2004CX/東映 SP放映/2005
キャスト
春日局(おふく)/松下由樹 お江与/高島礼子 お万/瀬戸朝香
お玉/星野真里 鷹司孝子/木村多江 お楽/京野ことみ お夏/野波麻帆
葛岡/鷲尾真知子 吉野/山口香緒里 浦尾/久保田磨希 朝日奈/梶芽衣子
徳川秀忠/渡辺いっけい 徳川家光/西島秀俊 半井隼人/金子昇
徳川家康/藤田まこと
大奥の創始者・春日局の半生を描く物語。シリーズ前段は家光の生母・お江与の方と乳母・おふくの確執、中段では大奥総取締として権勢を誇る春日局、後段では家光の側室たちのドラマが展開される。
*初回と最終話はスペシャル拡大枠。
第1話 「負け犬からの脱却」 2004.10.7
家光の世は春日局の天下であったと説明されるなか大奥の情景が映し出され、御年寄・朝比奈に局のことを尋ねるお玉のくだりから、「おふく」の過去へスイッチ。
夫に離縁され京へのぼり、おふくは家康が立てた乳母公募の高札を見る。今回は竹千代ぎみ誕生を描く。婚家で自分を負け犬と侮った妾を刺したおふくは、江戸城において再び侮蔑の言葉を浴びるのだった。
ロケ地
・江戸城天守、姫路城天守。大奥御切手御門、菱の門。お末が立ち働くシーンは天守塀際から西の丸を望むアングル。
・美濃の里・稲葉正成邸、民家門。
・京・粟田口刑場、罧原堤下河原。おふくの母が民衆に嬲られる刑場柵外、酵素河川敷。
・夫に離縁されたおふくが去る道、酵素ダート。京へのぼるおふくが歩く道、嵐山自転車道(街道)〜保津峡落合落下岩〜大覚寺天神島(雨)〜清滝河畔〜昼をつかう竹林、わらびの里?〜大覚寺護摩堂(雨宿り)〜落合河口(乳を搾る)。
・頼って訪ねる京都の西三条家、妙心寺玉鳳院(後段、高札を見て走り戻るシーンは放生池越しのロング)。
・乳母に応募しにゆく京都所司代、審査を受ける部屋は随心院表書院。
・大御所に会いにゆく二条城、外観は本物、家康の座所に向かう階は粟生光明寺本堂裏手・廟所への階段。
・竹千代をあやすおふくにキツい視線を投げかけるお江与の方、彦根城玄宮園鳳翔台。
*10時台にもってきてくれたお蔭で血塗れなんかもアリでナイス。300年生きてることが判明した大奥備品の浦尾ちゃんたちトリオのほか、「家定公」も登場して山賊で「あずみ」ふう。しかしなんといっても斎藤利三処刑が圧巻、福ちゃん磔刑(はじめから死んでる)。
第2話 「捨てられた若君」 2004.10.14
いよいよ始まるドロドロ女の戦い、国松誕生ののちはあからさまに竹千代を遠ざけるお江与の方。おふくへの憎悪日ましに募り、妾殺しの一件を満座の中で広言、空気を凍らせる。そしてなお母のよすがとして拾った布を傍らに置く竹千代には、「生まなければよかった」の言が降りかかる。
今回は思いあまって大御所に直言の旅に発つおふくで幕、決心せしめたのは磔刑台の父の幻影(福ちゃんイリュージョン)。
ロケ地
・竹千代が初めて歩く庭、および国松をべたべた構う母を見つめる竹千代のくだりは彦根城玄宮園。
・おふくに御台の機嫌を損ねるなと諭す秀忠、および小姓に取り立てられたおふくの長男に離縁の経緯を迫る村雨、粟生光明寺方丈。
・登城の稲葉を見て嘲るお江与の方、粟生光明寺回廊。
・菊の節句の宴、姫路城西の丸。
・伊勢へと偽り駿府目指して発つおふくの行列、好古園茶の庭前、ロングから寄ってゆく。
第3話 「命がけの密事」 2004.10.21
おふくの大御所への訴えは功を奏すも、程なく家康は逝去し乳母追放の危機。ここでお福の企んだ秀忠籠絡の策は、保科忠之を誕生せしめる結果に。
今回はベソかき竹千代いきなり青年将軍・家光にヘンシンで幕。
ロケ地
・駿府へ赴くおふくに追いついてくる稲葉正勝、琵琶湖西岸松原。
・駿府城、彦根城天守。大御所逝去のイメージに化野念仏寺石仏群(灯明あしらい)。小姓たちがおふくの三男にして国松づきの正利を苛めるシーンは彦根城玄宮園か。
・狩りの秀忠、酵素ダート〜河川敷(雉は「木」にとまらせてある)。おしずが足盥を持ってくるのは民家セット(竹林越しのアングルから導入)。
・野点の席でおふくを辱める言辞を吐くお江与、姫路城西の丸。
・おしず出産の民家、不明(手前に石積みと築地)。
*三話目でも出る斎藤利三磔刑イリュージョン、今回は遠景でセンセイのお顔はぼんやり。*恐妻家の秀忠、ブルブル震えながらも国松の越権を叱りつけ世継ぎは竹千代と宣言のくだり、ウマい。
第4話 「母上の死」 2004.10.28
将軍・家光の癇性な放埓、大御台・お江与の方の自滅的ともいえる死に様を描くドロドロ愛憎劇。
遠かった母の手は、断末魔に「竹千代」を求め虚空に落ちる。
ロケ地
・お江与とおふく対峙の廊下、粟生光明寺方丈(見返りのロングは合成っぽい。細かい要素が微妙に違い、相国寺方丈みたいな部分もあり)。
・秀忠の一度きりの浮気におふくが噛んでいたと知り、野点の席でお茶ドボドボのお江与、姫路城西の丸。
・家光に「男狂い」の風評について糺すおふく、彦根城玄宮園池畔土橋。
・帝に拝謁のため京にのぼる一行がくぐる城門、姫路城菱の門。見送る女たちの背後に天守。
・お江与の方不予の報が入る京のイメージ、二条城二の丸御殿門。
・稲葉正利の死後、おふくに自分を息子と思えと告げる家光、彦根城臨池閣。
*今回の「美味でごじゃいまするぅ」は芥子蓮根。
第5話 「囚われた尼君」 2004.11.4
権勢いや増す春日局、悩みは家光の女っ気ゼロ状態のみ。だから珍しく上様が女見てたと聞くや、それが尼さんだって還俗させて大奥取り込みという無茶をやらかす。今回は髪が伸びるまで座敷牢に監禁して、めでたく将軍の寝所に侍らせるまでを描く。監禁部屋にはほかに謎めいた狂女もいて、家光お気に入りの笛吹き青年の姉だったり。
ロケ地
・御所廊下をゆく慶光院(のちのお万の方)、平安神宮橋殿。
・民に施しをする慶光院、大覚寺勅使門と橋(門は開いていて宸殿がのぞく)。隙見の家光は大沢池畔に駕籠。お玉と話しながら歩く慶光院、天神島朱橋〜放生池堤(家光の駕籠が放生池北岸をゆく)。
・慶光院江戸拝領屋敷、随心院薬医門。
・江戸城天守に姫路城天守。
*今回トリオが貪るのは草津名物・姥ヶ餅。R1傍に店あり、「美味でごじゃりますぅ」。
第6話 「覚悟の夜」 2004.11.11
春日局の説く「徳川家存続による平和と安泰」のため、世継を産む女となる決心をするお万の方、お褥が無事済みほっと安心の幕閣。しかし春日局は女はお万一人でないと発言、参詣に出た寺で物売りの娘に目をつけるのだった。
ロケ地
・中の丸御廊下、清凉寺本堂裏手回廊。
・音曲の宴、姫路城西の丸。
・春日局参詣の寺、清涼寺本堂。
*お玉、トリオに水ぶっかけの無茶が幸い、朝日奈さまに声をかけられ「尼君」と再会を果たす運びに。罰の桶持って立たされの表情が可愛い。トリオのつまみ食いは長崎回りの「コーシー」砂糖入れてないので「美味ではございませぬぅ」。
第7話 「新たな側室」 2004.11.18
次なるお部屋様を画策の春日局、魚屋までゲット。アピールにぱっと脱いでみせる女と、お家再興のため恋人と涙の別れをしている女と、波乱の予感。
大きな動きは、囚われのキリシタンの姫の自刃。これを受けて笛吹きは上様に斬りかかるが果たせず。
昔の大奥と違い、イケズにも何らかの理由付けがなされているのは時代か。
ロケ地
・おらんが恋人と別れの水辺、広沢池観音島。
・姉を牢から出した隼人がゆく道、大覚寺有栖川畔。おぶった姉の異常に気づき下ろすのは天神島大木の根方。
第8話 「将軍倒れる」 2004.11.25
大筋は、新規参入の側室とお楽懐妊、上様の痘瘡発病。お万の方は城を退いた笛吹きと再会、春日にチクられて万事休すかと思いきや上様の大事で追求吹っ飛び。
ロケ地
・お万の方を見かけるも娘と認知せず会釈の六条卿、大覚寺五大堂。
・上様との閨を控え懊悩のお楽に優しく声をかけるお万の方、彦根城玄宮園竜臥橋。
・御台の誘いで赴いた寺で笛吹きと再会のお万の方、鹿王院(その前に隼人がキリシタン狩りの噂を聞きつけるのは参道、孝子とお万の方が座る縁先は客殿前廊で背景に舎利殿)。
・春日局にお万の方と隼人のことを聞きクサって鯉に餌やる上様、お万の方が来て疑念を上塗り、彦根城玄宮園土橋(背景に臨池亭)。
*トリオの食べるのは干し芋?賭けのチップに使ってて、「美味でごじゃりますぅ」はお玉の追求から逃れる道具で旨いかどうかは不明。
第9話 「非業の死」 2004.12.2
大筋は、天然痘がからくも治癒の上様と、キリシタン弾圧中止を訴えて「間違って」斬られ落命する笛吹きのお話。危篤の枕辺にお江与がアルカイックスマイルで座ってたり、事あるごとにお万を睨みつける春日局の顔や、スプラッタに流血して斃れる笛吹きなど、印象的にしてコワい映像が連続する。訴状はやっぱりちゃんと竹の先に挟んで行かないとね。
ロケ地
・増上寺参詣と称し隼人に会いにゆき逃亡を示唆するお万の方、鹿王院(舎利殿前、客殿縁先、回廊)。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・おりさが上様に紹介される野点の席、姫路城西の丸。
・お万の方と逍遥の上様、彦根城玄宮園竜臥橋。
・東照宮へ出立の上様、姫路城西の丸。
・道中小休止の山道、瑞穂の造成地。
・隼人が斬られた時刻、紅椿が落ちるのを見るお万の方、彦根城玄宮園蘇鉄山橋そばの植え込み。
第10話 「許されざる生命」 2004.12.9
大筋では、心離れていた上様とお万の方が曲折を経て胸襟を開き語り合うようになる流れ。
事象は、お楽の男児出産、お夏の懐妊、隼人の死に打撃を受けたお万の方の引篭り→お褥すべり願い出の末の懐妊発覚。「男のお褥すべりはないのか」と嘆息する家光のセリフが笑える。
ロケ地
・御廊下で行き会う春日局とお万の方、粟生光明寺方丈前廊。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・春日にお褥すべりを申し出るお万の方、相国寺方丈北廊(座敷から見るかたち)。
・お楽の出産後、早暁の庭で話す上様とお万の方、彦根城玄宮園竜臥橋。
・お万の方に懐妊の兆し見える中の丸御廊下、清凉寺本堂裏手回廊。
第11話 「命果つるとも」 2004.12.16
春日局の終焉を描く最終話。
どうあってもお万の方の出産を許せない春日は、遂に膳に一服盛る挙に出る。しかし廊下にお江与の幻を見、お夏の産んだ赤子を抱き、突如思い直してお膳ひっくり返しに乱入。そこで倒れ床につくが、家光が痘瘡に罹った折の願掛けを頑なに守り弱り果ててゆく。
ロケ地
・家光にお万の腹の子は不義と吹き込む春日、彦根城玄宮園蘇鉄山橋。あとで上様がお万の方の肩の紅葉とったりしているのも同所。
・天守イメージに姫路城。
・家綱・綱重となる赤子らがあやされるお庭、姫路城西の丸。
・おふくの辞世を口にする上様に、腹の子はちゃんと産むが公式には死産扱いにすると告げるお万、東福寺通天橋(紅葉に映える通天橋をゆく二人を遠景で映し、寄った絵は方丈通天台に切り替わる)。
*本人に拒絶され、上様に嘘ついちゃダメと怒られ、窮した春日が膳方に現れる姿はまさに幽鬼の如し。また、ほとんど死にかけてるのに、しゃんとなりを整え女たちに最後の挨拶を述べるくだりは圧巻。息子の赦免を告げにきた上様に、勘当した者ゆえ御無用と言い放ち、自分から意地をとったら何が残ると吼え、まだ用事あるんでそっち行っててと退けるあたりは傑作。で、深々と一同に頭を下げた姿勢のままころんと逝く…凄すぎ。*どーするんだのお万の子は、表にはお玉の子として処理され、女たちのシークレット扱いとなる…犬公方と桂昌院なんだよね、コレが…。
スペシャル 「桜散る」 2005.4.8
死の床に伏す家光、小康を得たひとときに見舞いに訪れた女たちの懺悔を聞く。御台・孝子と長子家綱生母・お楽の方のそれを中心に、春日局との関わりを追想する作り。その夕べ、実の母子である徳松とお万の方が爛漫の桜花を手折る姿を見て、家光は静かに眠りにつく。
ロケ地
・将軍重篤の事態に緊張する城内、姫路城天守を映し、医師が走る廊下に東福寺通天橋、登城の士に姫路城菱の門。
・兄たちと狩りに出た徳松がキジバトを射そこねる裏の林、大覚寺五社明神裏手。
・朝日奈にお玉が重職たちに運動と聞いたお万の方が憤然と向かう廊下、東福寺方丈前廊。
・家光の回想、父・秀忠の兎狩り、下鴨神社糺の森池跡。
・孝子の回想、京・三条西家へ赴き帝に拝謁のため位を乞う春日局、大覚寺式台玄関。参内イメージ、二条城二の丸御殿車寄。
・お楽の方とお万の方が家光の病間に向かう廊下、東福寺方丈東庭渡廊。
・お楽の方の回想、病の母に会いたくて四万六千日の祭りの日、物売りに変装して出る広場、姫路城西の丸。
・南小路時安と楽しげに話す御台・孝子が春日に目撃される中の丸の廊下、清凉寺本堂裏手回廊。七ッ口を経て出る御切手門、姫路城ぬの門。恋しい待ち人が来ないのは春日局の差し金と知った孝子が放心して歩く途中、仲睦まじく催しを楽しむ家光とお万の方を目撃してしまうのは姫路城西の丸。火事騒ぎのなか戻ってくるお楽の方、姫路城菱の門。
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