第三シリーズ スペシャル テレビ朝日/東映
将軍が消えた!?吉宗暗殺の渦巻く紀州和歌山 1988
吉宗に陰謀の手が伸びる。今回は偽物を仕立てて、次期を尾張に譲る旨宣言させようという趣向。偽物の浪人は松平健の二役。新さんは早桶に詰められて海に投棄されたり、海辺の崖地で立ち回りなどいっぱい危ない目に遭う。思いもよらないほど質素な将軍の日常に接する偽者のくだりが傑作。舞台は江戸から紀州へと派手に展開。
ロケ地
・紀州に不穏な動きありと告げる早馬がゆく道、谷山林道〜嵐山自転車道。
・弓のお稽古上様に暇乞いにくる紀州宗直、枳殻邸印月池畔芝地。
・乗馬の上様に懐剣を返しに来る忠相、下鴨神社馬場。
・参詣に城を出る上様、大覚寺式台玄関。寛永寺をゆく駕籠、仁和寺参道。上様の駕籠にまんまと乗り込む偽物、中門下。本物の上様をたばかり別の駕籠に乗せる、観音堂前。
・海から上がってきたあと紀州へ発つ新さん、嵐山自転車道。
・左源太の報告を聞いたあと僧兵に襲われる和歌山東照宮、本物。
・将軍のストイックな日常を知り考え込む偽物、枳殻邸印月池汀。偽物の将軍が入る和歌山城、城郭各所のほか紅葉渓も使われる。
・和歌山城下の新さんのねぐら、大覚寺護摩堂。
・部屋住み時代の上様を助けた山伏とその娘(偽物の嫁)の消息を報告の疾風、紀三井寺。
・山伏が殺され娘が拉致される山中の小屋、酵素。雑賀崎や根来寺は本物、海浜に白浜。め組の衆とばったり会う新さん、大覚寺五社明神。
*山伏の娘は「頼方」に恋をしていて、そっくりの浪人を夫に選んだ経緯がラストに尺をとって描かれる。山伏は高橋悦史。*今回の陰謀も尾張の仕掛け、姫路藩主が噛んでいる。全部バレてるのに白々しくバックレる憎さげな宗春には再び中尾彬をキャスティング。*福ちゃん二態、女郎屋で「紀文」をシメるならず者と、母子誘拐未遂の侍。
初富士の花嫁 吉宗の禁じられた恋! 1989
上様が気に入る女はみんな手が届かない女という法則に準拠した一作。
徳田新之助が助けた娘は公家娘、世間知らずの姫は一発で新さんに参ってしまい、上様のほうもちょっと浮かれたりするが、姫は水戸家へ嫁ぐため出府してきた身で、ハナから成就するお話ではなかった。
姫が狙われたのは水戸家の内紛、公金横領で父母を処刑されたことを恨んだ男が、家老たちを抱き込んでややこしい復讐劇の筋を書き、姫の命をしつこく狙いまくり。そしてお話の根幹は、水戸家の若君と姫が事件を経て固く結ばれるラブストーリー。結局、上様は人の恋の世話を焼いて爽やかに去ってゆくのだった。
ロケ地
・流鏑馬の上様、下鴨神社馬場(幔幕張って、酒席をしつらえ)。
・清涼庵、中山邸通用門、参道、庭(新年の挨拶にゆく上様のくだりと、松子姫を預けるくだりで使用)。
・ヤクザに追われる道中師のお紺、御室霊場。
・結婚相手の人体を確かめるべく出奔した姫がゆく道、広沢池東岸堤道。
・水戸藩邸、大覚寺大門、式台玄関。庭で鍛錬の若君、相国寺大光明寺石庭。
・伝奏屋敷、門不明、庭は嵐亭延命閣。
・忍びに襲われた松子を助けた新さんが待ち合わせの水戸家の若君と間違われ姫にひっぱたかれる、大覚寺天神島。
・お紺らが拉致した松子を奪いに来る忍び、仁和寺林間。船で逃げる忍び、広沢池東岸汀。
・南町から松子を連れてめ組へ向かう新さん、上賀茂神社ならの小川畔(雨、傘の内で抱きつかれる)〜神事橋、鳥居脇柵前。
・め組で保護されていた松子を連れ帰る水戸の若君、話しながら歩く道は仁和寺金堂前。
・水戸藩邸の茶会、姫に毒を盛る茶席は大覚寺宸殿白州に席をセット、ラス立ちはここで(福ちゃん入り)。
*姫一行がゆく三保の松原と、ラスト愛のキューピッド上様が馬で駆けてくる海浜、駿河湾か。
*森マリア演じる道中師は、前シリーズでの設定をクリアされていて名も違うが見た目などそのまま。潜入捜査に協力し落命する設定で、おふざけは少ない。*上様の悲恋設定、本人はめ組で浮かれて照れてるくらい、まわりが囃し立ててるだけでなんだか物凄く鈍いんだけどの新さん、にぱーと笑って二人を祝福…馬を駆って現れ、鮮やかに馬首を返すとこはかっこいいんだけどねぇ。*「水戸」家の若様が姫を受け取りにめ組へやってくるくだり、身分を示すのに出すのがアレによく似た「印籠」で笑える。
みちのく血判状!魔性の谷の決戦!! 1989
事件は国境をめぐる藩の対立、領地を侵犯する御家門のごり押しの裏には銀山。その銀をもって更なる陰謀が進行し、吉宗の治世を揺るがそうとしていた。スペシャルなので、もちろん陰謀のおおもとは尾張宗春。綺羅星のごとく悪役陣が配され豪華、なかにはかつてお庭番をつとめた和崎俊哉がいて楽しい。また、陰謀により暗殺される三春藩主には、元お庭番の荒木茂がキャスティングされている。
ロケ地
・三春藩上屋敷、大覚寺大門。
・白河藩邸から帰る三春藩主の駕籠が襲われ毒矢を射込まれる坂道、二尊院紅葉の馬場。
・三春藩主の死について忠相の報告を聞く上様、枳殻邸印月池畔。
・陸奥・三春城、彦根城天守閣。三春領高木神社の三匹獅子舞、大覚寺五社明神舞殿前。領地争いの舞台となる藩境山中、白水峡か。
・尾張藩上屋敷、随心院薬医門。中の庭には大覚寺宸殿前白州を使用。
・三春藩の若侍たちが暴発し国元へ向かう、大覚寺明智陣屋前。
・三春藩近習で測量担当の平井泰助が婚約者とめ組へ向かう道、大覚寺天神島。
・三春藩の奥方と若君が墓参の香泉寺、金戒光明寺本堂裏手墓地。これを襲撃した浪人たちが口封じに消される坂、長安院下坂。奥方が押し込まれる三春藩下屋敷、永運院。三春藩江戸家老の駕籠がゆく道、永運院下坂。若年寄・片桐大和守邸、起覚院。
・事後、泰助が協力しての測量が行われる武蔵野新田、広沢池西岸(水無し、様々なアングルが使われる)。その向こうで馬を駆けさせる新さんは東岸汀。
危うし将軍の座!吉宗、試練の目安箱 1989.10.7
大奥改革に着手した吉宗は月光院の不興を買い、一方紀州在から連れ出された若者が御落胤に仕立てられ江戸へ。二つの動きが合わさり、吉宗を廃そうとするうねりとなって大騒動に。この間、上様を思う姫の逸話が挿入される。
ロケ地
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・紀州・熊野山中の山なみ、谷山林道から見た山地、山道は切り通し。
・和尚が殺される岩松寺、西明寺山門。
・大奥改革を宣言したあと忠相と馬をやる上様、下鴨神社馬場。
・修験者たちが入る小石川・延命寺、大覚寺大門、供侍前。
・増上寺へお忍びの上様を襲う虚無僧、下鴨神社馬場、糺の森林間。
・弓のお稽古上様に竹姫との結婚話を持ってくる田野倉のじい、彦根城玄宮園池畔。
・お光の兄のことを聞き回る半次郎、大覚寺明智門。
・更に聞き込みを続けるめ組の衆がくぐる木戸、大覚寺大沢池木戸。
・お光がお百度を踏む神社、木島神社本殿。
・延命寺へ入る月光院の一行、大覚寺式台玄関前石畳。そこへ出ようとして止められる修験者たち、宸殿通用口(宸殿側)。
・島津へ嫁す件について竹姫と話す上様、枳殻邸印月池畔。
・単騎熊野へ向け馬をやる忠相、嵐山自転車道(道標に「東海道」)。
・誘拐されるも「御落胤」に逃がされ戻った両替商の坊を連れ延命寺へ潜入する半次郎、訓練の修験者に海尊はと聞いてしまい囲まれる、大覚寺供侍前。逃げ出すところ庭番が煙幕で援護、参道石橋。
・紀州和歌山城イメージ、本物(忠相が家老と会うシーンの前フリ)。
・熊野へ赴く忠相、修験者に襲撃される山道は谷山林道、岩松寺の墓地は不明(爆破あり)。
・月光院付きの腰元として入り込んだお光が参詣のお供の延命寺で御落胤に仕立てられた兄を見る廊下、大覚寺宸殿廊下、回廊。
・忠相の諫止を聞かず御落胤との対面を決めたあと、辰五郎に正否を問う新さん、大覚寺大沢池船着(小)。
・明日はいよいよ御対面と勘定奉行に声をかける月光院、枳殻邸傍花閣前。
・お光が掏られた仏像を求め熊谷に赴き帰り道の半次郎、中山道大宮宿の街道は北嵯峨農地の畦道(茶店あしらい)。
・「妹姫」として上様に会うお光、彦根城玄宮園竜臥橋。
・故郷へ帰るお光と「兄」を見送りに馬をやる上様、下鴨神社馬場。船が出る六郷の渡し、広沢池東岸。
*お光に西村知美、竹姫に伊藤かずえ、姫付きの侍女・姉小路に南田洋子、月光院に池波志乃、権高お局・高瀬に中島ゆたか、御落胤騒動を仕掛ける行者・海尊坊に長谷川明男、延命寺住持に藤岡重慶、月光院と通じる勘定奉行に亀石征一郎。
*大奥改革の段で、見目麗しいお女中をセレクトの逸話が出る。集めたところで君たちお払い箱とやられ月光院クラクラ、このあとも同様の眩暈が襲う。
*竹姫との結婚ご破算は続柄が大叔母と言い立てられ、島津へ縁付く話が出るが進展せずにいるうちトンデモ結末に。暴将ならではの荒っぽい大奥、御落胤の事成らずを聞いた月光院と高瀬は二人して竹姫の部屋に乗り込み刃物沙汰、姉小路が月光院を刺し高瀬に刺され竹姫が高瀬を刺すが月光院が起き上がり姫をぶっすり、直後上様が来て死屍累々を見る運び。
激闘!大坂城 吉宗に挑む豊臣一族! 1990
急成長の上方商人、あざといやり口に探りを入れると出てくる陰謀の匂い。諸侯を金の力で抱きこむほか幕閣も蝕まれ、遂には朝廷に手を伸ばす狙いは幕府そのもの、その正体は豊臣の末裔なのだった。豪商・桐屋と対決すべく大坂入りの上様、大坂城で一戦ののち怪しの砦に乗り込み大立ち回り。
ロケ地
・大坂城、本物の天守を濠越しに。
・江戸城、姫路城天守。
・江戸進出の桐屋の四男坊・伊吉が番頭に立場を弁えろとお雪のことを注意される橋、中ノ島橋。
・桐屋のやり口を恋人のお雪に詫び駆け落ちを持ちかける伊吉、下鴨神社池跡。
・東海道を西に行きかけた新さん一行を襲う忍群、谷山林道分岐道下。同じ頃沼津へ一里半の東海道をゆくめ組の衆とお雪、下鴨神社泉川畔。
・桐屋の生駒山中の砦、神護寺山門、石段、金堂(決起集会)。
・海路をとり伊勢に上がったあと淀川沿いに大坂を目指す新さん一行、流れ橋(橋の下に忍者がうじゃうじゃ。彼らがここへ至る道に堤や法面の坂も)。
・新さん一行が落ち着く天満の浄雲寺、相国寺大光明寺。
・大坂城へ向かう「吉宗」の行列がゆく街道、不明(溜池など見える谷地田、バンク映像か←徳川おんな絵巻等で見た覚えあり)。
上様の身代わりをつとめた大御番頭と会い打ち合わせのやしろ、鳥居本八幡宮。
・大坂城乗り込み上様、大手門〜多門櫓(誰何される)〜桜門〜天守を見上げるのは刻印石広場から。
・伊吉が新さんを導く生駒の砦への間道、山道や降りる急崖不明(崖は養山中の砕石場跡っぽい)。砦での決戦は神護寺鐘楼、多宝塔、金堂等各所で。桐屋を倒したあと炎上のくだりでは金堂前に花火とスモークを盛大に。
・事後、伊吉とお雪が祝言と話す上様トリオが逍遥の江戸城の庭、不明(芝地に茶亭)。
*父を桐屋の陰謀で殺されたお雪に三田寛子、伊吉に太川陽介、桐屋一党に小野進也・平泉成・浜田晃、桐屋大旦那に織本順吉。桐屋の忍群・霧隠党構成員に福ちゃん。桐屋の桐は五三の桐、秀頼の血筋というトンデモで、霧隠党は霧隠才三の裔設定。*借金諸侯のリストに紀州藩、反省宗直は立ち回りに参加、マジ斬りでばっさばっさ。上様は桐屋のみマジ斬り。
→ 暴れん坊将軍 III 視聴記
→ 暴れん坊将軍 全話リスト
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