817話〜835話 フジテレビ/東映 キャスト 第817話 「生涯一同心」 1982.7.14 79 連続殺人を追ううち出てきた容疑者は、矢吹のダンナの元朋輩。しかも彼の女房は、かつて矢吹を袖にして友のもとへ走った女。不器用な男の誠心を、とびきりの被害者俳優が演じる。 ロケ地
*元朋輩の上州屋は青山良彦、矢吹を見返った内儀は佳那晃子、寺男は小鹿番。 第818話 「五年目の恩讐」 1982.7.21 50 亡き父母の冤罪を確信した兄妹は、それぞれ必死に真実を探ろうとする。兄は八丈を島抜け、妹は悪の巣窟に住み込むなど過激な行動に出るが、元のお店が現・ゆめやな縁から、頼もしい味方ができてしまう。 ロケ地
*兄妹は佐藤仁哉と荒木由美子、抜け荷商人は弓恵子でつるむ大悪党の岡っ引は近藤宏。 第819話 「若旦那万事休す」 1982.7.28 80 放蕩者の若旦那がやったことになる立て続けの殺し、しかし追われる間もおちゃらけたお気楽男で、最後は泣き笑い人情で締める。彼をハメる手立ては妙に凝り凝り。 ロケ地
*若旦那は山城新伍、けんつくを食らわせる真実の女は中尾ミエ。後妻の兄で店を牛耳ろうとする番頭は早川純一、殺し屋は山本昌平。若旦那が女と思って覗く行水男は小船秋夫。 第820話 「見知らぬ私」 1982.8.4 51 婿養子は家つき娘の女房が邪魔という、よくある話。若い妾を囲っていて、殺し屋に金を出してとここまではステレオタイプ、しかし万七に目撃させる手口が無茶で平次に怪しまれる。 ロケ地
*女将は三浦布美子、女将に酷似した女は二役。板前上がりの亭主は御木本伸介、妾は湖条千秋、殺し屋は小沢象で妙なトリックを持ち込む弟分は平沢彰。 第821話 「迎え火を焚く女」 1982.8.11 51 縁戚にタチの悪いのがいて大店乗っ取りを画策、荒っぽい手口で跡取りをさらったりするが、朱引きの外で難儀の一件。恨みと義理にからめとられた、哀しい女の心をほどく情話が主題。 ロケ地
*勘当を解かなかった先代を恨み、亭主の晩年世話になった鹿島屋に義理を感じるお節は風祭ゆき、先代の弟の鹿島屋は江見俊太郎。若旦那は小林芳宏。 第822話 「玄界灘に銭が飛ぶ」 1982.8.18 80 阿片の運び屋が殺された事件を追って、平次と八は九州へ。女のためにやばいヤマを踏んだ男が親分のはからいでめでたく赦される情話を、名所旧跡奇勝を背景に描く賑やかな作り。九州ロケ敢行・セット以外はほぼ現地撮り。 ロケ地
*巳之吉は松山政路、おさよは吉沢京子。阿片密売の黒幕だった薬種問屋は相馬剛三、一味の浪人は田中浩。浪人に斬られつつ巳之吉を逃がしてくれた友は水上保弘、平次に唐津くんちの薀蓄を聞かせる茶店の親爺は小田部通麿。 第823話 「花嫁の幽霊」 1982.9.1 80 溺愛と執着が呼んだ悲劇は、一年を経て新たな惨劇をもたらす。そして愛する者を追い詰めたのは他ならぬ自分という認識は、奈落へ続いていた。 ロケ地
*柏屋の主は河原崎建三、家つき娘の先妻を養育したおえいは野際陽子。兄の行方を捜すため後妻に入ったおゆきは小林伊津子、「先妻」といい仲だった兄は峰蘭太郎。 第824話 「古井戸の黄金」 1982.9.8 80 盗っ人が隠した金を井戸替え職人が見つけて起こる大騒動、町方もからんだトライアングルの一角に平次がいるので複雑な経緯もお見通し、悪党は一人も逃さない。 ロケ地
*欲をかいて金独り占めをはかる井戸替の元締は早川保、賊の恐喝材料となり見放される妹は梶三和子、亭主は高橋元太郎。賊の首領は中田博久で手下に福ちゃん(クレジットあり)。 第825話 「精いっぱいの嘘」 1982.9.22 51 盗っ人のツナギ役をしていた冴えない男は、女との出会いにより更正し生さぬ仲の優秀な坊にも慕われ親ばかちゃんりん。しかし、金を埋めた土地に米屋が建ってしまって泡をくった賊が身辺に迫る。 ロケ地
*利発な坊は加瀬悦孝、母は野口ふみえで亭主の勘次は藤木悠。賊は石橋雅史、高並功、丘路千。 第826話 「地震殺人事件」 1982.10.13 51 助け合って生きてきた兄弟同然の被災孤児、長じてのちも変わらなかった思いに入った亀裂は、二人が出会ったきっかけの「地震」が埋める。 ロケ地
*材木商・飛騨屋の主・新三郎は仲雅美、彼に跡目とお嬢様を譲った兄弟分の人足頭・栄二郎は高岡健二。家つき娘は衣通真由美、新三郎が囲っていた芸者は里見和香。 第827話 「簪は知っていた」 1982.10.20 80 ごろつき殺しから浮かび上がる人間模様は、腹違いの姉妹の感情のもつれ、妹思いの心に打たれ更正をはかった寄場帰りの青年など。縺れた糸は解け、陽のあたらなかった二人に幸が訪れる。 ロケ地
*姉妹は長谷直美と竹井みどり。太一は桜木健一、寄場仲間は島田洋七・洋八、津山栄一、井上茂(一人更正に反発して離反→殺害)。金貸しは長谷川弘。 第828話 「盗っ人の純情」 1982.10.27 51 岡場所の妓に金を巻いて歩く義賊は、子らにも優しい蜆売りの青年。行動の裏には哀しい出自、遊女の母を全肯定し慕う彼と、同じ境遇ながら我が母を疎んじる娘を対比させドラマを作り出す。女の生き血を啜る顔役と、それに寄生するお偉方が平次にギタギタにやっつけられる展開は勧善懲悪おきまりパターンで、銭形平次では珍しい部類。 ロケ地
*源内は太川陽介、彼に保護される母の朋輩の老遊女は磯村みどり、その娘で母の出自を恨む芸者は仁和令子。顔役は川合伸旺、つるむ本所見回り方は和崎俊哉。 第829話 「ならず者の詩」 1982.11.10 51 寄場帰りの青年の身元引き受け人となる平次、扱いにくいと聞いたとおりの憎態でてこずらせ挙句は殺しの疑いで入牢の始末。しかし親分がはじめに抱いた印象は、けして間違っていなかった。 ロケ地
*仙吉は石橋正次、無実だったことが判明する獄死した父は宮城幸生。イヤミどころではない腐れ外道の倉田同心は入川保則。 第830話 「みちのく御用旅」 1982.11.1781 松吉が旅先で牢に放り込まれ大ピンチ、早速出向く平次のほかあとからファミリーがぞろぞろと仙台入り。名所めぐりもとりまぜて、松吉をハメた大盗をハメ返しての大捕物。 ロケ地
*賊のかしらは遠藤征慈、足抜け男を手にかけたのは小野進也、彼に騙され偽証した娘は光丘真理。*一味をハメる芝居の際には矢吹さままで変装して「ヤブ吉」が大笑い、ラス立ちの際にはめちゃくちゃ短時間で着替えて「結い直し」てて突っ込みどころ。 第831話 「炎の殺人」 1982.11.2451 幼時辛い目に遭った青年が心に住まわせた闇は、彼を地獄へ引きずり込む。あらかじめホシを提示し、謎と動機を追及する作りのお話、巧者が演じる鉄面皮が見もの。 ロケ地
*手代は近藤正臣、娘との仲で彼を疎んじイビりたおしていた主は溝田繁。今回の銭使用は武器ではなく、灯を吹き消し「心の闇」を表現、珍しい使い方だがちょっとクサい。 第832話 「針のむしろ」 1982.12.1 51 老舗の菓子屋で起こる怪事には訳あり、しかし不幸な死に方をした先妻の鬱憤晴らしの裏にまだもう一枚。謎をすいすい解いてゆく親分、情のほうもしっかりフォロー、暗く沈んだ空気は明るく晴れて終る。 ロケ地
*後妻は金沢碧、お坊ちゃんな亭主は山本紀彦、姑は荒木雅子で小姑は松村康世(万七に期待されていた裸は殺されかけて平謝りの珍妙なスタイルを披露)。姑と縁続きの番頭は早川純一。「姉妹」の父の指物師は陶隆司。 第833話 「対決!護持院ヶ原」 1982.12.8 81 汚職事件を調べていた横目付は暗殺者の藩士を斬ってしまい出奔、その後身分を隠し己を仇と狙う者を鍛える道を選ぶ。もちろんここへ親分が出張るので、悲劇の上塗りは防がれ、ひそやかな愛も実を結ぶ。 ロケ地
*春日新十郎は東千代之介、馴染みの酒肆女将は桜町弘子。春日が斬った藩士の弟妹は千野弘美と川崎公明、悪徳商人と結託し私腹を肥やす江戸留守居役は江見俊太郎で強面の腹心は八名信夫、わるい材木商は北原義郎、肝煎り殺し実行犯は平沢彰。 第834話 「誘拐」 1982.12.15 81 誘拐は恩知らずへの意趣返し、しかし猛った憎悪は愛する女のひとことで萎え、孫娘の命が救われた件は阿漕な札差の心をも溶かす。 ロケ地
*唐津屋を恨む元回船問屋の若旦那・巳之吉は北条清嗣、元奉公人で恋人のおゆうは上村香子。小町屋夫婦は芝本正と大竹あかね、女将の父の阿漕な札差は河合絃司。誘拐犯に平沢彰。 第835話 「鉄の爪」 1982.12.22 81 熊の仕業とも思われた酷い殺しはとんだ逆恨み、調べはいつもの如く進むが道具立てが凝っていて見もの。ロシアの熊さんのほか、豪快な投げ技で人気を博したレスラーも出てラス立ちは荒事に。 ロケ地
*三本爪で復讐を果たす大男はストロング小林、見世物の熊さんはボリショイサーカスのメンバー。飛脚問屋の主は西山嘉孝、殺された手代と番頭は白井滋郎と有島淳平、飛脚頭は名古屋一、小諸で荷を曳いていた人夫の一人に福ちゃん。 |