雪姫隠密道中記

1980/4-9 毎日放送/東映

キャスト
雪姫(お雪)/片平なぎさ 巌谷源八郎(源八)/和田浩治
おさらばお千/森マリア 韋駄天の六助/小松政夫
小鈴の佐平次/中村敦夫 葵新之介(結城新之介)/あおい輝彦

 父君の無実を訴えに江戸へ向かう雪姫、急ぎの旅といいながらその都度際会したトラブルを見捨てておけず介入する、祖父の「清正公」似の困った姫さま。お付きの源八郎は「血の気の多い」熱血漢、姫が余計なことに関わるのにいつもやきもきイライラ、姫様に気安く接する新之介が癇に障って仕方ない。その「葵さま」は実は神君の孫にして現将軍・家光の名代として隠し目付をつとめる貴公子。彼を裏でサポートする佐平次は元伊賀者、忍びの技を盗みに転用しワルの金を庶民に撒いて歩く義賊。これにぞっこんの女道中師はお色気美人、しかしファンキーな相棒・六助がついて回るのでギャグ要員。この「仲良し六人組」が繰り広げる珍道中は、水戸黄門の如くの世直し旅となる。
 お話は姫が揉め事に首を突っ込み、他の者がサポートに回る筋立て。佐平次は諜報活動を行うが、よくよぼよぼの老婆などに化け、べりべりとマスクを剥がしてみせるのが傑作。ここまではじけた中村敦夫はなかなか珍しく、見どころの一つ。葵新之介は姫らに見えないところで偉いさんに将軍名代の「鑑札」を提示し根回しをする。お約束で、誰も彼の正体には気付かない。佐平次とは気脈を通じるがナニがどこまでかは全くの謎。姫につきまとう土井大炊頭の手下は内田勝正、しぶとく立ち回るが最終話で姫の手にかかって一巻の終わり。


第1話 サブタイトルなし

 肥後の加藤家に降ってわいた災難、豊臣恩顧の大名潰し(実は老中・土井大炊頭の画策)。雪姫は恭順の意を示し激する家臣を抑え、父の汚名を雪ぐべく江戸へ向けての旅を決意する。今回は姫の助け手となるメンバーが綺羅星のごとく登場し、役どころを定めてゆく。

ロケ地

  • 熊本城、本物。
  • 品川入りしていた加藤忠弘に御府内立ち入りを禁じ池上本門寺入りを命じる使者の早馬が走る、大覚寺参道
  • 収城使の列がゆく街道、谷山林道か。
  • 熊本城へ急を告げる早が駆け入る城門、不明。
  • 小鈴の佐平次やおさらばお千らが肥後入りの街道、大内辻堂と周辺。
  • 収城使の侍大将に追われる姫を匿う葵新之介、中ノ島橋
  • 家老のアドバイスで本妙寺へ赴く姫、神護寺山門〜毘沙門堂前。
  • 姫が一夜を明かすお堂、不明(三匹が斬るで何度か出たお堂、壁に菱形に抜いたはめ殺しの小窓)

第2話 妖怪!!鬼面の女

 肥前鍋島入りの雪姫は、切腹した筆頭家老の無実を晴らしたいという女の事情を立ち聞きし、身につまされて関わってゆく。「鬼面」はその女が着けて夜な夜な出没、藩士の髷を切って回り、事を殿の耳に入れようとする計画。

ロケ地

  • 鬼面の妖怪が出て警戒中の藩士の髷を切る橋、中ノ島橋
  • 矢を射掛けられて傷つき逃げる道、大覚寺有栖川畔。
  • 茶店で妖怪の噂を聞く新之介、広沢池西岸。軽口を藩士に聞きとがめられチャンバラは湿地、左平次にもう姫が事件に関わっていると聞くのは観音島
  • 筆頭家老の家司が暗殺された場所で、犯人が鬼面誘き出しにも使う城山八幡、鳥居本八幡宮
  • 姫らが発つ道、不明。新之介が渡る橋、流れ橋

第3話 狸の又平 槍の仇討

 肥前唐津入りの雪姫、訳ありげな主従に関わりしばし逗留。彼らは仇持ちで、目指す相手の家老の甥は屋敷に匿われていた。これを利用して土井大炊頭の手先・鉄心が仇討ちの場で姫を害そうとはかるが、葵新之介が藩主を伴って現れワル一巻の終わり。

ロケ地

  • 唐津入りの姫がゆく浜、琵琶湖西岸松原(ラスト仇討ちの場も同所)
  • 唐津城、本物(テトラ越し遠望)
  • 又平が侍にボコられているのに介入の姫、金戒光明寺永運院下坂
  • 鉄心が馬で駆け入る城門、大坂城大手門

*主人の仇を討つ奥方に付き従う忠僕に坂上二郎、彼らが路銀を使い果たし厄介になる旅籠の夫婦に夢路いとしと正司歌江。ラス立ち福ちゃん入り。


第4話 女の意地の博多織

 福岡城下入りの雪姫、関わるのは献上織の仕上げを妨害される商家。
亡夫の意志を継いで頑張る後家に降りかかる災難を腕と金でサポートした雪姫に、佐平次がお金を補給したりする。

ロケ地

  • 福岡へ一里の道でお昼をつかうお千ら、御室八十八ヶ所お堂前。
  • 新之介にお握りとられて怒った六が掏摸に行って返り討ちに遭う野原は不明。
  • 佐平次の依頼で志摩屋の財布を掏ったお千らが金勘定をするお堂、大覚寺護摩堂
  • ラストの街道筋、不明。

第5話 地獄で聞いた鈴音

 舞台は馬関、悪代官とつるみ民を食い物にする二足の草鞋を引っ掻き回す姫たち。佐平次大活躍、娘を売りに来た老爺に化け、賭場で大勝ち・地下室の娘らを逃がす手配・金蔵すっからかんでワルはさんざん。姫と源八郎がノリノリで博打に興じる場面もある。

ロケ地

  • 娘を売った金を抱いて帰る老爺を襲う口入屋の衆、野道不明。
  • 姫らに迫るワルが家老に叱責される神社、不明。
  • ラストの山陽道、不明。

*賭場の中盆に福ちゃん、姫に「半ってナニ」「じゃあ丁って?」とやられ苦りきって解説。一人勝ちの中村敦夫が化けた老爺にぴしぴし肩叩かれたりもする。役名なしでクレジットあり。


第6話 法師が招く船幽霊

 防府入り、雨宿りした破れ寺には怪しの琵琶法師がいて平家の怨霊がと脅しにかかる。しかし亡霊なんてハナっから信じてない元気でアカるい主従は、幽霊を仕立てて抜け荷をはたらく一味を焙りだす。

ロケ地

  • 三田尻へ向かう姫、佐波川渡しで亡霊話を聞くのは琵琶湖西岸。
  • 平家の怨霊話で誰も近寄らない地蔵鼻の岬、北湖の岩浜か。

*今回は新之介出ず、「権威」は雪姫が知り合いの家老を呼んでくる。ラス立ちは中村敦夫が出張り、組み立て手槍で大立ち回り。


第7話 悪代官は瓜ふたつ

 追っ手を避け柳井へ向かう姫、宿で旅籠同士の争いに首を突っ込むことに。先に柳井入りしていた新之介が義侠心を発揮し、ところのワルをとっちめ健気な娘をヘルプにかかっているところへ、姫が関わってゆくかたち。いつもの如く余計なことと怒る源八郎だが、彼もか弱き者たちを見捨てては置けないのだった。
代官にそっくりな六助、お千ともども誤認によりエラい目に遭いずっと牢内に。

ロケ地

  • お千が六助を待って苛々の二本松の茶店、大内辻堂。ラスト、旅立ちの道も辻堂周辺。

*中村敦夫不在。*小松政夫、代官と二役。


第8話 怨霊が住む城

 広島城では、藩主の病をこの地の旧主・福島正則の怨霊と言い立て怪しの修験者を呼び込み、傀儡政権を立てようと陰謀が進行中。邪魔な姫をめくらましで操るワル、姫の侍女の訴えを聞いた雪姫さまが動き出す。

ロケ地

  • 広島入りの姫がゆく海辺、琵琶湖西岸(漁具あしらい)
  • 浜から仰ぎ見る広島城、本物。
  • 妙姫が父藩主の平癒祈願にゆく国泰寺、不明(脇にスリット入った竜宮門と、龍潭寺山門に似た門)
  • 三次へ向かうワルの密使の馬に幅寄せして落馬させ入れ替わる新之介、大内辻堂亀岡道を南下してくる。
  • 広島を発つ姫がゆく海辺、琵琶湖西岸松原。

*ワルに豪華な面々、修験者は菅貫でお局さまは白木万理、次席家老は外山高士。
*今回森マリアと小松政夫は出ず。中村敦夫が、旧知で根来忍者あがり設定の菅貫とやりあう。


第9話 妹想いのドジな奴

 博打狂いで勘当中の馬鹿息子、作った借金は家族が補填していたことを知り改心するお話。このなっさけない息子と気の毒な家族に、メンバー総がかりで関わってゆく。

ロケ地

  • 賭場で勝ち逃げの佐平次を襲うヤクザ、民家塀際?不明。
  • 立ち回りの河原は亀岡盆地の桂川か。
  • 代官に迫られている年季奉公の娘(馬鹿息子の妹で借金のカタにとられている)が逃げ出して駆け入る荒れ寺、丹波国分寺
  • 娘を探していた姫が新之介たちと合流の神社、不明。

*今回の佐平次は紋次郎ルックの渡世人姿でキメて渋いが、ラストは盗っ人装束でお千らも追い使い施し金を撒いて歩く。代官は川合伸旺で、にたにた笑いながら娘を手籠めにしようとする。ヤクザの親分は汐路章。


第10話 身代り花嫁危機一髪!!

 備前焼の忌部村、代官の非道に泣く民を見捨てておけぬ雪姫、新之介にも背中を押されて介入してゆく。代官の後添えにされかかる娘の代わりに花嫁衣裳を着た姫、立ち回りできずもたもた、しかし衣装にご満悦。

ロケ地

  • 冒頭村人を無礼討ちした代官が駆け去る野道、大内辻堂八木道。
  • 山道・堤道不明個所あり。
  • 窯元の娘と直訴青年が待ち合わせの山門、神護寺山門

*ラス立ち、村の青年をタテにとられて一時窮地に。しかし中の人は佐平次でマスクべりべり。矢が飛んでくるが平気で胸に受け、中から板を出してきたり。この間紋次郎ふうの無表情なのが傑作。
*好色で乱暴な代官に南原宏治、グルの悪徳商人に北村英三。


第11話 御用金を狙った男

 雪姫はつけたりの、中村敦夫二役で大活躍の一話。佐平次の忍者仲間で足を洗って姫路城下で孫娘と暮らす男に、押し込みを手伝えと強要するワルが現れる。この一味に檜垣鉄心まで乗って、盗みが済んだら姫の始末も一緒にやろうと妙に仲良くておかしい。佐平次は「伊賀の右平次」喜兵衛の危難を救うため、蔵破りの現場へ入れ替わって潜入、例のマスクべりべり剥がしも披露。これに関しては、お千が喜兵衛を佐平次の化けた姿と決め付け剥がそうとする馬鹿な一幕もある。

ロケ地

  • 揖保川渡し、広沢池畔。鉄心が新之介を襲うのは北岸
  • 喜兵衛が呼び出される八幡は水辺に太めの鳥居あしらい、不明。街道筋も不明。

*薬屋・佐平次の前歴は伊賀者で、師は服部のおかしらという設定が出てくる。*ワルはライバル蹴落としを目論む嵯峨善兵、力技で助ける今井健二、これに内田勝正も出てきて暑苦しいくらい。手下には井上昭文もいて、金箱持って逃げようとしてドジを踏み仕掛けの槍付き戸落ちてきて一巻の終わり。


第12話 恐怖 怨みの死紋

 抜け荷の濡れ衣で獄死・欠所となった商家の遺児が、13年の雌伏を経て復讐をはじめる。遺児は番頭らと娘手妻一座に身をやつし、両替五人衆を一人ずつ抹殺にかかる。投げ刃の的の娘が負傷したことから、雪姫は代役を申し出て関わってゆく。

ロケ地

  • 太夫が参る浜野屋の墓、亀岡の墓地か。
  • 佐平次が大坂を発つ道、酵素河川敷。
  • 姫らがゆく街道、大内辻堂付近・亀岡道。

*投げ刃の太夫に鮎川いずみ。


第13話 忍びの里の復讐鬼

 伊賀越えルートをとる雪姫、檜垣鉄心が忍者たちを騙して姫を捕え大騒動。佐平次のことは公儀隠密とつるみ忍びの技を盗みに使う裏切者と吹き込む…ってこれホントじゃん。

ロケ地

  • 奈良街道をゆく姫が渡る橋、流れ橋(伊賀へ八里と道標あしらい、木津町あたりか)
  • 伊賀イメージに美山民家群上野城天守
  • 島ヶ原のおかしら・香月甚太夫邸、不明(萱葺の大きな門とスロープ)
  • 佐平次の薬草仕入れ先である弥惣次宅、民家門
  • 一連の伊賀の里のシーン、谷山林道鳥居本八幡宮清滝川などを使用。
  • 雨宿りの姫がさらわれる神社、不明。
  • 姫の声色でたばかられる源八郎のくだり、保津峡落合トンネルと落下岩(トラップで落とされ崖の木に引っかかり)

第14話 父恋し母子唄

 伊勢入りの一行、門前町で冥加金を搾り取る一味をシメ上げる。山田奉行配下の神領地支配元締と地回りに雇われた凄腕の用心棒が、消息の知れぬ父を求めて旅してきた母子の求める当の相手で、涙の再会ばなしもあり。

ロケ地

  • 盲いた女が弾き語りをする宮川の石橋、日吉大社大宮橋(ラス立ちの呼び出し場所もここ)
  • 再会を果たした親子らに見送られ伊勢を発つ一行、日吉大社走井橋
  • 新之介にぷんぷんの源八郎が姫を引っ張ってゆく、日吉大社西本宮参道

*仕官の夢破れ地回りの用心棒に成り果てている父に藤巻潤、妻に新藤恵美。ラス立ち福ちゃん入り(ヤクザ)。


第15話 焼蛤剣法の助太刀

 舞台は桑名、名物の焼蛤屋の若旦那が下手の横好きで剣術狂い、食い扶持目当ての取り巻きがおだて上げて勘違いの舞い上がり。二親の嘆きを見た雪姫は、更正させようと長逗留を決め込むのだった。若旦那は拾った仇持ち娘に岡惚れ、でも当の仇は彼の師匠の下で師範代をしていたり。スラップスティックな展開を、若旦那を演じる松山英太郎が落語ノリでぐいぐいと引っ張る。

ロケ地

  • 「道場破り」に来た新之介と話す姫、古びた神社、大内神社(巨杉も映る)
  • 桑名を発つお千らがゆく道、大内辻堂周辺。

*仇の浪人は亀石征一郎。
*若旦那の道場にたむろする浪人が酒肆でタダ呑みしようとしてお千に財布を掏られるくだり、客に福ちゃん。焼蛤が来たのににっこり、六が大騒ぎするさまを見てきょろきょろ首を振るなどなかなか目立っている。
*中村敦夫不在回。


第16話 もっこ担いで悪退治

 名古屋は佐屋代官領、用水工事に精を出す篤農家の代官が退けられワルが跋扈し民を泣かすのに介入の雪姫、危機にはちゃんと新之介が城代を連れてやってくる。

ロケ地

  • 木曽川を渡り佐屋街道をゆく雪姫たち、流れ橋(橋脚コンクリ部分、下に流れあり)
  • 宮田用水普請場、不明。名古屋城天守、本物。
  • 城代に掛け合ったあと普請場へ馬を飛ばす新之介、木津堤

*賭場でカモられるお千たちに当りの目を教授の老婆、佐平次が化け。ぼこぼこのとんでもメイク。
*福ちゃん二態、お千を剥きにかかるヤクザと、お城乗り込み・罷り通る新之介を制止する家士(裃)。


第17話 命を賭けた韋駄天走り

 舞台は赤阪宿、飛脚屋を潰して後釜に座ろうとする駕籠舁きの元締、代官と組んで悪企み。荒くれを使って仕事を妨害した挙句、認可返上を迫り「レース」で決着というよくある運びに。飛脚に勝つために、街道で健脚を見せた六を引っ張り込んでの陰謀は雪姫チームに阻まれる。

ロケ地

  • 赤阪宿へ向かう姫、谷山林道切り通し。
  • 六と駕籠舁きたちのトレーニング、罧原堤下河原
  • 認可を賭けたレース・豊川稲荷奉納試合のコース、谷山林道本梅川若森廃橋大内辻堂(茶店セット)〜お札を貰う中間点の妙厳寺(不明、楼門と石段)谷山林道

*駕籠舁きたちに取り込まれる六、お千と喧嘩して意地を張る。レース中妨害工作の岩落としが六の足を傷つけてしまうハプニング→飛脚の森次晃嗣が走り屋同士の友情を示し肩組んで同時ゴールインで爽やかな青春ドラマになって笑える。
*代官は江見俊太郎、按摩に化けた佐平次に顎はずされてあうあう状態。ギャグタッチの江見さんは珍しいかも。
*荒くれ駕籠舁きの一人に小船秋夫、下品な赤褌がこれほど似合う人もいないと思う。


第18話 怒りの十手

 舞台は舞阪、宿場支配を狙うヤクザの跋扈に立ち上がる正義漢の岡っ引を助けて、雪姫チーム大暴れ。人質になった岡っ引の親父が撃たれたりするが、中の人は佐平次。

ロケ地

  • 舞阪の浜、琵琶湖西岸松原。木の桟橋も映る(遠景にエリ)

*岡っ引は大和田伸也、流れ者の父子を受け入れてくれた宿場に深く感謝し、ヤクザの横暴から守ろうと命を張る。しかし当の民衆はすぐにビビって親分を追い出そうとしたりするお決まりの展開で、旅籠の娘との恋なんかも用意されている。
*奉行とグルのヤクザ・浜乃屋の若頭に福ちゃん。鰻飯にゲジゲジ入ってたと因縁つけたり、人さらいをしたり、番所襲撃では松明持って大八に立ち乗りして嬉々としてやってくるなど大活躍。台詞もいっぱいあるのに、クレジットはベタ。劇中呼称は「タキゾー」。
*森マリア・小松政夫不在。


第19話 陰謀渦巻く大井川

 舞台は大井川・金谷の渡し、道中奉行とグルの人足元締が川止めを操りボロ儲け。ここにお久しぶりの鉄心が現れ、彼らを使って姫の暗殺をはかる。フルメンバー揃った雪姫チームは、ワルに泣かされ暗殺に使われかける正義派の人足たちを助けて動き、奉行をぎゃふんといわせる、元締の金盗ってばらまくなど、やる事は全部やって去ってゆく(鉄心は姑息に逃亡)

ロケ地

  • 大井川、木津河原

第20話 (やば)い財布に手を出すな

 舞台は清水、お千らが掏った回船問屋の財布に抜け荷の割符が入っててタイヘン。逃げる六から財布を預けられたアル中の左官が大金ゲットで舞い上がる話が挿まれ、落語の「芝浜」ふうに進行する。気の弱い酒浸り男は谷幹一。

ロケ地

  • 前後の街道筋、大内辻堂道隈付近。

*六が財布を落としてお千と大ゲンカ、見て通る伊勢参りの人に福ちゃん。このあと、清水の町に張り出されるお千らの手配書を見て通るシーンもある。


第21話 襲われた御用金

 尾張の御用金が強奪されるが、七里役人や問屋場と組んだ道中奉行の仕業。賊に殺された役人を看取った姫はノリノリで関わってゆき、身を引いて役人の子を育てていた女に仇を討たせようとする。

ロケ地

  • 沼津への間道をゆく姫、谷山林道切り通し。
  • 御用金強奪の「七曲の崖道」、不明。
  • 黒幕の道中奉行に結果を報告する問屋場の主、鳥居本八幡宮本殿前(後段問屋場主がスナイパーに雇った猟師を殺すのは石段)
  • お千勢の家を尋ねる寺、不明。
  • お千勢が実は夫である役人の葬儀を遠くから拝む、神護寺毘沙門堂
  • 姫らを襲う刺客、神護寺山門前石段
  • 新之助が尾張の大目付を待ち構え身分を明かす街道、大内辻堂・亀岡道
  • 事後、お千らをからかう婆化け佐平次が座っているのは大内辻堂裏手。

*御用金強奪の賊の一人に福ちゃん、ぴょんと大八に飛び乗る身軽さは必見。


第22話 鬼が巣食う天下の嶮

 姫の関所通過はわりとすんなり、お話は関所役人に苦しめられる一家を救うものでコミカルな仕立て。中村敦夫不在回。

ロケ地

  • 関所付近の山道、谷山林道か大内付近か特定材料なく不明。

第23話 からくり喧嘩駕籠

 小田原町奉行と組んでライバルを潰そうとする悪徳駕籠屋を懲らしめるお話。被害者の駕籠屋には姫たちと新之介が、悪徳業者のほうにはお千たちが絡み、佐平次は奇怪な老婆に化けてひっかき回す、妙なギャグシーン満載の一話。

ロケ地

  • 小田原近くの街道で駕籠舁きにからまれる娘を助ける姫たち、本梅川若森廃橋
  • 老婆に化けて新之介と源八の駕籠に乗り、さんざん引き回したあと佐平次が正体を現す神社、薮田神社(参道のサルスベリの木に飛び乗り)。姫らを見送る駕籠政の衆も同所。
  • 小田原をあとに旅ゆく面々、大内辻堂と周辺。

*佐平次の老婆、いつもに増してヘン。見た目もヒドいがやることも無茶苦茶。新之介と源八の駕籠に乗り込んで右往左往させるくだりは、妙に尺がとられていたり。
*駕籠政の娘に言い寄る駕籠鉄の倅が中田博久、凶悪にして軟弱でいい味。


第24話 悪代官は恋敵

 今度は網元の漁場争いに首を突っ込む姫、しゃきしゃきと場を仕切り息子の嫁になんて話が出るが、争う二家の倅と娘は恋人同士なのだった。娘を妾に所望の代官は新之介にぎゅうと言わされ、娘を差し出そうとしていた父は頭丸めて侘びを入れメデタシ。

ロケ地

  • 藤沢の浜、琵琶湖西岸。湖成三角州の野原をうまく街道に見立ててある。

*中村敦夫不在回。


第25話 命を賭けた恩返し

 酔っ払いの爺も構う姫、家へ送るとそこで騒動で足止め。源八郎のみならず新之介まで早く江戸へと促すが聞いちゃいない姫様、そして鉄心の襲撃。ここで新之介と佐平次は、代官らの人身売買を利用して姫を潜入させる奇策を思いつくのだった。

ロケ地

  • 鉄心たちが姫を襲う神社、街道筋、不明。

*森マリアの裸踊りつき…姐さん何枚襦袢着てるの。


第26話 悲願叶った日本晴れ

 曲折を経て江戸入りを果たす姫、あとは新之介の手筈通りするすると将軍に目通りの運びとなる。土井大炊頭の悪事は露見、姫の父の汚名は雪がれるが、ここから先妙な理屈が飛び交い、史実どおり加藤家復興はナシに。

ロケ地

  • 江戸への街道や鈴ヶ森など不明。
  • 江戸入りの姫の落ち着き先の麟祥院、粟生光明寺本堂か。
  • 奥州さして旅ゆく一行、ひとつは大内辻堂亀岡道。

*姫を江戸入りさせるのに御湯献上一行をハメるが、佐平次が芸者に化けて白塗り…。


★追記 加藤家復興ナシの顛末

 理屈は、雪姫が申し出た土井の家来が路頭に迷うからダメ理論の、大炊頭への処断中止の請願から。土井の処分ナシ→表沙汰にしての加藤家復興はちょっとアレ→雪姫が新之介を婿にとって熊本を統治との家光の提案→二人とも堅苦しい大名暮らしはゴメンと蹴る←「父上もわかってくれるはず」。
ラストの構成は、奥州へ父を訪ねる姫の旅に仲良し六人組揃って発つ設定。次シリーズを撮ろうとしていたのか否かは定かでない。


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