂に大号令。右近が止めても聞かないが、当の相手は破れ奉行に持って行かれてしまうのだった。
*嶋屋が一時身を寄せる船宿の女将に本阿弥周子、嶋屋の片腕に藤巻潤、黒幕の元老中に嵯峨善兵、嶋屋と対立する徳蔵に小林重四郎で子分が黒部進。*稲葉老中、決断を迫る右近に何も聞こえんと指で耳栓、「これ右近」の声に水門オープンの音が重なる。悪党の座敷は自動襖で、徳蔵なんか短筒持ってるものの構える暇もなく殺られ、ぶざまに逃げ回る隠居の背には巨大銛がぐっさり。
第27話「ペルシャ猫の女王」
仙台藩の米の扱いをめぐり火花を散らす商人たち、采配を握る重職に媚びへつらうが相手は猫フェチで、珍騒動が持ち上がる。
*猫フェチなのは金田龍之介で、妙な毛並のキジトラ抱いてイッヒッヒと巨体を揺するのがちょっと阿部怪異。引っ掻かれて猫奪還をしくじった部下を叱責するのに「猫は猛獣だから美しい」とやるあたりは、もっと怪異じみている。対立する米問屋は小松方正と左右田一平。互いに子供をさらいあい見殺しという、けっこう悲惨な展開。
*成敗はスピーディ、家士が駆けつける間も無く大量の懐紙を舞わせて去る。
第28話「二十五年目の父子唄」
実の親子の偶然の邂逅、命懸けで息子を庇った父に縋り泣く青年を見た右近は、欲まみれのワルを成敗に鯨船を走らせる。
*架空の息子の話が得意の団子屋の親爺に桂小金吾、母と自分を捨てた極道な父に反発し名も変えている息子に目黒祐樹。名手の掛け合い人情劇が見もの。「成敗」前にはもうダメそうなのに、ラストシーンは二人で仲良く団子屋やってて笑える。
*稲葉老中には一応お伺いを立てにゆき「ならんならん」にあっさり頭を下げ「夜分とんだご無礼を」←この台詞に水門の開く音が重なってる。
第29話「裏切りの暗黒街」
おきたがふと漏らす、父と右近が対立したらの一言は的中。嶋屋が浅草を任せている連中が川船奉行と組み仕出かす抜け荷、悪事を隠匿するためいとも簡単に奪われる命に右近は激怒する。
*口封じに雇われた島帰りの弓師は、胸を病んだ馴染みの女郎を落籍すため手を汚すが、遂に右近を暗殺する羽目に。お奉行射られて倒れるんだけど、下に胴着着けてて無事「俺の芝居うめぇだろ」…。
*稲葉老中、久々の「教唆」はキョーレツ「見逃す?馬鹿を申せむしろ問答無用で叩っ斬ったほうが…オトトト口が滑った老中ともあろうものが、右近忘れてくれよ」→鯨船は川船奉行屋敷に突入(ワル歓談の座敷が震動、なんだこの船はの声上がり「川船奉行のくせに船見て驚いてんじゃねぇよ」の声が降ってくる)。
*悪役陣えらく豪華、弓師に浜田光夫、川船奉行に北原義郎、抜け荷一味に南道郎と江幡高志、嶋屋の腹心に内田勝正(ワルではなく親分の命でワルを探索)。
*冒頭、右近が深川奉行に就任して半年とナレーションにある。
第30話「必殺!琉球おんな拳法」
将軍の信頼厚い大番頭は、特に許され支配する御朱印船で密貿易。つるむ琉球王府の重職とかいう怪しの拳法家は、琉球娘に仇と狙われていたり。彼らを探っていてた隠密の青年が落命するに及び、破れ奉行出動。
*稲葉老中の「ならんならん天膳には手出しはならんわかったな右近」に黙って襖をすーと閉めて出てっちゃう右近。障子を閉める音と水門オープンのギギって音が重なる。琉球拳法の達人との殺陣は見もの、手刀を銛で受けて防ぎ損じる右近「折れちゃったァゴメンよ」なんて言ってそう。
第31話「暗黒街の悪の花」
深川奉行兼任を狙う火盗改長官、嶋屋も邪魔だから同時に始末しようとはかるが、用済みの情婦もすぐに始末する周到さの割に粗漏、企みは全て右近にバレてしまう。
*火盗の手勢に襲われている右近のもとに短筒ぶっ放しながら駆けつける、元気な嶋屋のじいさまが派手。
*火盗改長官が賊に奪わせた二万両を下げ渡せと稲葉老中に迫る右近、賊の放火で焼け出された民に餅でも配るみたいに気前よくばらまく。乱暴な要求に稲葉老中「右近そちは欲ボケしてか」「早速の御承認忝のう存じまする」「誰が承認するかコラ」→気前良く金ばら撒いてるの見て「うぐぐぐ」←嶋屋が酒席でこれの形態模写して笑いをとる。
*火盗改長官は睦五郎、えげつない情婦に北林早苗。
第32話「さすらいの異人花」
出世のためには手段を選ばず、果ては我が娘をも始末しようとする悪漢は破れ奉行の刃に散り、父を求め長崎から出てきた娘は父代わりの暖かい存在を得て帰ってゆく。
*大目付とオランダ人の間に生まれた娘にジャネット八田、むかし彼女を助けた通辞に長門勇、大目付は佐竹明夫。
*大目付は銃フェチ。右近、珍しい銃をちらつかせ大目付の手下が取り上げに来ると例の甲高い声で「あー、惜しいなァ、大川に捨てちゃったァ」。
*右近の暴走を止めようとする老中だが「ご老中、聞くところによるとコロリが発生しているとか」「なんでも米澤監物様の屋敷近くで続発しているとのこと」「夜分ご無礼を」←水門開くのと重なる。右近の「言い訳」にはいろいろあるが、コロリは傑作。他に地震とか心臓病とか頓死とか…。
第33話「深川奉行危機一髪!」
門前に大砲ぶっ放された遺恨は消えておらず、紀州藩は殺し屋を雇うがこれがトンデモ。夢法師と称する名前も怪しい集団の首魁はおじゃる、綿密に相手を調べ上げ思いきり姑息な手を用いるが、負けそうになると頭巾とって勅使随行だとそりくり返り、右近に礼をとらせる。もちろん深川でこんな真似をして、ただで済むはずがない。
*おじゃるの殺し屋は成田三樹夫、妙な公家を演らせると絶品。子供に弱いのをおじゃる一味に観察されて爆破に巻き込まれる右近、包帯巻いて寝てる姿が愛くるしい。
第34話「難波屋おきたが二人いた!」
殿様の頓死後、跡目を狙う荒くれの弟を恐れ若君とともに逃げた側室は、嶋屋に辿り着くや死亡。その顔はおきたと瓜二つ、若君を保護する嶋屋に圧力がかかり果ては始末に出てくるが、撃たれた父の仇を討ちに、おきたは旗本屋敷に乗り込み威勢良く啖呵を切ってみせる。おきた乗り込みと同時に水門が開いていて破れ様一足遅れて登場、おきたに当身を食らわせたあと成敗の血刀を振るう。
*実の孫である若君を可愛がる嶋屋、デレデレ気味のおじいちゃんぶりが可愛い。
第35話「闇に散った怨み花」
多額の借金をチャラにするため商人を陥れる大名もグルの町方も、まとめて闇に裁かれる。母の薬代のため彼らに追い使われ、用済みとなるや消される芸者の哀話がからむ。
*芸者は赤座美代子、隣人の木彫職人は西沢利明で元大隅藩典医の弟子という因縁。「医者」の彼にお礼を言いたいフランス人が深川奉行所に捜索を依頼し、ワルどもに所在がバレてしまうのはなんかお間抜け。大隅藩家老は武藤英司、グルの南町与力は川辺久造。
*稲葉老中に掛け合いに行く右近、ご老中ダメだって言ってるのににこぉと破顔、「聞いておるのか」の台詞に水門オープンの音が重なる。
第36話「待伏せ!老中暗殺」
大名登用を阻まれたと稲葉老中を恨む大目付が、乱暴極まりない暗殺計画を仕掛けてくる。深川奉行所の動きを知るため利用される堅物の南町同心の哀話が挿んであり、老中の替玉に行脚中の新兵衛さんが立ち寄り協力したりする。
*派遣されてくる南町の堅物に中野誠也、大目付は稲葉義男でグルの南町奉行は横森久、一味に加わっている南町同心の義弟は藤木敬士。
*まず駕籠を襲われ負傷して寝込む稲葉老中、しまいに寝所を爆破されるが厠へ行ってて助かり。
第37話「梅の一八三三の女」
両国橋改修におけるきっつい不正。担当者を暗殺して成り代わった御側用人は、懇意の業者に手抜き普請を命じ差額をたんまり懐に入れる算段。右近の動きを封じようとして、闇討ちはおろか奉行所に放火、果ては見積もりを頼まれた青年を殺すのに橋番の爺さまを巻き込む非道ぶり、銛持った人が出てくるのは必然。
*長崎から呼ばれた技術者に有川博、彼の幼馴染の芸者に二宮さよ子。タイトルは芸者が買った富籤のナンバーで、一番違いの籤が犯行現場に落ちている設定。
*今日のイナバくんと右近「証拠はございません。ただそういう事実が」「コラ右近待て」←水門オープンが重なり。
第38話「深川奉行危機一髪 PART-2」
新任目付の堅物が巻き起こす騒動、深川に出没する鯨船に乗った殺人鬼を捕えると息まくが、遊び人の親父さまが悪党どもの道具に使われ殺されてしまう悲しい目も見る。みずから抜け荷摘発の臨検に立ち会い、丸わかりの悪党がのうのうと逃げ延びるさまを目の当たりにしたお目付は、今夜こそアレが出ると推測し、悪徳商人の庭に潜んで銛を持った殺人鬼を待ち受けるのだった。
*長崎犯科帳や日本犯科帳でもヨロキンと名コンビだった新克利がお目付の堅物をつとめる、シリーズ中でもお笑い要素強めの傑作な一話。爆笑ポイント多数あり、登場時の稲葉老中への言上からして凄い。動議は深川奉行解任で、1年に100人以上の重職と家来が殺されているとブチ上げ、下手人は同一人物と断ずるから大笑い。その「殺人鬼」が鯨船に乗っていたとウラまで取って来ていて、正体は向井将監だと決め付ける一幕まである。そして庭で入ってきて出てゆく右近をきっちり見てしまうが、「夢だよ」と丸め込まれきょろきょろ動く目の可愛さったら、極上。
*目付の親父さまは下元勉で、馬鹿囃が趣味の通人。黒幕の長崎奉行は御木本伸介。
*今回の破れ奉行の啖呵は将軍に成り代わって、じゃなくて「天下の町民に成り代わり、てめーらぁ、斬る!」なのも微妙にお笑いポイント。
第39話(終)「さらば!深川奉行」
深川ウォーターフロント地上げは、幕閣とつるんだ豪商が長崎港の機能を江戸へ持ってきてべらぼうな利権を貪る企み。これは右近の茶々で沙汰やみとなるものの、悪謀による無辜の死に破れ奉行が黙っているはずもなく、「四井」の手先はおろか老中も若年寄も皆殺し→結果、深川奉行所は廃止、しかし右近は堺奉行に「昇進」の辞令が下るのだった。
*四井の手先は山本麒一、老中は中山昭二、殺し屋が森次晃嗣、地上げに一役買わされた挙句倅を消される被害者に織本順吉。
*「なんてことをしてくれたんじゃ」と言いながら、左遷ではワシの点数が減ると辞令を渡す稲葉老中、「早う行け、そなたがおると寿命が縮まる」と悪態つきつつうるうる涙目。堺に行っても拝領刀と斬り捨て御免はアリ?と聞く右近には「わしゃ知らん」。
*堺へ発つ右近は着流しのまま、おきたの追っかけが父親によって示唆されるほか、多門と皆川に岡っ引二人は「ついてゆきます」。
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