772〜787話 フジテレビ/東映 キャスト 第772話 「恐怖の影」 1981.7.1 49 父が貰った若い後妻に懐かず反発する子、そこへ立て続けに後妻を狙った事件が起き、万七などは子を疑うが、思わぬ筋が糸を引いていた。悪党から命がけで子を守った女は、晴れて「おっかさん」の呼称を貰う。 ロケ地
*旅籠屋の主は東八郎で、後妻は松本留美。隠し金の在り処を吐かぬまま獄死した盗賊・虎姫の吉兵ヱは千葉敏郎、水茶屋女将の情婦は藤江リカ、牢で伝言を託された弥十は玉生司朗…この「賊の遺族」たちが入れかわり立ちかわり旅籠屋へ来て幽霊になったり味噌汁に毒盛ったり梯子を切ったりと「後妻出て行け工作」をはたらく趣向、よって謎解きがタイヘン。清吉は甥の婚礼で下田へ、という設定で万七の子分にゝ松(ちょんまつ)登場、「万おじさん」などと呼んで怒られ・演者は田井克幸。 第773話 「めぐり逢ったふたり」 1981.7.8 76 亭主の医者代のため苦界に身を堕し死んでいった女房、それに生き写しな女に出会った亭主は、彼女が女房と同様の境遇に置かれていることを知る。女房の一件で医者を恨んだ男が仕出かした盗みには、親分の計らいで大甘な処置が下され、一組のつがいは幸せそうに江戸を去ってゆく。 ロケ地
*おきくとおしんは木村理恵の二役、鋳掛屋の仙次は桜木健一。治療費水増しのうえ悪徳金貸しとつるみ患者の家族を苦しめるトンデモ医者は神田隆、絵草紙屋の裏で闇金をはたらくのは江幡高志で手下の強面は丘路千。 第774話 「炎の中の顔」 1981.7.15 49 棒手振りの青年に保護された記憶喪失の訳あり女は、彼に感謝し慕いつつも素性が判らぬうちはと身を任せない。記憶が戻れば別れが待っているかもしれない二律背反に悩む男、果たして半年間の二人の思い出は失われるが、新たな愛が紡がれてゆく。 ロケ地
*おりん(お蝶)は三浦布美子、彼女を大川で保護した棒手振りはなべおさみ。孕んだおりんが邪魔で殺そうとした色悪の信吉は石山律雄、同じ手口で手をつけた女を殺して放火したことからアシがつく。 第775話 「大先輩八十歳」 1981.7.22 49 喜寿を過ぎた元目明しの爺さまは少々ボケ気味、しかしデキのよくない息子と孫が二人してお上に引っ張られてからは嘆きつつもシャキーン。親分の奔走で事件が解決し、元通りの暮らしが戻るやまたトロトロになる爺さまは可愛すぎ。 ロケ地
*爺さまは曽我廼家明蝶、息子は北上弥太郎で孫息子は津山栄一。 第776話 「花火殺人事件」 1981.7.29 49 完全犯罪に近いヤマだが、親分の正義感は逃げ得を許さない。ハナっからわざとらしいまでに張られた伏線を辿る謎解きに、残された妻の濃厚な追憶を重ねた情話。 ロケ地
*帳簿に大穴を開けている入婿は永井秀和、番頭殺しに一役買う友人の花火師は市川好朗。若旦那に頼まれるまま帳尻の秘密を守ってやったのに無惨に殺される番頭は天田俊明、永年苦楽を共にした女房は桜町弘子。 第777話 「幽霊からの遺言状」 1981.8.5 50 御用を請け負った材木商の失踪後続けて起こる怪異、心弱りした後妻が役人を呼んだことで悪事は明るみに。きつい目をした女中が実は、という情話が被さる。 ロケ地
*但馬屋は堀内一市、実は娘だった女中のおすみは甲にしき。浮気性の後妻は山口奈美、これを誑しこむ番頭は藤木敬士で黒幕の伊勢屋は谷口完。 第778話 「引き裂かれた絵図」 1981.8.12 50 獄死した大盗の隠し金をめぐる血腥い騒動、哀れな女が掘った先にはお宝はなく、とうの昔に汚い奴の手に渡っていた。 ロケ地
*まんまと万七を騙すかしらの妾は服部妙子、絵図を持つ一味の者を襲う情夫は中田博久で総髪の浪人。開店資金が怪しい元火盗改同心は御木本伸介。 第779話 「憎まれ天使たち」 1981.8.19 76 掏摸まで仕出かす、色気も欲も残りまくりのがちゃがちゃ婆さん三人が大暴れの人情話。長屋追いたてに反対していた大工が殺された事件に、三婆関わりまくりで間抜けな誤解もやらかし危機一髪のところへ、きっちり銭が飛んでくる。 ロケ地
*三婆は年の順に菅井きん、久慈あさみ、日高澄子で三様に趣き深し。立ち退きに反対して殺される大工は牧冬吉で娘は山本ゆか里。金をさらって逃げる算段の和泉屋の後妻は湖条千秋、判り易すぎのオホホ悪女。グルの手代は高峰圭二。 第780話 「義賊・つむじ風」 1981.8.26 76 「義賊」が入った先での殺人事件は、親分に苦い役目を果たさせる結果に。幼き日は遠く、掛け違ってしまった運命を嘆くも時は戻らず、残された女のその後を見届けて平次は町をゆく。 ロケ地
*おせいは野川由美子、薄幸の女が似合いすぎ。義賊の卯之吉は江原真二郎、幼き日の思い出が傷ついた彼をおせいのもとへ向かわせる運び。抜け荷をごまかそうとして平次をもたばかる山城屋の主・義助は土屋嘉男。八のところへ転がり込んだ頼りない青年・留造は、国へ帰った清吉の代わりに万七の下っ引に。キャストは有光豊。 第781話 「万七親子が夢見た女」 1981.9.9 50 万助ちゃんがかわいそうなどと称し、万七宅へ上がりこみ世話を焼く女。やに下がる万七だが、正体が掏摸の女にはもちろん魂胆あり。しかし根は優しいその女とは、ほろ苦い別れが待っていた。 ロケ地
*万七宅へ来た女・おようは金沢碧、相棒の掏摸は大竹修造。手形を盗らせた両替商は睦五郎。万助は加瀬悦孝、ちっちゃい子供で奉公とかはしておらず前の設定クリアの模様。 第782話 「三匹の蟻」 1981.9.23 粗暴極まりないヤクザにそれぞれひどい目に遭った三人は意趣返しを決意、憎い親玉を落とし穴で仕留めようとする。ひとしきり準備のどたばたが描かれ、穴の中から死体が一個出てきたりするが、結局むごい真似などできぬオヤジたちなのだった。 *ロケなしセット撮り。店を取られた屋台の親爺は下元勉、無体を受け入水した娘をもつ踊りの師匠は西沢利明、からまれて足を不自由にした男は鶴田忍。ヤクザの親玉は汐路章、酔って妾宅から帰る、落とし穴の用意された夜道を、穴を避けて通る千鳥足がむちゃくちゃ憎たらしくて笑える。ヤクザとつるんでいて欲をかき、消されて穴に棄てられる同心は浜田雄史。 第783話 「甦った十手」 1981.10.7 76 八王子からの要請にこたえ遠征の平次、宿場にはヤクザが跋扈し民を泣かせていた。当地の目明しは酒浸りでヤクザの言いなり、しかし裏に已むにやまれぬ事情。平次はからまった感情の糸をほどき、かつては鳴らした目明しの「更正」をはかる。 ロケ地
*八王子の目明し・弥五郎は垂水悟郎、娘のお君は高見和佳、勤め先の酒肆の女将は三島ゆり子(弥五郎に気あり、斬られて吊られたりヒドい目に)。岡場所建設に血道をあげるヤクザは近藤宏、強面の用心棒は有川正治、子分は福ちゃんや小峰さん。夜鴉の君蔵は岡田栄弥、代官所の小役人は芝本正。 第784話 「銃声に忍ぶ恋」 1981.10.14 50 恋しい女の心を傷つけたくなくて仕出かされた銃撃事件、籠の鳥だった女にずっと嘘をつき続けてきた気遣いが仇となる、哀しい話。告白もせずずっと身近に寄り添う男の、濃密で細やかな愛情が、画面からひしひしと伝わってくる。 *ロケなしセット撮り、年季明け直前に吉原へ娘を訪ねてきた父のくだりに映し出される雪嶺イメージはバンクフィルムか。 第785話 「逃亡者」 1981.10.21 77 勘当寸前の与太者にさんざん邪魔された恋路は、紆余曲折を経て未来を見る。女を求めるあまり罪を犯した男は司直の手からの、身に負った瑕を恥じた女は恋しい男からの、逃亡者であった。 ロケ地
*お袖は里見奈保、政吉は高橋長英。若旦那は西田健で嫌味な憎たらしい色魔、眠剤使って出合茶屋連れ込みはヒド過ぎ。政吉が寄場を出されるシーンで柵の中にいる門番は福ちゃん。 第786話 「白菊ざんげ」 1981.10.28 77 島送りになった男を思い白菊を見つめては物思いに沈む女、そこには思慕の念とともに懺悔の思いが隠されていた。 ロケ地
*おりんは小林かおり、佐吉は伊庭剛。おりんの養父は加藤嘉。 第787話 「同心・青柳伸之介死す!」 1981.11.18 77 タイトル通りの顛末の、七曲署の若手刑事殉職みたいな展開。いい仲になりかけていた娘が、青柳に復讐心を抱く凶賊の手に落ち誘き出しの道具にされてしまう。賊の目的に疑義を持つ平次だが、お約束で間に合わず、八丁堀同心は大わらわで膾となり若き命を散らす。 ロケ地
*おゆみは秋元圭子、賊の首領は浜田晃で青柳に捕まる実弟は山本昌平(スキンヘッドで目のまわり真っ黒の怖すぎメイク)。子分に小峰さん、雇われ浪人に平沢彰など。冒頭の中村座前通行人に福ちゃんチラリ。 |