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        836〜855話 
      キャスト 
      銭形平次/大川橋蔵 
      お静/香山美子 
      八五郎/林家珍平 
      おきよ/市毛良枝 
      おくみ/桂木あや(-851) 
      おさと/島村美紀(852-) 
      松吉/鎌倉俊明 
      万七/遠藤太津朗 留造/有光豊 
      善太/京本政樹 
      矢吹圭一郎/森次晃嗣 
       
       
      第836話 「呪いの三味線」 1983.1.5   51 
       甘言を用い女を騙して叩き売り、死に至らしめた男どもに忍び寄る闇の手。地道な調査で真実に迫る親分、役目柄三の糸を切らせる訳にはいかないのだった。 
      ロケ地 
      
        - 師匠の回想、妹と二人旅ゆく野原は北嵯峨か(竹林)。
        
 - 新婚の弟子ののろけに妹を思い出した師匠、物思いに沈む川辺は嵐山公園・臨川寺地区桂川左岸河川敷(堰堤脇)。
        
 - 川端に佇む師匠のもとへ赴き犯行を指摘する平次、広沢池観音島(導入は珍しいアングル、遠景に「民家」映り込みの絵も)。
        
 - 上総屋の寮、大覚寺望雲亭(草戸のみイメージに/カケスの声被せ)。
 
       
      *師匠は岡田茉莉子、騙されて女郎として死んだ妹は芦川よしみ、彼女の仕儀を平次に話す元女郎は山口朱美、新婚のお弟子は田中綾子。師匠の妹を誑した遊び人は西園寺章雄、女衒は五味龍太郎、阿漕な楼主で今は口入屋の上総屋は外山高士。 
       
      第837話 「花かるた殺人事件」 1983.1.12   51 
       万助に殺しを見られた女だが、滑落し助けを呼ぶ子供を見捨てて置けず。女を庇い黙する万助、子の命を助けてくれた女に深く感謝する万七、平次は情を汲んで処置し女の亭主を殺した胴元を検挙に向かう。 
      ロケ地 
      
        - 鶯谷へ虫取りに行った万助がお竜の殺しを見るくだり、鳥居本八幡宮境内。お竜が朝吉を刺すのは本殿前。目撃し逃げる万助は保津峡落合崖道〜落下岩(滑落し蔓にしがみつく万助を冷たい目で見下ろすショットあり)。帰らぬ万助を皆で捜すシーンは鳥居本八幡宮広場(夜)。
 
       
      *足を洗わせた亭主と五日しか暮らせなかったお竜は中島ゆたか、彼女を気遣う舅は今福将雄。お竜に殺される博打打ちは藤沢徹夫と浜田晃、胴元は西山辰夫。万助は加瀬悦孝。 
       
      第838話 「狙撃者を追え!」 1983.1.26   51 
       矢吹の旦那を狙うスナイパー出現、的になっての犯人誘き出しを提案した平次は、負傷した旦那に代わり己を的にして狙わせる。 
      ロケ地 
      
        - 平次が的となって歩く市中、仁和寺中門(上がってくるのを中から見るかたち)〜参道。
        
 - 矢吹が的で歩く市中、仁和寺御室桜林〜塔前林間。
        
 - 佐吉の居場所について八に語る平次、仁和寺観音堂前。
        
 - 矢吹が全快と芝居を仕込み、養生所からゆめやへ帰る道、仁和寺水場脇〜九所明神〜塔前石畳。
        
 - 矢吹に化けてゆめやを出た平次を襲う佐吉、下鴨神社河合社脇〜馬場(雨演出)。
 
       
      *佐吉は峰岸徹、八丈で病死した賊の兄は浜田雄史、勤め先の女将は三島ゆり子。 
      *橋蔵の変装は二態、ムシリ頭と八丁堀同心。 
       
      第839話 「片隅の殺意」 1983.2.2   81 
       客を招いて庭自慢の骨董屋が殺され、客も浮気女房も疑われるが、平次は一晩中「凶器の柿」を前に思案しトリックを崩す。 
      ロケ地 
      
        - 上州屋の池泉見える座敷、不明。何度か既出の、縁先に池が迫ったアレ。
        
 - 上州屋女中のおせいの回想、金無垢の鯉を詐取され縊死した父が吊った木、民家前。
 
       
      *おせいは山本みどり、上州屋妻女は長内美那子、兄と恐喝に来るお手つき女中は岡本麗、客二人は永野辰弥と江幡高志。 
       
      第840話 「なさぬ仲」 1983.2.16   51 
       グレた義理の息子を立ち直らせようとした岡っ引の親父だが、捜していた「実父」が大悪党で、替え玉殺人にまで発展。平次の機転と諭しで、父子は和解しメデタシの展開。 
      ロケ地 
      
        - 伊助が現場を逃げて目撃されていたことを吉五郎に話す平次、愛宕念仏寺境内。
        
 - チンピラをシメて伊助が博打で借金と聞き込む吉五郎、桂川大堰下岸辺。
        
 - 山城屋一味が屯する向島の屋敷、中山邸通用門。植え込みで張り込むものの寝こけていた八が善太に起こされる場面も。
        
 - 伊助が妹と会う約束をしていたところへ親爺踏み込みの鳥越稲荷、車折神社参道(一味が出て父子ごと長持に込めてさらわれ)。
 
       
      *鬼の岡っ引の親爺・吉五郎は下川辰平、義理の倅の伊助は草川祐馬。焼死と思われた山城屋は牧冬吉、「左前」が命取り。 
       
      第841話 「謎のオランダ人形」 1983.2.23   82 
       南蛮渡りの人形ばかりを狙う怪盗出現、ここからはるか昔の因縁が明らかとなり、天涯孤独で家族の仇討ちを期して生きてきた青年は、思いもかけぬ大事なえにしを拾う。 
      ロケ地 
      
        - 露店で人形を売る青年・正吉が侍に襲われる帰り道、大覚寺放生池堤〜護摩堂前。
        
 - 武蔵野の林の中にあった正吉の家、酵素河川敷。燃え落ちる家を見る正吉はダートからの降り口。燃えてる一件は方形のうえ宝珠付き・先に映った農家と全く造りが違うので別撮りのものを使い回したと思われる。
        
 - 正吉を誘い出して人形を盗る吾作のくだり、正吉が店を広げているのは下鴨神社馬場、行った先で怪我なんかしてない吾作の孫娘と出会うのは泉川の橋。親分が現れ吾作を問い詰めるのは大覚寺天神島、ここで唐津藩士が殺到しラス立ち。
 
       
      *吾作爺さまは小栗一也、訳ありの孫娘は山本ゆか里、正吉は佐久間宏則。御落胤を狙う唐津藩士、リーダー格は唐沢民賢。 
       
      第842話 「恐怖の江戸見物」 1983.3.2   82 
       結婚を前にした姫様が思いつくアバンチュールは、悪党の思惑で物騒な展開に。組屋敷の縁先に野宿された矢吹さまが、姫に引っ張りまわされてちょっとした「ローマの休日」。 
      ロケ地 
      
        - 秋月藩上屋敷、大覚寺明智門(下屋敷は村のセット)。
        
 - 町娘のなりで腰元とぜんざい食ってきた姫、もう手持ちが無いと言われるのは大覚寺護摩堂前。ちんぴらが現れ逃げるルートは大覚寺放生池堤から五社明神、腰元が姫を猪牙船に隠すのは罧原堤下汀。
        
 - 見回り中の平次が女の悲鳴を聞く町角、大覚寺五社明神。駆けつけると腰元が倒れていて刺青とか船とか言い残す祠は大覚寺天神島。
        
 - 艫綱がはずれて流された猪牙が流れ着く堀端、渡月小橋下手岸(右岸、保津川下りの船を曳くところ、橋も映り込み)。流されたルートは、平次の推測によると紺屋町から京橋を下り八丁堀へ続く掘割へ(これにしたがって八が見つけ)。
        
 - 八丁堀組屋敷、妙伝寺塔頭(イメージのみ、役者出ず)。
        
 - 縁日に迷い込み物売りと揉める姫、今宮神社境内。簪の代金を払ってやり保護した矢吹さまがあきれてボヤくのは本殿前、ここで姫が捜索の藩士を見かけて逃げ出し。これを追いかけて問い詰める矢吹さまだが、反対に江戸案内を捩じ込まれる船着きは大覚寺船着(大)。
        
 - 酔っ払って連れ帰って貰った翌朝、組屋敷から出た姫が岩田屋の手下に見つかり追われる町角、下鴨神社糺の森、河合社前から脇の塀際。危機に平次が角を曲がって現れ銭投げ。
 
       
      *姫は岡崎友紀、ご身分ネタはメザシ。姫を亡き者にして傀儡を擁立しようと図る江戸家老は小林勝彦、グルの出入り商人は小沢象で凶悪な手下は田中弘史。「じい」的立場の良い御家老は増田順司、家臣に峰蘭太郎や福ちゃん。姫と揉める露天商はレツゴー正児。 
       
      第843話 「十五年目の春」 1983.3.9   82 
       嵌められた女医者を体張って救う男の正体は、という人情話。悪徳医者退治には、お静も動員し大立ち回り。 
      ロケ地 
      
        - 強請り男が殺される矢先神社境内、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと。酔って帰りの万蔵がお妙を見かけるのは夜間撮影、翌朝の検分時には野次馬の大工が川に入って殺到するシーンも。
 
       
      *長崎帰りの女蘭方医・お妙は佳那晃子、叔父の薬屋は楠年明、お妙の無実を明かそうと奔走する万蔵は小林昭二。ちょっと見てすぐ手術で予後が悪いという悪徳医者は竜崎勝、メス投げの物騒な助手は坂口徹郎、用心棒の先生に福ちゃん(ベタでクレジット、「清二」と書かれていた気配アリ。十手ではたかれて派手に物落としてコケる)。 
      *医者を仕留める際の投げ銭は足止めに戸を落として・劇中妙に蔀戸が映るから何かと思ったらこの伏線? 
       
      第844話 「黒いお白州」 1983.3.16   51 
       寄場帰りの婿がねにかかる、目明し殺しの疑い。上つ方の噛んだ悪事を裁決寸前に阻止し悪党を指弾する親分、若い二人の前途もお膳立てしてメデタシ。 
      ロケ地 
      
        - 銀次が隠れている絵馬堂に飯を運ぶお照、大覚寺放生池堤〜五社明神舞殿(絵馬のかかった戸をあしらいお堂に仕立て)。後段、証拠の偽手紙探しでは池畔も。
        
 - 怖くて逃げていた下っ引を消そうとした侍を追うと吟味方の同心を見る市中、大覚寺天神島。池畔の木が紅葉。
        
 - 佐吉の墓、招善寺墓地。
 
       
      *抜け荷探索中殺された岡っ引の娘は里見奈保、寄場帰りの恋人は南条竜也、下っ引は高峰圭二で情婦の酒肆女将は湖条千秋。抜け荷商人を強請っていた吟味方与力は戸浦六宏、グルの同心は亀石征一郎。 
       
      第845話 「男やもめに花が咲く」 1983.3.23   51 
       癇癪持ちのコブ付き中年男と、賊に育てられた娘掏摸の奇縁。裏切者が隠した千両箱を追う賊の手先に使われる娘だが、入り込んだ先で暖かい情に触れ、心はほろほろと解けてゆく。 
      ロケ地 
      
        - 大工の長兵ヱが仕事をしくじりクサっているところへ万七に追われた掏摸のお京が走りこむ川端、罧原堤下汀。
        
 - 三人組の賊が入った千住宿の家に聞き込みの平次、民家前畑。
        
 - 勘助が金を隠していた浅草・九品寺の墓地、不明(他作品で頻出のアレ、大きな五輪塔や石碑のある高台の立地。背景に山の端がのぞく)。
 
       
      *お京は清水めぐみ、大工は山田吾一。三人組、お京の養父は加賀邦男で凶悪なリーダー格は武藤英司、金持って雲隠れしてたのは藤尾純。 
       
      第846話 「証拠が消えた」 1983.4.13   51 
       お店のお嬢様との縁談が持ち上がり、身辺整理に身籠った情婦を始末というのはよくある筋立て。たまたま現場を通りかかった娘が、凶器が兄の鑿なのを見て持ち去ったことから、悪党の計算は狂いだす。 
      ロケ地 
      
        - おいとが秀次郎に話を聞く寺(?)、愛宕念仏寺(本堂と石仏群)。後段、平次の聞き込みでも登場。
        
 - 源太の回想、三人で信州から出てきた春の街道、北嵯峨農地。
        
 - 秀次郎がおいとを呼び出す向島の寮、不明(このシリーズで既出の料亭ふう玄関口、曲折した石畳や宝筐印塔、前の道は坂の模様)。
 
       
      *矢場に勤めるおいとは大場久美子、兄の大工・源太は頭師佳孝。正体がとんだ色悪の兄妹の幼馴染で木綿問屋番頭の秀次郎は西田健、殺しに使うヤクザは岩尾正隆(刺青見せて大立ち回り)。 
       
      第847話 「地獄からの使者」 1983.4.20   82 
       死んだと思った亭主が現れるが、何やら身辺はキナ臭い。裏には豪商と紀州藩士の汚いつながり、「亭主」は一年も地底を這わされた代価を奪ろうとするが、それは苦労かけ通しの女房へせめても残すギフトなのだった。 
      ロケ地 
      
        - 腕に「悪」の入墨の男が殺され検分が行われる大川端、罧原堤下河原。これを見てパニクった弥吉が川中を逃げるが、川は渡月橋下桂川にスイッチ、橋脚にもたれ一息つく。
        
 - 稲荷町の長屋に住まうおしのが届け先のゆめやから帰る道にある小川、下鴨神社泉川・石橋下手右岸汀(右岸側に「建物の壁」の「建具」あしらい)。ここで親切面の佐八と知り合ったり、物思いに沈んだりと何度も登場。
        
 - 隠し金山での仲間が隠れている小屋、酵素河川敷にあしらい。
        
 - 佐八がおしのを誘う茶店(話作ってプロポーズ)、下鴨神社河合社鳥居前の馬場に茶店しつらえ。
        
 - 増田屋の寮、嵐山公園・錦。裏手に弥吉が取り付き侵入、金塊とって出てくる際は裏の掘割を伝って逃げる。その後逃げて潜む葦原は広沢池か。
        
 - 弥吉がおしのを呼び出すお玉ヶ池、広沢池西岸養魚場流れ込み汀。
        
 - 赦された弥吉がおしのを伴い紀州へ帰る街道、北嵯峨農地。
 
       
      *ダメ亭主の弥吉は辻萬長、おしのは大塚良恵。死んだことにした囚人を隠し金山でタダ働きさせて大儲けの増田屋は浜田寅彦、手下の殺し屋は石山律雄。 
       
      第848話 「自慢にならぬ初手柄」 1983.4.27   82 
       とんだ女に岡惚れの善太は知らずに盗っ人の手助けをしてしまうが、親分が別口で強引な推理により動いていて賊に行き着き、用済みで消されかかった哀れな青年の危機にはきっちり銭が飛んでくる。 
      ロケ地 
      
        - 手なずけられた善太が舞い上がり風車持ってブーンの市中、罧原堤下河原。以降、植え込みや土手も出るが判然とせず(公園と自転車道か/このシーン、フォーク調の曲が被るファンタジー仕立て)。
        
 - 茂兵ヱ一行が善太に作らせた雨樋を船に積み込む川端、罧原堤下汀。
        
 - 善太が茂兵ヱ一行と大八を曳いて通る品川の大木戸、嵐山自転車道。土手下に一味の強面が潜む。大八の側を急に離れて駆け出すお咲のシーンは広沢池西岸葦原にスイッチ、ここで強面が現れ善太を消そうとする。
 
       
      *お咲は日向明子、情夫の錠前師は西園寺章雄。お咲の父母設定で共に住んでいる夫婦は東八郎と正司花江。故買屋だった品川問屋場の主は深江章喜。 
       
      第849話 「密告者」 1983.5.11   83 
       賊の手先をつとめる青年の「恩返し」哀話、ターゲットの店で彼は十年前恩を受けた女性を見て、行動を開始する。 
      ロケ地 
      
        - 先に三国屋の引き込みに入っていた男が投げ文により解雇されたあと、いい仲だった女中に引き込みの肩代わりを持ちかけた稲荷境内、木島神社本殿(本殿から舞殿見返りの構図)。
        
 - 三国屋の女将にむかし貰った紙入れを手に水辺に佇み物思う次郎太、罧原堤下か。
 
       
      *次郎太は星正人、恩を受けた経緯は「一本刀土俵入り」を思い起こさせる。無銭飲食をはたらきフクロにされているところを助け身支度の金まで呉れた「女将」は高田美和。賊のかしらは江幡高志、この盗めが終ればと甘言を弄するが、裏切りを知るや背後からブスリの冷血漢。 
       
      第850話 「死者は夜歩く」 1983.5.25   83 
       自分を差した女が大店の女将におさまっていることを知った寄場帰りの男が、恐喝の際揉みあいとなり逆に刺され、というよくある筋立て。しかし死んだはずの男は夜な夜な立ち現れ、というのがミステリーじゃなくて生きた人間の悪企みなのが銭形平次らしさ。 
      ロケ地 
      
        - 須田町の呉服屋・伊東屋の庭、不明(池泉と縁先、植木屋が入っている)。
        
 - 銀次を差したもう一人の女が惨殺死体で見つかる大川端、罧原堤下河原(検分)。
        
 - 御用達の件で役所へ出向く伊東屋の主を呼び止め、妻女が遭遇している事件のあらましを告げる平次、仁和寺金堂裏手(この直前に映る五本線の塀は特定できず)。
 
       
      *伊東屋は久高惟晴、出戻りで妾腹の妹は北川めぐみ、柳橋で仲居をしているところを見初められた女房は田島令子、彼女を脅す元情夫は松山照夫←大わらわでやって来て庭の茂みに潜んでたり、布団に寝ていたりする目ひんむいた「死体」が傑作、マジでギャーな怖さ。 
       
      第851話 「赤ん坊すりかえ事件」 1983.6.1   51 
       母を亡くした児と児を亡くした母と、二人を結びつけた医者だが、後年「孫」の存在に気付いた大店の女将の祖母は、その子を跡取りにと願う。むろん大店ゆえ金がらみの汚い思惑が交錯、親分は悪者を打ち懲らし、母を思って泣く子の心を汲み上げてやる。 
      ロケ地 
      
        - 子を産んですぐ亡くなった井筒屋の倅の情婦の墓、天神島か。
        
 - 子を井筒屋に返したあとおりんが佇む橋、中ノ島橋。欲をかいた元亭主を振り切って去る姿は、建物の内部から円窓越しのアングルに演出。
        
 - 井筒屋から戻ってきてしまった「息子」を叱り帰させたあと、平次のアドバイスで追ってゆくおりん、下鴨神社河合社脇。元亭主や財産狙いで彼を使嗾した者もここで平次にヒネられる。
 
       
      *おりんは山口果林、医者は下元勉、ヤクザ者の元亭主は田畑猛雄。井筒屋の女将は三条美紀、病に臥す主は山口幸生、後を継ぐことになっていた甥は剣持伴紀。女将に頼まれ忘れ形見を捜していて消された男は北見唯一。 
      *おくみちゃんこの回で退場、姉ヶ崎のおばさんが倒れたので帰るという設定。 
       
      第852話 「逆転」 1983.6.8   83 
       流れ者の乱暴な賊が、ゆめやのニューフェイスを札差の娘と誤認して誘拐。命を賭して監禁場所に向かう平次、矢吹もまた切腹覚悟で要求された囚人を連れ土壇場で現場に。 
      ロケ地 
      
        - 伝馬町へ護送される仲間を奪還に現われる賊一味、毘沙門堂勅使門下坂。旅人宿の聞き込みで意図に気付き駆けつける平次は門下の坂をやって来る。
        
 - 一味が蔵前の札差から帰るおさとをさらう町角、湯豆腐嵯峨野・朝鮮石人像前。
        
 - 一味がおさとを監禁し身代金を要求し立て籠もる鳥越の祠、鳥居本八幡宮。「祠」は舞殿に扉をあしらい小屋に仕立て、前の石段や鳥居ほか、平次が祠を窺うのに林、身代金を持ってやって来る道に小柴垣と各所を使う。
 
       
      *賊のかしら・鬼火の源三は遠藤征慈、手下に福ちゃん(クレジットはベタ)。当初金を出し渋る札差は穂高稔、出さねば死ぬと父を脅す娘は森田理恵。 
      *監禁され縛られちゃう親分だけど、袖の端に縫いとめたギザ銭でロープをカット。いつも持ってる訳か、アレ。それにしてもエグい刺さり方。 
       
      第853話 「花は知っていた」 1983.6.15   51 
       島帰りの親爺が、亡き倅の弟分を更正させる情話。当初反発する青年だが、親爺の親身にほだされ心を解いてゆく。 
      ロケ地 
      
        - 植木の土を採っている安蔵に声をかける平次、大沢池畔か。
        
 - お牧を尾行する平次、粟生光明寺石段頂部(見返り)。新次が縁下に隠れているお堂は本堂基壇で奥に石垣が見えている。逃げる新次を取り押さえる平次と安蔵、御廟石段から本堂裏手。
 
       
      *抜け荷をはたらく回船問屋は田中浩、示現流の用心棒は平沢彰、兄貴分とともに逃げた新次は加納竜で恋人のお牧は高橋晶子、安蔵爺さんは織本順吉。 
      *安蔵の倅が持ち出したのは割符、これを新次が安蔵の作った植木鉢に隠し→平次にあげた百合の鉢がそれで枯れて発覚←この演出のため平次の花作りはヘボい設定。サブタイの絵に紫陽花映るから、下になんか埋まっててアレなのかと思っちゃった。 
       
      第854話 「許されざる者」 1983.6.22   83 
       心ならずも別れた女のため、汚れ仕事を引き受ける侍の哀話。平次は彼の友情に応え、黙示された記号を解き真実に迫る。 
      ロケ地 
      
        - 殺された植木職人のことで親方に聞き込みの平次、不明(仕事場の「庭」)。
        
 - 生徒に稽古をつける寺子屋師匠・神永蔵人に声をかける平次、粟生光明寺境内〜参道石段。
        
 - 「密会」の現場となる池之端の料亭・酔月、錦水亭。東屋の前庭や草戸のほか、いつもの「外観」も出て中の人影の演出もあり。
        
 - 酔月で津山藩勘定吟味役と会ったあと、蔵人が菊枝のことを思い出し佇む川辺、桂川松尾橋上手右岸汀。
 
       
      *恋人が殿の側室となったあと津山藩を退転し浪人した蔵人は綿引勝彦、平次に辻斬りは己の凶行と示すため「印」をつけた地図を残してゆく。御側室は京春上、今のお相手の勘定吟味役は柴田p彦、彼を強請っていたリーダー格の御家人崩れは出水憲司、強訴した平次に粋なはからいを見せる藩目付頭は溝田繁。 
       
      第855話 「身代金五百両」 1983.6.29   51 
       老舗を狙った誘拐事件、実行犯が消されたり坊は別口で無事に戻ったりの経緯を辿るが、全体を蔽うムードが妙に不景気な一話。 
      ロケ地 
      
        - 身代金受け渡しに指定の仏正寺境内の般若桜、不明(夜桜)。
        
 - 分け前で揉めて刺された誘拐実行犯の力松が土左ヱ門で見つかる神田川、広沢池か罧原堤付近か。
 
       
      *坊をさらわれお店を手放した老舗の夫婦は楠年明と葉山葉子、怪しそうな雰囲気満点だが単にイケズなだけの親戚は中田博久・これも味な博久。実行犯の冴えない青年は水島涼太、配役からバレバレの悪い人は小鹿番。賭場でキョドってる福ちゃん発見・三回摘発のうち二回登場。 
       
      → 銭形平次  表紙 
       
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