銭形平次817話〜835話  フジテレビ/東映

キャスト
銭形平次/大川橋蔵
お静/香山美子
八五郎/林家珍平
おきよ/市毛良枝 おくみ/桂木あや
松吉/鎌倉俊明
万七/遠藤太津朗 留造/有光豊
善太/京本政樹
矢吹圭一郎/森次晃嗣


第817話 「生涯一同心」 1982.7.14  79

 連続殺人を追ううち出てきた容疑者は、矢吹のダンナの元朋輩。しかも彼の女房は、かつて矢吹を袖にして友のもとへ走った女。不器用な男の誠心を、とびきりの被害者俳優が演じる。

ロケ地

  • 殺されて顔を潰され見つかる上州屋の手代、桂川河川敷
  • 矢吹の回想、七年前の見習同心時代、矢吹の精勤ぶりを見て結婚を躊躇したおしのが別れを告げた桜並木、大覚寺大沢池堤
  • 七年前、井筒屋の風呂焚きをしていた親爺が寺男として勤める谷中の墓地、招善寺墓地。逃げ出したのを抑えるのは坂下の地蔵前。

*元朋輩の上州屋は青山良彦、矢吹を見返った内儀は佳那晃子、寺男は小鹿番。


第818話 「五年目の恩讐」 1982.7.21  50

 亡き父母の冤罪を確信した兄妹は、それぞれ必死に真実を探ろうとする。兄は八丈を島抜け、妹は悪の巣窟に住み込むなど過激な行動に出るが、元のお店が現・ゆめやな縁から、頼もしい味方ができてしまう。

ロケ地

  • 渡世人に身をやつし江戸へ向かう清太郎、あと二十里の道は北嵯峨農地
  • おくみに偽手紙を届けた飛脚が、お照に「代金」を貰う神社、木島神社(舞殿〜本殿)
  • 兄の使いと称する男に連れ出され拉致されるお照、広沢池北岸

*兄妹は佐藤仁哉と荒木由美子、抜け荷商人は弓恵子でつるむ大悪党の岡っ引は近藤宏。


第819話 「若旦那万事休す」 1982.7.28  80

 放蕩者の若旦那がやったことになる立て続けの殺し、しかし追われる間もおちゃらけたお気楽男で、最後は泣き笑い人情で締める。彼をハメる手立ては妙に凝り凝り。

ロケ地

  • 井筒屋の番頭が殺し屋とツナギをとるくだり、松尾大社用水橋(通用門前)〜楼門脇の灯籠群でツナギ。
  • 殺し屋を探し出し食ってかかる若旦那(山吹が小道具に)松尾大社楼門そば(内側)

*若旦那は山城新伍、けんつくを食らわせる真実の女は中尾ミエ。後妻の兄で店を牛耳ろうとする番頭は早川純一、殺し屋は山本昌平。若旦那が女と思って覗く行水男は小船秋夫。


第820話 「見知らぬ私」 1982.8.4  51

 婿養子は家つき娘の女房が邪魔という、よくある話。若い妾を囲っていて、殺し屋に金を出してとここまではステレオタイプ、しかし万七に目撃させる手口が無茶で平次に怪しまれる。

ロケ地

  • 料亭・梅月の女将が亭主に頼まれ掃除にゆく向島の寮、中山邸参道と門。途中で万七が引っかかってお供を決め込み、すごいタイミングの「吊り」を見る。

*女将は三浦布美子、女将に酷似した女は二役。板前上がりの亭主は御木本伸介、妾は湖条千秋、殺し屋は小沢象で妙なトリックを持ち込む弟分は平沢彰。


第821話 「迎え火を焚く女」 1982.8.11  51

 縁戚にタチの悪いのがいて大店乗っ取りを画策、荒っぽい手口で跡取りをさらったりするが、朱引きの外で難儀の一件。恨みと義理にからめとられた、哀しい女の心をほどく情話が主題。

ロケ地

  • 亡き亭主の墓に参るお節、広沢池西岸汀。
  • 寮から移した若旦那を責め問いの蔵、神光院蔵。ラス立ちの際は蔵を出て立ち回り、中興堂前や本堂裏手も。
  • 上総屋先代急死の次第を、立ち会った万七に聞く茶店、広沢池東岸に床机あしらい。
  • 亭主の霊を弟妹とともに流すお節、上賀茂神社ならの小川(夜)

*勘当を解かなかった先代を恨み、亭主の晩年世話になった鹿島屋に義理を感じるお節は風祭ゆき、先代の弟の鹿島屋は江見俊太郎。若旦那は小林芳宏。


第822話 「玄界灘に銭が飛ぶ」 1982.8.18  80

 阿片の運び屋が殺された事件を追って、平次と八は九州へ。女のためにやばいヤマを踏んだ男が親分のはからいでめでたく赦される情話を、名所旧跡奇勝を背景に描く賑やかな作り。九州ロケ敢行・セット以外はほぼ現地撮り。

ロケ地

  • ブツの受け渡し場所の祠、唐津市湊・立神岩の下付近。
  • 巳之吉が身請金を出してくれたと聞き海へ走ってゆくおさよ、虹の松原(唐津湾)
  • 絵馬を奉納に来たおさよを見かけるのは大宰府天満宮
  • おさよを見失う、鵜飼の原鶴温泉峡は現地かどうか不明。
  • おさよが八をまく水車、朝倉三連水車
  • 唐津イメージ、唐津城立神岩
  • 密売組織の根城がある岩浜(海蝕崖)、屋形七ツ釜

*巳之吉は松山政路、おさよは吉沢京子。阿片密売の黒幕だった薬種問屋は相馬剛三、一味の浪人は田中浩。浪人に斬られつつ巳之吉を逃がしてくれた友は水上保弘、平次に唐津くんちの薀蓄を聞かせる茶店の親爺は小田部通麿。


第823話 「花嫁の幽霊」 1982.9.1  80

 溺愛と執着が呼んだ悲劇は、一年を経て新たな惨劇をもたらす。そして愛する者を追い詰めたのは他ならぬ自分という認識は、奈落へ続いていた。

ロケ地

  • おゆきに惚れていた大工が鬼面の花嫁を見て滑落する石段、その後も花嫁衣裳の異形が目撃される「竜泉寺裏の石段」、粟生光明寺御影堂裏手御廟所石段。おゆきの兄の死体が見つかる墓地は石段中程を脇へ入ったところ。夜中他出するおえいをおゆきが尾行するくだりで出る石段は同寺内参道石段上部(中央に灯籠あしらい)

*柏屋の主は河原崎建三、家つき娘の先妻を養育したおえいは野際陽子。兄の行方を捜すため後妻に入ったおゆきは小林伊津子、「先妻」といい仲だった兄は峰蘭太郎。
*全てが同じではないが、妻を失って憂愁に沈むマンダレーの主人の話に似る。納屋を無理に開けたおゆきにからむおえいの図は、キャロラインに対するダンヴァーズ夫人にそっくり。


第824話 「古井戸の黄金」 1982.9.8  80

 盗っ人が隠した金を井戸替え職人が見つけて起こる大騒動、町方もからんだトライアングルの一角に平次がいるので複雑な経緯もお見通し、悪党は一人も逃さない。

ロケ地

  • 賊が盗金を隠した成仏寺、神光院本堂脇に井戸あしらい。
  • 賊が消えた成仏寺付近を聞き込みの万七、金戒光明寺石段下(導入は三門越し)。同じく聞き込みの平次は石段頂部(下から見上げ、店を出している花売りの女に話を聞く図、背後に本堂の甍映り込み)
  • 成仏寺で聞き込みの帰り、八に謎解きをする平次、金戒光明寺長安院下坂
  • 賊が元締に金を持ってこさせようとする鉄砲洲の船小屋、大沢池か広沢池か不明。

*欲をかいて金独り占めをはかる井戸替の元締は早川保、賊の恐喝材料となり見放される妹は梶三和子、亭主は高橋元太郎。賊の首領は中田博久で手下に福ちゃん(クレジットあり)。


第825話 「精いっぱいの嘘」 1982.9.22  51

 盗っ人のツナギ役をしていた冴えない男は、女との出会いにより更正し生さぬ仲の優秀な坊にも慕われ親ばかちゃんりん。しかし、金を埋めた土地に米屋が建ってしまって泡をくった賊が身辺に迫る。

ロケ地

  • 髑髏組がアジトに使う回向院脇の蓮華堂(荒れ寺)周辺の描写、仁和寺。昔の仲間に見つかってしまった勘次が連行されるくだりや、坊が道を聞くシーン、監禁されていた勘次を助け逃げるくだりに境内林間、経蔵、大師堂裏手、塀際(北辺・内側)、塔下など各所が使われる。荒れ寺はセット撮り。

*利発な坊は加瀬悦孝、母は野口ふみえで亭主の勘次は藤木悠。賊は石橋雅史、高並功、丘路千。


第826話 「地震殺人事件」 1982.10.13  51

 助け合って生きてきた兄弟同然の被災孤児、長じてのちも変わらなかった思いに入った亀裂は、二人が出会ったきっかけの「地震」が埋める。

ロケ地

  • 新三郎捕縛後、被災時暮らした小屋跡へやって来て物思いに耽る栄二郎、大覚寺天神島大木の根方(被災小屋をあしらったシーンは夜間撮影)。被災場所は深川、飛騨屋の近く設定。

*材木商・飛騨屋の主・新三郎は仲雅美、彼に跡目とお嬢様を譲った兄弟分の人足頭・栄二郎は高岡健二。家つき娘は衣通真由美、新三郎が囲っていた芸者は里見和香。


第827話 「簪は知っていた」 1982.10.20  80

 ごろつき殺しから浮かび上がる人間模様は、腹違いの姉妹の感情のもつれ、妹思いの心に打たれ更正をはかった寄場帰りの青年など。縺れた糸は解け、陽のあたらなかった二人に幸が訪れる。

ロケ地

  • 遊び人の黒松が死んでいた土手、不明(足もとは草叢、飛鳥ふうの奇怪なフォルムの「石仏」を配置。後段、お秋の告白の際には同じ仏を配してセット撮り)
  • 太一の消息を尋ねて回るお春(八が尾行中)、ヨイトマケの現場は大覚寺心経宝塔前広場、土固めの櫓をあしらい。
  • 万七が太一を捕縛する工事現場(越前堀)広沢池西岸湿地・養魚場流れ込み。改修演出に蛇籠あしらい。
  • お春に太一のことを告げる平次、大覚寺天神島朱橋
  • お春に簪の経緯を告げ太一は誰かを庇っていると話す平次、大覚寺大沢池畔。
  • お秋を呼び出し問い詰めるお春、蓮華寺五智如来像脇。
  • 黒松殺しの金貸し一味に拉致された姉妹が逃げ回る神社、今宮神社境内・摂社脇や坂など各所。拉致に気付き二人を捜す平次が入ってくるのは東門内石橋。

*姉妹は長谷直美と竹井みどり。太一は桜木健一、寄場仲間は島田洋七・洋八、津山栄一、井上茂(一人更正に反発して離反→殺害)。金貸しは長谷川弘。
*漫才師のすべったギャグ、「黒門町の伝七親分」をしれっと聞き流す橋蔵の表情が笑える。


第828話 「盗っ人の純情」 1982.10.27  51

 岡場所の妓に金を巻いて歩く義賊は、子らにも優しい蜆売りの青年。行動の裏には哀しい出自、遊女の母を全肯定し慕う彼と、同じ境遇ながら我が母を疎んじる娘を対比させドラマを作り出す。女の生き血を啜る顔役と、それに寄生するお偉方が平次にギタギタにやっつけられる展開は勧善懲悪おきまりパターンで、銭形平次では珍しい部類。

ロケ地

  • 源内に近頃跳梁する義賊と指摘する平次、大覚寺天神島
  • 本所船溜を支配する顔役と、本所見回り方役人が密会する屋形船(義賊・源内が盗んだ手文庫に、世に出てはマズい借用証)大覚寺大沢池(イメージ)
  • 旦那である本所見回り方に焚き付けられ、手文庫の中身を手に入れようと源内を誑しにかかったおきみをひっぱたく源内、大覚寺護摩堂前。
  • 源内が手文庫を隠していた川端、広沢池西岸湿地・養魚場流れ込み端。近くの草叢に落ちていた「借用証」を尾行中だった善太が拾い。

*源内は太川陽介、彼に保護される母の朋輩の老遊女は磯村みどり、その娘で母の出自を恨む芸者は仁和令子。顔役は川合伸旺、つるむ本所見回り方は和崎俊哉。


第829話 「ならず者の詩」 1982.11.10  51

 寄場帰りの青年の身元引き受け人となる平次、扱いにくいと聞いたとおりの憎態でてこずらせ挙句は殺しの疑いで入牢の始末。しかし親分がはじめに抱いた印象は、けして間違っていなかった。

ロケ地

  • 石川島人足寄場へ出向く平次、大覚寺大沢池船着(大)に柵あしらい。
  • 倉田同心の前に立ちはだかる仙吉、大覚寺大沢池堤
  • 平次が仙吉を連れて赴く父の墓、不明(浄土宗っぽい)

*仙吉は石橋正次、無実だったことが判明する獄死した父は宮城幸生。イヤミどころではない腐れ外道の倉田同心は入川保則。


第830話 「みちのく御用旅」 1982.11.1781

 松吉が旅先で牢に放り込まれ大ピンチ、早速出向く平次のほかあとからファミリーがぞろぞろと仙台入り。名所めぐりもとりまぜて、松吉をハメた大盗をハメ返しての大捕物。

ロケ地

  • 現地ロケ、瑞鳳殿松島五太堂瑞巌寺(本堂のほか、参道と洞窟も)。途中の田舎道や海岸、こけしを求める萱葺民家は不明、作並温泉は岩松旅館の露店風呂が劇中のそれとよく似る。

*賊のかしらは遠藤征慈、足抜け男を手にかけたのは小野進也、彼に騙され偽証した娘は光丘真理。*一味をハメる芝居の際には矢吹さままで変装して「ヤブ吉」が大笑い、ラス立ちの際にはめちゃくちゃ短時間で着替えて「結い直し」てて突っ込みどころ。


第831話 「炎の殺人」 1982.11.2451

 幼時辛い目に遭った青年が心に住まわせた闇は、彼を地獄へ引きずり込む。あらかじめホシを提示し、謎と動機を追及する作りのお話、巧者が演じる鉄面皮が見もの。

ロケ地

  • 近江屋の蔵にあった黄金造りの仏像を売りに来た男の言い分を聞いたあと、今回の事件は物盗りに見せかけた殺しと言い、怪しい者の名を矢吹に告げる平次、大覚寺勅使門前石橋上。
  • 清次郎を外に連れ出し犯行を指摘する平次、大覚寺天神島祠脇。導入はクレーンショットで真上から、二人の足もとに根上りが見えて印象的。

*手代は近藤正臣、娘との仲で彼を疎んじイビりたおしていた主は溝田繁。今回の銭使用は武器ではなく、灯を吹き消し「心の闇」を表現、珍しい使い方だがちょっとクサい。


第832話 「針のむしろ」 1982.12.1  51

 老舗の菓子屋で起こる怪事には訳あり、しかし不幸な死に方をした先妻の鬱憤晴らしの裏にまだもう一枚。謎をすいすい解いてゆく親分、情のほうもしっかりフォロー、暗く沈んだ空気は明るく晴れて終る。

ロケ地

  • 身投げした加賀屋の先妻が流れ着いて見つかった大川端、桂川か。
  • 加賀屋を去った「後妻」が土方仕事でヨイトマケの現場、桂川か(汀に杭林立、左岸側。過去に何度か使われたところ)

*後妻は金沢碧、お坊ちゃんな亭主は山本紀彦、姑は荒木雅子で小姑は松村康世(万七に期待されていた裸は殺されかけて平謝りの珍妙なスタイルを披露)。姑と縁続きの番頭は早川純一。「姉妹」の父の指物師は陶隆司。


第833話 「対決!護持院ヶ原」 1982.12.8  81

 汚職事件を調べていた横目付は暗殺者の藩士を斬ってしまい出奔、その後身分を隠し己を仇と狙う者を鍛える道を選ぶ。もちろんここへ親分が出張るので、悲劇の上塗りは防がれ、ひそやかな愛も実を結ぶ。

ロケ地

  • 材木商肝煎りを殺した下っ端が消される石段、神護寺鐘楼下。その男と会うはずだった春日浪人が囲まれるところへ尾行していた親分が介入、春日がここへ至る道は毘沙門堂脇を抜けて(大師堂や後生車映り込み)、平次らが潜み様子を見るのは和気公御廟所裏手。その場を去る春日を呼び止め話を聞くのは金堂下石段(ED小芝居もここ、老婆は墓参のもようなので寺院境内設定か)
  • 千鶴を呼び出し、斬られた兄が実は不正に加担と告げる平次、大覚寺大沢池水門脇。
  • 春日の真意を問う平次、大覚寺大沢池畔〜石仏前。
  • 春日が呼び出される護持院ヶ原、木津河原・流れ橋橋脚脇。橋桁は無く、橋脚には草が絡みついている。

*春日新十郎は東千代之介、馴染みの酒肆女将は桜町弘子。春日が斬った藩士の弟妹は千野弘美と川崎公明、悪徳商人と結託し私腹を肥やす江戸留守居役は江見俊太郎で強面の腹心は八名信夫、わるい材木商は北原義郎、肝煎り殺し実行犯は平沢彰。
*江見俊太郎がやっつけられる段、モブの人たち「ご家老」って言っちゃってるケドご愛嬌。


第834話 「誘拐」 1982.12.15  81

 誘拐は恩知らずへの意趣返し、しかし猛った憎悪は愛する女のひとことで萎え、孫娘の命が救われた件は阿漕な札差の心をも溶かす。

ロケ地

  • 小町屋の女将が襲われ娘がさらわれる稽古帰りの道、車折神社参道。
  • 誘拐犯が籠る小屋へ赴く女将、しかし万七のくしゃみでワヤの竹林、不明。
  • さらった女児の顔を両親に見せたあと去ってしまう船、罧原堤付近桂川
  • 主犯格の巳之吉の「女」を尾行する八、北嵯峨農地(稲架並ぶ田んぼ、路傍に茶店あしらい←ここで撒かれ)
  • 誘拐犯たちが籠るお台場の東の船番小屋、広沢池東岸にあしらい。
  • 巳之吉が病の母を運んだ件であたりをつけ、品川付近の寺を聞き込み回る平次のくだり、招善寺各所を様々なアングルで映し「複数」を表現。鐘楼前、墓地参道・おりてくる平次を境内から門越しに、門を出て坂を上がってくる平次を墓地から見下ろし、山門を出てくる平次を外から、本堂前で聞き込み平次をお堂の中からなど。
  • 唐津屋の船着きから漕ぎ出した小町屋女将の乗った船、罧原堤下桂川へ。岸辺にいた一味が石を水中に投じ合図→水中にいた仲間が船に乗り込み女将をドボン。
  • 船番小屋へ駆けつける平次、北嵯峨農地。小屋は広沢池東岸

*唐津屋を恨む元回船問屋の若旦那・巳之吉は北条清嗣、元奉公人で恋人のおゆうは上村香子。小町屋夫婦は芝本正と大竹あかね、女将の父の阿漕な札差は河合絃司。誘拐犯に平沢彰。


第835話 「鉄の爪」 1982.12.22  81

 熊の仕業とも思われた酷い殺しはとんだ逆恨み、調べはいつもの如く進むが道具立てが凝っていて見もの。ロシアの熊さんのほか、豪快な投げ技で人気を博したレスラーも出てラス立ちは荒事に。

ロケ地

  • 両国の見世物小屋の帰り、見てきた熊の話をするおくみと松吉、今宮神社稲荷社脇。
  • 上州屋の番頭が殺される夜の川端、広沢池東岸
  • 松吉と善太が仕事中一休みして三本爪の話をするお堂、大覚寺護摩堂。話していると怪しい気配がして毛皮がモサモサ揺れるが大根齧ってた乞食の蓬髪なのは石仏裏。
  • 上州屋の飛脚頭の回想、二年前信州・小諸の先で出た追い剥ぎのくだり、大八が前を通る滝は琴滝。追い剥ぎが出るが大八が坂を転げて馬鹿な仕儀に終る隧道は保津峡落合のトンネル、シルエットは工夫してアーチを隠してある。
  • 帰らない上州屋の娘を見に行くとアレが出る夜の林は下鴨神社河合社脇。出張った平次が調べに入る廃屋はセットにスイッチ。

*三本爪で復讐を果たす大男はストロング小林、見世物の熊さんはボリショイサーカスのメンバー。飛脚問屋の主は西山嘉孝、殺された手代と番頭は白井滋郎と有島淳平、飛脚頭は名古屋一、小諸で荷を曳いていた人夫の一人に福ちゃん。


銭形平次 表紙


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