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第1話「江戸で悪を斬る!」
再びの旅の起こりを描く一話。兵庫は友の恋人の借金返済のため道場破りで稼ぐが、当の友が殺され恋人も狙われる事態に立ち上がる。友を殺した人身売買組織はやっつけるが、未返済の借金のため桔梗に雇われ、京への旅のお供となって荷物持ち。京行きは伊豆の仕込みというオチ。 ロケ地、松平伊豆守邸、大覚寺大門。その帰りに桔梗と結婚について話す道、北野天満宮境内。北町同心・出淵が斬られて落ちる橋、中ノ島橋。出淵の恋人・おみつを連れて番所へ走る安、大覚寺放生池堤〜石仏脇。おみつに出淵からだと金を渡す兵庫、今宮神社若宮社前。水茶屋の蔵に監禁されている娘たちのことを兵庫に告げる安、北野天満宮参道(灯籠の陰から刺客出る)。桔梗を呼び結婚相手に選んだ男を見に京へ行けと命じる伊豆、梅宮大社神苑汀。伊豆の用人が兵庫に桔梗の京行きを告げる、北野天満宮本殿裏手。おみつの勤める茶店、不明。騙されて呼び出されたおみつが拉致される、下鴨神社泉川畔。おみつらが監禁され人買いに売られかかる小屋、広沢池東岸にセット。用心棒の雇い主を待つ兵庫、下鴨神社参道(大荷物を背負ってやってくる桔梗の背後に二の鳥居)。EDに被る街道筋、不明。
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第2話「辻斬りが惚れた女」
荒んだ小田原城下で頻発する凶盗、これに関わる辻斬りは桔梗を長年思い続けていた男だった。桔梗に退けられた際「汚らわしい若党ふぜい」と罵られた男は狂気に落ち、身分の高い女や恵まれたボンボンを斬り続けてきたと告白し、兵庫に戦いを挑む。 ロケ地、程ヶ谷付近の街道筋、不明(川堤?遠景に田と民家)。兵庫と市中をゆく桔梗を見る辻斬り「風」、大覚寺五社明神(舞殿に壁セットしてお堂に)。鶴屋押し込みの手引きをした女が消されるのも同所。「風」を尾行する安、下鴨神社参道石橋〜河合社脇。賊の女頭目が語る回想、桔梗にからんだ男たちをたちまちやっつける兵庫(設定は大磯の首切地蔵付近)、池跡。EDにかぶる街道筋、稔りの田と萱葺民家、*。
*辻斬り「風」に西岡徳馬、かなり変態さんも入っている暗ぁい浪人を熱演。なりは着流し、背に法華のお題目でポニーテール。*冒頭から女性論をぶつ兵庫が描かれ、賊の女頭目が手下に刺されるくだりも情痴がらみでドロドロな話だが、酸素の吸いすぎ気味の兵庫がシメるのでタッチは明るい。
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第3話「天中殺!美人女房に迫る罠」
沼津への旅の途中兵庫が助けた男、女房のことをのろけるが帰ってみると行方不明。ヒヒ爺の勘定奉行への贄にされかかっているパターン、屋敷へ入り込むのに桔梗が「月影流華道家元」なんて吹くのが傑作。前後のフレームに、宿場女郎の話をしていて桔梗の「フケツ!」が飛んでくる。タイトルは男の運勢を筮竹で占う兵庫。 ロケ地、三島を出て街道をゆく一行、どこかの川堤に富士山を合成。その後の道も河畔林のある堤道の模様だが特定できず。留吉を刺客から助ける墓地、不明。留吉が女房の話でのろける茶店、大覚寺護摩堂裏にセット(背後に心経宝塔)。女房の無事を祈る留吉、上賀茂神社奈良社。三番番頭が浪人刺客とツナギをとり消される町外れの神社、鳥居本八幡宮(石段、舞殿、裏手の杣道)。旅立つ一行を見送る留吉夫婦、大覚寺五社明神〜放生池堤。次の宿の話で桔梗を怒らせる、大沢池堤。
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第4話「弱い女が一番怖い」
舞台は掛川、殿の病に付け込んで悪家老が暗躍、息子を姫の婿にして乗っ取りをはかる。タイトルは、「反対派」の若侍が罠に落ち処刑されようとするとき、磔台の前に飛び出して藩士たちに恥を知れとぶつ、か弱きフィアンセを述懐する会話。 ロケ地、掛川さして街道をゆく兵庫たち、雲助に絡まれている男装の娘を助ける、谷山林道。姫が監禁されている万勝寺、粟生光明寺(石段、本堂、回廊とふんだんに使われ、夜間撮影もあり。本堂内陣も使われる)。国家老邸に乗り込み誘い水をまく兵庫、息子に立ち合いを申し入れる玄関、相国寺大光明寺式台玄関。屋敷を辞した兵庫がゆく道、南路地。刺客が出る、鐘楼裏手。二番目の監禁場所、兵庫を待ち受ける人数が伏せられる、高山寺石水院門、南塀際と金堂道への路地。処刑場、下鴨神社馬場に竹矢来と幔幕をセット(旅立つ一行も同所)。
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第5話「金に転ばぬ奴がいた」
ライバル店の娘を誑かしたうえ家族を皆殺しの悪党、しかし小賢しい芝居は「金に転ばぬ」天然兵庫によって暴かれてしまう。ロミオとジュリエットを気取って盲目の娘を騙す悪党に山内としお、指で互いの唇をなぞって言葉を読む睦言が秀逸。これはまた裏切りがバレる段にも使われて面白い。悪党らに雇われた浪人の一人には寺田農、これもいい味。 ロケ地、安と桔梗二人がゆく街道、山室堤道。坂越道をゆく兵庫、民家。谷戸郡・卯の目宿の代官所、芦浦観音寺。当地を発つ三人、谷山林道。
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第6話「妖しい姫君の野望!」
ちょっと権高だが別に「妖しく」はないお姫様、しかし駿河大納言の埋蔵金のありかを握っているのは充分にトンデモ。信頼していた商人に裏切られ世を闇と嘆く姫は出家し、金を世のためにとはかるが、欲深はどこまでも追ってきて姫の命を散らす。開け方のマニュアルも見ず、無闇に扉をこじ開けた商人が禁忌に触れ爆死という因果応報ばなしがついている。 ロケ地、遠州屋が姫を襲った刺客と密談の屋形船、広沢池東岸。刺客のヘッド・富永と兵庫が一騎打ちの矢作河原、桂川松尾橋上手右岸河原(中州下・派流合流点)。姫を追って飛騨へ向かう兵庫たち、谷山林道。姫の叔母が住持の飛騨の尼寺・浄心寺、勝持寺(南門と石段、参道のほか境内も。庫裏と瑠璃光殿の間の門には「松風庵」と額、鐘楼まわりも使われる)。埋蔵金が隠された霊厳峡双子滝下兜塚、柳谷(聳え立つ岩壁に小滝落ちていて、崖下に「塚」しつらえ←爆破)。
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第7話「身がわり弁之介」
暴力と権力に屈し、負け犬として生きる男のお話。この男の容貌が兵庫そっくりという設定、能天気に宿場をうろつく兵庫は、悪人たちにとってほぼ通り魔。「負け犬」弁之介は村上弘明の二役、体がデカいのでなかなか弱っちそうには見えない…。 ロケ地、弁之介が横領と証言した同僚が斬られて見つかる代官所近くの道、大覚寺参道。尾州・宮宿代官所、明智門。安が弁之介のじいや・定吉の家へ向かう田舎道、北嵯峨農地・広沢池西岸近く(水面映りこみ)。定吉が弁之介を隠してある小屋へ向かう道、酵素ダート。小屋、河川敷。兵庫が材木商に指定(帳簿を見せる約束)されて赴く妙蓮寺、神護寺石段、金堂前。代官と材木商、たぶさ組(荒くれ集団)の頭目が兵庫の扱いについて鳩首会談、梅宮大社神苑のゲストハウス。安に弁之介の体たらくを聞き嘆くおかよを励ます桔梗、大覚寺天神島(北側の汀に弁之介が潜む)。
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第8話「その手は桑名の大捕物!」
安が女郎殺しの罪を着せられ投獄、探ると背後には抜け荷組織があった。いつもの如く荒っぽく探る兵庫、お女郎に化ける桔梗などが描かれ、ワルの郡奉行のもとで鬱屈するも正義を貫く、赤塚真人の下役人が加わる。 ロケ地は前後のみ、桑名の浜、琵琶湖西岸松原。港の表現に使われる切石敷きの護岸は特定できず。
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第9話「野良犬の牙!」
藩重職の悪企みにより追放されたうえ妻子を亡くした兵庫の剣友は、復讐の牙を研ぎ野良犬として生きてきた。お話は、彼にまだ残っていた優しさゆえの苦悩を描く。 ロケ地、雷雨の夜雨宿りに来た末永浪人を「雇う」藤森、鳥居本八幡宮。彼らが押し入る百姓家、摩気民家。ここを中心に話が進み、民家は外観のほか内部もたっぷり使われる。周囲も、摩気橋に園部川堤、摩気神社参道などを使用。宿場はずれで藩重職と会う藤森、下鴨神社糺の森池跡(回想シーンとラス立ち)。末永浪人がちさを人質にゆく夜道、保津峡落合崖道(落ちかけ→引き上げシーンあり)。設定は全て石薬師宿付近。
*復讐に燃える藤森に清水健太郎、ちょっと病的。末永は丹古母鬼馬二で怖すぎ…兵庫に「いるのがくさい匂いで判った」などと言われている。
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第10話「女講釈師 見てきたような大捕物」
偽藩札を作り私腹を肥やす勘定奉行、偽造の工房に放り込まれた恋人を案じる女講釈師の頼みで関わってゆく兵庫。もちろんいつもの通り力押しで解決するのだが、小島三児演じる奉行の配下が悩んだすえ決然と悪に対抗するエピソードが挿まれ、味のある仕上がり。 ロケ地、女講釈師に幼馴染の話を聞く兵庫、大覚寺護摩堂(後段、講釈師が騙されて拉致される際には「神社裏」の設定)。工房を逃げ出して殺された職人の土左ヱ門が上がる川、不明(例の朽ちかけた木橋と中くらいの規模の川、七谷川か)。このあと死体の身元について講釈師と話す兵庫、丹波国分寺境内〜山門。ここは探索方手代・大塚典膳の愚痴を聞く際にも乳銀杏の木が使われる。
*番組中、藩名は出ず。藩札を凝視してみたがダメ。桑名、石薬師と来ているから亀山あたりと思われるが、想像の域を出ず。*講釈師は桔梗の二役、斬られて怪我をした太夫の代役を桔梗がつとめるくだりがある。*奉行に黒部進、悪徳商人に江見俊太郎。
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第11話「殺しの千里眼!」
伊勢・亀山城下、民からなけなしの金を搾り取る騙りの生臭坊主を退治する兵庫。桔梗に風邪を移された安の代わりに、桜木健一の岡っ引が行動をともにする。 ロケ地、地蔵和讃を唱えつつゆく巡礼、八幡掘明治橋〜堀端の蔵。山伏のなりで千里眼のご託宣を叫ぶ秋水、愛宕参道鳥居。ご託宣に従い鈴鹿峠へ行ってみる兵庫、保津峡落合崖道。赤子が泣いているのは落下岩。その赤子の父が斬殺されて見つかる八幡、日牟礼八幡宮か。容疑者扱いの兵庫を尾行する岡っ引、八幡掘明治橋〜蔵〜堀端(兵庫が橋脚の陰で待ち構え)。関へ向かう兵庫が渡る欄干のない低い橋(下は湿地帯)、不明。秋水の福蔵院、勝持寺参道石段、南門(中揩フ駕籠がやってくる)。亀山城下の夜、鈴鹿川の面影橋と指定して身投げ女を助けよと秋水の託宣、中ノ島橋。手がかりの女が殺されたあと福蔵院へ赴く兵庫と岡っ引、勝持寺参道石段(御開帳の日設定なので石段には多数の人数が行き来)。お札を売る男に秋水と面会させろと申し出る兵庫、粟生光明寺本堂前。秋水と用心棒らが兵庫を胡散臭そうに見遣るのは本堂廊下、回廊。兵庫が「秋水の回答」を待つ欅の森、下鴨神社池跡。吹き矢の男を捕まえる、河合社脇。役人は兵庫を公儀隠密と思っていて腰が引けているのだと告げる岡っ引、八幡掘堀端の道。
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第12話「京の都の鬼を斬れ!」
ようやくゴールの京都、桔梗はお見合いに臨み兵庫はトラブルに巻き込まれ。途中で松平伊豆がやってきて、京行きを勧めた真意を明かす。 ロケ地、京都イメージに東寺五重塔〜紅殻塀前をゆく白川女〜渡月橋(雲水あしらい)。建仁寺に呼び出される兵庫、本物(呼び出した職人は弓で射殺され兵庫犯人扱い)。半弓の出処を調べにゆく安が舞妓を見てデレデレ、白川畔(吉井勇歌碑前)。桔梗が所司代与力・吉村と見合いの野点の席、芝地に茶亭、不明。弓の持ち主・五条吉麿邸、中山邸(門、参道)。兵庫と安が待ち合わせの小橋上のうどん屋台、祇園・白川。二人が襲撃される、真如堂塔前。吉村が兵庫に捕り方を差し向ける、化野念仏寺。桔梗とデートの吉村、お茶は三面大黒天。桔梗に吉村の悪口を吹き込んだ芸者の件を言い訳する吉村、上賀茂神社ならの小川畔。松平伊豆守がやってきて入る馴染みの宿、嵐山公園・錦。安が潜入して地下の偽金工房を見つける、中山邸庭。吉村に始末された芸者が縊死に見せかけ吊るされる、上賀茂神社渉渓園。芸者の死の顛末を言い繕う吉村、桂川松尾橋上手川中と右岸河原(友禅流しを演出)。吉村と一騎打ちの兵庫、下鴨神社池跡。再び旅に出る兵庫を追っかける桔梗、嵐山公園・中ノ島橋下手北岸並木沿い〜嵐山自転車道。
*公家とつるみ偽金で私腹を肥やし、女癖も悪そうなワル与力に志垣太郎。おじゃるは尾藤イサオ。偏屈のうどん屋に「磯貝さん」石倉三郎。*知恵伊豆の意図、兵庫の京行きははじめから偽小判の探索・解決のため。どころか桔梗のお見合いすら所司代を探るため…オニはこのおっさんのほうじゃないの。
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