徳川武芸帳 柳生三代の剣   1993.1.2TX/松竹 (12時間ワイド)

キャスト
柳生宗矩/松本幸四郎 柳生十兵衛/村上弘明
お藤/黒木瞳 木猿/西川のりお
徳川家康/津川雅彦 徳川秀忠/蟹江敬三 徳川家光/堤大二郎


第一部 天下分け目の関ヶ原

 又右衛門が本能寺ノ変で伊賀越えの家康を助け印籠を貰い、青年となった宗矩が関ヶ原前夜に参陣するまで。幼い又右衛門はナイーブなヒューマニスト、父・石州斎は剣客として不適切な性格として厳しく接するという設定。

 ロケ地、柳生の里説明のくだりはみんな本物、菩提寺や家老屋敷など見どころはだいたいカバーしてあり観光ガイドふう。柳生屋形、酵素河川敷に門をセット、小川を効果的に映す(後段ナイトシーンもあり)。女たちが洗濯の川、天神川(若布谷流れ込み下)。忍びの子らと魚を獲る又右衛門、清滝か。石州斎が又右衛門に稽古をつける河原、保津峡落合河口汀。山崎合戦に参戦する前夜、又右衛門を呼びに来る母、高山寺参道(導入は水路から、樹木越しに参道の石畳が映る)。柳生の里を出て出陣の峠、谷山林道両側切り通しの山道(落武者となって帰還のシーンも同所、現国道369号)。山崎合戦、筒井順慶に従い明智方に投ずるも孤立してしまう柳生一行、流れ橋下河原。関ヶ原合戦前夜、島左近に従い柳生へ来た風魔のお藤が宗矩をからかう坂、高山寺参道。宗矩が柘植の木猿とともに赴く家康の本陣、粟生光明寺山門。家康を襲った風魔衆を討ち果たしたあと、秀忠軍の偵察を命じられ信州さして東山道をゆく宗矩と木猿、馬を飛ばす道は山室堤道(堤外地から)木津堤(馬を捨てる)山室堤道(堤内地から)

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 家康の伝言を持ち信州へ向かう宗矩、撥ねつけられ復命。関ヶ原にて雌雄決したあと、秀忠の指南役を仰せつかる。この間、「人を殺したくない男」は先々で地獄を見る。

 ロケ地、伊藤一刀斎が奥義を賭けて弟子たちを戦わせる河原、天神川・天神川堰堤上の広河原。殺陣は宗矩が野宿した山小屋の酵素河川敷へスイッチ。木の傍で御子神忠明が宗矩と斬り合い中の師匠を背から刺す。上田城攻めの秀忠軍、遠景の城は伊賀の上野城天守。陣地は酵素。家康が宗矩に秀忠の指南役を命じる、谷山林道切り通し。柳生へ帰る宗矩、高山寺参道。屋形は酵素。伏見入りし服部半蔵のもとにゆく木猿と別れる宗矩、木津河原


第二部 大坂城悲涙の炎上

 徳川の世も二代目、平穏な世には忍びも剣術使いも不要と言い放つ宗矩。しかし家康の「戦の火種を断つ」の言を受け、汚れ仕事に肥後へと向かう。

 ロケ地、江戸城イメージの甍の波、興正寺御影堂から阿弥陀堂、その向こうに西本願寺御影堂阿弥陀堂の大屋根を望む構図(興正会館から見たものか)。新工夫の袋竹刀で秀忠と試合う宗矩、相国寺大光明寺石庭。家康・秀忠に輿入れ前の千姫も交えての宴、大光明寺方丈(秀康と阿国の舞は石庭にステージ)。柳生宗矩上屋敷、随心院長屋門。秀康病臥は毒によるものと噂する家臣たち、相国寺方丈座敷(北側を開放)。麹町服部屋敷、大光明寺門。故郷へ帰る木猿とお雪を見送る宗矩、流れ橋下。御水尾帝践祚に際し上洛、二条城入りの大御所、本物の外観。清正らが秀頼を上洛させるべく使者に立つ大坂城、本物の天守。二条城入りの秀頼、唐門二の丸

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 清正の死後も、豊臣の滅亡まで戦は続く。剣に生きる武蔵や甥を羨みつつ、宗矩は権謀術数の道から逃れ得ず、夏の陣にて初めて人を斬り懊悩する。

 ロケ地、石舟斎危篤と聞き赴く柳生屋形、酵素河川敷。小倉の浜、不明。宗矩らが肥後へ走る道、嵐山自転車道。国境の関所、酵素ダートか。木猿とお藤が侵入する熊本城、彦根城佐和口多門櫓前濠。武蔵と小次郎対決の巌流島、琵琶湖湖岸の湖成三角州。船から決闘を見る宗矩と利厳は広沢池か(水が緑色で明らかに琵琶湖と異なる)大坂城、本物の天守。家康が布陣する茶臼山、酵素河川敷。大野治長隊が陣取る城内、彦根城佐和口多門櫓裏側。


第三部 宇都宮釣天井の陰謀

 家康は死に臨んで遺書を認め、宗矩にのみ披見を許す封蝋を施す。中身は三代将軍に関するもので、時を経て「竹千代」と「国松」の争いに宗矩を巻き込んでゆくことになる。この間、宗矩は妻を娶るが、母の意向で妻妾同居となった屋敷では悲しい軋轢も起きていた。

 ロケ地、駿府城を出る神君の遺体を乗せた輦、彦根城天秤櫓。柳生屋形、酵素河川敷。千姫が坂崎出羽守に嫁すことを拒否する城の庭、大覚寺宸殿前白州。坂崎邸(閉門)山科別院北門。江戸城の甍、興正寺御影堂大屋根。御子神が過激な稽古をつけ秀忠の不興を買う庭、相国寺大光明寺石庭(宗矩が家光を鍛えるのも同所)。柳生上屋敷、随心院長屋門

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 深まる本多の陰謀、宇都宮城のお成御殿の工事は着々と進む。完成後消された恋人の仇を討ちに行った、お藤を姉と慕う娘の死が企みを暴くきっかけとなる。

 ロケ地、大工を集め訓辞の宇都宮城、彦根城博物館。御所、本物の建礼門。大納言沢之井と中納言風小路が徳川の姫の輿入れ延期策について話す、妙心寺玉鳳院前路地。中納言に企みを吐けと迫る木猿、鳥居本八幡宮の奥か(竹林と巨岩)。柳生上屋敷、随心院長屋門。辻斬りの噂立つなか、小姓を連れて夜中に城を出る家光、彦根城天秤櫓。家光以下に稽古をつけたあと十兵衛に家光の夜歩きについて糺す宗矩、相国寺大光明寺方丈前石庭。実はお堂で僧に母の快癒を祈祷させていた家光、大覚寺聖天堂(これでお江の方と和解、辻斬りの正体は御子神)。お江の方が駿府へ去る駕籠、彦根城太鼓門櫓下坂。情勢について談合の本多と御子神、屋形船を広沢池に浮かべて。お成御殿完成後消される大工たち、彦根城佐和口多聞櫓裏手。御子神が帝の女房を暗殺に入る屋敷、中山邸通用門(二階笠の印籠を置いてゆくが木猿が持ち去り)。中山道馬籠宿付近、御子神を尾行する宗矩と木猿、谷山林道切り通し。消された大工の仇を討つと庄屋(草加、一時お藤が住んでいた家)の娘・お早の文を見たお藤が馬を飛ばす街道、山室堤道。秀忠と家光の日光参詣の行列がゆく街道、谷山林道切り通し。宇都宮城下、本多の手の者に捕まるお早、大覚寺五社明神。城下で道を聞くお藤、妙心寺福寿院道。本多家作事奉行邸から走り出て斬られるお早、大雄院前。宇都宮付近に差し掛かる将軍の行列(中は宗矩と十兵衛)谷山林道分岐道。その頃小山付近をゆく秀忠と家光、酵素河川敷。
*釣天井は、野望潰えた本多が紐を引き自らの上に落下させる。本多はこの前に御子神に斬られていたりする。


第四部 血闘!伊賀上野の仇討

 駿河大納言の高崎預けと、「鍵屋の辻」に至る事件の勃発を描く。
「大きく」なって現れた柳生十兵衛は、忠長卿の側室を暗殺した娘を拾う。十兵衛つながりで荒木又右衛門が登場。

 ロケ地、駿府城、彦根城佐和口多聞櫓。駿河藩江戸家老邸、相国寺大光明寺門。駿府を探っていた木猿が江戸へ戻る箱根山中の道、谷山林道両側切り通し・遠景に富士山を合成。十兵衛が滝を見て心眼の修行をする不動の滝、琴滝(十兵衛は滝壺汀、観察する木猿は滝中ほど)。柳生江戸屋敷、随心院長屋門。駿府城下、久能山参詣の途中筒見ヶ丘で野遊びの忠長卿側室、上賀茂神社ならの小川畔。半弓で御側室を暗殺した小笛(忠長卿の忠臣の妹)が討たれかけるのを助ける十兵衛、下鴨神社泉川畔。備前岡山藩城下、河合又五郎の盗みを注進しにゆく夜道で斬られる池田源太夫、大覚寺大沢池北西畔(世継誕生を祝う盆踊りが背景)。又五郎が出奔の山道、谷山林道。熱の下がった小笛を乗せて船をやる十兵衛、罧原堤下桂川。小笛を祖母に預ける、酵素河川敷にセットの柳生屋形。江戸、池田家上屋敷、随心院薬医門(かなり上方からのショット)。旗本・安藤四郎衛門邸、相国寺林光院(門の内外、式台玄関。慌しく侍が出入りするシーンには大光明寺南東角や林間も)。安藤に又五郎を渡して貰えず先君の墓前で自刃する池田家の侍、不明。江戸城、姫路城天守。忠長卿配流の駕籠がゆく道、不明(林道)。大和郡山城下を眼下に望む十兵衛、谷山林道頂上付近から町なみ遠望。下城の荒木又右衛門を襲う刺客、仁和寺西塀(内側)際〜観音堂脇。又右衛門に声を掛け二人ゆく十兵衛、前の石畳。

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 大御所没後、忠長は詰腹、池田侯は暗殺の運び。こうした情勢のもと「鍵屋の辻」の仇討ちに関わった十兵衛は、世間の裏側も垣間見ることに。彼は、父から聞いた伊達の陰謀の真相を確かめるべく仙台へ向かう。

 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。傀儡師や聖の「友人」に又五郎探索を指示する十兵衛、大覚寺五社明神。又五郎一行が奈良行きの街道、山室堤道。柳生の里から奈良へ向かう小笛、山道は酵素ダート。忍者の襲撃を受ける市街は大覚寺五社明神、駆けつけた十兵衛が忍者と戦うのは有栖川河床。奈良に宿をとった又五郎一行を確かめたあと忍者に襲われる十兵衛、護摩堂前。鍵屋の辻へ近付く又五郎一行、山室堤道。鍵屋の辻付近は松竹オープンセットで撮り、数馬が又五郎を討ち果たすどたばたの死闘は山室(つかみ合って堤を転げ落ち、決着は田んぼの中)。小笛を殺した忍者を放ったのは伊達と聞き仙台へ向かう十兵衛、罧原堤下河原


第五部 伊達、薩摩の陰謀?島原の乱!

 仙台入りの十兵衛、先回りされており捕まるところを助けたのはキリシタンの娘。彼女はいきなり仙台で始まった弾圧を不審に思い神父と来ていたもので、共に謎に迫ることとなる。老いた伊達政宗は、「馬上少年過ぐ」一生の怨嗟をぶちまけ死んでゆく。

 ロケ地、支倉の領地へ向かう十兵衛とキリシタン神父たち、罧原堤下桂川右岸河川敷。支倉屋形、民家西側(夜間、コノハズクの鳴き声入り)。弾圧から逃れ仙台へ向かうキリシタンたち、桂川か安曇川か。仙台で急に始まった弾圧、捕り方が出て信徒らを捕縛する鎮守、鳥居本八幡宮舞殿。木猿が十兵衛を呼び止める石巻港、罧原堤下河原。神父とお春を隠してある漁師小屋、間人海岸。深更、石垣を伝い青葉城巽櫓下に忍び込むお春、彦根城佐和口多聞櫓。木猿に薩摩へゆくと告げる十兵衛、嵐山公園中州上流端。柳生上屋敷、京都御所管理事務所北門。屋敷の庭、手裏剣でお藤をからかう木猿、梅宮大社神苑
*政宗の陰謀はイスパニアとの密約、武器供与を受け己が国主となりキリシタン国教化を約束。しかし幕府による切支丹禁令で企みは破れ、密使だった支倉常長を毒殺し一族も誅滅、キリスト教も弾圧する運びとなる。仙台米で江戸の市場を牛耳り、生命線を握ろうとする陰謀なんかもやっている。*総目付となり万石取りになった宗矩、お屋敷も随心院から御所に変更、庭なんか梅宮の神苑という豪華さ。

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 天草・島原一帯に敷かれる苛政、追い詰められた民の先頭に立つ「予言の神童」四郎時貞。デウスの名のもと奇蹟を信じるキリシタンたちに乗じ再びの大乱を期する関ヶ原の敗者たち、十兵衛は暗躍する者どもと戦うが、原城に籠った信者たちへの攻撃は回避できない。それは江戸の父・宗矩も同じで、将軍を猛きもののふにと図る春日局や幕閣の思惑を止められないのだった。

 ロケ地、海辺でマリア像にオラショを捧げる四郎と信徒たち、不明(岩浜)。江戸城、姫路城天守。家光と友矩が辻斬りに出たところを懲らしめ諌める宗矩、相国寺大光明寺南路地(家光らが潜むのは湯屋角)。キリシタンらが原城へ籠る動きを危ぶみ、長崎へ赴き父へ連絡をとろうと街道をゆく十兵衛が怪しの一団を見る、山室堤道。続々と原城へ入る信徒たち、彦根城観音台への橋(空濠なので水面は合成)。信徒たちに正しい世にと説く四郎、彦根城三重櫓(背後に琵琶湖の水面、多景島が映り込む)。小西の残党らの動きを探っていた十兵衛が忍びを追い走る、彦根城博物館前石垣上。それが木猿と知り父や上使へ伝言を依頼する掘割、大覚寺有栖川河床(溢水口際)。乱を望む牢人らの背後に島津と察した十兵衛が薩摩へ走る海岸、間人海岸
*家光に神君の三池典太を与え強い武者にと示唆の春日局、結果家光の辻斬り騒ぎが持ち上がる。島原の一揆に際して局や知恵伊豆は主戦派、宗矩は民の声を聞くよう進言。*十兵衛とお春は互いの気持ちを確かめ合うも宗教においてすれ違う。*寺田農のイルマンは長崎入り早々キリシタン狩りを見て飛び出しお縄。小西家牢人・森宗意に西田健、姑息にはかりごとを巡らす。

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 薩摩に潜入した十兵衛、公儀に対する陰謀を知り島原へ駆け戻り老中に訴えるが届かず。そして原城は陥ち、お春の姿は見出せない。

 ロケ地、薩摩坊の津の浜で心中未遂の琉球の王子を助ける十兵衛、間人海岸(沖田浩之の王子が舞姫と身投げの一本松の岬は間人か不明)。江戸、乱に関する宗矩の進言が退けられ謹慎を食らったあと、そっと柳生屋形を出て島原へ向かうお藤、大覚寺参道石橋。薩摩、鶴丸城へ入る琉球王子の行列、知恩院黒門道。深更、城山へ潜入する十兵衛、彦根城博物館。「右府さま」も入る武器庫、佐和口多聞櫓内側。十兵衛が始末されかかる猿川の関所、砕石場か。島原、松平伊豆の陣、鳥居本八幡宮(本陣は舞殿、あたりに幔幕多数)。原城へ走る十兵衛、小笠原藩戦目付の宮本武蔵が立ちはだかるのは酵素河川敷(逆茂木をあしらい)


第六部 将軍暗殺!? 寛永御前試合

 大久保彦左衛門の提案になる御前試合は、宗矩が煙たい老中・伊豆に利用され柳生潰しの陰謀がめぐらされるが、ヤバげな薩摩のクーデター計画も呼び込んでしまう。

 ロケ地、江戸城、姫路城天守。虎の御門の柳生邸、京都御所管理事務所北門。十兵衛がゆく海浜、間人海岸(諸国の武者が打倒柳生を目指すというナレーション入る)。下目黒の柳生別邸を窺う薩摩忍者(十兵衛は烏天狗と表現)と切り結ぶ柳生三兄弟、中山邸参道。薩摩藩邸、大覚寺大門。魚河岸からお春を連れ出し詰問する十兵衛、間人海岸(漁具や漁師あしらい)。一心太助が十兵衛とお春を会わせる屋形船、広沢池東岸に係留。お春を裏切者と追う烏天狗たち、大覚寺放生池堤。お春のピンチに介入し斬りあう十兵衛、五社明神。三兄弟がそれぞれの対戦相手について話すくだり、十兵衛の相手である宮本武蔵のイメージ(仏像製作中)西の湖畔。
*彦左に藤田まこと、丸眼鏡けっこうお似合い。爺っぷりは秋山小兵衛にも似る。登場シーンは「盥」で。一心太助は坂東八十助。*生きていたお春、薩摩の烏天狗一党に混じっててびっくり。十兵衛が裏切ったと思い込み復讐に燃えてたりなんかするが、太助セッティングのお船でデート。*ナシになったかと思った「秀頼」しっかり登場、江戸入り。

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 御前試合の進行と並行して、宗矩の薩摩屋敷での取引が描かれる。家光への害意ある剣客たちを防ぐ宗矩の息子たち、江戸家老の内懐に飛び込み誠意をもって説く宗矩。しかし盟主の「秀頼」の件も巧妙に処理し門を出た彼は、事情を知らぬ薩摩の剣客に太刀を浴びせられてしまうのだった。

 ロケ地、下目黒の別邸を出て城へ向かう十兵衛を襲う薩摩忍群、建仁寺久昌院前路地〜山門と法堂間の林間。江戸城、姫路城天守。試合会場となる吹上御苑、下鴨神社馬場(幔幕張って御座所もしつらえ)。十兵衛に事情を打ち明けられた尾張柳生の兵庫助が御苑に潜む敵を討ち果たしてゆくシーンには糺の森や泉川、池跡などが御苑の広大さを語るナレーションとともに映し出される。宗矩亡き後、池辺に佇むお藤に「母者」と声を掛け謝辞を述べる十兵衛、梅宮大社神苑・池中亭土橋。去ったお春を思い海に立つ十兵衛、間人海岸(立岩が大映し)。宗矩に従四位下が贈られたことを語るナレーションに被される柳生家菩提寺・芳徳禅寺、本物。
*宗矩は東郷重位に斬られた傷を隠し会場に現れ、息子と宮本武蔵の試合を止めて家光に平和論をぶち、その途中出血のため倒れるという壮絶な作り。


 どうもこの、宗矩という人物に関しては隆慶一郎の影響か極悪人という印象があるので、「人を殺したくないんです」などの台詞にココロの中でくすくす笑いながらの視聴だった。蟹江敬三の秀忠がまた、脳内の「隆慶一郎につくられた秀忠と宗矩」像を揺さぶる。偉大な父を持って鬱屈している感じはよく出ているが、とてもじゃないけど蟹江さんの顔では、あの悪のインフレ状態の主従には見えないのだ。

*記事は13回の小分けになっていますが、連続ドラマに作り直された再放送を視聴したためです。


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