1983-1984関西テレビ/東映 第1話「大奥誕生」 大坂城炎上ののち、太閤の影を一掃しようとはかる大御所の排斥対象となる秀忠夫人・お江与。ひしひしと身に迫る圧力に反発した彼女は、男どもの手から隔離された場・大奥を創始するに至る。 ロケ地、夏の陣、炎上する大坂城、本物の天守を使って演出。千姫を救い出した坂崎出羽守が駆ける野、酵素河川敷。千姫を迎える弟妹と母・お江与、姫路城天守〜りの門。竹千代の乳母・お福に大御所の意向を伝える阿茶局、枳殻邸回棹楼。奥向きに放火され避難したお江与が阿茶局の向こうに大御所の幻を見る、大覚寺天神島。奥向きを銅板で囲う普請を見に来るお江与、一部に大覚寺むらさめの廊を使用か。秀忠の子を生んだ女が大御所差し回しと聞き、打ちのめされたお江与が佇む、天神島大木の根方。大御所とやりあい謹慎を申し渡されたお江与が渡る橋、枳殻邸侵雪橋(ED「C'est fini」と被り、池畔の孔雀の群れ越しのアングルにスイッチ)。 第2話「生みの母 育ての母」 大御所は死の寸前、お江与を駿府に呼び寄せ、大奥の意義が徳川百年の計と合致することを確認し許可を与える。お話は、お江与が竹千代後継を認める段まで。この間、大奥役職の整備や、保科正之誕生の経緯、千姫をめぐる坂崎出羽守の騒動などの挿話が入る。 ロケ地、大御所に呼ばれ駿府へ発つお江与、姫路城りの門。竹千代と国千代の喧嘩に際し、我を張る竹千代を将器と持て囃すお福、枳殻邸印月池畔。大奥へ乱入した坂崎出羽守がつまみ出される門、姫路城ろの門。お清の間から伝通丸を持ち出した竹千代がえいえいと刀を振り回す庭、枳殻邸侵雪橋たもと〜遣水脇。 第3話「陰謀の毒薬」 家光将軍宣下、忠長駿府大納言に、和子は入内、若御台として孝子が輿入れ、最後にナレーションで大御台・お江与の死が語られる。重点が置かれるエピソードは忠長の惑乱と、孝子に盛られる子堕しの毒。後者については、大御所の遺言と世論に従ったお福の言い分を、男の論理と排斥するお江与の方が「女の城」の意義を説く。 ロケ地、惑乱した忠長の銃声に堀端で駕籠を止める家光、二条城西虎口。忠長の住まいである北の丸御殿、相国寺林光院。京都御所、建礼門。愛姫を遠ざけられた後水尾帝が不興との早馬が出る京都所司代、大覚寺明智門。大御台の意向を受け参内するお福、仁和寺宸殿。孔雀に餌をやる大御台のもとに土井利勝が和子入内の日取り決定を報告、枳殻邸印月池畔。二条城から出る入内の和子、本物の本丸唐門。内裏女御御殿へ和子に挨拶に出向く孝子、大覚寺宸殿白州〜むらさめの廊。増上寺へ代参のお福がお歯黒の子は徳川の子でないと囃す民の声を漏れ聞く、金戒光明寺(三門、路地、石段下)。 第4話「禁じられた愛」 正室・孝子が大奥を去って以来、家光の奥泊まりは絶える。中奥では閨に小姓を引き入れ、これがもとで刃傷沙汰も起こり不穏な雰囲気。激しく反発する駄々こね将軍に疲れた春日局は、相談に赴いた素心尼のもとで美しい娘を見る。 ロケ地、春日局が家光に女を宛がう目的で催すお庭目通り、二条城清流園。孝子のいる中の丸へ馬を飛ばす家光、下鴨神社馬場。素心尼の如水庵へ向かう春日局、中山邸参道〜通用門。春日のたっての願いで大奥へ赴くお振、二条城内堀北側〜本丸御殿櫓門。 第5話「お湯殿の誘惑」 逡巡の果て大奥入りのお振。もちろんストレートに家光が振り向く筈もなく、先に因果を含められたお小姓の死があって、惑乱の将軍を抱きとめる形となる。 ロケ地、お切手門を入るお振、二条城本丸櫓門。春日局の室へ向かう一の側の御廊下、仁和寺宸殿前廊。春日の回想の父・利三の処刑の四条河原、罧原堤下汀。一旦春日の申し出を断ったお振が、帰り道素心尼に説得される林、仁和寺御室桜林(冬)。弓の稽古をする家光にお振の笛を聞かせる春日、嵐亭延命閣前庭。家光が小姓の笛にあわせ鼓を打つ音を聞く春日と老中・伊豆、仁和寺宸殿縁先北東角。遠乗りの家光、一部下鴨神社馬場。春日局の拝領屋敷、不明。吹上庭での宴、嵐亭延命閣。 第6話「一に引き二に運三に器量」 春日局のプランで、将軍の子を生む責務を負わされた娘が三人大奥へ。一方、御台・孝子は抑えてきた春日への憎悪をたぎらせ、お夏を側女に献上する運びに。古着屋の娘・お蘭にスポットが当り珍騒動が描かれる。 ロケ地、女たちを家光に見せる野点、二条城清流園。のしかかる重圧に鬱屈した家光が馬を駆けさせ落馬、下鴨神社馬場。浅草寺参詣の帰り、お蘭を見て帰城の春日の駕籠が入る、二条城北大手門。召しだされたお蘭がお城を仰ぎ嘆息、外濠端。 第7話「種馬とれんげ草」 春日局のみならず、愛する孝子にまで種馬扱いされてブルーな家光。憤然と節分の宴席を立ったそのとき、お端下に混じって下品ダンスのお蘭を見て心から笑う→夜毎の奥泊まり。まこと観世音のお引き合わせと春日も哄笑、お蘭が「お楽の方」になり家綱生母となったと語られ幕。 ロケ地、寵愛を受けて輝くお蘭に斬りかかるお縫、唐破風の向こうに大屋根…不明。 第8話「偽れる唇」 駿河大納言・忠長卿の失脚と死。春日局の策謀も強烈、しかし最後は、家光の並び立てずの判断で自裁を賜る運びに。駿府→甲府→高崎の経緯が詳しく描かれる。 ロケ地、将軍宣下の際衣冠束帯でキメる家光のバックは姫路城天守。駿府城、正室と庭を逍遥の忠長、枳殻邸印月池畔・背景に侵雪橋。野点は漱沈居を背景にした池畔。大御所重篤のくだり、江戸城イメージに二条城本丸櫓門(側面)。春日のスパイだった小姓を斬ったあと、鬱憤を晴らすかのごとく殺生禁断の浅間山で猿狩りの忠長、山中で本物の猿の群れを追い立てるのはひょっとすると虚空蔵さんの裏手の、岩田山のお猿さんかも。大御所・秀忠葬儀のあと、蟄居の身にも関わらず乱入した忠長のため許しを乞う孝子、粟生光明寺本堂裏手回廊。 第9話「猫と金魚と尼君」 慶光院を見そめ還俗させる家光、お万の方誕生。寵愛のめでたさから起こるイジメ、心労の果ての侍女の縊死、遂に逃げ出すお万の方だが少年のような家光にほだされる。 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。還俗を求められた際拝領屋敷から逃げ出す慶光院、彷徨う水際は広沢池北西の汀と湿地。大奥を飛び出したお万の方を探し馬をやる家光、下鴨神社馬場。倒れているお万の方を抱き起こすのは池跡。 第10話「虹を掴んだ少女」 お玉のサクセスストーリー。幼時乞食坊主の観相で告げられた人身位を極めるとの託宣を、少女は持ち前の気性をもって一歩一歩実現してゆく。 ロケ地、御室へお参りのお玉母子、仁和寺イメージに本物の二王門、塔、中門から見返り。乞食坊主の託宣、金堂前。長じたお玉が恋人に託宣のことを話す川辺、柊野堰堤下落差工前(山に虹かかる)。お万の方のお話相手の選考に合格したお鈴に芝居を仕掛ける、上御霊神社本殿前、井戸、高倉下(茶店セット)。お中掾E津和が出立の屋敷、相国寺大光明寺(前庭、門、湯屋、南塀際)。道中、土山へ二里の茶店、谷山林道。江戸城天守、姫路城天守。遠乗りの家光のくだり、グラウンドみたいな広場や狙撃の道、不明。お玉プランで道の警護を固めたあと、遠乗りに出る家光、彦根城天秤櫓〜大覚寺放生池堤。お玉がサンマを焼いている沿道の農家、不明(山に虹かかる)。 第11話「上様はさんまがお好き」 家光を狙う駿河大納言の家来との戦いは続き、またまたお玉プランで残党一網打尽。しかし今度は殺された残党の妻が春日局を狙い、これは春日の死につながってゆく。一方お玉は病床の春日から大奥取締の後継に指名されるも、酒井老中の反対に遭う→その席で懐妊発覚。 ロケ地、亮賢の寺、不明。遠乗りに出る家光、彦根城天秤櫓。目黒のサンマ民家、不明。春日局が腰元に化けた刺客に遭い池ボチャ、彦根城玄宮園竜臥橋。お玉の方の引き立てにより召しだされる母や亮賢たちがゆく回廊、高台寺のそれに似るも不明。 第12話「見ざる言わざる聞かざる」 御年寄のポストを狙うお局さまたちの鞘当て、被害者を装って自作自演の御客あしらい・藤岡さまの企みは結局バレて、追放の憂き目をみる。藤岡さまの部屋のお端下・元気な田舎娘のおりきにスポットが当り、お話を引っ張る。 ロケ地、なにやらひそひそ画策のお局さまのイメージに二条城清流園。追放される藤岡さまがゆく不浄門へ続く隠し道、下鴨神社河合社裏手。藤岡さまの部屋子たちが後にするお城、二条城北大手門前堀端。おりきがうきうきと故郷へ向かう道、北嵯峨農地か。 第13話「子連れ将軍と五人の女」 東照宮改築、鎖国政策の確立と多忙な家光、そして後継者に関して火花散るなか、長子の家綱が重い病に。心労の果て昏倒し床につく家光を見て、お万の方は中の丸へ赴き御台に大奥へ戻るよう懇願するのだった。 ロケ地、家光畢生の仕事である東照宮改築の解説に本物のイメージカット。江戸城、姫路城天守。庭で遊ぶ子らに馴染まず、亡母を求める家綱のくだり、枳殻邸傍花閣前〜侵雪橋。家綱平癒の祈願に参詣する大奥の女たち、寛永寺イメージに仁和寺五重塔。家綱平癒の「おねだり」の天下祭り、神輿が繰り出すのを見物する桟敷、下鴨神社馬場にセット。御台に生涯勝手と伝えにゆく道で落飾した孝子を見る伊豆、二尊院紅葉の馬場(雨)。 第14話「京より天女が舞い降りた」 明暦の大火で天守が焼失するなど、ハナっから波乱含みの家綱の治世。トラウマからしばしば人事不省に陥るひ弱な将軍を囲い込む矢島局、危惧を抱いた伊豆は京より下向した正室・顕子に望みを託す。矢島の仕打ちに耐えかね城を去ろうとした顕子が、飛鳥井のため思い直すところで中ほど。 ロケ地、伏見宮の姫・浅宮顕子が帝に暇乞いに参内する宮中、相国寺方丈(白州からのショット)。顕子江戸下向の街道、琵琶湖西岸松原。輿入れまで暫時滞在の竹橋御門外の天樹院御殿、相国寺林光院。綱重とのやりとりがある庭は不明。強い将軍にと自ら期し乗馬の家綱、下鴨神社馬場(伊豆を蹄に掛けてしまう場面も。平幹、耳から血出てるぞ)。京へ帰る覚悟を決め城を出る顕子、大坂城大手口。 第15話「めんどり歌えば家亡ぶ」 矢島の嫌がらせは続き、飛鳥井の策でお身代わりに上げ見事懐妊のお振も死に至らしめる。一方家綱の癖はやまず、悪夢を見ては発熱し果たせぬ責務に苛まれる。見かねた顕子は酒井大老に談判し日光社参を実現させるが、彼女のもとに死の影が忍び寄るのだった。 ロケ地、顕子が佇む池泉、不明。弓の稽古をする家綱、下鴨神社馬場(幔幕張り)。勅使下向を受けての曲水の宴、城南宮か。東照宮参詣の将軍の駕籠が渡る橋、日吉大社走井橋。行列が進む参道、西本宮参道坂。死病を悟った顕子が城内紅葉山の滝に帝から賜った扇を放り投げる、琴滝。 第16話「断崖に立つ女」 死にゆく浅宮を描く。天樹院らに追放されかかる矢島親子や、スキャンダルに死す甲府宰相、お島の流産など事件はてんこ盛り。そして顕子は、家綱を死によって解放しようとした手を愛の告白により止めるのだった。 ロケ地、東照宮の回廊をゆく家綱、下鴨神社楼門続きの回廊か。紅葉山の滝、琴滝。二人で乗馬を楽しむ家綱と御台、下鴨神社馬場。 第17話「女の情に蛇が棲む」 将軍の出てこない、奥向きの女たちのお話。見目良い娘たちの顔を切る、ジャック・ザ・リパーもどきが出る。正体は心壊れたお半下、贈った品を無下にされたことを恨んでと思いきや、元中揩ニのレズビアン関係が絡んでのドロドロ愛憎劇。 第18話「女の髪は象をもつなぐ」 綱吉に代替わり、桂昌院が権力を振るい始める。下馬将軍も大老職を罷免され、お伝の方の兄の横死すら将軍の権威づけに使おうとするのを見て、お腹さまの苦悩は増してゆく。 ロケ地、神田橋御殿、西本願寺大玄関門。安南から献上の象を見る将軍、下鴨神社馬場に上覧の席をしつらえて。暴れ象から逃げたお腹さまが弥太郎と束の間過ごす林、池跡。城内新御殿に入る桂昌院、東本願寺内事門。桂昌院を訪ね茶を献じる綱吉、茶亭外観に枳殻邸漱沈居。 第19話「姑は猫千匹」 桂昌院に「道具」と言われ己が道に疑問を抱きはじめるお伝、自ら罪を得て桂昌院と綱吉を痛烈に批判し大奥を去る。 ロケ地、御前相撲の土俵、不明。三の丸に桂昌院を訪ねた綱吉が雨に降られる庭、梅宮大社神苑。中の丸御殿へ去るお伝、枳殻邸回棹楼付近の林間。 第20話「奥様は魔性の女」 駄々っ子将軍、臣下の妻を寝取る。コキュを演じるは田村高廣、抑制の利いた動きで懊悩を表現。津川雅彦は本領発揮の怪演、ヤラしい目つきがもうたまらない。花束で阿久里をびしばしやるのが圧巻。 ロケ地、初めて御成りがある牧野備前守邸、相国寺林光院(門、式台玄関、二回目・野駆けの最中の御成りのくだりでは仏殿跡林越しの騎馬シーンあり)。関宿城主になってからの牧野邸、仁和寺本坊表門。阿久里のせいで大奥閑古鳥のくだり、導入に二条城東南櫓と二の丸御殿の池泉。御成りの将軍を待ち伏せする牧野の娘、中山邸通用門。綱吉が安を連れ込む屋敷のイメージに青蓮院長屋門(大楠越しに見上げ)。安が大奥へ上がったあと、上方巡礼の旅に出る牧野夫妻、広沢池東岸(堤道〜汀で乗船)。 第21話「赤ちゃん騒動記」 本筋と離れたお端下のエピソード、ミヤコ蝶々とジュディ・オングが掛け合い漫才の楽しい一話。振り回されるお局さまは白木真理だったり。お話は、身籠ったことを知らず奉公に出てしまったお端下が産み落とした赤ん坊をめぐる珍騒動。 ロケ地、生類憐れみの令で民衆大弱りの説明、田んぼを荒らす馬と鶏を襲う犬の情景、*の塀前の田んぼと庭先。峰蘭太郎演じる赤子の父が落雷に遭う、下鴨神社池跡。大奥を辞すおとよ、大坂城大手。巡礼の旅のおとよ、北嵯峨農地畦道。 第22話「不倫の円舞曲」 御台所の要請で大奥入りの右衛門佐が巻き起こす波紋、それぞれの思惑が錯綜するなか右衛門佐はお手つきとなり身籠る。右衛門佐には梶芽衣子、桂昌院や隆光の思惑をはねつけてゆく小気味よさが見もの。 ロケ地、御所御廊下で右衛門佐に江戸行きの話をする大典待、相国寺方丈北廊下。長崎へ旅立つ恋人を見送る右衛佐、桂川松尾橋下手右岸堤。右衛門佐対策を話す桂昌院と取り巻き、枳殻邸侵雪橋、印月池畔。柳沢吉保が大典待に大奥入り要請の庭、不明(流水庭園)。江戸へ向かう大典待の行列、木津堤〜流れ橋(背景に絵画チックな富士山合成)。 第23話「醜聞に消えた美女」 大典待をあてがわれるも一度きり、右衛門佐にぞっこんの綱吉。このまま行く筈もなく、桂昌院の意を受けた吉保の魔手が伸びる。副産物でますますお犬様大事となり、右衛門佐の「男」を処断の表向きも犬。 ロケ地、三の丸御殿に着く大典待、相国寺林光院門、式台玄関。庭に佇む右衛門佐に、カピタン屋敷へ使いにと持ちかける御台、枳殻邸印月池畔(背景に侵雪橋)。鬼子母神へ安産祈願に詣でる右衛門佐、西明寺山門。参道林間に半蔵が来ていて、本堂渡廊前でお話。医師から右衛門佐の心労を聞いた綱吉が、大典待には心を移さないと告げる、枳殻邸印月池畔(背景に漱沈居)。護持院、本法寺山門越しに多宝塔と本堂大屋根。右衛門佐の流産後も執着の綱吉、吉保に回復すれば戻すよう告げる、枳殻邸臨池亭(バルコニーから鯉に餌やり)。吉保の指示で右衛門佐が入る小石川休息屋敷、毘沙門堂(薬医門と石段、勅使門石段下部)。大典待に味方なら怖くないと告げる吉保、枳殻邸縮遠亭下。尼姿の右衛門佐がゆく野、北嵯峨農地畦道。 第24話「わんわん行進曲」 生類憐みの令をモチーフに描く、大奥インサイドストーリー。大筋は次期総取締をめぐる鞘当て。強引で意地悪なお局さまの陰謀は、土壇場で自身の飼うお犬様によって頓挫する。 ロケ地、犬の五郎様にうまく餌をやれず池ボチャのお端下・おとき、大覚寺大沢池船着(大)。お散歩中、他のお犬様と鉢合わせして混乱、放生池堤。同じく竹尾のお端下・おくみが大奥へ小間物を売りに来た養母と話す、勅使門橋。ED、のびのび駆けてゆく五郎様、大沢池畔。 第25話「過去のある女」 水戸光圀や幕閣に養子を迫られた綱吉は、「ひょっとしたら我が子」と拝領妻を思い出す。しかし女は頑として否定、同じ痣を腕に持つ父と子はすれ違う。 ロケ地、柳沢吉保上屋敷、大覚寺明智門。柳沢吉保染井上屋敷(六義園)、枳殻邸(庭の描写のみ、野点に印月池まわり、吉保の嫡子・吉里と遊ぶ綱吉のくだりに遣水が使われる)。この間、間者に連絡を取りに来た水戸光圀が馬をやる塀外に大覚寺大門脇の塀。六義園から帰る綱吉の駕籠は参道石橋。 第26話「ある貴婦人の殺意」 晩年の綱吉、六代が決まったにも関わらず未だ子を欲し若い女を召す。隠居する気など全くなく、一日でも長く地位にあって家宣に継がせまいとする「浅ましさ」に、御台は名君のままの消滅を願う。上覧の席での人形浄瑠璃「曽根崎心中」に深く感銘を受けた御台、憑かれたように何度も幻を視て、遂に刃を懐に綱吉の寝所へ向かうに至る(未遂、途中の廊下で吉保に綱吉急死を聞かされる)。 ロケ地、桂昌院の死後、中奥の廊下に立ち三の丸の方を眺めやる綱吉、仁和寺宸殿前廊。女たちに鯉つかみ合戦をやらせる綱吉、枳殻邸傍花閣前芝地。この際目にとまり寵愛を受ける真琴、苛めにかかる女たちとつかみ合いの大喧嘩、侵雪橋たもと芝地。裸足で裾まくって池に入る真琴と戯れる綱吉、回棹楼前池汀。 第27話「塵に咲く花」 のちの月光院の、数奇な運命を描く。南部坂のお屋敷を辞したあと荒んだ生活を送るお喜世は、たまたま出会った間部詮房に見出され磨かれて西の丸大奥へ入る。この間のお喜世の揺れる心の襞が、尺をとって丁寧に描写される。 ロケ地、南部坂の屋敷(三次浅野家下屋敷)に大石切腹を報告の中間が走る坂、毘沙門堂勅使門下・西参道石段。お喜世の実家・父が住職をつとめる浅草・唯念寺、毘沙門堂薬医門。屋形船で酔い潰れるお喜世のところへ来て武家奉公を勧める間部詮房、広沢池東岸に船を繋留(夜)。唯念寺へ赴きお喜世を御前奉公にと頼み込む間部詮房、寺イメージの鐘撞き小坊主のシーンは本法寺(鐘楼越しに塔。真宗に多宝塔はちょっと?)。お喜世の父・玄哲の回想、姦夫姦婦を追う途で忽然と出家を思い立つ道、広沢池東岸(堤道を使用、雨を演出。低い置台様の屋形で水面を隠してある)。 第28話「女帝への階段」 綱吉逝去、柳沢吉保は職を辞し退隠。しかし今ひとたびの野望を抱いており、お腹さま(お須免)のため、寵愛まぶしいお喜世の方をスキャンダルにより追い落とそうと動く。間部詮房との攻防の果て吉保の野望は潰え、次代将軍生母となったお喜世の方は間部のやりくちを詰りつつ、自らも子のため夜叉となる道を選ぶ。 ロケ地、吉保が千代田の城を仰ぎつつ手下に密事を語る、毘沙門堂仁王門脇の崖(お腹さまの子が早世しガックリの場面も同所)。「駒込の方」吉保と密議のため寛永寺参詣のお腹さま、西明寺山門(塔頭の一か)。懐妊したお喜世の方に大奥を出て根津の御殿へ移るよう勧める間部、枳殻邸回棹楼そば池畔。投扇に興じる御台のかたわらで鯉を眺め気もそぞろの家宣、印月池畔芝地。根津御殿、蓮池やお堂の縁先、不明。男児出産のご願ほどきに芝増上寺参詣のお喜世の方、本法寺仁王門〜本堂廊下。ひと目と群がる見物衆の中にいた父・玄哲が堂下で三味を弾く乞食女(出奔した妻・妙)と会うのは開山堂。大五郎ぎみの死について間部を問い詰めるお喜世の方、枳殻邸林間。間部への思いも断ち切り夜叉となると宣したお喜世の方が渡る、侵雪橋。 第29話「渚の体験」 タイトルを見た瞬間吹きそうになるが、お話は大真面目な家宣の、不器用な浜辺のアバンチュール。中年のオジサマが若い海女を見初めるんだけど、白石と二人で孔孟を引いてこれについて議論してたりして、色気の無いこと甚だしい。 ロケ地、お浜御殿、仁和寺宸殿南庭白州。おいつと出会う浜、間人海岸。御台とお魚問答の上様のところへ白石がおいつを連れてくる、仁和寺宸殿前廊、南庭と北庭の仕切り。 第30話「ある夜の美女軍団」 インサイドストーリー、題材は別式女で回想形式、綱吉の御世。御金蔵破りの盗人夫婦が追われて大奥に逃げ込み起こる騒動、桂昌院の示唆により大奥内での始末が命じられ、緑と赤二組の別式女たちが奔走する。ドラマは、女賊と赤組組頭の奇妙な交流を描く。 ロケ地、別式女たちが鍛錬の庭、相国寺方丈前白州(対抗試合も同所)。お城に侵入の夫婦泥棒、二条城か。緑組が床下を探ろうとして鼠にキャー、相国寺方丈北廊下。賊二人のむくろが運び出される平河門、不明。 第31話「暴かれた禁男の園」 幼将軍・家継の御世はじまり、側用人・間部追い落としを狙う幕閣は、大年寄・絵島スキャンダル→月光院の権威低下→間部失脚というシナリオを描く。ドラマは、月光院と間部の密事やお端下たちの気散じに触発された絵島さまの混乱を描いたあと、虎視眈々と絵島を見張る視線のなか増上寺の階段をのぼるシーンで中ほど。 ロケ地、家宣葬儀の増上寺イメージに仁和寺中門から仁王門を見るショット。新将軍が参詣の紅葉山東照宮の御霊屋、九所明神(扉に金ぴかの葵紋メタルをデコレーション)。月光院の回想、乱心者が懐妊中のお喜世の方を襲った際取り押さえた絵島、枳殻邸侵雪橋〜池畔。絵島の増上寺参詣シーン、仁和寺中門(内外)、塔、観音堂脇石畳。 第32話「永遠の処女」 見張られていた二度目の逢瀬、絵島たちにはすぐに手が伸びる。手ひどい責めの果て、新五郎の幻を見てトランス状態の絵島だが遂に秘事を明かすことなく、遠流となる。 ロケ地、絵島を救うべく家継に会う月光院、枳殻邸林間。遠流になる絵島の駕籠と、遠島になる新五郎の唐丸がすれ違う道、下鴨神社参道と馬場(この当時涸れ川の瀬見の小川を挟んで向かい合うかたち、落差をうまく使ってある)。 第33話「吉宗と肝っ玉母さん」 家継重篤、後見職に尾張紀州と揉める事態は天英院の一声で決す。「源六」の紀州藩主時代から描き、質素倹約貧乏コンセプトは江戸城へ。 ロケ地、黒潮隊と野駆けの吉宗、海に向かって歌う紀州の海崖、不明。茶店で妙を見初める、谷山林道。紀州イメージに本物の和歌山城(全景と天守見上げ)。生母・ゆりの回想、巡礼の両親と別れて預けられた紀州の寺、神護寺石段。子らと喧嘩三昧の源六、広沢池東岸汀。参勤交代の吉宗(馬上)、木津堤。紀州中屋敷で弓のお稽古吉宗、相国寺大光明寺石庭(家継の質素な棺に怒った月光院が乱入の場もここ。設定は城内か)。間部詮房が吉宗と対峙の廊下、相国寺方丈前廊。歴代の御霊にお伺いと紅葉山へ向かう吉宗に刺客(忍者)、高山寺東参道。家継の白木の棺が増上寺へ向かう道、下鴨神社参道。前例に囚われないと宣し妙とタンデムで野駆けの吉宗、木津堤〜河原(渡渉)。 第34話「陽気な未亡人」 吉宗の質素倹約マーチがお城に轟き渡る。生母と側室は野良着のまま大奥入りしたり、裏庭を耕しはじめたり。あまりのことに目を丸くする面々、ゆりの方の助言もぴしっと決まり、着々と改革は進んでゆく。 ロケ地、ゆりとたえの粗末な駕籠が入る大奥表門、仁和寺本坊表門。二人に庭を案内する吉宗、枳殻邸印月池畔芝地。畑の草を刈る吉宗を見て「あの汗が怖い」と呟く間部詮房、畑は御室桜林付近か。側用人廃止と聞き憤然と吉宗(乗馬中)のもとにやってくる月光院、下鴨神社河合社前。ゆりの方が月光院と女の業について話す、枳殻邸印月池畔(侵雪橋の北)。雁の間詰めとなった間部詮房が大奥へ罷り通り吉宗に暇を乞う、仁和寺宸殿前廊(舞いながら退去、月光院は廊下の角に座っている)。一位さまの根回しで側室選びの庭、枳殻邸ゲストハウス前芝地に幔幕。自ら大奥退去を言い出し別れに舞う一位さま、侵雪橋上。 第35話「運の悪い女たち」 改革に邁進する吉宗、奥泊まりは絶えて久しく、北の丸の竹姫にのみ心を開き遂には御台にと望むに至る。それを阻もうとする大奥の老女たち、しかし前線で立ち働く役を担わされた御客あしらい・滝川は、幼馴染の御家人くずれとわりない仲となり恋に惑う。 ロケ地、政務に励む吉宗のイメージ、執務室?は嵐亭延命閣(座敷から借景の嵐山を望むショット)。馬術の鍛錬、下鴨神社馬場。吉宗に気持ちを打ち明けられ考え込む竹姫、枳殻邸印月池畔(水石の上)。宿下がりの滝川の駕籠がゆく塀際、下鴨神社河合社脇。父の病平癒を祈りにゆく産土、竹中稲荷本殿(御家人くずれの子猿使い・大原と会う)。老女らに竹姫の大奥入りを打診したあと、姫と庭を逍遥する吉宗、枳殻邸印月池畔芝地。二度目の逢瀬のあと、ぐずる滝川を実家近くの産土参道に引っ張ってゆき突き放す大原、竹中稲荷参道重ね鳥居下。 第36話「密会」 七ッ口までやってきた大原にほだされ虚偽の申し立てで宿下がりの滝川、そのまま大奥へは戻らず男と旅の空。そして竹姫は、上様への思慕を見て同情した滝川がはからった「密会」が災いし、島津へ輿入れの運びとなる。 ロケ地、大原が大尽・堺屋の舟遊びを見る水辺、広沢池東岸。吉宗が早駆けの吹上の庭で竹姫と会う、下鴨神社馬場、林間。宿下がりの滝川が大原を探す神社、吉田神社竹中稲荷。堺屋向島寮、中山邸通用門。子猿も連れて旅をゆく大原と滝川、北嵯峨農地畦道(稲架映りこみ)。 第37話「さらば!田園交響楽」 おイモ話、ジイドの悲恋ものとはほぼ関係なく、暴れん坊将軍ノリのどたばた騒ぎが繰り広げられる。しまいに吹上の庭でサツマイモ栽培がはじまり、収穫を食らった大奥の女たちの放屁で終わる。 ロケ地、オランダ人に白馬貰って乗り回す吉宗、彦根城天守下。お城イメージ天守は姫路の天守。遠乗りの吉宗、嵐山自転車道(目黒への道)。もの驚きして猛る馬を鮮やかに制するおもんと出会う、下鴨神社馬場、林間(賊・浜島庄兵衛が「吉宗」と聞きつけるのは池跡)。おもんの家(目黒村駒ヶ野)、民家長屋門と前の畑。芋畑を見に行って嵐に遭うおもんと「新之助」、橋が流される川、保津峡落合河口。甘藷栽培の吹上の庭、彦根城玄宮園。 第38話「大奥のメリークリスマス」 お付きの侍女に上様の寵を奪われたお中揩ェ思いつく祈祷、巫女の託宣は邪宗の影。時ならぬ切支丹狩りがはじまり、高山右近の裔というお小夜の方は、無理矢理踏み絵をさせられ苦しむ女たちにデウスの慈悲を説き、糾弾の場で賛美歌を歌いだす。 ロケ地、城イメージに姫路と彦根の天守。主の絵を踏んでしまったおこうが入水、玄宮園竜臥橋(お小夜の方も助けるため追ってドボン)。 第39話「盗まれた青春」 天一坊事件。筋立ては諸作品と大差なし、伊賀亮に唆され東海道を仰々しく下る。大奥のお話にするのに、お局さまが天一坊の幼馴染の侍女をさらってお城へ連れ込み、大奥が伏魔殿と知った彼女が白州で偽者と証言する作り。 ロケ地、天一坊のことを吉宗に報告する大岡越前、枳殻邸印月池畔。大岡が密かに雅の局を呼ぶ屋敷、中山邸通用門。天一坊の侍女・としの薙刀レッスン、相国寺大光明寺石庭。吉宗の回想、幼い天作のもとへ馬を飛ばす道、下鴨神社馬場。天一坊遠島の船が出る浜、琵琶湖西岸松原(江戸入りの前の茅ヶ崎も同所)。大岡の機略により落とされた天作ととしがゆく道、北嵯峨農地。 第40話「消えた女の伝説」 一代飛ばして家治の御世、松島の局に駕籠訴して大奥入りの女は、姉の死の真実を求めていた。御台を害したとされる事件には曰く言い難い秘密がという段で、その女に将軍のお声がかかる。 ロケ地、寛永寺へ代参の松島局の駕籠が入る門、金戒光明寺三門(おまきの駕籠訴)。墓に参る局に再び接触のおまき、墓地石段。帰る駕籠、東坂。お端下となったおまきが内庭に迷い込み御台の娘・万寿姫と会う、枳殻邸傍花閣、遣水、回棹楼前印月池畔。「お巳代の方が御台を突き飛ばした」滝、琴滝。将軍の声掛りでお次となったおまきが万寿姫のお相手をする廊下、仁和寺宸殿前廊下。万寿姫が隠れ場所へ行くのに渡る橋、枳殻邸侵雪橋。御台付きだった綾小路の配下・淡路が鞍馬衆・田代に会いおまきの探索を依頼、お供が待つのは神泉苑池端。吹上御苑での御前試合、枳殻邸ゲストハウス前芝地(幔幕めぐらせ)。おまきが姉と行った箱根山中の木橋、不明(高所恐怖症を確認)。 第41話「疑惑の小公女」 おまきの方の出自が知れるも将軍の咎めはなく、万寿姫のリハビリ続行、体当たりで心を開かせる。姉小路は所行が明らかとなり自滅、おまきの方はご寵愛まぶしい「お千穂の方」に。 ロケ地、べそかき万寿姫を慰めるおまきの方、枳殻邸印月池畔・回棹楼前。姉小路の指図で連れてこられた、おまきの方の顔を知る相州の女への工作について話す田沼と松島、漱沈居(外観のみ)。万寿姫と話す将軍のもとへやって来るおまきの方、仁和寺宸殿前廊下(おまきが入ってくるのは南庭と北庭の仕切り塀から)。滝壺で問題の懐剣を見つけるおまきの方に落石、琴滝。この失敗で鞍馬衆と協議する姉小路配下の淡路、神泉苑法成橋。千羽鶴のお城へ駆けてゆく万寿姫、枳殻邸侵雪橋。事後、姫と羽根突きの「お千穂の方」、印月池畔芝地。 第42話「少女たちの不良白書」 娘の素行に手を焼いた親たちは、行儀見習いに大奥奉公を思いつくが、奔放な娘たちは欲深のお局たちの悪行をあぶり出す大騒ぎを起こすのだった。 ロケ地、又平が三人娘を連れてゆく御切手門、姫路城りの門〜備前門前の坂。お局さまのシゴキで庭石をあっちこっち配置替え、西の丸。おりきが蛇を投げた先に大奥総取締、相国寺大光明寺石庭。おりきの実家の庄屋屋敷の萱葺民家、不明。反乱を起こしたお端下たちの脱走劇、姫路城にの門〜はの門下坂〜ろの門内側(矢をつがえた侍が待機)、下水へ逃げ込む個所は水門と思われるが特定できず。総取締が庭先に溢れる下水を見る、相国寺大光明寺方丈縁先。大奥から放逐される初島ら、鐘楼前。おりきを加えて四人の娘たちを見送るお端下たち、天守下(石垣から見上げの画)。 第43話「愛と哀しみの聖母」 家斉の御世、もちろんエピソードは房事過多によるお子さまラッシュ。お話はそのうちの一子が大名家へ養子に入る過程を描く。将軍は丹哲。 ロケ地、冒頭家斉の艶福ぶりを語るナレーション、画は元気に槍を振り回す丹哲、仁和寺宸殿前廊下。養子縁組が決まった春千代が、大奥から身を引いた信乃を探し回る、宸殿廊下各所。家斉が出て諌める、本坊表門。奥州田沢藩へ向かう春千代の駕籠(谷地田か)、巡礼姿の信乃がゆく里の道(萱葺民家と蔵)、不明。 第44話「天使たちのエロス」 通商条約締結で、大奥の女も使い水面下で工作が進む。お話は、攘夷派に襲われ負傷した大奥の女を助けた若い絵師を中心に進む。 ロケ地、下田総領事館に徴発の玉泉寺、西明寺(山門、境内)。条約締結に関わる市山が水戸派の元老女に呼び止められ皮肉を言われる、枳殻邸西門を入って突き当たりの高石垣。海辺の情景、一部琵琶湖か。 第45話「花嫁は大奥一年生」 家定の御世、島津大キライのお局さまに、機略を用いてあたる老中・阿部伊勢守。本人の願いもあり、篤姫は身分を隠してお端下として潜入する。 ロケ地、阿部老中が島津斉彬を訪ねて話す雪残る庭、大覚寺遠侍前。阿部老中が月例の大奥見回り(庭も見てゆく異例)、枳殻邸侵雪橋〜遣水(姫が化けたドブさらい中の「おすみ」が阿部の紋服に泥掛け、家紋を汚されたと「怒った」阿部が余人を去らせおすみを「手討ち」芝居は池畔)。三ッ橋の手下が探りを入れにくる薩摩藩上屋敷、大覚寺大門。家定が壺自慢に催す茶会、枳殻邸印月池畔芝地。篤姫輿入れの駕籠が入る大奥の門、東本願寺内事門。阿部老中の墓に参る篤姫、二尊院墓地。その帰り、物思う篤姫(ED被り)、広沢池東岸汀(水無し、いつもは池底の部分)。 第46話「女盗賊の冒険」 騒然とする情勢のもと盗賊も横行、その賊の女頭目・お甲は表稼業の揉み治療の腕を買われて大奥へ上がることになってしまう。しかも一味の和尚はお甲に、ペリーが献上した御台さまの時計を盗み出し、幕府から金を脅しとる算段を耳打ちしていた。 ロケ地、早馬がゆく街道、嵐山自転車道(緊迫する情勢のナレーション部分)。老女・琴路が台参の芝・増上寺、本法寺(楼門から塔を見るアングルで駕籠が通る)。お甲のお庭御目見得、仁和寺宸殿前廊下と白州。前廊下はこのあと琴路と老中・堀田が話すシーンなどにも使われる。時計の身代金を持ってゆく堀田老中、駕籠から降りるのは大覚寺大沢池畔の石仏前。賊の和尚と取り引きは天神島(時計は祠の中)。東海道をゆくお甲と和尚、谷山林道か。 第47話「年上の佳人」 煮詰まる情勢を、一人の中揩狂言回しに描く。衣装が高騰し困り果てた大奥では、信頼できる者を選び市場調査に向かわせる。中掾E幾乃は、市中で長州藩士・高杉晋作と知り合い、彼の勧めで横浜まで出向き異人と会い、大奥には晋作の分析を開陳。そして後日、吉田松陰の助命を依頼されることとなる。この間、大奥が一丸となって松陰のために動くという妙なエピソードが展開する。 ロケ地、市場動向を聞きに行った先で、呉服屋の娘に誘われた幾乃が内緒でゆく水天宮、今宮神社(かざりや、東門、石橋、境内)。安政の大獄に際し、江戸へ回送される吉田松陰、広沢池東岸(水無)。晋作の愛人である芸者の小三姐さんが江戸を出る渡し場、罧原堤下河原。松陰が斬罪となる刑場、不明。 第48話「悲恋の皇女 和宮」 反幕の気風つのり、危機を感じた井伊大老は公武合体策を推進する。今回は和宮降嫁に至る経緯を描き、大奥入りで幕。家茂サイドの悲話も挿まれる。 ロケ地、和宮の住まう御殿、仁和寺勅使門(設定は今出川御門内・桂宮邸か)。有栖川宮と会うのは上賀茂神社ならの小川(右岸水場の傍らに塀をセットし演出)。大老の死を知らせに和宮のもとへ馬を駆けさせる有栖川宮、仁和寺参道。父帝の墓参もままならぬ仕儀に怒った和宮が物思う廊下、宸殿縁先。和宮降嫁の列がゆく街道筋、琵琶湖西岸松原。和宮を迎える大奥の玄関、大覚寺式台玄関(輿の担ぎ手で早や火花散る)。 第49話「江戸城のおさな妻」 御所ふうを通す和宮まわりと、あくまで「徳川の嫁」とする天璋院はバチバチ火花を散らす。また、降嫁に際しての約定が何一つ履行されないことから、朝廷は家茂に釈明のための上洛を命じる運びに。死を覚悟し上洛を決意した家茂に、和宮は初めて心を開くのだった。 ロケ地、和宮付きの侍女・庭田が京へ使いに立つ道中、幕閣の差し向けた刺客が出る橋、流れ橋(家茂手配の隠密が阻止)。京イメージに清水寺全景。上洛のため城を出る家茂、二条城本丸西虎口(雪景)〜北大手門。 第50話「動乱に挑む女」 風雲急を告げるなか天璋院の推挙で総取締となった滝山は、幕政の終焉を予感し大奥に有終の美を飾るべく立ち回る。終わりを悲しんだ者は自ら命を絶ち、存続をとあがく向きは陰謀をめぐらす。時局は大政奉還から鳥羽伏見の敗戦へまっしぐら、まだ決定打を知らぬ大奥では正月行事に興じるシーンで幕。 ロケ地、大政奉還を打ち出す慶喜、現場の二条城に本物(本丸櫓門、二の丸)。二の丸炎上を薩長の陰謀として策をめぐらす老女たち、枳殻邸侵雪橋たもと。天璋院の願いで自死したお針子の墓参に横浜へ赴く総取締・滝山、木津堤〜流れ橋(橋下の河原で天誅騒ぎ)。お針子の墓、不明(神護寺の文覚上人廟くらいの高台)。 第51話「華麗なる落日」 総取締・滝山は着々と幕引きの準備を進めるほか、「表」にも容喙して女たちを守ろうとする。天璋院も去り、静まりかえる大奥を見回った滝山さまは中村半次郎に見送られ去ってゆく。 ロケ地、桐野利秋率いる討征軍が駿府城を見やる峠、谷山林道頂上作業場、お城は彦根城(遠望)。お女中たちが大挙して城を出る、二条城本丸西虎口。城を出て寛永寺に謹慎の慶喜、相国寺(法堂、方丈、方丈北廊下)。町場の女に身をやつして城を出る滝山、二条城本丸櫓門(天璋院退去も同所)。品川へ向かう街道筋、嵐山自転車道(大八を引いて逃げ出す民衆を演出)。桐野利秋に洋式儀礼で送られる滝山、二条城桃山門(赤絨毯の上をゆく)。 |