749〜771話 フジテレビ/東映 キャスト 第749話 「平次・忍術入門」 1981.1.7 49 身の軽すぎる怪盗が跋扈、何をとち狂ったか平次は忍術の先生と称する男のもとへ入門。しかし「潜入」にはきちんと訳もあり、果たして真実もそこに転がっていたのだった。 ロケ地
*忍術の師匠・成瀬九十郎は小池朝雄、ふざけてるのかマジなのか判りかねるあたりが妙味で「兄さん」と二役。彼の娘は叶和貴子で、いつものように八が一時岡惚れ。千両箱盗られて腹切りのところ親分を頼る尾張様の用人は木田三千雄、一緒についてくる蔵役人は浜田雄史。霞小僧に狙われる寺の住職は岩田直二、ホントに生臭かどうかは不明。 第750話 「再会」 1981.1.14 75 大風の夜舞い込んだ珍客がもたらした僥倖、それにより幸せを掴んだ女だが、五年後の恩人との「再会」は平穏な暮らしをめちゃくちゃにする。夫婦は別離・お店は欠所という悲劇だが、悪徳商人がお縄なのが救い。 ロケ地
*大店の女将として幸福を得るも運命に追いつかれる元女郎のおいちは二宮さよ子、亭主の大津屋は石山律雄。おいちを苦界から救済した仏であり、幸福から引き剥がした悪魔でもある伊三郎は藤木敬士、彼をずっと追っていた目明しは山本清、彼に大津屋脅迫を依頼した悪徳商人は浜田寅彦。 第751話 「魚河岸の暴れン坊」 1981.1.21 49 魚買占め一味に憤る棒手振りの青年は、助け合って育った孤児仲間に裏切られてしまい殺人者として追われる身に。最終局面では友が改心し悪党ども一網打尽、罪に服す友を待つ青年の情が泣かせる。 ロケ地
*伊佐吉は森進一、劇中「通りゃんせ」を披露。三次は松山政路、伊佐吉を羨み追い越そうとして焦ったことが蹉跌、済まなさそうに泳ぐ目が巧い。わるさを働く魚河岸の顔役は伊達三郎、邪魔になった子分を手ずから天秤棒でぶっ叩いて殺すのも迫力。その殺される手下は黒部進、彼が消した下っ端は阿波地大輔。黒幕の海産物問屋は森幹太。 第752話 「鬼面組御用!」 1981.1.28 49 跳梁する凶賊が兄かもという疑念に、押しつぶされそうになる娘。見かねた友人のおくみが首を突っ込み、八の立ち聞きから平次の耳に達し、真実が明らかになってメデタシの運び。 ロケ地
*料亭の下働きがカッコ悪くて隠していて妹の疑義を呼ぶ浪人の兄は村野武範、妹は舟倉たまき。兄と共に放逐された朋輩で鬼面組の首魁は溝口舜亮、黒幕の旗本は川合伸旺。ラス立ち福ちゃんや小船さんなど「見た顔」多数。 第753話 「やさしい悪女」 1981.2.4 49 女をとって父と義絶状態の倅が、事件に巻き込まれる。切りようもない親子の絆、苦界から救ってくれた男に対する感謝の念、思いあう心は土壇場で通じ長いわだかまりも氷解し、父と息子夫婦は幸せそうに旅立ってゆく。 ロケ地
*女郎上がりのお袖は三浦真弓、亭主の房吉は小野川公三郎、彼の父で酒肆の頑固親爺は金子信雄。泉州屋は谷口完、房吉を殺そうとして返り討ちにあう源次は唐沢民賢。 第754話 「秋田から来た花嫁」 1981.2.11 49 八の失恋話、今回はイケるかもとの期待空しく、女の腹には四月の子。夢破れ盗っ人の仲間入りをしていた「子の父」を救済する情話に仕立ててある。 ロケ地
*八に助けられる秋田の女は浅利香津代、恋人は山谷初男で盗っ人仲間は松山照夫。賊の侵入を奇貨として旦那を殺す鬼女は山口奈美、女なのに銭を当てられ。 第755話 「汚れなき純情」 1981.2.18 49 仲がよくお神酒徳利とまで称される青年たちだが、一人の婀娜っぽい女との邂逅が均衡を崩す。誤解と恣意が二人を翻弄するが、解決ののちは再び爽やかな友情が戻りめでたし。 ロケ地
*青年たちを誘惑し罪をおっつける「魔性の女」は加賀まりこ、情夫は木村元、殺された「旦那」は人見きよし。まだ16歳の青年二人は佐瀬陽一と堀広道。 第756話 「命を狙われた万七」 1981.2.25 49 兄の仇を討つと思い詰めた娘は万七を襲うが、悪党のはかりごと。襲撃におびえまくる万七がコミカルに描かれ、賊の使嗾を受けていた娘には咎めなく、一応「お手柄」で決着。 ロケ地
*おみつは佐藤万理、実は賊の一味だった兄は有光豊。龍神組の首領だった相模屋は神田隆、情婦の酒肆女将は湖条千秋。亡母の里を訪ねる設定で出る万助は岡本崇。 第757話 「見かえり坂慕情」 1981.3.4 49 己のため罪を得た男の子供を引き取り育てる女、彼女の弱味に付け込み偽証させようとした悪党どもだが、平次乗り出しという虎の尾を踏む結果に。おそらく気持ちはもう夫婦の男女を見守る親分の目が優しい。 ロケ地
*おしのは田中真理、ロマンポルノの星は芯の強い薄幸の女を演じ絶品。彼女を庇い罪を得た板前の栄次郎は久高惟晴。ヤクザは元締が長谷川弘で手下に小沢象(殺人犯)や内田勝正、殺された錺職にして栄次郎に不利な証言をした男は大竹修造。 第758話 「黄金は白銀に散った」 1981.3.11 既 百年前に強奪された黄金が、贋金に仕立てられ江戸の町にばらまかれる危機。秘密は、消されるところ一人逃れた錺職の青年から露わになり、平次は悪党が巣食う秩父の雪嶺へ。 ロケ地
*仙太は火野正平、妹は村上理子。一味の頭目は田中弘、手下の鎖鎌使いに唐沢民賢、仙太を殺しに出向くのは福ちゃんで、小船秋夫もちらり。 第759話 「浮世がからんだ一番富」 1981.3.18 49 一番富は三百両という僥倖が、ひとの心にもたらす明暗。謎解きは、様々な人間模様を照射し、ドラマを紡ぎだしてゆく。 ロケ地
*当選金の受け取り役に使われる酌婦・お春は水原麻記、倣岸で蓮っ葉な態度をとるがその実は哀れな女というのを好演。彼女を使嗾していた腐れ縁の地回りは江幡高志、親分の尋問に泳ぐ目線が可愛すぎ。一旦は悪心を抱くも仕了せなかったご浪人さんは原口剛、同じくガサにまで入っていた資金繰りに困る質屋は陶隆司。当り籤を亭主にワヤにされた蕎麦屋の女将は桜京美、自分のことばっかりでイヤーな感じだが当選金は全額寄付という逸話つき。蕎麦屋の親爺に籤をおっつけられひどい目に遭う大工は坂口徹郎、赤影さんは好青年。大工を襲って籤を盗った畳職人の死体を見つけた船頭は福ちゃん、富突きのシーンでも前列にいて目立っている(ベタでクレジット、しかし不自然な形の「清三」で放送当時は清二と誤記の疑いムンムン)。 第760話 「約束された祝言」 1981.3.25 49 色悪に見込まれた商家に訪れる不幸、親分の奔走で悪党の正体は露わとなるが、ぶっきらぼうでナイーブな青年がすぐさまの復縁に応じないあたり、味のあるお話。 ロケ地
*おいねは村田みゆき、佐太は江口正昭、井筒屋は武内文平。与三郎は西田健で情婦は中島葵、与三郎の使嗾でおいねを襲ったり井筒屋を殺したりするならず者は有川正治ら。 第761話 「花の若衆仁義」 1981.4.8 49 生き別れだった母子再会の情話、囚われの母を求める娘はきりりと男装。母はヒヒ爺に監禁されているのだが、その屋敷では親分たちが追っている事件に関わる賭博が行われているのだった。 ロケ地
*凛々しいお葉は汀夏子、ラス立ちでは襲い来る者どもをばっさばさに撫で斬り、しかし親分に斬っちゃならねぇと言われ「ハイ」で以降は峰打ち…既にいっぱい斬ってるケドいいのか。あと、勝負服が由美かおるみたいなのもツッコミどころ。母は小畠きぬ子で監禁して迫りまくるヒヒ爺の旗本は江見俊太郎。殿様を利用して旦那博打を開催する外道は田口計、手下に岩尾正隆や小船秋夫ほかお馴染みの面々に加えレツゴー三匹が出ていて笑いを添える。 第762話 「娘せんせい奮斗記」 1981.4.15 49 婿がねの堕落に心痛め酒に溺れる父、さらに彼を陥れようとする当の元弟子。しかし、寺子屋を営み健気に家計を助ける娘の生徒が悪党の密談を聞いていて注進に及び、事件は解決の方向へ。 ロケ地
*塾の女先生は遙くらら、父の浪人は内田稔で事後就職するものの酒はやめず。仇討ちの意思をなくし盗っ人の一味にまで堕ちた元弟子にして女先生の許婚者だった元烏山藩士は岡崎二朗、賊のかしらは牧冬吉で質屋を抱きこみブツを捌くも内紛でワヤな運び。夜嵐組のブツを捌いていた質屋が殺された大川端での検分に群がる見物衆に福ちゃんチラリ、顔の振り方が派手で目立つ(+)八のうしろでけっこうなアップも。 第763話 「浮世絵の女」 1981.4.22 49 芸者と深間にはまり破門になった絵師、その後絵が売れず遂に断筆を覚悟するに至るが、裏には欲深者たちの汚い意図が隠されていた。 *ロケなしセット撮り。元芸者は星由里子、相手の絵師は大出俊、師匠は加藤嘉。兄弟子を襲わせる悪党は石田信之でつるむ版元は谷口完。二人を始末にかかる段でわらわら湧いて出るヤクザ者に福ちゃんや小船さん。 第764話 「この愛に生きる」 1981.5.6 49 あまり居心地のよくない婚家で過ごす若き未亡人は、ある日再会した懐かしい人に心惹かれてゆく。その人の境遇は昔と大きく異なり、町方の目に怯える日陰者、平次の気遣い空しく恋の成就は成らず。しかし残された女はこれを転機として生きてゆくのだった。 ロケ地
*駕籠屋の未亡人は由美かおる、彼女で持つ店という設定。前科者の元寺子屋師匠のコブつき浪人は林与一、危機に際し贖罪意識から抜かず戦い落命の運び。身勝手で口喧しい駕籠屋の姑は菅井きん、身持ち定まらぬ次男坊の栄二郎は有光豊、駕籠舁きには小峰さんほかよく見る顔。回船問屋の用心棒は川浪公次郎。 第765話 「血を吸う部屋」 1981.5.1375 目撃した血だらけの死体が忽然と消え、化かされたかとクサる八。しかしちゃんと動機のある企みが隠されており、世に不思議なし。誤ってはいるものの一途な心が作らせた、途方もない仕掛けも、やっぱり投げ銭が解決する。 ロケ地
*亡夫の願いを叶えようとするあまり過激な行動に出る口入屋の女将は稲野和子、事が露見したあとは自ら仕掛けを作動させ壮絶な死を遂げる。女将と行動をともにする番頭は花上晃、寮にいる老僕は桑山正一。釣り天井を作ったものの強請って当の仕掛けで殺される渡り大工は平沢彰、人相書がそっくりで笑える。 第766話 「男と女の旅路」 1981.5.20 49 気持ちにハリをなくした楽隠居は、心の隙を埋めようと過去の思い出を手繰り、昔恋した女に出会う。老いた男女の微妙な機微を、巧者が丁寧にしっとりと演じる。 *ロケなしセット撮り、回想シーンの灯籠流しはバンクフィルムの広沢池かも。 第767話 「おとぼけ捕物道中」 1981.5.27 76 阿片密売組織を追う話、密輸中継点と目される沼津へ出張の青柳や万七と、江戸に残って消された売人の伝手を調べ上げる平次と、二元中継ふうに進行。たばかられ動かされる姉弟の情話も挿み、沼津往還は賑やかに騒がしい珍道中となる。 ロケ地
*おりんは森田理恵、三太は藤巻将義。孤児だった彼らを拾い育てた養父が、冒頭で口封じに消される運び人。一味の殺し屋で拳法の達人な角禅は石橋雅史、投げ銭も手刀で真っ二つの化物だが、親分は力学的に有り得ねー空気投げと投げ銭の併せ技で競り勝ち。阿片密売の大元の唐物商は戸浦六宏、番頭は田中弘。万七が旅籠で風呂ノゾキのくだり、年増どころではないヌードを御開陳の老婆は和歌林三津枝。 第768話 「平次・潜入大作戦」 1981.6.3 49 抜け荷で肥え太る悪党が拉致った娘を、大目付に頼み込まれて救出にゆくお話。親分の変装が二態あったり、「山の御大」がご出演など豪華な一篇。 ロケ地
*平次に磯崎藩邸潜入を依頼する大目付は片岡千恵蔵、彼に使われていて露見しさらわれた宇野屋の娘は平野真理、同じく奉公中の「同志」は小林かおりで成敗時にはくの一ルック。抜け荷親玉の江戸家老は横森久、腹心は中田博久で蝋燭垂らしの拷問とかもやる。悪徳商人は伊達三郎、密談を立ち聞き始末される正義派の藩士は峰蘭太郎。娘を助けて貰ったお礼が大量の蝋燭な、気の利かない親爺は阿木五郎。 第769話 「さまよえる死体」 1981.6.10 49 堀に浮いていた死体がなくなったあとに起こる怪異は芝居、平次はそのあとを引き継ぎからくりを暴き、アリバイを突き崩す趣向。世に不思議なしの明快な典型的橋蔵銭平だけど、藁の切片でお見通しのほか、柄杓の落ちた音で鹿威しの仕掛けに気付く親分凄すぎ。 ロケ地
*生まれ育ちから金に執着するタチだった結城屋の後妻は原良子、蓑合羽つけての疾走がなかなかに派手。登場早々に死体の結城屋は波多野博で娘のおみつは賀田裕子、物陰から睨む顔が怖すぎて犯人に見えてしまう忠義者の番頭は梅津栄。 第770話 「禁じられた恋人たち」 1981.6.17 49 恋してはならない人と夫婦約束をしてしまう島帰りの青年、事情を知るも言えずにいた青柳同心だが、悪党の企みにより最悪のタイミングで事実が暴露されてしまう。しかし悪党のさらなる悪行は、二人の縁を再び結びつけることになる。 ロケ地
*喧嘩で相手の出した匕首を使い刺し殺してしまった政吉は佐藤仁哉、その相手の妹だったおさきは佳那晃子、二人は互いの素性を知らずに愛し合う設定。左官の政吉が出入りの店を狙う昔の悪い仲間・辰三は根岸一正。 第771話 「父娘ばやし」 1981.6.24 49 男手ひとつで育てた娘が嫁ぐに際し、せめて心尽くしをと願う父の心を弄ぶ悪党。もちろん、親分が哀れな親心を罪に問うことはない。 ロケ地
*怪しみつつ金も欲しくて合鍵を作る父の職人は小鹿番、鍵を失くして困っている人がいてと騙す幼馴染は木村元で、質屋に潜入していた情婦は湖上千秋、賊のかしらは長谷川弘。結婚間近の娘は金沢明子で八木節を披露、恋人の板前は水上保弘。ラス立ち福ちゃん入り、賊の一味。 |