鬼平犯科帳 第7シリーズ


麻布ねずみ坂/男のまごころ/妖盗葵小僧/木の実鳥の宗八/礼金二百両/殺しの波紋/五月雨坊主/泣き味噌屋/寒月六間掘/見張りの糸/毒/あいびき/二人女房/逃げた妻/見張りの見張り


麻布ねずみ坂」1996.8.21 通算110話 原作同名 3巻

 「埋蔵金千両」で、土蜘蛛の万五郎の治療をした名指圧師・中村宗仙の話。貯めこんでいると噂だが質素な暮らし向きの彼には、大金を要する理由があった。
 ロケ地、立派な駕籠で送られてくる宗仙を見かけるおまさと彦十、三井寺唐門前。宗仙の住まいは塔頭のひとつ。宗仙宅から出てきた浪人・石島を尾行する沢田同心、中ノ島橋黒谷・真如堂墓地裏の路地(あとで彦十が張り込むのはここの石橋)。大坂へ向かわず中山道をゆく石島、流れ橋。高崎城下、自身の道場へ向かう石島、民家塀際民家長屋門。宗仙の回想、白子の菊右衛門の妾・お八重と出会った東寺、本物の境内。お八重の墓参りにやって来る宗仙を見かけるおまさと彦十、金戒光明寺茶所(宗仙は石段を登ってきて本堂のほうへ去る。設定は麻布の光照寺)
*宗仙は「埋蔵金」の大前均ではなく芦屋雁之助をキャスティング。原作とは違い、石島浪人をハメて誘き寄せ平蔵が斬り捨てる運びになっている。おかしらの抜き胴がみごと。


男のまごころ」1996.3.28 通算111話 原作「鈍牛」 5巻

 イキり気味の同心・田中が平蔵の留守中捕えた放火犯・亀吉。巷ではあの男がまさかと不審がる噂が。
平蔵のはからいで日延べになる処刑、亀吉の勤め先に赴き調書が穴だらけなのに気付く鬼平、田中の使う密偵を詰問。
暮夜、田中と密偵、言い争うのは南禅寺三門
亀吉とサシで話す平蔵、尚火つけたと言う亀に奉公先の難儀を説く。親身な問いかけに心開く亀、しかし核心は黙す。路傍に晒した亀を見張る鬼平、亀を凝視する男を発見、追われ取り押さえられるのは今宮神社。境内の舗道・高倉・本殿映る。
捕えた亀の母・おしのの昔馴染み、安兵衛に息子の身案じる末期の文を見せ情に訴えオトす。
亀は昔親切にしてくれた安兵衛の身代わりになる気だったのだ。
安兵衛は処刑、田中同心は免職、無理な取調べで田中の点数稼ごうとした密偵は遠島。自らの処分拝しに登城する平蔵、大覚寺宸殿
 亀吉役は東京のお笑い芸人、使い方渋い。演技・事件性・人間関係等派手にしようと思えばいくらでも展開できるストーリィを抑制の利いた演出でしっとりと見せるのはさすが。


妖盗葵小僧」1996.9.4 通算112話 原作同名 2巻

 大身旗本の格好して商家に押し入り金品奪った挙句女房に無体をはたらく凶盗・葵小僧が横行。羽織には葵の御紋。
 被害者の一人が入水するのをうさ忠が救う、広沢池。その女と会い心をほぐす平蔵、鰻食う顔が秀逸。滋味噛み締める表情の変化に腹減る。
 次々と出る被害者、娘を守ろうとして殺される者や二度入られる家まで出る始末。三度の出現を張る盗賊改、正体は向かいの骨董屋のぱちぱちパンチ。
 出役する平蔵、白州で今までの女の名暴くと嘯く葵小僧を一刀の下に斬り捨てその夜のうちに手下も処刑。独断に非難の声上がるも役目柄と平然の鬼平、渋い。


木の実鳥の宗八」1997.4.16 通算113話 原作「春雪」 13巻

 富岡八幡宮にうさ忠連れ詣でる平蔵、ロケ地は石清水八幡宮。参道で財布掏られる直参・御先手組頭の宮口伊織。スリの捨てた財布からはどこぞの大店の間取り図が。
与力を宮口宅に派遣し探り入れるも言下に否定される。スリの宗八の身案じ芝居うち脅し外出を止める鬼平。宗八のヤサは「小兵衛隠宅」のセット?元締に相談に行くも鬼平の名出した途端叩き出される宗八、その席にいた歯医者が伊織と関わりのある上方を荒らしまわった盗賊、ファンキーなロン毛で表情にチック入った見るからに変なヤツ。掌で胡桃ごりごりやってるし。怪力系か。自死まで思い詰めた宗八、今生の名残にと昔馴染みの女郎探す。
 平蔵と奥方の雑談からふと伊織とつながりのある店の名出て動き出す火盗。見張りのシーンで映る白塗りの塀続く伊織邸、南禅寺僧堂門〜北塀、坂
 宗八、女を見つける堀端、八幡堀。女の家の前の橋、セットと中ノ島橋を併用。
 騒動の末大童になった伊織、懐紙に短刀置き黙して去る平蔵。一方ほうほうの態で橋に手かけ上がってきた宗八の手取り助けてやる鬼平。さしのべられた手が鬼平のものと知り「鬼平だぁ」とくしゃくしゃに顔を歪める宗八のシーン、秀逸。


礼金二百両」1997.3.23 通算114話 原作同名 6巻

 押し包まれ斬られる鬼平の悪夢ではじまる。背景は書割のムンク風の空。
風邪を引き病臥している平蔵、枕元の文箱に櫛売って作った金をそっと入れる久栄。
 大身旗本・横田大学の一子・千代太郎、病をかこつ母のもとへ見舞いにゆく広尾ケ原で襲われ誘拐される、下鴨神社糺の森。乱闘は池跡と馬場。広尾ケ原は原野の趣残し古き武蔵野を彷彿とさせるの由原作にある。そこに見立てて山城原野の風景を今に伝える糺の森が選ばれているのも興味深い。
千代太郎の身と家宝の刀の代わりに千両要求する脅迫状が届く。用人の甥の小林金弥与力を通じ鬼平に話が来る。蔵の刀も盗んでいる手口にあたりをつける平蔵。彦十を送り込む。
横田家家来・山本伊助がゆく大沢池畔、南堤で誘拐犯とツナギつける、尾行している彦十とおまさ。当主は伊助問い詰め昔の経緯も語る。自害しようとする伊助とどめる平蔵、寝てなくていいの。監禁場所へ急ぐ鬼平と小林、騎馬でゆく糺の森馬場
 事後礼をのべに来る横田大学、二百両を差し出す。一間おいてにこやかに受け取る平蔵。
己のしざまをどう思うと小林に問う平蔵、与力の目から滂沱たる涙下るを見て自分も泣き入る鬼平。そっと戻されている久栄の櫛。クサいと言えば臭いが、原作にある通り礼をしたいので何なりとと申し出る横田に金子をストレートに要求する平蔵をそのまま映像にすれば拒否反応も出かねぬ画となる可能性があり、いずれにしてもニュアンスが難しいくだりではある。


殺しの波紋」1997.4.30 通算115話 原作同名 13巻

 犬神の武松、飯坂の音八と金で揉め船上で刺殺、その後盗賊改与力・富田が橋本屋と船頭殺害する現場を目撃。以前捕り物の際富田に弟斬られた武八は底意地悪く富田を強請る。音八と橋本屋らの死体が上がる岸、八幡堀
 脅しの文読む富田、平蔵の気配に気付かず、怪しむ平蔵、女か・いや違うと独りごちる姿が可笑しい。粂八に探索を依頼。
 富田への文を受けた又造、深川の富が丘八幡宮に参詣の際富田と逢い飯を振る舞われる。そこで粂八の影に気付く。又造は役宅に帰還せず死体が発見される。
 富田の回想、一年前。酔った旗本に絡まれ返り討ちにしてしまったのを実は盗人だった橋本屋に見られ強請られるようになったこと。ロケ地黒谷金戒光明寺境内の塔頭の間の路地。
 富田を尾ける彦十とおまさ、清涼寺?今宮神社?
 武松に浅草・浅茅が原橋場妙亀堂に呼び出される富田、大覚寺護摩堂、明六ツの設定に焚かれるスモーク。三日後に金渡せと言われた富田、遂に辻斬りを働く。それを平蔵に報告する彦十。武松のアジト急襲する火盗、責めた挙句粂八に妙な拷問の演技させオトす。
 窮した富田は裕福な商家に目付ける始末。雪の夜、犯行直前の富田の前に立つ平蔵、斬りかかる富田にそこまで堕ちたかと嘆息、数合にて斬。
事後、五鉄の二階で密偵ら労い鍋突付きつつ述懐の平蔵、せきあげる感情に中座、窓外に雪。


五月雨坊主」1997/5/14 通算116話 原作同名 10巻

 火盗改御用の絵師・石田竹仙とそっくりの盗賊を軸に話が展開。絵師は自画像を描くことに。
恩人を身持ちのわるい身内に殺される僧侶という後味のわるーい陰惨な話を御馴染みのメンバーのエピソードとからめ軽妙に仕上げてある。
 ロケ地、みよしやからの帰り伊三次が通りかかる下谷の塀と門の道、南禅僧堂坂
盗賊・長五郎が女房のお栄に金をせびられ斬りかかる林、仁和寺五重塔南付近。竹仙が自分そっくりの男に会った回想シーン、南禅寺三門、谷中の寺まちに擬して。また、善達坊主の寄留する長五郎の盗人宿にされた谷中の天徳寺、不明(忠吾が近寄るシーンは低い塀の向こうに大屋根、捕物後善達が救出されるシーンはセット撮り)


泣き味噌屋」1997.5.28 通算117話 原作同名 11巻

 勘定係の川村は人前で雷に取り乱す軟弱者。或る日その新妻が狼藉の果て惨殺される。犯人を二本刺しと睨んだ平蔵の指令飛び動く密偵たち。おまさが聞き込みに立ち寄る寺に真如堂。聞き込みの末浮かぶ大身旗本と手下の剣客。道場で開く賭場に踏み込む盗賊改。討ち込む鬼平の傍らには志願した川村の姿。捨て身の剣で相手を一突き。
 後日、おまさに問われ経緯を語る平蔵、配下に対する慈しみと職責への厳然たる態度と、足りぬ尺のなかこれをきっちり描く。


寒月六間堀」1997.6.4 通算118話 原作同名 7巻

 密偵たちとの歓談に酒を過ごし初めて五鉄に泊まる鬼平。五ツ過ぎて起き出した平蔵に白粥が振る舞われ、旨そうに食いながら自適の生活をしたいと語るのに彦十が今日いちにちは若い頃に戻りどこかへぶらりと足をのばそうと持ちかける。
 市中をゆく平蔵と彦十、山科随心院薬井門前(原作設定はお熊婆さんの茶店がある弥勒寺門前)。そこで見かけたのは老武士が物陰で襷かけ鉢巻をし出陣しようとする姿。目指す相手の駕籠が通りかかり、討って出ようとするも出損ね、座り込み嘆く姿を見遣る平蔵と彦十。駕籠は築地塀の角を曲がってゆき、老侍はよたよたと後を尾けてゆく、随心院裏の土塀。駕籠はなお進み、力尽きて倒れ伏す老人を抱き起こす平蔵、随心院参道
 老人は市口瀬兵衛、倅・伊織の仇で今は金貸しの松井四郎兵衛(山下藤四郎)を二十年も追い続けて71歳となる境遇。婚約者に言い寄った藤四郎と決闘の末伊織は死亡。四郎兵衛の立ち回り先の料亭の女将はその婚約者であった。平蔵は市口老人に助太刀を申し出、月明かりの晩六間堀川南端に架かる猿子橋で待ち構える。用心棒四人を倒す鬼平、市口老人は辛くも脇差で藤四郎を仕留める。事後、平蔵は彦十に市口老人を託し巡礼に報謝と金を手渡す。
 老人が去ったあと、現場に来ている巴屋の女将・お登勢。平蔵と短く交わす会話、男女の妙。原作に無いエピソードであるが吉右衛門版鬼平の真骨頂とも言える会話。


見張りの糸」1997.6.11 通算119話 原作同名 16巻

 火盗改が見張り所に借り受けた商家は盗っ人の家、そして過去の因縁がその家の主に忍び寄っていた。仏具屋の主を仇と狙うのは婀娜っぽい年増、原作設定を大幅に変えてありしかも一色彩子が見事にハマっているので、無頼浪人だらけの小説とは全く趣が異なり、討たれる覚悟を決める仏具屋の主もよい画となる。あと、井関禄之助が堂ヶ原の忠兵衛の制裁を目撃するのはドラマオリジナルで、原作では情報をもたらすのは出張中の京都奉行所の浦辺さん。
 ロケ地、酒と飯をたかりに火盗改役宅へ向かう井関禄之助、妙心寺玉鳳院前路地(後段、おまさが押し込み情報を注進に走るのも同所)。駕籠を襲う一味の浪人たち、中ノ島橋上。稲荷の金太郎と戸田浪人が押し込みの打ち合わせをする料理屋・万八、中山邸通用門。金太郎と外で会い戸田の始末を持ちかけるおきく、大覚寺大沢池堤〜池汀に係留の船。寺嶋村の盗っ人宿の農家(美山か)、甲州路での忠兵衛の制裁(山の斜面?の草原に孤立木)、不明。


」1997.6.18 通算120話 原作同名 11巻

 陰陽師・山口天竜から懐中の袱紗掏る伊太郎、鬼平の刀が一閃、衣裂き髻落とす。笹竜胆の紋入りの袱紗からは小判と薬包。調べにより南蛮渡りの毒と判明。笹竜胆の袱紗は御側衆・土屋左京のもの。この件を町方に回さず扱うことに決する鬼平、この太平の御世に命賭けるは男冥利と配下と哄笑。
伊太郎に役宅の小者のなりをさせ土屋の家来から懐中物掏り取らせる鬼平、慌てる家来に名乗る。事件は年を越し土屋の家老が金を持って慰撫に来るが平蔵は応じない「金ずくで丸め込もうとしても駄目だよ、じいさん」。
半年後土屋左京は急死、家は取り潰し。卵酒を一緒に掻き混ぜながらこれを述懐する平蔵夫婦、雲の上のことは判らんと笑う。また、伊太郎は小者に納まり平蔵の死の際後を追おうとして果たせず首に傷を残したまま平蔵夫婦の墓守をして生涯を終えたことが語られる。
原作で丁寧な描写のある伊太郎が土屋家来から懐中物を掏るシーンは短いが凝ったつくり。
 ロケ地、天竜が懐中物を掏られる浅草寺、本法寺。土屋邸、大覚寺大門


あいびき」1997.6.25 通算121話 原作他作品「おせん」

 仁兵衛棟梁の女房・おとくと逢引に赴く神官・朋斎が出てくる夢森稲荷、鷺森神社(社務所から出て南に向かい橋を渡る)。湯屋で変装し池之端の出会茶屋美濃屋で逢引は錦水亭。約した「例のもの」は仁兵衛の手がけた商家の間取り図。
 その夜両替商・相模屋へ押し込む盗賊、手口から下調べが入念なことを他の事件と比較し指摘する平蔵、大工に着目し仁兵衛の家へ聞きこみ・女房の態度じいっと眺める。
 性懲りも無く朋斎と逢引重ねるおとく、以前仁兵衛から破門されたチンピラ・文吉に密会現場見られ強請られる羽目に。文吉の名は盗賊改の調査からも不審退職者として浮上、粂八と彦十が張り付く。賭場で舞い上がる文吉に言葉巧みに取り入り巾着盗んで金の出所探る粂八、あとで鬼平に巾着を差し出す悪戯っぽい表情が秀逸。
 金に窮した文吉、おとくに再度金を無心するが神官のほうにもコナかけたのが運の尽き、金持ってきたおとくの目前で刺殺される。
 朋斎の神社囲む盗賊改、朋斎がこっそり盗人のアジトに入ったところに踏み込み一網打尽。
そのころ美濃屋で一人待つおとく、来ぬ男に涙する。
 事後、水を打ちに表へ出て来たおとくに声掛ける平蔵、何事も無かったように笑う女に枯れ木になるまで心休まるまい女は怖いと述懐。
 EDロケ協力に大覚寺と真如堂とあるがどこに使ってあるか不明。


二人女房」1997.7.2 通算122話 原作同名 12巻

 情けない気弱な佐野倉の用心棒・高木軍兵衛の後日談。一念発起して稽古に励みずいぶん強くなっている。
 そこへ昔一緒に護摩の灰をやっていた佐吉が現れ悪事を唆す。佐吉は彦島の仙右衛門の手下の盗賊で、その女房から旦那の殺害を示唆されている。また旦那側からも同様の話を受けている。仙右衛門の殺害を軍兵衛にさせる段取りつけた佐吉、妾宅に軍兵衛送り込む。設定は深川大島町の飛地で、堀川沿いの汽水域、座敷に汐の香届く立地、ロケ地広沢池・水無し。最初に佐吉が軍兵衛訪ねてきた際話すのは大沢池天神島
 軍兵衛、既に平蔵に打ち明け手は回っている。罠の中に飛び込んでくる盗賊たちを捕えるのだが御白州で殴り合いはじめる始末。規律の緩んだ盗賊一味の雰囲気はよく出ていた。


逃げた妻」1997.7.9 通算123話 原作同名 19巻

 盗賊のアジトに討ち込むも燕小僧のみ取り逃がす盗賊改。
 新米の三井が燕小僧を目撃する水辺、八幡堀・新町浜に茶店セット。
 平蔵が最近三井同心に目をかけていることが面白くないうさ忠、市中見回りの際通る林、仁和寺塔南側の疎林
 うさ忠は立ち回り先での知人・藤田浪人が前妻と後妻の狭間で揺れる話を平蔵に上げる。
 前妻・おりつがSOS発信し会いたいと場所を指定してきた浪切不動を見回る平蔵、梅宮大社神苑〜門〜本殿前。そこで燕小僧とばったり行き会う平蔵、嵯峨清凉寺にスイッチ。真正面を避け道具屋を物色する平蔵、十文字屋にセット?その後ヤサ突き止め中に居た浪人を峰打ち。そこには藤田の前妻・おりつが捕われていた。
 燕小僧は盗人宿に踏み込まれ壊滅、前妻と駆け落ちしてしまう藤田、顛末を聞き笑う平蔵、やがて捨てられて帰ってくると看破。そのとおりになった経緯に恐れ入りましたと賞賛しヨイショののち鯉の洗いねだるうさ忠。


見張りの見張り」1997.7.16 通算124話 原作同名 12巻

 冒頭、、「様々な出合が…」のナレーションに渡月橋
 長久保の佐助と偶然出会うおまさ、まだ蜆が好きかと懐かしそうに話す、梅宮大社神苑・石橋上。鬼平がいる江戸ではお盗はできぬ、人を探しに来たという佐助、おまさが粂八の名出すと顔色変わり是非会わせてくれと頼む。息子の仇捜している佐助、相手の杉谷の虎吉は元粂八の配下。粂八は同情し当たってみると約す。
翌朝、品川さして出てゆく粂八、あとを尾ける佐助。この少し前に凶盗の調べで通りかかるうさ忠と彦十。南品川の蝋燭屋に入る粂八、虎吉の女の家。出てくる粂尾ける佐助の姿認める彦十、二人の後を追ううさ忠。
蝋燭屋の見える旅籠に腰据え見張る佐助、それを見張る盗賊改。地図から佐助の監視対象探る平蔵。
 粂八とツナぐおまさ、広沢池(水無)。佐助の一件で勝手に動いていることを平蔵に後ろめたく思うおまさ、自分も同じと告げる粂八。五鉄に招ばれる二人、見透かされていることを覚り全てを話す。話を聞き調査中の凶盗に思い当たり品川へ騎馬で急行の平蔵、山室。
 蝋燭屋閉め出掛ける虎吉の女・おろくを見て追いかける佐助、アジトのそばで用心棒に捕まり咄嗟に粂八のツナギと偽りお耳をと近寄る。刺そうとするが果たせず間一髪を盗賊改の急襲。
 事後、虎吉が火炙りに決まったこと告げ牢内で体をいとえと去る平蔵、続いて運ばれてくる蜆汁に涙する佐助。おこぼれを頂いている台所へたまらずやって来る平蔵、既になくなっている汁、食い損ねた平蔵の情けない顔でエンド。
*EDの摩気橋の前に反物売る屋台のシーン。尺が長い時には挿入の模様。
*長久保の佐助に本田博太郎、原作に「ぎょろ眼の佐助などとよばれた大きな白身かちの眼」とあるに拠った起用か。


→鬼平犯科帳視聴メモ表紙

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