江戸を斬る
 V
  1980 CAL

キャスト
遠山金四郎/西郷輝彦 おゆき/松坂慶子
石橋堅吾/関口宏 お京/山口いずみ 金太/谷幹一
次郎吉/松山英太郎 お政/春川ますみ

 IVで一旦関東撮りになっていたシリーズ、Vからは元通り京都撮り。IVのキャストはほぼ継承され、石橋の旦那は相変わらず堅太郎ぼっちゃんにお説教を食らい、お奉行は「金公」呼ばわりされている。次郎吉の店にはかわいのどかが入り、お京はジュディ・オングから山口いずみにスイッチ。


第1話 (サブタイトルなし) 1980.2.18

 お話は、女が頭目の凶盗・夜叉神党の跋扈を描き、久松町の捕物小町成立過程が初回の縦糸になる。
頑固者の岡っ引・吉兵衛は単独調査のすえ賊の正体に迫るが、敢無く返り討ちに。娘のお京は仇を討つべく父の十手を手にアジトに乗り込むがたちまち危機に陥るところを、「大工の金公」と紫頭巾に救われるのだった。
 ロケ地、両替商で畜生働きをした夜叉神党を追う捕り方が走る、広沢池東岸。吉兵衛が船宿から出た大工を尾行する、大覚寺五社明神護摩堂(一味の男出てチャンバラ、金公介入)
*捕まってアジトに火をかけられ危機一髪のお京、悲鳴が「金公!」なのが笑える。


第2話「娘軽業 決死の仇討」1980.2.25

 見事な綱渡り芸で評判をとる軽業師のお志乃太夫、15年彼女を育てて親の仇を討つのに協力と見えた座頭の正体は盗人で、しかも当の仇自身だった。
逃げた志乃をたまたま「出ていた」紫頭巾が助け、渦中に飛び込んでゆく。志乃へのお裁きは次郎吉預けで、真砂の新メンバーとなる。
*今回、志乃から事情を聞くためお政が金四郎の身分を明かし、お亀ちゃんは立ち聞きしてひえー。もの驚きして階段を転げ落ちるかわいのどか×三回。お志乃ちゃんは次回からまさごの従業員としてレギュラー入り。


第3話「雛祭り 娘目明し初手柄」1980.3.3

 若年寄と回船問屋が組んでの抜け荷、雛人形に仕込まれた割符をめぐって大騒動。
はやるお京が危地に潜入したのも助けた金四郎は、その手に証拠の割符を握らせ初手柄を演出してやる人情噺。
*若年寄の川合伸旺、抜け荷の翡翠見てニター、とっ捕まったお京にヤラしいプラン(提案者・睦五朗)を思いついてニンマリ、とどめは金公に元結斬られて大わらわのかっこうで倒れざま不思議な笑みを浮かべる。


第4話「猫が知ってた大泥棒」1980.3.10

 妙に腰の低い、上方商人というふれこみの隠居は凶賊。一味の錠前破りがトラ箱送りになったと知るや、堅太郎坊ちゃんをさらい人質交換を申し入れてくる荒っぽさ。これを子猫は感知していて手を引っ掻くというのがタイトルの意味で、「金公」お奉行が大活躍のすえ遠山桜も見せるサービスつきでお白州に至る。
 ロケ地、隠居に猫を放り投げられいじけた堅太郎が佇む神社、不明。錠前破りが奪還されたのを追うお京たち、広沢池東岸。錠前破りが消されるのは汀。
*おゆき・次郎吉不在。


第5話「戦慄!殺しの請負人」1980.3.17

 材木商の肝煎の地位を巡っての血腥い騒動、殺し屋の所業を見てしまったお政がさらわれてしまう。母を助けるため奔走のおゆきが捕まってピンチのお約束、お白州には桜吹雪が舞う。
 ロケ地、酔って帰るお政が屋台の蕎麦屋に冷たくあしらわれる、中ノ島橋上。その後橋下にいると橋上で殺し、翌朝の死体発見も橋下汀。検分に来た石橋同心に指示を出す「金公」、茶店を中州にセット・背景に汀で網を繕う漁師や魚籠を配してある。あからさまに「捜索」のおゆきをさらう殺し屋の手下、今宮神社合祀摂社(山本昌平の浪人が仕込み槍を突き出すのは稲荷社玉垣)
*真砂でお亀ちゃんと飲みっくらのお政、居合わせて囃す客の一人に福ちゃん。殺し屋の元締は須賀不二男。


第6話「使えぬ右手が謎を解く」1980.3.24

 暴利を貪る高利貸し一味の内紛、これに巻き込まれ無実の罪に落とされかかる大工父子の情愛を描き、娘を庇う父の虚偽申し立てを看破するお奉行の名裁きが下る。
 ロケ地、大工父子がお参りのところへ現れ娘を借金のカタに拉致る銭高屋、大原野神社本殿(狛鹿入り)〜参道。
*大工に藤岡琢也、銭高屋を殺し後釜を狙う弟に住吉正博、これに加担する口入屋に南原宏治。口入屋での乱闘に福ちゃん入り。*一味をハメるお芝居、次郎吉がなよなよ若旦那を演じる。


第7話「御用金奪還!暁の追跡」1980.3.31

 佐渡からの御用金七千両を奪う荒っぽい乱破くずれ一味、これを狙う八王子の大盗っ人一味との激突。「金公」の打った大芝居が突破口を開く。汚名を雪ぐため甲州路をゆく石橋の旦那を追って、息子と金公、おゆきに次郎吉と、賑やかな旅もの。
 ロケ地、板橋宿から御府内へ入ったところで御用金が奪われる橋、中ノ島橋。四谷大木戸をやり過ごした天魔の仁蔵一味が入るお堂、三匹が斬るで何度か出たお堂、不明。後段の戦闘は砕石場みたいな荒地や谷山林道か。
*賊に山本麟一や曽根晴美に中田博久などコテコテ。そのうえ小仏一味の岩松に福ちゃん、台詞いっぱい。


第8話「おゆきに似てた女掏摸」1980.4.7

 父が掏摸だったことで母を死なせたと反発する娘、父は足を洗うが娘は掏摸に。掏った財布に入っていた書付により巻き込まれる事件を経て、父子は和解し江戸を発ってゆく。
 ロケ地、お絹が獲物を物色する浅草、仁和寺観音堂脇に縁日セット(南望)。後段では堂前のシーンやの前(書付をお御籤として結わえるくだり)もある。お絹に事情を聞く「金公」、大覚寺放生池源頭部、天神島朱橋。書付交換の八幡さま、五社明神
*女掏摸・お絹は松坂慶子の二役。魚政の衆に柄の悪いとこはそっくりと言われているとおり、おゆきとあんまり変わらない。*ラス立ち福ちゃん入り、町人姿・ヤクザ?


第9話「父の無念を息子が晴らす」1980.4.14

 堅太郎が聞いてきた役人を揶揄する川柳からはじまるお話、綱紀粛正と張り切る石橋のダンナは北町与力と悪徳商人の罠にはまり謹慎処分に。堅太郎と「金公」の内偵で与力たちの後ろ暗さを確信したダンナは、勇を振るって悪に立ち向かう。
 ロケ地、堅太郎と金公が見張る備前屋の蔵がある新堀端、嵐山公園中州汀と湛水域。侵入して見つかった堅太郎を抱えて走る金公は中ノ島橋


第10話「当り富札は殺しの番号」1980.4.21

 博打と富籤狂いの指物師が巻き込まれる騒動は、阿片がらみ。通しナンバーの富籤三枚が割符に使われ、そのうち一枚は当り札。これをはずれてばかりの男が入手してしまうからややこしい。ワルの側は今井健二を中心に強面、仲間も容赦なく消す冷酷さ。かたや品川隆二演じる指物師周辺は道楽男を中心に落語タッチで進み、「芝浜」めいたエピソードも入る。
 ロケ地、魚政の衆や真砂の衆が富突きを見にやってくる谷中天王寺、神護寺(富突きは毘沙門堂、指物師の弥吉がお政らに声をかける帰り道は山門下石段)。売人の死体が上がる川端、嵐峡船着き汀。売人を刺し殺す虚無僧、平岡八幡宮石段。
*おゆき不在、指物師の女房替玉はお志乃がつとめる。*岡場所で売人を尾行するお京らにからんで見失わせる大工に福ちゃん(ただの酔客でワルとは無関係)。


第11話「仮面の悪夢は夢じゃない」1980.4.28

 寺社から奪った宝物を好事家に売り捌く悪徳商人、「冒険」の堅太郎ぼっちゃんが盗っ人のアジトを見てしまう。おゆきも真砂メンバーも出てこない回だが、やんちゃ坊二人の可愛い冒険やお政の脱ぎ脱ぎ酔っ払い狸踊り、気風のいい佃の漁師と見せ場多し。
 ロケ地、塾帰りの堅太郎が八吉イジメを見る、中ノ島橋。八吉が体を洗う大川、嵐山公園桂川本流の堰堤下河床(ラストも同所)。高麗仏を盗られる芝増永寺、大覚寺(盗っ人が町方に見咎められるのは参道石橋、逃れる溝は御殿川、翌朝石橋らが寺僧や寺社方に門前払いされるのは大門。お政が金四郎を侵入させるため酔態芝居も大門)。漂流して遭難の堅太郎たちが沖で網を打つ漁師に助けを求める、琵琶湖西岸。二人を乗せて大川を遡る漁師の船、琵琶湖流入河川(三角州を造る川)。堅太郎の消息を塾の子供に聞きこむ金公、大覚寺有栖川畔〜大沢池木戸(入口に仕立ててある)


第12話「鍾馗人形殺人事件」1980.5.5

 長崎の仇を江戸で討つ姉弟、夫と石橋の話を立ち聞きしていたおゆきも出張り危機に陥った二人を救出。弟のほうは人形師で、最初の殺しの際は鍾馗さまのなりをして入り、勤め先の店頭展示の等身大鍾馗人形の剣に血を塗っておいたりする。なんだか猟奇な雰囲気は、お奉行が犯人を油断させるため命じた人形召し捕りでギャグに。鍾馗は抜け荷の罪を着せられ獄死した島原屋の船印。


第13話「酔っていた目撃者」1980.5.12

 傘張り浪人が冤罪に落ちかかるが、恩人への意地を通し「容疑者」の名を言わない。「金公」は記憶の飛んでいる目撃者に酒を飲ませて思い出させるほか、身を危険に晒して辻斬りを追い詰める。酔っ払いから聞き出すくだりは落語ふう、辻斬りとの戦いでは衣一枚切らせて腕を見る緊張の立ち回り、裂かれた衣から桜吹雪を見せる趣向。お白州は冤罪浪人へのお叱りだけなので墨は見せない。
 ロケ地、石橋に刀屋を調べるよう指示の「金公」、灯籠と松の参道?不明。
*辻斬りに遭う金貸しの手下に福ちゃん、強面で女の子を震え上がらせる。夜逃げされないよう表で筵かぶって寝ていて、傘張り浪人が「犬の血」を洗っているのを目撃、お京らに得々と注進。劇中「三次」の名が出るがクレジットには役名なし。


第14話「女賊を泊めた同心父子」1980.5.19

 女が首領の凶賊、人のよい石橋同心は傷ついてお堂にいたその女を賊と知らず家に伴い泊めてやるが、もちろんこれは大騒動に。落ち込んで謹慎の石橋に代わり、堅太郎坊ちゃんが探索に走り悪者にとっ捕まる、お決まりパターン。
 ロケ地、町を探索の堅太郎、大覚寺大沢池畔、放生池堤、護摩堂前。夜鷹姿で女を探すおゆきが言い寄った男を投げ飛ばす、中ノ島橋たもと。


第15話「唐人形 浮世絵地獄」1980.5.26

 前長崎奉行と悪徳商人が組んで幕閣に工作、接待は麻薬と女。阿片漬けの女が殺された件で動くお京は、ワルに唐人形にされかかる。
 ロケ地、阿片中毒の芸者の死体が上がる、広沢池東岸汀。金太を女衒に仕立てて潜入のお京らが船で連れて行かれる、広沢池(金太親分、池にドボン)
*ワル一味の絵師に口説かれるお冬に鮎川いずみ、漆奉行に菅貫など豪華な顔ぶれ、でも役どころは阿片中毒の弛緩した顔…でも菅貫の頓狂な表情はメチャ可愛い。*おゆき不在、危機には鈴でなく次郎吉の鼠(生)。


第16話「紫頭巾の復讐鬼」1980.6.2

 松前藩勘定方の父を謀殺した重職と悪徳商人を仇と狙う息子、これがよりにもよって紫頭巾かぶって現れるから、おゆきさん黙っちゃいない。禁足にも関わらず抜け出して関わりまくり、免許状なしの仇討ちはご法度という金四郎に「法で裁けぬならこの手で」…おゆきさんそれ闇の仕事人。ラス立ちには、森次晃嗣のでっかい紫頭巾と本家がダブルで立ち回り。
 ロケ地、仇討ち頭巾の母がお百度を踏む祠、相国寺宗旦稲荷。仇討ち息子が追っ手に囲まれる野や崖、不明。
*藩重職と松前屋密談の料亭を警護する若い衆に福ちゃん、モロボシダンに当身くらってうわぉ。


第17話「涙が光った遠山裁き」1980.6.9

 18年前捨てられた娘の親が現れ、養親に暴利で金を貸しているという設定。すったもんだはお白州に持ち込まれ、なみだ涙の遠山裁きが下る。ベタの情話は、過半をお白州に裂く。
 ロケ地、おるいが偶然実の親と出会う源正寺(捨てられていた寺)金戒光明寺。掛取りのチンピラに絡まれるのは石段下。事後、実の親と養親と娘と4人で楽しげに行くのは極楽橋石段


第18話「恐怖!嵐の夜の侵入者」1980.6.16

 寄場から逃げた男たちに立て籠もられてしまうまさご、女の子たちに次郎吉まで人質にされあわやの展開。次郎吉が連行される際撒いていった米でアジトは割れ、金公の大暴れ。
居座りを繕うお芝居が作りこまれていて見せどころ。
*賊の一人に福ちゃん、お亀ちゃんを運ぶ駕籠屋にもいる。


第19話「金太が落ちた恋地獄」1980.6.23

 婀娜っぽい年増の小唄の師匠は凶賊の一味、富商の主を誘惑し裏木戸を開けさせる手口で犯行を重ねる。金太はその女に利用され、引き込みの片棒を担がされる・監禁される・十手を悪事に使われるの悲惨な事態に。
 ロケ地、金太が金公の誘いには応じるお京に怒って去る縁日、大覚寺放生池堤から天神島にかけてセット。朱橋に立つお京の背後に心経宝塔も映り込む。
*賊のかしらは今井健二、もみ上げぼうぼうの凶相。白州で奸商を懲らしめたと嘯くのがよく似合う。七化けのお蓮の被害者のヒヒ爺に遠藤太津朗。


第20話「母恋しぐれ」1980.6.30

 女房が男と逃げてから腑抜けのかざり職人、飲んだくれて幼い子らに厄介をかけるが、贋金作りに誘われてきっぱり抵抗、白州でお奉行がリードして妻と和解させてやる運びに。
 ロケ地、元金座職人が殺されて見つかる弥生稲荷、大覚寺天神島。いきなり帰ってきた母に反発した正太が堅太郎に会いに来る、金戒光明寺石段。正太親子が楽しげに行くのを見てブルーな堅太郎が参る母の墓、くろ谷墓地
*贋金つくりの炭問屋の用心棒に福ちゃん、言うことを聞かない源七を拷問。ラス立ちにも登場。*源七を諌めに来る親方に御木本伸介、後から出てきて悪役になったりはせず善人。


第21話「姿なき脅迫者」1980.7.7

 大店の孫娘が誘拐されるお話、博打の借金で脅された番頭が一枚噛んでいて巧妙、町方は遠ざけられてしまう。母親の親友として相談を受けおゆきが動くが、子をタテにとられ紫頭巾危機一髪、荒っぽく賭場に乗り込んだ金公が大暴れで解決。
 ロケ地、身代金引渡しの九郎八幡、鳥居本八幡宮(本殿、舞殿、小柴垣道)
*おゆきさん、親友に子の無い人にはわからないと言われ結構傷つくが、ラス立ちの最中の金四郎の「子作りは家へ帰ってからだぜ」に浮上。*ヤクザの親分の手下に江幡高志と小峰隆司、似合いすぎ。賭場の中盆には福ちゃん、金公に斬りかかるが刀とられて殴り倒され。


第22話「蜆を売ってた若殿様」1980.7.14

 旗本のお家騒動、病の当主に取って代わろうとする弟が跡継ぎの若君を密殺。しかし用人のみ知る双子の弟がいて、焦ったワルがこれも消しにかかるところへ金公は待ち構えているのであった。
 ロケ地、学問所から帰る若様が女中とゆく道、大覚寺放生池堤護摩堂前でチンピラが出て襲い、船に乗せて逃げるのは広沢池東岸。神田川で見つかる若様の死体、広沢池東岸汀。
*出生まもなく捨てられた双子の弟は大工に拾われ育つ。この子が蜆売りをしていて、堅太郎ぼっちゃんと知り合う…江戸を斬るは蜆売りが異様に多いような気がする。*福ちゃん二態。若様をさらうチンピラの一人、プロの殺し屋らしい。船で逃げる際は棹を操る。そしてラスト、土屋家に引き取られる清太の供侍の一人になって駕籠の後をゆく。


第23話「人情がまの油売り」1980.7.21

 天誅組と称し凶行を繰り返す浪人たち、金四郎は腕を見せつけ内部に入り込み、金座を襲ったところを懲らしめる。市中で知り合った気のいいがまの油売りの人情話が織り込まれる。
 ロケ地、扇田浪人ががまの油売りで稼ぐ八幡さまの縁日、今宮神社境内。天誅組の大沼らが豪遊後仲間に殺される、夜の嵐山公園中州・桂川堰堤前(川中の立ち回りも)。翌朝、現場に駆けつける石橋とお京、中ノ島橋中州下河原。金四郎が捜査の見込みを石橋に話す、中ノ島橋下・堰堤を背に。
*磊落な扇田に誘われがまの油売り体験の金四郎、演出のお髭がまったく似合わない西郷輝彦がおかしい。扇田浪人は藤木悠、天誅組に南原宏治や五味龍太郎。


第24話「瞼の母は女掏摸」1980.7.28

 捨て子の少年掏摸が母に出会うお話。石橋同心父子が深く関わり、母子には温情の遠山裁きが下る。
 ロケ地、印籠師が修理の品を届けに行く道の浅草寺で掏摸に遭う、金戒光明寺本堂参道(縁日セット)。変装(女装)して見回りのお京親分が幸吉に懐中物を掏られる不忍池、仁和寺参道(縁日)五重塔前の道(幸吉は木の上で獲物を物色)。幸吉が掏った財布を隠している墓地、金戒光明寺墓地(堅太郎ぼっちゃんは母の墓参)。石橋父子が幸吉を発見、金戒光明寺墓地石段。幸吉がねぐらにしているお堂、本堂裏手の縁下(基壇の亀腹を使用)。掏摸の親分の手下がシマ荒らしと幸吉を簀巻きにして運ぶ不忍池、大覚寺大沢池堤(放り込もうとするのは水門脇)。幸吉が母に置き去りにされたやしろ、五社明神本殿。掏摸の手下が金公に殴りかかる、仁和寺観音堂前。寄場送りの幸吉とおせいが石橋に伴われて行く、大覚寺放生池堤。見送る堅太郎、背景に心経宝塔
*おせいを尾行する金公にぶつかり「気をつけろぃ!」の通行人に福ちゃん。


第25話「嵐にひそむ非情の罠」1980.8.4

 新堀河岸があわや決壊、勘定方与力と材木商が組んでの企みで、請け負った業者を追い落とす目的。しかし土留めに作為の証拠が出てきて大変、罪を現場采配の小役人に押し付ける陰謀がめぐらされる。
 ロケ地、野博打の人夫たちに聞き込みのお京、竹中稲荷舞殿。塾帰りの堅太郎たちと行き会う、重ね鳥居下参道。瓦版に父が汚職と書き立てられ苛められる小三郎、妙伝寺本堂南側縁下の亀腹と南側塔頭群。与力のもとに乗り込み悪事に気付いて消された堤精四郎が首吊りに偽装されて見つかる、大覚寺天神島大木。手がかり出ぬ事態に、大博打を打つと次郎吉にはかる金公、桂川大堰下手左岸。
*ワルの木場材木商に金田龍之介、お白州でこうなったら一蓮托生とグルの与力の悪事を述べ立てるあがきを見せ、ちょっと阿部怪異。*ワル一味の口入屋用心棒に福ちゃん、浪人の「センセイ」。


第26話「花火に散った老中暗殺」1980.8.11

 タイトル通りの暗殺の悪企み、ターゲットは老中首座・阿部伊勢守。ご老中、視察と称して町を一人でうろつく趣味あり、金四郎やおゆきと絡めた笑い話もある。大筋は、スナイパーとなることを強要される猟師のお話、騙されて岡場所に売られた妹を取り返しに来て罠に落ちる。
 ロケ地、堅太郎ぼっちゃんが虫とりに行って鐘の音に混じる銃声を聞く寺の裏山、鳥居本八幡宮本殿脇の祠から崖を登って(眼下に舞殿の屋根)
*阿部伊勢守を川開きに誘って撃たせる企みの水野越前、銃撃失敗ののち浪人たちがやけくそで殺到するや、こそこそと逃げ出す背がおかしい。猟師を脅す怖い浪人に亀石征一郎、赤っぽい毛が凶悪。


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