放生池堤 2005年 テレビ朝日/東映
 キャスト
 大岡忠相/北大路欣也
 香織
(忠相の娘)/水橋貴己 池田大助(内与力)/冨田翔
 笹倉采女
(筆頭与力)/金田明夫 与平(門番)/奥村公延
 おりん
(密偵)/涼風真世


第1話 2005.4.18

 お奉行は北大路欣也、口うるさい娘と若手、女密偵と牢番のじいさまがファミリー。配下にとっては名奉行どころか、素行不良のトンデモ奉行としてはじまる。
お話は、容疑者の申し立て通りの調書にお白州で待ったをかけた奉行(調書ビリビリ)が、事件の真相に迫るもの。

 ロケ地、奉行の登城・下城風景に妙心寺東海庵南塀際、黄鐘調鐘前。捕縛され引かれてゆくお駒を見る奉行、八幡堀明治橋(下の堀端に茶店セット)。白子屋の向島寮付近の小川、上賀茂神社ならの小川。藁人形の火刑、罧原堤下河原。事後、旅装の白子屋親子に駆け寄るお駒、大覚寺大沢池堤
*吟味方の村瀬の山田辰夫、独特の口調が○だが惜しいことにレギュラーではない。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「白子屋お駒」


第2話 2005.4.25

 配下の痛め吟味によって発生したフレームアップを是正するお話。真犯人を挙げるのに詐術を使うお奉行、牢奉行まで抱き込んだ騙りは二段構えで、駆け込み訴えの娘は獄死した筈の父とお白州で再会の運びに。

 ロケ地、おとき殺しで捕まった彦兵衛の娘・お小夜と話す大岡(身分は明かさず)大覚寺天神島朱橋。お小夜が指す父のいる大番屋、大沢池南岸のバックにどこかのでっかい大屋根を合成、爛漫の桜つき。旗奉行・土屋邸、大覚寺大門。土屋の三男坊・京之介が浪人たちに過去をバラすと脅される、八幡堀新町浜。「獄死」した彦兵衛を埋める回向院、鳥居本か。江戸城イメージ、姫路城天守。事後、釣りの大岡に弁当を持ってくる香織と与平、大覚寺放生池堤。行商に出かける彦兵衛を見送るお小夜、船着(大)
・テレビ朝日公式サイトタイトル「小間物屋彦兵衛一件」


第3話 2005.5.2

 冤罪で父を亡くした子は、恨みのこもった目つきで証言者の医師を狙う。世の中全てを敵視する彼を放っておけず、お奉行は過去の記録を洗い出し不審を焙りだしてゆく。

 ロケ地、天神さまにお参りのお奉行親子、上御霊神社本殿。その縁日で医師・村井長庵を凝視する石戸浪人の遺児・道之助、本殿裏手。長庵をつけてゆき握り鋏で襲う道之助、大覚寺有栖川畔。道之助に団子をすすめ、母を悲しませるなと諭すお奉行、放生池堤
*再吟味のため石戸の妻に訴状を出させるお奉行、直訴させると罪になるので、与平のとっつぁんが日本橋の上で「拾う」。このほか、長庵が隠している盗んだ金を掘らせるのに赤猫まで演出と、ちょっとあざといけれど着々と名奉行する越前守、で今回も部下のミスについて「謝る」。世を拗ねていた道之助が、ぱっと明るい子供らしい表情となるくだりは子役が巧い。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「村井長庵一件」


第4話 2005.5.9

 手下も顔を知らぬ大盗・雲霧仁左衛門を追い詰める話。越前が伊勢山田奉行当時に捕えた雲霧の女は面通しにシラを切り続けるが、雲霧はお白州で自らボロを出し越前に敗北する。

 ロケ地、元雲霧の情婦・おりんを訪ねる大岡、桂川松尾橋下手右岸水制上に立ちおりんの乗った船を見る。駿府で捕まった「雲霧」が江戸へ護送される道、嵐山自転車道
*雲霧を強請る元手下の定吉に遠藤憲一、いい味出てるなと思っているとすぐに消されちゃって残念。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「雲霧仁左衛門之記」


第5話 2005.5.16

 岡場所の女郎が客に斬りつける事件、未遂に終わり無理矢理の相対死と処理されかかるが、奉行の粘り勝ちで真相は明らかとなる。強請りの果ての殺人には、悲しい忠臣蔵秘史が隠されていた。

 ロケ地、医師殺害で手配の「直助」の死体が見つかった大川河口、罧原堤下か。直助の顔を見知っているという医師の娘・おゆきに、権兵ヱの面通しさせたあと話を聞く奉行、吉田神社竹中稲荷本殿前。おゆきがお照の仇討ちの決意を聞いた法要の寺、回廊は清凉寺本堂裏手回廊。事後、婚約者や叔父夫婦と楽しげにゆくおゆき、松尾大社舞殿〜桂川用水の橋。見ていた奉行が大助や香織とくぐる門、楼門(ED)
*小山田庄左衛門である医師を殺す直助、自死を偽装したあとの名は権兵ヱ、四谷怪談の直助権兵衛を連想させ、裁きの下った「直助」の前には小山田と下僕の幻影が出たり。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「直助 権兵衛一件」


第6話 2005.5.23

 心ならずも捨てた実の娘と、生さぬ仲なれど立派な後継ぎにと願う息子と、ともに気遣う母ごころを汲み上げるお奉行。いつもの通りお白州でやり込め真実を暴いてゆく形をとるが、今回はワルを屈服させるのではなく、か弱き者を救済する結果となる。
事件は女房も売っ払うちんぴら亭主の殺害、横から恐喝の岡っ引などもいる。

 ロケ地、伊三郎が殺された大川端、広沢池か(葦原)。岡っ引に脅され金を渡す料亭の女将、吉田神社竹中稲荷奥の摂社。岡っ引の口車に乗せられ店の印を持ってゆく道楽息子、毘沙門堂弁天社。大岡が現れ印を返させる、薬医門(大助と岡っ引揉み合い石段落ち、痛)。江戸払いとなった女将と「娘」おせいが発つ道、どら息子が「おっかさん」と呼びかけ詫びる、妙心寺大庫裏脇クランク
・テレビ朝日公式サイトタイトル「料亭『佳月』の女」


第7話 2005.5.30

 荒れすさんでいた若い頃の越前を浮上させた女の一言、礼のしるしの大岡裁きは閻魔像に罪を着せて決着。息子を庇う母、馴染みの女将の難渋を見かねてぞろぞろと自首して出る常連のおっさんたち、講談というより落とし咄じみた展開をしっとりと描く。

 ロケ地、女将が入牢と知った酒肆の常連客たちが自訴を決める鎮守、鳥居本八幡宮
*常連の中に丹古母鬼馬二に西田良、悪役でないのは珍しい。同心の立川三貴も悪いことしないし(勿体無い)。酒肆・おかめの女将は池上季実子。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「昔の女・閻魔堂一件」


第8話 2005.6.6

 自分を捨てた男への復讐に別人格を仕立てて臨む女、嘘はきっちり越前に見透かされるが心は届き、白州で綾が解かれてゆく。娘可愛さに恋人たちを裂いた勘定奉行の悪事を暴く大物食いの趣向。

 ロケ地、北町裏門をうろついたあと「お袖」が佇む川端、桂川左岸・渡月橋下堰堤脇河川敷。勘定奉行の登城風景、二条城内濠端〜鳴子門。勘定奉行佐久間能登守邸、妙心寺聖澤院。江戸城イメージ、姫路城天守。所払いとなった「お絹」が路傍の地蔵に額づく道、大覚寺放生池堤
・テレビ朝日公式サイトタイトル「お袖という女」


第9話 2005.6.13

 「手を放したほうが母」の大岡政談。双子を忌み捨てた大身旗本が、若君夭折を受けて養父母のもとから子を奪う、よくあるパターン。親の嘆きを見た越前は理詰めで町方の誘拐事件に持ってゆき、白州では鬼の形相で子の手を引っ張る旗本の奥方の非を鳴らす。

 ロケ地、正太が拉致されかかるところへ行きあわせる香織と大助、大覚寺五社明神。留守居役・鵜飼頼母邸、大門。裏口、北側の門と思われるが今のところ確信なし。正太の身の上をお葉に聞く大助、天神島。ED、下り酒が入ったと越前を誘うおりん、放生池堤
*正太に小林翼ゲスト。母は大路恵美。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「御落胤騒動一件」


第10話 2005.6.20

 最終話は幕閣や旗本との軋轢、お奉行の危機に固まる北町メンバーが描かれる。
常盤津師匠の殺しの件で大助を旗本屋敷に行かせたことが咎められ謹慎食らっちゃう越前、そのうえ役宅から姿を消し部下をやきもきさせる。しまいに当の旗本が奉行を出せと乗り込んできてパニック、しかし笹倉さまはお奉行を信じてお白州の用意を整えさせるのだった。
事件そのものは兄を庇って罪を着る勘当中の弟、という情話で、お白州で真実が明かされる。

 ロケ地、お奉行登城イメージに姫路城天守。老中・安藤対馬守邸、大覚寺大門。EDに被りお散歩の大岡ファミリー、大沢池北東岸・遣水付近の野原、茶店あしらい。
*越前の改革が気に食わない老中に長門裕之、大岡との狸芝居がある。
・テレビ朝日公式サイトタイトル「油問屋山崎屋の一件」


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