剣客商売スペシャル 2005.9.6CX
武芸好みの殿様たちの家来自慢が、とんだ方向に転がる。両家の家宝・神君拝領の刀を賭けての真剣勝負は、いずれが負けてもただならぬ事態。決闘の当事者たちは懊悩するが、両家の家臣たちまで殿様に倣い、賭けに興じる始末。この、世も末の企てに、思いきり水を差しにやってくる秋山小兵衛、殿様以下を散々に打ち懲らし、愛弟子と対戦者と、二人の剣客の窮地を鮮やかに救ってみせる。
ロケ地
- 幕臣の馬術鍛錬に臨席の帰り、おはるを連れて穴八幡宮にお参りの小兵衛、野洲市(旧中主町)の兵主大社鳥居、本殿、楼門(上写真)。
- 羽賀儀平と村田浪人の果し合い、下鴨神社池跡。
- 羽賀の戦いぶりを見ていた久世帯刀の家老が仕官を持ちかけるのは上賀茂神社ならの小川(顔を洗う羽賀は左岸、谷がいるのは右岸、羽賀はじゃぶじゃぶ川を渡り駆け寄る)。
- 芝・愛宕下の久世帯刀邸、大覚寺大門。
- 羽賀を引見し家臣と立ち会わせる庭、金戒光明寺清和殿(内部)。
- 神田駿河台の高木筑後守邸、大覚寺明智門。
- 高木の家臣で小兵衛の愛弟子・吉村弥惣治のただならぬ様子について小兵衛に相談するため隠宅へ赴くおもと(長次連れ)、沢ノ池東岸汀。
- 小兵衛隠宅はいつもの酵素。
- おもとや大治郎から吉村の異変を聞いて、お長屋に彼の妻女を訪ね事情を聞く小兵衛、外でお話は大覚寺護摩堂前。
- 田沼に事態を注進にゆく小兵衛、門は随心院薬医門、田沼とお話は粟生光明寺方丈縁先。
- 大川を渡る小兵衛夫婦、西の湖。
- 苦悩する吉村が参拝し境内で遊ぶ子らに息子の面影を見る神社、車折神社拝殿前。
- 端座し瞑想の草原、仁和寺塀際(内側)。型を使う吉村を凝視するならず者の浪人たち、仁和寺疎林。
- 久世家に奉公している娘が誘拐されたとお屋敷に駆け込むもすげなく扱われ気落ちして帰る近江屋に声を掛ける羽賀、大覚寺大門。事情を聞くのは天神島(お初の危機に駆けつけようとする羽賀をとどめ自分がと請けあう三冬)。
- 羽賀と吉村の試合が行われる高田馬場、下鴨神社馬場(幔幕と竹矢来をあしらい)。
*原作設定を一部変更し羽賀儀平のエピソードを付加、性格等も変えてある。馬鹿殿たちを成敗にやってくる乞食はナシで暴将ふうに神輿を乱入させて勝負を中断させ、ひょっとことおかめの面を被った親子が大立ち回り。お遊びに、おはる妊娠疑惑なんていう笑い話も挿入される。また、ドラマでは小兵衛の提案となっている家宝賭けを殿様ごまかしてナシにするのは、原作では家老たち自身の苦肉の策(ドラマならではの、家老と殿様四人のカットイン演出も楽しい)。
*羽賀の宍戸開、吉村の内藤剛志がそれぞれキャラクターによくハマりいい味。殿様家老カルテットのキャスティングも良し。
*お料理、長次が隠宅で腕を振るう鱸と鮑もいいが、小兵衛がおはるに作ってやる冷汁、茄子の漬物に溶き芥子添えがいっとう旨そうな見栄え。
→剣客商売 表紙
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