銭形平次
 426〜451話

吉田神社大元宮玉垣キャスト
銭形平次/大川橋蔵
お静/香山美子 八五郎/林家珍平
おせん/酒井靖乃 お勝/武田禎子
為吉/神戸瓢介
万七/遠藤太津朗 清吉/池信一
樋口一平/永田光男


第426話「五本目の入墨」1974.7.3  39

 若い掏摸と薄幸の女の恋、二人を見守る元掏摸の老爺。若者は闇の金貸しの財布を掏ったことで悪党同士の争いに巻き込まれるが、老爺の献身で虎口を脱する。

 ロケ地、軍鶏鍋屋で財布を掏られた吉田屋の手代が死体で見つかる川端、罧原堤下汀。葬儀に来て小判を渡した栄次を追ったお関、返すと押し問答の祠脇、大覚寺天神島。縊死した父・作次の墓に参るお関、永観堂墓地(自害を止める栄次→求婚し上方へ行く約束/隠れて見ている常吉)。吉田屋が栄次を監禁している倉へゆく道、宇治川派流沿い酒蔵。吉田屋が掏摸の元締・助五郎を消す算段をして呼び出す瓢箪池弁天橋、永観堂放生池弁天島鳥居(立ち回りはここ中心)。逃がしてくれた常吉が心配で見に来る栄次とお関、永観堂図書館前。
*栄次は南条竜也、お関は服部妙子。はじまりが唐突な恋だが、シメは罪を清算して再会を待つまっとうな展開。お関を見守る元掏摸は今福正雄、オカマや爺やも似合う芸達者だが今回は凄味も見せる。肝心の「仕事」で石踏んでコケるおじいちゃんなのも笑える。タイトルは彼の腕に既に刻まれた四本の墨。闇金業者は天草四郎、彼を強請る元締は北原将光。


第427話「きつね女」1974.7.10  39

 狐憑きの後家がトランス状態で夫を刺す事件が出来、なんとか助かり回復に向かうところで怪死し庭には狐の足跡、しかしもちろん親分は一切の怪異を信じない。狐憑きそのものがハナっから怪しいほか、見え透いた登場人物が配されるが、糸を手繰ってゆく面白さで引っ張ってゆく。

 ロケ地、恵比寿屋の後家が憑かれた稲荷、吉田神社竹中稲荷本殿(後段、女中に話を聞くのも同所、雇われ浪人が降りてくるのは三高碑への石段、逃げた女中が殺されるのは本殿裏手摂社群)。恵比寿屋の検分を終えて帰りの平次と八が話しながらゆく道、宇治川左岸堤(背景に平等院の甍映り込み)。釣りの御家人・小波を見かけ降りてゆくのは派流側の宇治川左岸河川敷(堰堤下)。平次のブラフに引っ掛かった後家が出向く川端の諦念寺、不明(眠狂円月殺法2話や仕舞8話と同じ、狭間が向き合う門)。裏口から出て川端をゆく後家、宇治公園中州(堰堤脇)。入る船宿は中州に草戸をセットして派流を借景(入ってくる後家を内側から見るアングル、船宿は撮影所セットに切り替わり)。後家と会っていた手代が観念して黒幕の名を吐きかけたのを口封じした編笠の武士を追う平次、雇われ浪人が出て大立ち回りは宇治公園中州
*後家は白木万理、殊勝な顔もトランス時も色悪に裏切られ放心した表情も良し、さすがの巧者。つぅかもうこの時点で主水の嫁で定着してるし。狐に脅える田舎くさい番頭は梅津栄、生臭祈祷師は富田仲次郎、御家人は春日俊二、手代は石山律雄、雇われ浪人は阿波地大輔・白川浩二郎・宍戸大全。


第428話「おふくろの嘘」1974.7.17  41

 煙草売りの婆さんの息子が仕出かす盗みは恩人のため、盗った仏像には阿片が仕込まれており、悪辣な抜け荷一味検挙のきっかけとなる。

 ロケ地、抜け荷一味のお京が平次を誘い込み暗殺を企てるくだり、不明(お京がお参りの神社〜神社本殿脇〜茂みを抜けて広場・四柱の真ん中に卒塔婆?が立つ。開き直り毒づくお京の背後に用途不明の小屋)。急に阿漕な商いをはじめた煙草売りのお峰を追及する平次、木島神社本殿前。奉行所門前で倅の判決を待つお峰、大覚寺大門
*お峰は荒木道子、倅の新吉は田村勝彦。抜け荷一味の骨董屋は田口計、かしらは小松方正。


第429話「朱い吹矢」1974.7.24  39

 窃盗で島送りとなり赦されて帰った男は、身に覚えのない罪を晴らそうと駆けずり回る。出てきたのは凶賊の影、しかも彼をさした張本人は恋人、頭に血ののぼった男は出刃を呑んで女の家に駆け込むが、親分に愛するが故の行為と聞かされる。

 ロケ地、神田相生町のおとよの家を訪ねた巳之吉が外で話す川端、宇治公園左岸河川敷。三年前求婚は断ったはずと駆け去ったおとよが親方に叱られている角兵衛獅子を見るのは堰堤脇、彼女が割って入るのを見ている平次は左岸堤。平次に髑髏組の引き込みが落としていった紙入れを見せられた巳之吉がおとよを問い詰めるのは中州(おとよが去ったあと一味に囲まれ襲われる)。捕物のあと、おとよと巳之吉に別れをさせてやる段も中州、見やる平次と八は「塔ノ川」と書かれた橋の上。このほかにも中州に架かる橋が映り込む。設定はおとよの家の近く、神田相生町からほど近い神田川和泉橋設定か。
*おとよは鳥居恵子、巳之吉は林ゆたか。髑髏組首領は美川陽一郎、凶賊より病でげほがほの親父のほうがよく似合っている。手下は小田部通麿、小峰一男、森章二など強面揃い。


第430話「片袖の女」1974.7.31  40

 噂の夜鷹を見に行った男が刺され、残された手がかりを持ち奔走する平次たち。捜査の過程で哀しい男女と出会い、謎の女は宙に浮き毒婦が立ち現れる。

 ロケ地、噂の女を見に行った吉次が刺される御茶ノ水の池端、御室霊場放生池石橋たもと。「吉次を刺した女」の遺留品の片袖の大元の出所・旗本三千石の本多家(飯田町)相国寺方丈前白州。平次が控えるのは唐門際、樋口さまが奥方を待つのは方丈階際、奥方らが出てくるのは方丈前縁。本多家の奥方から衣を下賜された元女中のお国を訪ね、外で話を聞く平次、大覚寺放生池堤。謎の女の瓦版を売っていた男を締め上げる平次、大覚寺参道石橋
*吉次の女房・おりょうは三島ゆり子、亭主の亡骸に取り縋って泣くさまからもう怪しい、定番の悪女。お国は磯辺洋子、彼女と暮らす胸を病んだ本多の殿様は「赤影さん」坂口徹。二人を庇う大家に村田正雄。二人の愛は権高な奥方により凄惨な結末。*今回はうまく平次に使われて捜査に精出す万七親分、でも相変わらず泣きぼくろの女萌えとかやってて、萌え度の高さは怒りにつながり三島ゆり子締め上げ。*深更出張る親分の着替えシーンに、珍しい褌一丁の姿が・いや別に萌えではないが。


第431話「かわいい娘」1974.8.7  40

 人さらいの海賊が出没、若い小町娘が次々とさらわれ町方も打つ手無し。しかし己を信じて疑わぬ天真爛漫な娘に情をかけてしまったことから、悪党に綻びが生じる。

 ロケ地、札差の娘をさらったあと急患を運ぶ医者のふりをして平然と夜道をゆく龍神一味、相国寺大通院付近路地か。八百松のおみよがさらわれる水天宮、新日吉神社楼門内外。おみよの衣を裂いた剃刀を水天宮裏の堀へ投げ捨てる富造、大覚寺参道石橋(来合わせた平次が怪しんで追うのは参道)。八人目がさらわれたことで大目玉を食った平次らが出てくる奉行所の門、大覚寺大門。衣を汚した詫びに行き、隠居と明神に詣でるおきよ、今宮神社本殿。帰り道平次とばったり会うのは稲荷社前、平次は「絵馬堂」前でツナギの文を結わいている富造を見て追ってゆく、その坂は高倉脇坂。逃げる富造がくぐるのは大覚寺大沢池木戸五社明神に至り銭で足止め・シメるが、八が久五郎に刃を突きつけられ脅されて逃げられ。
*水天宮小町・おきよは高橋洋子、働き者の炭屋の娘でいつも真っ黒。万七に黒ちゃん呼ばわりされているが「隠居」は磨けば光る玉と目をつける。隠居は加藤嘉、おじいちゃんと慕われるうちおきよを誘拐できなくなってしまう心の推移が見もの。そのかしらを見限る「番頭」は牧田正嗣、手下の富造は志賀勝(顎に刀傷の強面)、久太郎は玉生司郎。おきよを慕い案じるものの全く気持の通じない魚屋のあんちゃんは赤塚真人。*さらわれた娘たちの命をタテに動きを封じられた平次と八は変装、ムシリ頭とアイパッチの遊び人。これがおきよに怪しまれ通報されたりして、十手持ってたのも胡散臭がられて大笑い←おきよの性格付け。


第432話「悪の装い」1974.8.14  40

 米問屋一族に次々降りかかる災難。全てはその度に身代を大きくするライバルの仕業と激する、初めに欠所となり縊死した大口屋の遺児。最後に残った叔父も脅え狂乱の態なのを見、決死の覚悟で殴り込みに行った先で、彼は平次に阻まれ真実を見せられる。

 ロケ地、元大口屋の大番頭が刺され「遺児」の与四郎が犯人に偽装される稲荷、長岡天神摂社・長岡稲荷。大口屋の墓、西壽寺墓地(墓参に来た越後屋に与四郎が突っかかる)。やって来た平次に罠にかけられたと聞かされ動くなと諭されるのは本堂前・龕仏(お堂は映らず)
*与四郎は酒井修、従姉妹の豊後屋の娘は島田幸子、豊後屋は岩城力也。越後屋が北原義郎で但馬屋(与四郎の叔父)が高城淳一、役者からはどっちが悪かすぐに判らないのも面白い。火付けに遭う豊後屋、竜吐水のホースを持つ火消しに福ちゃん、平次の指弾を受ける但馬屋の背後で米俵から顔半分出してる人足もひょっとして福ちゃんか。


第433話「夕映えの女」1974.8.21  40

 その昔身を切られる思いで娘と別れた母、辛酸を舐めたすえ巡り会うも名乗れず。しかし娘の危難を救い刃を受け、瀕死の彼女にそれと察した娘が「おっ母さん」の涙の幕切れ。

 ロケ地、深川八幡へお参りしてきた木曽屋とばったり会う平次、日吉大社境内。お妻が郡司と辰巳屋にいたぶられる境内は東本宮内、親分楼門から駆け入る。木曽屋で働くお妻、木場にお三時を持ってゆくシーンは「材木置場」、この回では「玉垣」が割合はっきり。河畔でべそをかくお妻を見かける平次、日吉大社走井橋(橋上から見て下りてゆく)。姿を晦ましたあと人足をして働くお妻、不明(蛇籠など見えるので河川工事か)。木曽屋の娘がゴロツキに囲まれる石垣際、不明(阪本?)
*島帰りのお妻は市原悦子、存在感ありまくり。死に際に平次に投げかける言葉「親分さん、嬉しいねぇ」は真骨頂、市原悦子にしか言えない台詞。娘の危機に現れて立ち回りも迫力、この四年後に演じた「うらごろし」の「おばさん」を髣髴とさせる。勘定方組頭の郡司は藤岡重慶、悪徳商人は沢村宗之助(元目明し、平次の若い頃の回想シーンで嫌味たっぷりに出てくる)。彼女を売り飛ばした極悪人で遠島の因となった吉次は国一太郎、木曽屋主は高野真二で珍しく全くの善人。*親分の演技も熱く、郡司や辰巳屋にヒヤヒヤものの啖呵を切るほか、圧力で捜査を外されそうになって樋口さまに「嫌だ!」の反抗、お妻臨終の涙滂沱のベタ芝居もなかなか。


第434話「御典医の夢」1974.8.28  41

 謎の連続殺人は分限者の名誉を守るための口封じ、長崎での学業も御典医就任も金持ちを満足させるための箔、所詮それは泥に咲いた花と親分の怒りが炸裂。御典医見習いと遊女、再会した元恋人たちの儚い時間が哀れ。

 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。御典医見習いの秋山が茶坊主に耳打ちされるお城の廊下は大覚寺宸殿廊下、己の力で世に出ると怒気を発した秋山が去るのは回廊。吉松が殺される明神境内、新日吉神社(舞殿越し本殿、本殿裏手と林)。秋山邸、相国寺大光明寺
*秋山新之助は山本学、権高な妻女は加賀ちか子で舅は十朱久雄。丹波屋が追い使うヤクザに五味竜太郎、手下に伊達三郎と峰秀一。*御典医はみだりに町人を診てはならぬ掟が話の鍵、脅迫者と事を知る者を丹波屋が皆殺しにかかる。吉松は女房を岡場所から出したくて強請りの手先になってしまう男、岡場所の女将が恐喝の張本人。


第435話「てるてる坊主は知っていた」1974.9.4  41

 鉄火肌の姐御の情話。同じ牢にいた健気な女のため奔走する「美人局のお駒」だが、その行動を利用され人殺しの罪を着せられかかる。親分の働きで彼女の無実は明かされ悪党もお縄となるが、あらかじめ幻だった「健気な女」の夢は完璧に打ち砕かれ、苦味まじりの幕切れ。

 ロケ地、松前屋の番頭が殺されて見つかる水天宮裏、相国寺弁天社裏手(出張るのは万七、傍らに「てるてる坊主」を発見)
*お駒は赤座美代子、親分の言う通り「悪気はない」が、かっとしてやらかす傷害事件が爆笑もの→傷つけた二人のうち一人は死んでるし片方は人殺しの片棒担ぎだからオッケーの江戸時代ってすげぇな展開。お新の解き放ちを迎える牢屋敷の門前でも悪党に突っかかりかけて平次に制止されてるのも笑える。松前屋は潮万太郎で馬鹿息子は山崎猛、つるむ悪党は幸田宗丸、殺されちゃう番頭は唐沢民賢。*罪を被ってくれた女に冷淡、お救い小屋資金を狙い殺しまでしてのけたうえお駒に罪を着せ、その工作によりにもよって健気な女の作ったてるてる坊主を使う救いようのない腐れ外道の馬鹿息子に親分の怒り「十手持つ身でなければ半殺し」。


第436話「ともだち」1974.9.11  40

 裏で因業金貸しを営む木綿問屋、こき使われている女中は借金のカタにとられた娘たち。或る日賊が入り裏帳簿を盗むが、要求は女中たちの解放だった。賊はおせんちゃんの親友の恋人、彼女を庇い平次にも逆らうおせんの話に尺をとる。

 ロケ地、伊勢屋に賊と聞き駆けつけたおせんがおぬいと仲直りの池端、赤山禅院池端(本殿玉垣越しのアングルも)。おぬいの回想、巳之吉と出会ったお使い帰りの石段、赤山禅院参道石段(巳之吉が鼻緒をすげ替えてやる)。巳之吉とおぬいが落ち合う明石町のやしろ、石座神社参道石段〜舞殿。
*巳之吉は池田秀一、おぬいは大森不二香。*おせんちゃん、平次に向かって岡っ引なんかキライと怒鳴ってお勝さんにひっぱたかれたり、おぬいを追う八っぁんたちを邪魔したり(清吉を下駄でパッカン等)。二人の行き先を聞き出すのにめちゃくちゃ手こずる親分のくだりがしつこくて笑える。


第437話「平次危機一髪」1974.9.18フジ/東映  41

 同心殺しは凶悪な殺し屋の仕業、殺された男が追っていた事件から正体に迫った親分は、一人の哀しい女を見る。その女の秘密を守ってやるために外道は姿を現し、平次を始末にかかるのだった。

 ロケ地、やっとうの鍛錬をする同心たち、大覚寺宸殿前。奉行所を出てくる同心たち、大覚寺大門(樋口さまが柴田同心に小石川の件から手を引くよう忠告)。柴田同心と配下の岡っ引が殺し屋に襲われる夜道、下鴨神社河合社脇。平次宅へ入り込んできた浪人・三田村が下駄を失くして泣く子のため走っていって拾ってやる川、上賀茂神社ならの小川。薬の行商人が墜死した「小石川の件」の現場へ行ってみる平次、吉田神社大元宮西崖(下を覗き込んだ八が滑り落ち、助けに行った平次は草叢に線香の燃えさしを発見)。殺し屋が巣食う本所界隈の荒れ寺、西壽寺。鐘楼脇で大入道が瓦割りをしているところへ、平次の戦法を探ってきた鎖使いが帰ってきて首領に無断で「平次を殺る」話に。首領が平次を呼び出しての立ち回りは、鐘楼脇で大入道と、首領の黒イカが現れるのは墓地へ通じる坂、前後に石段から見上げの本堂。平次が手下二人に呼び出され戦う明神境内の林は下鴨神社糺の森(河合社裏手)
*三田村浪人は安井昌二、思い切り優しいご浪人さんで登場し怪しさ満点。彼の行きつけの茶漬け屋の女将は森秋子、哀しい過去を持つ健気な女。彼女を強請っていた行商人は森章二、その墜死事件に付け込もうとしていた同心・柴田は笹木俊志。殺し屋の大入道は山本麟一、鎖使いは小瀬朗。水売りの親爺の大城泰もいい味。*三田村浪人と平次の出会いは「盆栽」、真剣にいじくり回している平次を笑うお静が先にあって「たった一つの道楽に半畳を入れるな」と平次がクサっているところへ、そこ切っちゃダメと茶々を入れに勝手に庭先へ入ってくるのが三田村。*殺し屋について樋口さまと話す平次のくだりでは「必殺シリーズ」を意識したと思われる台詞が出る「この江戸のどこかに金で殺しを請け負う人間が」。撮られた時期は異なるだろうが、この話の放送時には必殺シリーズ第四弾「暗闇仕留人」が放送されていた。


第438話「大江戸二十四時」1974.9.25  41

 朝参りの娘が聞いた物騒なネタ、夜勤明けながら出張った平次は、狙われているらしい者の住む金杉二丁目で張り込み。怪しい奴らがやって来るまでの間、平次は悲喜こもごもの様々な人間模様を見る。

 ロケ地、朝参りのお久が金杉二丁目に住む男をバラすという話を聞く不忍池端、大覚寺天神島祠朱橋護摩堂(柄のわるい男二人が立ち話)
*お久は田坂都、父の飯屋親爺は殿山泰司。二十年前仲間の一人に訴人され遠島になった賊・九郎次は守田栄蔵、同じく遠島仲間に平沢彰。*長屋衆の顔は様々、駆け落ち者に子沢山の夫婦、罪を得た倅のため伝馬町に日参する老夫婦や気のいい大工。それぞれにドラマがあって対象が限られてゆく作り、晴れて事件解決後には元気な産声が長屋に響き渡る。*出たまま帰らぬ平次を案じるお静もちゃんと描かれていて、堪らず見に来た番屋には平次と八の眠りこける姿。八の膝に頭を乗せて寝る親分が可愛い。


第439話「夜霧に消えた男」1974.10.2  41

 懐かしい友の誘いを受け、平次は成田へ。しかし見たのは友の墓標、そして町にはたちの悪いヤクザが跋扈しているのだった。

 ロケ地、成田の目明し・文吉が龍神の手下に連れられてゆく夜の印旛沼のほとり、琵琶湖湖岸松原。成田へ向かう平次と八、腹下しの八が茂みへ駆け込む道、不明。印旛沼畔に立つ文吉の墓標、琵琶湖汀のヤナギの根方。文吉が情婦・お秋に言い置いた「ブツを隠してある」船霊神社のご神木、新日吉神社本殿裏手のスダジイ。龍神一家に乗り込み揺さぶりをかけた帰り道、他ならぬ文吉を見かける平次、御室霊場(放生池石橋〜お堂前)。印旛沼対岸の、文吉が隠れている漁師小屋へ赴く平次、琵琶湖岸に小屋あしらい。捨て身のお秋が出て文吉を「取り逃がした」あと、迎えに出た八に代官所手付の酒田を呼んで来るよう命ずる平次、不明(町角設定/土塀際で背景に蔵、穴太の村中に似る)。逃げた文吉とお秋が、平次の殴りこみだと騒ぎ走る男たちを見る神社、走田神社(社務所前に地蔵をあしらい、二人はこの祠の陰に隠れる。平次の殴り込みだと叫ぶ子分や用心棒は、前の道や境内から湧いて出て合流し北のほうへ走り去る)
*文吉は中丸忠雄、お秋は野川由美子。龍神の親分は神田隆、代官所手付は笑福亭仁鶴。一家の賭場に福ちゃんチラリ。*文吉はお秋をヤクザから救った段で罠にはまり仲間に引きずり込まれ、縁を切ろうとして己の死体を用意する運び。「ブツ」は一家の罪状を調べ上げ認めた書付。*ハッタリをかまし威勢のよい啖呵を切る親分、ほぼ殴り込みのラス立ちも迫力・珍しく背中ぐっしょり濡らしての大立ち回り。


第440話「花を撒いて消えた人」1974.10.9  41

 縁談を嫌って町に飛び出したお姫様、構う男を次第に慕うがその正体は、という黄金パターンのお話。レギュラーの個性にうまく絡ませた姫様ギャグを入れ、悪党を釣りこみ懲らしめる「いつもの親分」もちゃんと登場。

 ロケ地、殺気立って誰かを追うふうな侍・ヤクザ混じりの一団を誰何する万七、宇治公園中州(橘島の宇治川先陣の碑が映り込む。万七が突き飛ばされて川ボチャ、その後船に隠れていた「さくら」を発見)。平次宅から消えた姫が焼き芋を求める町角、永観堂境内(現在は参道南側に塀ができて同じ眺望は得られない。位置的には、総門を入ってすぐ右手の閉め切り部分から参道右手の塔頭・智福院を見たもの)。買った芋を食するのは弁天社鳥居脇の放生池池端、剥いた皮を池に捨てて、釣りをしていた権太に怒られる。姫を捜す長兵ヱらが姫に気付くのは画仙堂前。長兵ヱを囮に家老一派を誘い出す手に出る平次のくだり、町に連れ出した姫を待たせ焼き芋を求める平次は永観堂釈迦堂塀際、おとなしく待ってなどおらず権太のところへ行く姫は弁天島・ここで縁談を嫌って出た経緯を「告白」、「引っ掛かった」と平次が横目で見る先に長兵ヱの姿がのぞく建物は図書館。姫に団子を奢っての浅草からの帰り道、大覚寺梅林(遠景に心経宝塔、林から浪人どもが出て襲う)。姫を待っている権太に声をかける平次、永観堂弁天社鳥居前。この後いよいよ江戸家老も出てきて姫を襲うラス立ちも境内と思われる。
*姫様は渡辺やよい、さくらと名乗るのはもちろん偽名でお家が「佐倉」藩。権太は大和田獏、もちろんこれも偽名。長兵ヱは永野達雄、江戸家老の「安西のじい」は増田順司・己が推す側室の生んだ若君を後継に据え藩政を牛耳る企み。*メザシを知らなかったり湯屋で裸に仰天などおきまりの姫様ギャグのほか、権太と「べらぼうめ」「あたぼうよ」の応酬も面白い。*万七使いが練れてきた平次も見もの、タイトルは事終わって打ち上げの席で出る平次の述懐。


第441話「万七なみだ酒」1974.10.16  41

 失態続きの万七に十手召し上げの危機。己の十手をかけて猶予を願う平次のほか、むかし施した恩が返ってきて助けてくれる。

 ロケ地、筆頭与力に掛け合って帰る平次を呼びとめ、謹慎で済みそうと話す樋口さま、大覚寺大門(内側)。万七に殴られた顔を冷やす勘太郎が悪企みの男たちを見る神社、不明(水場、蔵、絵馬堂、朱鳥居の摂社)。六地蔵で勘太郎を待つ芸者・小富、大覚寺石仏。約束を破ったことを小富に謝る勘太郎、大覚寺大沢池畔。小富に勘太郎の事を聞く平次、大覚寺天神島。夜回りを見て隠れる旅人を捕まえる勘太郎、大覚寺五社明神(舞殿に壁取り付け)。万七誘拐を知り平次に助けてやってくれと頼み込む勘太郎、不明(池端に拝殿)。万七が監禁されていた土蔵を捜す平次たち、鐘の音を聞く土手は東高瀬川堤、松本酒造の蔵も映り込む(南は麹町と指差す平次/小富が現れ、「南」を指してあの橋を渡って市右衛門旦那のところへ行くと言う)
*勘太郎は松山英太郎、小富は佐野厚子。彼女に執心の紀尾井町の旦那は須藤健、手下に浜田雅史。筆頭与力は酒井哲、他の与力方に波多野博、大月正太郎。*エンタツ泣き笑い劇場、誘拐されてしまう情けなさのほか、事態を把握してないのも大笑い。医者の戸口に縋って泣く勘太郎を見過ごしにできなかった「善行」は泣かせる。ふだんいやらしいぐらい吝嗇なのにね。


第442話「風は哭いていた」1974.10.23  42

 辻斬り事件で事情を聞くもののシロだったご浪人、しかし身上は訳あり。当の辻斬りに関わりがあったほか、江戸に立ち現れた凶盗は彼の仇。ようやく取り戻せるかに思われた妻だが、浪人は血の海の中でその正体を知ることとなる。

 ロケ地、眉浪人の回想、奪って逃げた妻と暮らしていた烏帽子岳山中の小屋、保津峡落合河口手前左岸崖上。凶盗に連れ去られた妻子を求め叫ぶ巌上は落下岩、見下ろす河口汀に娘の死体。変装して眉浪人を尾行中の平次が騒動に行き当たるくだり、刃傷沙汰から逃げた女が釣り道具を持った眉浪人とばったり出会う柳原界隈の神社、上賀茂神社奈良社付近。七曲の佐竹下屋敷裏の釣堀、不明(竹林に囲まれた溜池、水は滞りあまりキレイじゃなさそう)。その池端から平次が指す賊の隠れ家、中山邸門(池とは別撮り)
*眉浪人は有川博、辻斬りの元御家人は北村総一郎、凶盗のかしらは武藤英司で手下は浜伸二。この男たち全てを手玉にとる悪女は松本留美、貞淑の仮面がはずれたあとの高笑いが凄絶。*絶望の果てに逝った浪人、翌朝には「現場」の長屋に赤子の産声が響き、その子をどうでも貰い受けようとしていた大家も感激して証文を破る人情話にして締める。*尾行中の平次が「凶盗のかしら」が裏切った女に切りつけ、長屋の身重のかみさんにぶち当り産気づく騒ぎの現場は「向柳原」、まっすぐ神田川へ抜けると新シ橋。ここから柳橋にかけての船宿がアジトと、初めの推測。眉浪人の釣りの装いと、刃傷沙汰から逃げた女のなりからの推測は佐竹下屋敷の裏の釣堀。あと、眉浪人が暮らしていた「烏帽子岳」は信州と上州の境と語られるが詳細は不明、北アではないと思われる。


第443話「さらわれたお静」1974.10.30  42

 ひと昔前の憎悪が立ち現れ、平次を苦しめる。久方ぶりの夫婦のお出かけが一転、お静のいない家で幻を見る親分が哀切。

 ロケ地、昔仲間の花火師に火薬玉を作らせる島帰りの源八、作る小屋は下鴨神社糺の森池跡にあしらい、爆破実験も同所(設定は上野の森)。お静と平次が待ち合わせのお寺の境内の茶店、仁和寺茶店(背景に塔や中門)。待ち合わせ場所に向かうお静、金戒光明寺東坂下石垣際極楽橋永運院下坂(源八の尾行に気付き駆け出す)長安院下坂鐘楼下石段(ここで万七とばったり、源八は一旦姿を消す)。気を利かせて平次と別れた八が軽口を叩きながら歩く道、仁和寺金堂前〜参道(掏摸に遭う)。掏摸を追う八、仁和寺鐘楼脇、八の声を聞きつけやって来る平次は水掛不動の方から出て合流、掏摸の捕縛は観音堂(この掏摸騒ぎで平次とお静は擦れ違い)。平次に女房を殺されたと恨み言を述べる源八から逃げるお静、仁和寺御室桜林金戒光明寺長安院下坂(追いつかれ、周りの子らも爆弾で道連れと脅される)。女房が死んだ経緯をお静に話す源八、金戒光明寺鐘楼。脅迫状に応じ九段下の河原へ赴く平次、罧原堤下桂川(誘拐されたお静は船に乗せられ川を下ってゆき、追おうとした平次は穴あき船で散々)。源八がお静を監禁し平次に来いと迫った牛天神社、不明(石段を登ったところに殿舎、アーチ形の渡廊があり奥に摂社とおぼしき鳥居、境内林の外は崖。アーチ渡廊は「殿ふら」20話と同じと思われる。また、当の銭平428話に出た風景にも似る)
*源八は金内喜久夫、逃走の際屋根から滑落した女房は宮本まり子。全くの逆恨みだが、誰かを恨まずにおれぬ男の心情を察する親分、企み潰えただ泣く源八で幕が引かれる。


第444話「妻は夫を労わりつ」1974.11.6  41

 樋口さまの友人のご浪人が江戸へ。権高な妻女に皆辟易するが、彼女の些か軽率な就活が凶賊にとっ捕まった樋口さまの窮地を救うきっかけになる。

 ロケ地、野呂木浪人の妻女が町娘にからむチンピラと立ち回りは今宮神社東門内・石橋付近(門際に露店あしらい)。仕官の話で出かけた野呂木が連れ回されたうえ斬りつけられた空地、下鴨神社河合社裏手。その護持院ヶ原で行われる大立ち回りは池跡。船で連れてこられる「人質」の樋口さまはロケかセットか不明。
*野呂木浪人は山城新伍、腕はからっきしの恐妻家を好演。妻女は春川ますみ、はじめはつんと澄ましているが、次第に騒がしくなり「め組のおさい」に近くなる。タイトルからお里沢市を連想するとアレな話だが、いちおう互いに思いあう夫婦の情話。夫婦の落しどころは屋台の寿司屋開業、「夫婦寿司」は平次夫婦に肖った樋口さまの命名。


第445話「でんでん太鼓」1974.11.13  41

 手柄を焦る若い岡っ引は、捜査の果て認め難い事実を知る。彼と父の葛藤が凄絶なドラマは、二人の慟哭で終る。

 ロケ地、龍頭の刺青がある男たちが殺されて見つかるお堂、御室霊場(万七の縄張り)。吉五郎の女房の墓で和尚に事情を聞く平次、不明(平地?)。思い決めて父を捕縛に向かうも不在、幼時あやしてくれた川辺へ行ってみる佐吉、嵐山公園派流岸辺(右岸)
*佐吉は岡崎二郎、父・吉五郎は中村竹弥(元抜け荷買い一味の首領)。


第446話「燃えろ!八五郎」1974.11.20  42

 またも恋に破れる八っぁん、しかし今回はクサらず老目明しを逆に説教するなど、ひとつ階梯を上がる。平次夫婦の気遣いも泣かせる一話、上州を荒し回った凶賊と、それを仇と追う高崎の岡っ引父子を軸に進む。

 ロケ地、凶賊どもが高飛びを目論み集まる駒形の渡し場、罧原堤下河原に小屋あしらい。傷心の八を気遣い釣りに連れ出す平次、大覚寺大沢池堤。お弁当広げるお静は堤下に。
*凶賊・勘助は牧冬吉、姑息にも爺に化けていやがるが平次の慧眼からは逃れられない(人相書そっくりで笑える)。勘助の女房は香川京子。妻を殺された恨みを晴らすため高崎からやって来た岡っ引は森健二、娘は津田京子。行き倒れの二人を八が保護した旅籠の主は西山辰夫。


第447話「からくり仇討」1974.11.27  42

 父母の仇を求め足かけ二年という青年、人殺しの手助けはしないと突っぱねる親分だが、殺し屋は許さんと介入。しかし仇討ち旅に至る経緯が、どうにも面妖なのだった。

 ロケ地、町で「仇」の名が宛名の文を落とした女を追う平次、見失った先でならず者たちに襲われる神社は赤山禅院、本殿を出てきた平次たちは拝殿前で立ち回り。銚子へ発つ平次たち、広沢池東岸(堤)〜堤道(自転車道か)〜荒海イメージ→漁師町はセット。
*網元の倅の仇討ち青年は藤間文彦、お供の治平は鮎川浩、留守を守る「忠義者」の番頭は春日俊二、「親切面」の地回りは五味竜太郎、悪人じゃなかったけどうるさ方の叔父さんは藤尾純、番頭と治平のツナギ役もしていた強面は阿波地大輔。「仇」にされていた元八州さまは今井健二、平次の危機を救ってくれるし樋口さまと親しいし銚子までつきあってくれる、正義感が強くて出世もしている完全な善人。もう出てくるたんびに極悪な名悪役なので、しげしげと鏡を覗き込み「あんまりいい人相とは言えないな」と呟くお笑いネタを入れられていて大笑い。「善」なのに、立ち回りの最中の不敵なニタニタ笑いが凶悪なのも笑える。網元方でも忠義面が実は/怪しく見えてその実という作りなので、今井健二善人で起用が生きてくる。悪ノリ?は平次もやっていて、実は凶盗・かまいたちだった地回りに乗り込んだ際「三輪の万七」と名乗る。


第448話「紅とかげ」1974.12.4  43

 首領をお上にチクり金を横取りの手下、しかしおかしらは破牢し、という復讐譚。大盗を追ってきた天満同心と、無理矢理賊の仲間に引き込まれた気のいい女とのからみが泣かせる。

 ロケ地、酔って帰りの鬼坊主、嵐山公園・錦前。伝次に呼び止められ斬られるのは中ノ島橋中州、死体検分は河川敷。鬼坊主の死体を遠巻きに見た帰り、参拝の侍の懐を狙う辰とおろく、松尾大社祠前〜本殿。手下たちが金を隠していた池、赤山禅院本殿脇の池。薬行商の伝次を尾行する平次、赤山禅院参道
*おろくは中島葵、天満同心は長門勇。首領・紅あざみの伝次は汐路章、元手下は平沢彰、山岡徹也、唐沢民賢。*天満同心は職を辞して来ていて浪人態、ムシリ頭で呑んべ。汐路章はひたすら怖いが、「表」では怪しげな薬を売り歩き客が万七だったりする。


第449話「蜜の罠」1974.12.11  43

 事件は大店の世間知らずの娘に仕掛けられた逆ハニートラップ、お話の主体は娘がかつて手ひどく袖にした若者との再会とその後の綾。親分はハナっから人体を見て眼目を定め、人を陥れて口を拭う悪党どもの正体を暴きだす。

 ロケ地、江島屋の回想、睦む江島屋の娘と十勝屋の倅、大覚寺大沢池畔〜大沢池堤水門傍(父親たちが話す茶店は池畔にあしらい)。十勝屋の聞き込み帰り、母の墓を手入れする柾吉を見かける平次、西方寺小谷墓地。柾吉の回想、お絹に手ひどくフラれたうえ母を侮辱された水辺、大覚寺放生池堤。十勝屋の倅を呼び出し談判するも人数が出てフクロにされる柾吉、大覚寺五社明神。主家に火付けをした江島屋の手代の情婦が平次を呼び出し手代殺しの犯人は十勝屋の番頭と告げる八幡裏稲荷境内、今宮神社稲荷社前。
*柾吉は亀石征一郎、平次にも楯突くヤクザ者で火事のため貧に落ちたお絹に嫌味を言いまくるが、窮する彼女に食料を与えたりと次第に変化、しまいにそれを返したお絹に怒った挙句、水茶屋勤めに出ようとしているのを暴れて止め、二度とこんな了見を起こすなと大喝し「頼んでるんだい」…なんて可愛いんだ亀石征一郎。お絹は有吉ひとみ、父の江島屋は富田浩太郎。江島屋を罠にかけた十勝屋は堺左千夫、抜け船の五郎蔵と二ツ名を持つ大悪党。柾吉の弟分の〆太は千代田進一、兄貴がお絹に「告白」の際の寝たフリなどなかなかいい味。*十勝屋の店先でで刃物沙汰を起こした江島屋は町内預け、手鎖をされているのが細かい。


第450話「ひと夜の悪夢」1974.12.18

 再仕官を期す浪人夫婦に降って湧いた災難、平次の働きで無事仕官は叶うが、苦い思いが残るのだった。
*ロケなしセット撮り。浪人夫婦は住吉正博と江夏夕子、ともに暗い落ち込み顔がナイス。浪人仲間は中庸介と和崎俊哉、友人夫婦を気遣うけっこう豪快で陽気な賭場の用心棒の和崎氏がいい味。


第451話「あばずれ」1974.12.25  43

 恋しい女の幸せを願うあまり過ちを犯してしまった目明し。その行動に当初より疑問を抱いた平次は彼から言い出すのを待ち、自身は罪なき女のため奔走する。

 ロケ地、深川から帰って来た平次と八が渡る橋、中ノ島橋。結城屋の主の死体が見つかる左衛門河岸、嵐山公園・中ノ島橋下手河川敷(水路を跨ぐ小橋をあしらい・この手すりが壊れ転落の次第/平次は手すりを見て足を止め、河原で死体の傍らにいる駒三を見る)。処理を平次に任せてしまったことを詫びる駒三、今宮神社稲荷社前。
*妻恋坂の駒三は菅貫太郎、銭平には悪人でないスガカンが時折出るがこれもそのひとつ。平次と並び称される程の出来た人物設定、なんかあるのは丸わかりの態度が「小細工」をはじめるや微妙に変わる加減がやはり巧い。駒三付きの下っ引は園田裕久、駒三を庇おうとする結城屋の女将は磯村みどり、結城屋主をカモにしていた莫連女は黒沢のり子、彼女に無体を働いたチンピラに川谷拓三や井上茂、彼らを匿う香具師元締は天王寺虎之助。*放送はクリスマスだが効果音にホトトギスの声、ドラマの設定は初夏か。


銭形平次 表紙


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