岡っ引どぶ
  時代劇スペシャル フジ/映像京都

キャスト
どぶ/田中邦衛 お仙/樹木希林 嘉助/三浦浩一


岡っ引どぶ 1981.9.18

 事件は木場の材木商の悪企み、堀に浮いた死体も、神輿小屋に吊るされた浪人も、起こること悉く江戸を焼き尽くし大儲けするためだった。
事件を解き明かす過程に、どぶの日常や人となりが巧みに織り込まれてゆく。町小路の殿様や鼠小僧との友情、お仙との微妙な関係などあり、侍時代のどぶもちらっと出る。

 ロケ地、三人の浪人の死体が吊るされる秋葉神社、今宮神社(駆けつけるどぶ、東門前〜石橋)。町小路邸、不明。木場・檜屋の蔵、宇治川派流畔酒蔵。お仙に浪人の情報を貰う縁日、下鴨神社河合社にセット。面影橋でお幾を待つ鶴吉、渡月橋。木場に潜入のどぶが屋形船に次郎吉を見る、広沢池東岸(柵セット)。鶴吉の回想、お幾を庇って悪徳十手持ちともみ合い刺殺、木島神社元糺の池


岡っ引どぶ2 京洛殺人事件 1982/7/9

 公家連続殺人事件で、京都へ派遣されるどぶ。美姫とよろしくやるが、これが焦点の公卿の奥方だったり、当の公卿は殺され謎めいたヒントを残したりと、複雑怪奇の様相を呈する。殺生関白の遺産を狙ったワルは自滅し、左門の殿様からも解放されていい気分で帰途につくどぶだが、道中にはお仙が待ち構えているのだった。

 ロケ地、烏丸少将が競べ馬の最中頓死する加茂神社の馬場、下鴨神社馬場。町小路邸、不明。斬られて瀕死の上方商人が目安箱に訴状を入れる評定所、大覚寺明智門。京イメージ、清水寺遠景。駒丸に空蝉のもとへ案内されるどぶ、上賀茂神社ならの小川(河畔でヤクザとトラブル)大覚寺天神島(石鳥居まわり草深し)護摩堂(無住の寺と駒丸、中に褥あり空蝉が横たわる)。市中、首吊りと聞くどぶ、下鴨神社河合社塀際。殺されて吊られている一条少将、上賀茂神社北神饌所裏手。五条邸、相国寺林光院(門、前庭、中仕切戸、玄関、門前)。御所からの使いが来て出かける五条卿、同心とどぶが後をついてゆく道、妙心寺大龍院入口〜大法院前路地大庫裏脇路地(ここで卿の姿が消える)。入洛したお仙兄妹がどぶの行方について話す茶店、今宮神社門前茶屋・一和。消えた五条卿を追うどぶがその前を走り抜ける、東参道。→お仙に張り付かれる、門内石橋上。駒丸が芸を見せる縁日、下鴨神社河合社脇にセット。関白・秀次の側室の市中引き回し、馬場。五条卿の妻になる以前、辻君として五条河原に出ていた桜子、中ノ島橋たもと。浪花屋に探りを入れたどぶが出てくる門、中山邸通用門(後から出てきた桜子恐喝の岡っ引と、グルの同心がゆくシーンは参道)。これを尾行するどぶ、桂川松尾橋下手右岸堤(お仙に邪魔される)。友禅職人の死体が上がる、松尾橋付近汀。御所から五条家の文書をなんとかと次郎吉に頼むどぶ、妙心寺大庫裏西塀際。御所イメージ、建礼門。御文庫へ侵入して帝に見つかり、碁の相手をさせられるどぶ、相国寺方丈北側縁先。秀次側室の菩提寺・瑞泉寺へ打掛けを奉納にゆく島原の御室太夫、勝持寺仁王門。浪花屋の手先の岡っ引に打掛けを強奪される境内、仁和寺経蔵。秀次の隠し金が隠されている珍皇寺の山門、西明寺や粟生光明寺薬医門に似るも特定できず。境内の井戸、下鴨神社河合社裏手林間。江戸へ帰るどぶと左門父子を見送る桜子と駒丸、走田神社参道。左門の殿様に許され一人道中のどぶ、茶店で浮かれているとお仙が待っている、木津堤にセット。どぶとお仙兄妹が道中のED、流れ橋上。


岡っ引どぶ3 「流人島殺人事件」1982.11.19

 八丈帰りが次々殺される事件が発生、お仙の弟分の身代りに拉致されたどぶは、不思議な女のもとへ導かれる。町小路の殿様の推理とどぶの探索により、少しずつ謎は晴れてゆく。

 ロケ地、八丈の荒海や赦免船の出る岸、南紀か。江戸・新大橋で解放される帰還者たち、広沢池東岸汀に大きな柵をセット。その夜どぶと飲んだ嘉助が酔い潰れたお仙をおぶって出る料亭、嵐山公園内料亭・錦(ぼんぼりそのまま、夜景)。八丈帰りの一人が土左ヱ門になって漁師の網にかかる、桂川中州下付近か。同じく八丈帰りの女の死体が見つかる墓、くろ谷か。同じく赦免仲間の乞食坊主が連行される道、相国寺林光院前路地(次郎吉、お仕事中に目撃・塀の上)鐘楼(中へ連れ込まれ殺される)。お仙にフラれて座り込む嘉助、大覚寺天神島大木の根方。町小路左門邸、不明。志村浪人を島送りにした吟味与力が殺されて見つかる弁慶橋たもと、桂川大堰木杭(染料流して演出)。嘉助と誤認したされたどぶが拉致される、大覚寺天神島朱橋たもと。連れ込まれる本郷菊坂の荒れ寺、西明寺石段〜山門(内外)。脱出のどぶが立ち回りには本堂縁先や前庭が使われるが薄明でほぼシルエット、追っ手をやり過ごすのに門の上に次郎吉と二人乗っかるシーンもある。与力殺しの犯人にされてしまった志村浪人が渡世人のなりで女房のいる松戸宿へ向かう水戸街道、北嵯峨農地竹林脇の道。どぶが志村と女房を保護する天神池西の船小屋、広沢池西岸湿地。志村の処遇について同心を丸め込む料亭、(桜宿膳の字もはっきり見える)。宴の帰り、どぶが歩く汀、大覚寺大沢池堤下汀。忍びとの戦闘は堤上で。十六夜御殿、不明。大盗・夜嵐の蔵三が御金蔵破りの十二万両を隠していた谷中総林寺の墓地、鳥居本八幡宮(竹林、広場、石段、舞殿)。事後、舟遊びのどぶとお仙兄妹、大覚寺大沢池に船、呼ばわる嘉助は船着(小)


岡っ引どぷ4 「謎の凧あげ連続殺人事件」1983.2.11

 商家の女将に横恋慕した役人は、その店の大番頭とつるみ主を冤罪で獄死に追い込む。連座して遠島となった息子が赦免され江戸へ帰ってきたことで、ワルは彼を消しにかかるが、息子を陥れるため仕出かした連続殺人によりどぶが介入、闇雲な勘ばたらきにより真実を突き止められてしまう。

 ロケ地、刀剣商・備前屋をお縄にした目明しが鳥追い女に擦れ違いざま瞬殺される湯島天神の縁日、下鴨神社参道石橋。備前屋に不利な証言をした妾が殺される浜町河岸の屋形船、広沢池東岸。備前屋を取り調べた吟味与力が暗殺される橋、中ノ島橋(絞められたすえドボン)。これの検分は橋下手右岸河川敷。日本橋・備前屋裏塀、宇治川派流沿い酒蔵。備前屋の娘がさらわれたあと、探しに出たどぶが走る際にはこの塀から松本酒造酒蔵(東高瀬川右岸堤越し)につなげてある。探索のすえ誘拐された娘にやった鞠を発見、大覚寺大沢池汀水門脇で釣りの男に話しかけると、これが殺し屋でチャンバラ。町小路の殿様にも刺客、追った嘉助がまかれる、護摩堂。備前屋の蔵へ監禁された挙句、女将を大番頭に殺されてしまい彼の足取りも消え、がっくりと肩を落としたどぶが佇む汀、広沢池東岸(水無)。ここで再びあがる怪しの凧、左門の示唆に走り出すどぶ、渡月橋(上手から見上げ)。殺し屋の元締が凧あげの汀、広沢池西岸湿地(何度も映る凧あげは全てここ)。備前屋の兄妹たちを見送るどぶ、下鴨神社河合社脇に縁日セット。


岡っ引どぶ5 「風車殺人事件」1983.6.3

 病の父を再仕官させるため夜も昼も働き、果ては体を売る娘。そんな底辺の女から金を毟り取るワルは、公儀役人とつるんでいた。どぶは健気な「むじな長屋のお天照さま」を庇ってやり、夜鷹たちから熱い視線を送られる。そしてワルの大元に乗り込み窮地に陥った彼を救ったのは、大挙して押しかけた夜鷹軍団だった。

 ロケ地、夜鷹狩りに出るどぶ(持ち場は柳原)、女たちを匿ってやる肥小屋は広沢池東岸。おりくがゴロツキに連れ込まれた草原、西岸。そのゴロツキの死体が上がる大川、桂川汀か(礫は大きい)。橋を走るどぶを尾行するゴロツキの仲間、渡月橋。川で洗濯のおりくに彼女がゴロツキを殺したのではないと告げにゆくどぶ、上賀茂社家町・明神川。伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門(警動で捕まった夜鷹たちをセリにかけるのは蔵の前)。先のゴロツキの後をうけておりくを恐喝した釘六をボコるどぶ、今宮神社東門内側塀際。松葉屋楼主・忠兵衛の根岸寮、中山邸通用門。おりくの恋人・竜太が釘六を誘い出し刺す水辺、大覚寺大沢池船着(小)。竜太とおりくがお御籤を引きにゆく明神さま、今宮神社本殿。おけいとお仙がどぶを争って掴みあい、広沢池東岸池底(水無)。父が殺されたあと夜の仕事を知られていたと嘆くおりく、大覚寺放生池堤。口封じされた松葉屋の男衆の死体が見つかる、今宮神社楼門そばの木の根方。見ていた竜太を呼び止めるどぶ、稲荷社脇。どぶの急を聞いた同心たちに追随する夜鷹たち、広沢池東岸〜堤は木津か。ED、どぶを巡ってやりあうお仙とおけい、桂川松尾橋下手右岸堤と思われるが下半分緑に塗られていて確認できず。
*夜鷹のリーダー格・おけいに森マリア。お仙とは昔の掏摸仲間。今回どぶにベタ惚れ設定。


岡っ引どぶ6 「折鶴殺人事件」1983.12.29

 虚無僧と行商人の殺し合いという奇怪な事件は、もっと怪しい埋蔵金ばなしへ。勝頼の裔という謎の美姫が出てきたり、甲府勤番支配は絵に描いたように強欲。悲劇のあと、託されていた金の始末を「夢物語」にしてどぶは甲府を去る。

 ロケ地、殺しのあった思案橋で白い折鶴を持った女と出会うどぶ、中ノ島橋(たもとには虚無僧を殺った以蔵が屋台を出している。花火と驟雨を演出)。三社祭の日、神田明神をあとにした浪人が虚無僧に斬られる、下鴨神社河合社脇。浪人の持っていた古小判を見て貰いに金座へ赴くどぶ、大覚寺明智門。浪人の遺児がさらわれどぶが呼び出される小名木川畔、広沢池東岸(夜鷹の苫船あしらい)。お葉さまの使いが来てどぶを駕籠で招じ入れる山城屋根岸寮、中山邸門。嘉助と甲府へ向かうどぶ、嵐山自転車道谷山林道。引きずり込まれる旅籠、愛宕参道・平野屋(鳥居下からのショット)。宿を探っていた虚無僧一味が逃げ込むお堂、大覚寺護摩堂。甲府イメージ、谷山林道から山なみ遠望。甲府勤番支配邸、大覚寺大門(後段、どぶの見張りには前の御殿川河床も)。お葉のいる松風庵へ赴くどぶ、高山寺参道〜石水院。姫を騙していた山城屋を殺る以蔵、茶園前。埋蔵金のある鶴塚へ向かうどぶとお葉、高山寺参道、菩提滝など。鶴塚とラス立ちは清滝河原
*御家人斬九郎「白魚の吉次」に、浪人の娘の名や鶴塚などのタームが一致。だいたい吉次が田中邦衛だし。金の有無や意味合いなどは異なる。


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