暴れん坊将軍 V  1993-1994テレビ朝日/東映

好古園 キャスト
  徳川吉宗(徳田新之助)/松平健
  おさい/浅茅陽子 安次郎/小野ヤスシ お葉/伊藤つかさ
  才三/五代高之 茜/入江まゆ子
  大岡忠相/横内正 田之倉孫兵衛/船越英二
  辰五郎/北島三郎


第1話「大雪原の血煙り、吉宗を愛した復讐鬼!」1993.4.3 (スペシャル)

 横領発覚を恐れたワルにはめられ、全くの無実で刑死した家族の復讐のため生きてきた娘の哀話。新さんの説得に一度は思いとどまる娘だが新さんが将軍と知り、残る仇のもとに向かい斬り死にを遂げる。上様は彼女の仇どもを操っていた上贋金作りまでしていた黒幕を成敗。

ロケ地
・千鶴が仇の一人の典医を斬る夜道、大覚寺護摩堂裏手(心経宝塔を部分ライトアップ)
・江戸城イメージ、姫路城天守
・千鶴の太刀筋を見た新さんの回想、御前試合で無空の太刀を見せた達人、嵐亭延命閣
・小暮藩馬廻役が渡る橋、中ノ島橋(橋たもとから千鶴が凝視)
・新さんをめ組に訪ねてきた角兵衛が千鶴と関わるなと釘を刺す次郎池、大覚寺天神島汀・夜泊石前。
・庭番の報告を受ける上様トリオ、姫路城西の丸(ガーデンセットあしらい)
・小暮藩へ赴き聞き込みの才三、旧瑞穂町造成地(雪景、茶店あしらい)
・忠相を呼び止めわざとらしく贋金探索の進捗状況を聞く若年寄、姫路城はの門下坂
・芸者連れで両国に遊ぶ小暮藩指南役に仕掛ける千鶴、八幡さまの縁日は梅宮大社境内、仕留めるのは池中亭、騒ぎをよそに立ち去る千鶴が渡るのは咲耶池切石橋。逃げる千鶴の前に立ちはだかる新さん、大覚寺放生池堤(祠や鳥居あしらい)
・家に乗り込んできたおさいに意見され(+新さんがあんたに惚れてる発言)、家を飛び出した千鶴が佇む水辺、嵐山公園中州北岸・桂川堰堤脇。
・千鶴と間違われ斬られたおさいが一命を取りとめたあと、新さんが再び千鶴に自訴を勧める養生所敷地内、大覚寺明智陣屋(陣屋前に包帯干し場、供侍裏に井戸あしらい)
・瀕死の角兵衛が語る過去のくだり、小暮藩城は丸岡城天守。殿様が兎狩りをする大友家知行地の北山の御狩場、旧瑞穂町造成地
・小暮藩次席家老が黒幕の若年寄(釣り)とツナギをとる池端、大覚寺放生池源頭部。若年寄を尾行する茜、御殿川河床。若年寄は参道石橋を渡り大門(自邸)へ入る。これを忠相に報告する茜、姫路城ぬの門
・角兵衛の死後、水辺に佇む千鶴に残りの仇は逃がさないからと説得する新さん、大覚寺大沢池堤・水門脇(雇われ浪人が襲撃、千鶴が抜いた新さんの刀に三つ葉葵を見る)
・千鶴の墓、北嵯峨農地か。
*千鶴に野村真美、千鶴の父に仕えた剣客・角兵衛に内田稔、中間の松吉に柴田p彦。悪役陣は、若年寄に川辺久造、小暮藩次席家老に小沢象、岬屋に戸裏六宏。岬屋と次席家老の宴席に舞手として入り込み斬りかかる千鶴のくだり、用心棒のセンセイの一人に福ちゃん。


第2話「隠居金千両の行方

 娘の目を治したい盗っ人の情話、火盗改がその隠居金を狙い大騒動。盗賊は遠藤太津朗、冒頭の毒殺から目一杯ハデ。

 ロケ地、文造が新さんに娘の治癒後自首すると約束の水辺、広沢池東岸。文造の墓、広沢池北岸に卒塔婆あしらい。文造の元手下が火盗改の長谷部(釣り中)にツナギ、中ノ島橋下手・中州側護岸
*遠藤太津朗が千両の嵩を減じるため思いついた千両富当り籤との交換、これが仏壇に隠してあって長屋が放火でぼうぼう、新さん炎に飛び込み仏壇持って出てくる…ミニサイズとは言え仏壇小脇に抱えてる姿がギャグ。


第3話「狙われた氷の美女

 今回も目を治す話、そこひの手術がテーマ。長崎帰りの養生所の若手医師が困難と渋るのを上様のアイデアで氷で「麻酔」かけちゃう、ちょっとトンデモ。ワルは養生所に客をとられてクサる欲深医師と忠相失脚を狙う若年寄で、すげえあからさまに手を出してきたり。

 ロケ地、おみよの茶店に薬代を取り立てに来るヤクザ、仁和寺茶店参道石段。欲深医師・桜井長庵邸、不明。新さんが医師と話していて不審な患者に気付き才三に目くばせ、仁和寺御室桜林西側の塀(才三は水場)。おみよに手術の困難さを説く医師、仁和寺中門茶店前。氷を運ぶ山道、谷山林道。事後、庭を逍遥の上様に養生所大繁盛と話す田之倉のじい、彦根城玄宮園(背景に天守)
*養生所の火事、またまた炎の中に飛び込んで患者救出の新さん、助けられた伝兵衛は初代小頭・園田裕久。ワルの手下のヤクザに汐路章、白昼医師の手を潰しに来たりして無茶苦茶。*氷アイデアは氷の張った池に隠れた才三の戦闘経験を聞いて上様が「ソレだ」という軽すぎのノリ、患者氷詰めはホントに映像化してある。


第4話「尼さんやくざが突っ走る!

 子供会いたさに破牢の女囚、とりあえずの稼ぎに盗みをはたらくが財布の中には勘定奉行の汚職の証拠。定型のこのお話にお馴染の面々がはめ込まれ、暴将ワールドを展開する。

 ロケ地、女囚二人が盗みに入る巴屋の寮、中山邸通用門。汚職の件で巴屋を見張っていた庭番が新さんに泥棒のことを報告、わら天神本殿脇。掛取りの金を紛失して身投げの伊勢屋の手代を止める女囚(このとき尼に偽装中)中ノ島橋。伊勢屋たちが恩ある「尼」を尋ねあててくる谷中の尼寺・西光寺、二尊院黒門。二人を説得して連れてゆく道で巴屋の刺客が出る、大覚寺放生池堤。おまさの子を連れてきて会わせるも子は反発して逃げ去る、わら天神(舞殿脇、六勝大神)。様子を見に来たもう一人の女囚・お力が巴屋の用心棒に斬られる、参道・鳥居下。事後、庭で子供はいいもんだなと呟き田之倉のじいにまずは嫁と追い回される上様、芝地の茶亭、不明。
*主人公の女囚・ヤクザのおまさは東啓子、子のことでうるうる泣く・友を殺されて怒り仇討ちに向かうなど、ちょっと天然風味も加わって熱演。勘定奉行は立川三貴、喚問には偉そうにしらばっくれるほか、書付を盗られたと聞くやいきなり刀抜いたり感情の振幅が激しい狂乱系で「カーン」のあと「八代将軍も今宵限り」なんて暴言を吐く。巴屋の用心棒に宮口二朗、奉行の刃から巴屋を守るなど妙に律儀で面白い。


第5話「盗賊は炎の中に消えた

 更正をはかる元盗っ人と、大火で父母を亡くした娘の恋。しかし彼を島帰りと苛めた町方が、今度は錠前破りを迫って脅しにかかる。ワルが目指す蔵には、勘定方役人の汚職の証拠が入っており丈夫な南京錠がかかっているのだった。

 ロケ地、おまきが働く茶店、仁和寺茶店。清吉がおまきに前向きに生きようと話す林、御室桜林(葉っぱ無し・背景に観音堂)。勘定吟味方と目付方の役人が上意を得て踏み込む勘定所、妙心寺聖澤院。北町同心と岡っ引が清吉に錠前破りを迫る、仁和寺金堂脇。役人が来たことで清吉に過去を迫るおまき、九所明神(抱き合う二人を物陰から見た上様は場を去り、塔前から林間へ)
*タイトルは大火の折り自ら墨の入った腕を焼く清吉、脅されて錠前を開けたためお白州はあるが清吉は火事で死亡・お前は小間物屋「お上に手数をかける不届者・早々に立ち去れい」で大岡裁き。*今回、最初のほうで御前に罷り出る役人はワルではなくホントに公金横領の摘発を上申に来た真面目な勘定吟味役、案外珍しいパターンで、大ワルも勘定奉行ではなく勘定方組頭。


第6話「助っ人新さんお役者仁義!

 仇討ちもの、石見銀山で不正の罪を着せられ死んだ役付の遺児は、役者となって江戸に現れワルの所業をお芝居に仕立ててあてこする。仇討ち太夫に蜷川有紀、大ワルは川合伸旺で手下に内田勝正。最後はこの二人だけ招いた舞台、途中から白イカ上様が出てリアル仇討ちになだれ込み。

 ロケ地、江戸を発つ一座、流れ橋(たもとに茶店あしらい)
*お芝居のワル、定型の憎ったらしさが抱腹もののおかしさで青い隈取りも傑作。ラス立ちが花道というのも派手で見もの、福ちゃん入り。


第7話「哀れ、女の舟唄!

 阿片密売で大儲けの薬種問屋、北町奉行とつるみ大奥にまで触手を伸ばす。お話は運び屋に使われた夫婦の哀話、彼らは津波で被災した上総の漁師だった。

 ロケ地、家来が阿片中毒の果て市中で刃傷のため閉門の堀丹後守邸、妙心寺龍泉庵。伝馬町牢屋敷(与力がワルの手下)随心院長屋門(島流しの弟死んでるのに嘘ついてたと与力を責めて逆に脅されるおしののくだりでは塀の北西角付近も使用)。江戸へ発つ夫と弟を見送るおしの、広沢池池底(水無し)。おしのが墓参の大奥のお局さまに阿片を届ける上野正法院、随心院薬医門(カメラ内側から)。悪事の片棒に嫌気さし逃げ出した多吉が消される道、大覚寺大沢池堤(池ボチャあり)。大黒屋の番頭が阿片を持ち出したお葉を追いかけてきて取り替える、天神島朱橋
*北町奉行に田口計、ラス立ち福ちゃん入り。


第8話「母の願いは人斬り稼業?!

 お家再興を願い息子を厳しく育てた母、その重圧に苦しむ息子の哀話。彼は仕官のため暗殺をはたらくが、命じた大目付は昔彼の父を陥れた男だった。

 ロケ地、年寄と子供に無体をはたらく酔侍に毅然と立ち向かう菊江、梅宮大社境内(その後じいが「誘う」のは神苑)。菊江の夫は友だったと上様に語るじい、庭不明(池泉、切石橋と石塔)。息子を探しに出た菊江に声を掛ける新さん、仁和寺塔前〜参道。息子・信吾が表坊主に斬りかかるのは経蔵金堂(母に見られる)。信吾の墓、二尊院墓地
*公儀情報を各藩留守居役に売りつける悪辣大目付に江見俊太郎、悲劇の母に光本幸子。冒頭の酔侍に峰蘭太郎と福ちゃん、茶店オヤジに小峰さん。福ちゃんはこのあと水茶屋の男衆で出て女と逃げようとした信吾の脇腹刺したり、ラス立ち要員にも登場で三態。


第9話「ろくでなし長屋殺人事件

 深川の長屋で起こった殺しでめ組の小頭が捕まってしまう騒ぎ、上様は庭番とともに長屋に潜入。町年寄が保管している金を狙った寄合旗本の強奪と判明するプロセスは、裏長屋の泣き笑い人情劇。

 ロケ地、安次郎捕縛の報告を受ける上様、彦根城玄宮園池畔。忠相が長屋に庭番を潜入させた旨報告の茶店、二尊院山門内側に床机をセット(背景にうっすらと紅葉の馬場)。おその先生の寺子屋、神光院中興堂(内部も使用、後段の拉致シーンではここから出て石橋を渡り蓮月庵前へ。徳松と運営資金について話す段は水場まわり)。殺された男と関係していた町年寄宅の女中が死体で見つかる汀、不明(下鴨の泉川か。汀に簡素な石積み、まわりに熊笹の茂み)。おそのの父の墓、二尊院墓地。徳松の告白を聞いたあとゆっくり立ち去る「鳴神平四郎」の上様、紅葉の馬場。事後、徳松の量刑について漫才の上様トリオ、彦根城玄宮園龍臥橋上。
*長屋の植木屋・徳松に桜木健一、父祖代々の義賊という設定で、おその先生の父が詰腹を切らされた「九両」の盗みはコイツ。事実を知っておんおん泣く姿や、上様+庭番が扮した盗賊にぺこぺこするさまは桜木氏ならではの好演。上様の変装はヘンな文言を書き散らした単衣に黒袴の怪しの浪人で生業は占い師…その格好をするには恰幅が良すぎ。ワルの旗本は亀石征一郎、ギョロ目むいてる時間の長さに瞠目、ほとんどまばたきナシ。


第10話「一目惚れ、仲良く危機一髪!

 大名の若様と姫君の縁談、断られた別の藩が陰謀を仕掛けてくる。お話は養子を嫌って出奔した若様がやらかす珍騒動が中心、悪役脇役綺羅星の如く登場の痛快な一作。

 ロケ地、高取藩下屋敷、妙心寺隣華院。西條藩上屋敷、妙心寺天祥院。石川藩上屋敷、妙心寺龍泉庵。高取藩の熊次郎ぎみが出奔した件の報告を受ける上様、嵐亭延命閣。これも出奔の西條藩の姫が熊次郎と出会う浅草寺境内の茶店、大覚寺護摩堂裏にセット(背景に聖天堂)。賭場に引っ張り込まれる熊次郎、不明(石垣と竹垣)。西條藩の用人が姫を隠している屋敷、中山邸通用門、参道。
*縁談に横槍の石川藩、殿様は五味龍太郎で手下に福ちゃん(役名は金井)。西條藩用人で忠義面をして石川藩に内通のワルに真田健一郎。彼らとグルの大目付に睦五朗。熊次郎ぎみを守って駕籠傍で弁慶ふう立往生のじいやに御木本伸介。


第11話「悲恋の仇討ち免状

 問答無用で山田朝右衛門を父の仇と狙う姉弟、もちろん騙されてのことで、裏には猟官運動に血道を上げる藩主がいた。タイトルの「悲恋」はワルに引きずり込まれた姉の婚約者が途中で翻心するも、残された道は死のみという悲劇。

 ロケ地、庭番に仇討ち姉弟の調査を命じるお茶タイムの上様、芝地の茶亭、不明。弟が姉の婚約者は不審と話す水辺、梅宮大社神苑。姉が佇む藩邸の庭、不明(阪口と似る)。祭りの神社へやって来る姉と婚約者、梅宮大社楼門境内。新さんが弟に事情を聞くのは神苑。朝右衛門を呼び出しわざと斬られて果てる婚約者、木島神社舞殿前。長崎へ発つ姉弟を見送る上様と朝右衛門、大覚寺大沢池堤(遠景に心経宝塔、茶店あしらい)
*山浦藩主に北町嘉朗、家老に中田博久、婚約者に冨家規政。朝右衛門を「酔漢が因縁つけ」のお芝居で暗殺をはかり返り討ちに遭うワルの手下に福ちゃん。ぷっと楊枝を吹くしぐさが早すぎで一時停止も利きにくいへんが傑作、役名クレジットは「桑山」。


第12話「二人妻の用心棒

 主君に殉じようとして遅れをとった男は謗りに耐えられず出奔、江戸で岡場所の用心棒として無為の日々を過ごすが、故郷に残した係累が開拓費に難渋するのを知り身を危険にさらして金を工面、その後口封じに消されてしまう。岡場所で彼の世話を焼いていた女と、故郷から彼を捜しに出てきた元許婚者と、二人の女の悲劇が描かれる。

 ロケ地、悪徳両替商が相場を不正操作する件を話す上様とじい、彦根城玄宮園池端。新さんに根津への道を聞く千乃、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと(茶店あしらい、ラストの見送りもここ)。岡場所で地回りにからまれた千乃を助けるめ組の衆(川浚い中)ならの小川(川を横断する竹垣をあしらいセットの岡場所と繋げてある)。笹崎惣十郎が国を出た経緯を話す千乃、二尊院紅葉の馬場。笹崎の世話をしている岡場所の女に説得を依頼する新さん、大覚寺天神島(導入は高所からのクレーンショット)。笹崎に溜池工事費用を貰い国へ帰る元下男が両替商の用心棒に斬られる、上賀茂神社北神饌所前。忠相暗殺を新さんに阻まれた笹崎が剣戟のすえ落ちる橋、中ノ島橋。両替商・浜田屋の寮、中山邸通用門
*岡場所の女・お滝に吉沢京子、心ならずも別れを切り出し笹崎を国に帰そうとするが目の前で彼を殺され、雨の中彷徨い出て仇を刺し自身も刺されて斃れる。悪徳両替商は伊吹聡太朗、つるむ勘定奉行は小笠原弘。笹崎浪人は片岡弘貴。


第13話「子連れ巡礼の逆襲

 孤児を八人も養育する自身もみなし子の娘、巡礼のなりをして人を強請り小金を作っていた。対象の一人が汚職にまつわる殺しに絡んでおり、危機に陥るところへ新さん登場。恐喝の件で遠島の裁きが下るが、島流しになるのは巡礼衣装という大岡裁きでメデタシ。

 ロケ地、桜餅が名物の茶店で強請りをはたらくおりん、勝持寺本堂前。普請奉行後任人事について話す田之倉、姫路城好古園築山池泉の庭。殺された普請奉行候補の中間について報告を上げる忠相、好古園御屋敷の庭。中間と約束の根津権現で口入屋の人数に囲まれるおりん、松尾大社(二の鳥居越し楼門〜本殿脇摂社)。新さんに孤児らのことを話すおりん、広沢池東岸。大岡裁きを称揚して自画自賛とじいに嫌味を言われる上様、好古園竹の庭
*おりんに立花理佐で元気いっぱい。ラス立ち福ちゃん入り。


第14話「歌ってよ、子守唄を

 大岡を追い落とす陰謀、後釜を狙うワルにはコンプレックスを抱く忠相の甥が関わっており、はるか昔さらわれたままの息子の悲しい消息が知らされることとなる。同じく子を亡くした女が将軍に抱く恨みを利用され、ドラマに絡んでくる。

 ロケ地、紀州時代の忠相と吉宗のエピソードに出てくる宮川のイメージに保津峡(古地図重ねの演出)。吉宗が忠相の息子・求馬に下賜の印籠が使われた恐喝事件の金銭授受に指定の清水明神、大覚寺五社明神本殿。才三が八幡村へ向かう夜道、大沢池堤。川べりで子守唄を歌うおみわに声をかける新さん、桂川か(増水して濁流)。おみわの回想、吉原に売られる日、砂を袋に詰める浜(北の漁村)琵琶湖東岸(沖ノ島と八幡山映りこみ、佐波江か牧か。山は冠雪し浜にも雪)。おみわを身請けした八幡村の庄屋・清吉は綾瀬川で殺されたと村人に聞き込む才三、桂堤か。小菅の将軍休息所(八幡村対岸、これがため村の堤は低く水害常習地)酵素河川敷(鷹狩で休息のシーンと、毒殺が仕掛けられる野点のシーン)。奉行所へ赴くおみわを襲う勘定奉行の配下、大覚寺大沢池北西畔。市之丞の回想、15年前魔が差して忠相の子・求馬をさらった大岡邸、妙心寺龍泉庵(玄関まわり)
*おみわに栗田よう子、市之丞に新木しげる。福ちゃん二回登場、備前守の家来がおみわを斬ろうとするのを後ろから羽交い絞め、もう一つはラス立ち。先のと後のでなんか立場が違うような。


第15話「めおと春秋、涙に夢灯り

 役職を餌に無役の旗本の妻女を食う小普請支配、娘夫婦の悲劇を見た老武士は暴発、奸賊を討ちに推参。でも爺なもんだからたちまち危機に陥るところ、きっちり正義の扇が飛んでくる。

 ロケ地、具合の悪くなった志穂を助ける新さん、神光院本堂(祈願の神社設定)。休ませる茶店、蓮月庵前に床机をあしらい。小普請支配・柴崎が職探しの無役の妻女を阿片を使ってつまみ食いの料亭・水月、嵐山公園内料亭・。柴崎邸に仕官を頼む侍が出入りするのを見る新さん、建仁寺三門をバックの参道。柴崎邸、久昌院(植え込み越し)。志穂の夫の死体が見つかる水辺、大覚寺大沢池堤下の汀。志穂出産の知らせを持ってくるじい、嵐亭延命閣
*一徹な老武士に下川辰平、そっくり返ってのワハハ笑いがよくお似合い。志穂は北原佐和子。*冒頭、阿片がらみで斬られる人足、追いかける蓬莱屋の用心棒に福ちゃん。


第16話「おんな事件屋、江戸を斬る!

 女公事師のお話、苦労続きで亡くなった父を持ち侍嫌いのお紺を暴将お馴染の芦川よしみが演じる痛快劇。お武家キライ・刀なしでやってみなさいよと毒づかれた新さんは、町人態に身をやつし公事師見習いとしてお紺の店に。ここで新さんが出張った長屋の事件が、お紺が抱えていた難事件を解決に導く。

 ロケ地、武州代官・松野邸、妙心寺龍泉庵。八王子に出向き河原で橋跡を調べるお紺に刺客、桂川か。橋落しに関わったと見られる佐吉に掛け合うお紺、今宮神社地主社高倉脇坂。佐吉は始末したとお紺に宣言する豊玉屋の衆、東門石橋。猫の安次郎を連れて心細さに泣く長屋の子ら、広沢池東岸汀。事後、逍遥の上様トリオ、姫路城ぬの門(坂を上がる三人を門から見るショット)
*上様の町人姿、今回は公事師見習いなのでモンペ着用。ワルは代官と悪徳公事師で外山高士と小沢象、そちもワルよのいえいえお代官さまこその定型も傑作。彼らが使う強面の刺客は阿波地大輔。ラス立ちにほんのちょこっと福ちゃん入り。


第17話「剣も踊る!阿波踊り

 阿波藩留守居役が悪徳商人と組んで仕出かす悪事、融通の利かぬ御用商人を排除するのに付け火。このあと、焼かれた鳴門屋が大恩ある藩に難儀のかかるを慮り沈黙、納得できぬ長女が留守居役を探って横死などのドラマがあり、悪徳商人の寮で阿波踊りの乱痴気騒ぎに浴衣を着込んだ上様が乱入しワル一巻の終わり。

 ロケ地、鳴門屋の品が焼けたことで藍玉が高騰と話す忠相、彦根城玄宮園鳳翔台。新さんが安次郎と釣りをしていると駕籠舁きが通りかかり不景気をぼやく、大覚寺放生池堤。おしのの死体のありかを知らせる柴犬、護摩堂天神島。駕籠舁きが編笠の武士にバイトを持ちかけられる道、大沢池堤。駕籠舁きが消される林、鳥居本八幡宮広場(おしのが埋められたのもここ、犬が掘って知らせる)。新さんが身元不明のままおしのを葬る泉岳寺、二尊院墓地
*留守居役に中田浩二、鳴門屋に西沢利明。今回目立ちまくりなのは犬、死体のありかを示す・埋められてるとこもちゃんと掘る・ワルが落としていった鑑札も拾うなど大目立ち。しかもおしのの墓にはいつもいる…けどあんまり誰にも感心されてないし、忠犬なんて言葉も出てこない。生き物ではほかに中田浩二の飼ってる小鳥、蓋かぱっと開けて逃がしてるみたいで物凄く気になる。*おしの失踪を追及する藩士を斬りにくる用心棒に福ちゃん。


第18話「熱き血汐の乙女飛脚

 健気な女飛脚の話、同じく飛脚だった父が母の病のため犯した封印切りにトラウマを持つ彼女は、そこを悪徳両替商に利用され銀相場を操る符丁の運び屋にされていた。

 ロケ地、女飛脚のおゆうが男飛脚たちに矢を射掛けられる道、大覚寺放生池堤天神島大沢池堤。上様トリオが物価高騰について話す庭、不明(大きな築山と池泉、上様は鯉に餌やり中)。悪徳両替商・浪花屋から出た虚無僧を誰何する庭番、中ノ島橋(虚無僧は川へ逃れる)。弓のお稽古上様に春喜屋が安値で銀を扱う件の報告をする庭番、不明(芝地の茶亭)。浪花屋が密談に入る勘定奉行・松野播磨守の別邸、中山邸通用門。おゆうの真似をしてランニングのめ組の娘たち、大覚寺五社明神。仕事中のおゆうを呼び止め箱の中身を見せるよう説く新さん、大沢池堤(赤坂池之端)
*おゆうも父も世話になった人情家の両替商に園田裕久。浪花屋の番頭(佐藤仁哉)は忍者じみた連中を追い使い自身も剣を振るうが、どんな設定なんだか一切語られず。*新さんに思慕を抱くおゆう、「将軍」から文が来ちゃって恋はパァ。タイトル「花一輪江」が笑える文のメッセンジャーは大岡さま。


第19話「おんな密偵の初恋

 江戸表の不正摘発に乗り出す国家老のお嬢様、勘定方の恋人がワルに屈服したと思い込みぷんぷん怒るが、彼は雌伏して留守居役の悪事を探っていた。

 ロケ地、江戸入りの加代が縁日でニセ紬販売の一味を見つける、仁和寺茶店参道(がまの油売りの背後に塔)。怒った男らに囲まれチャンバラ、九所明神。結城藩上屋敷、妙心寺聖澤院。加代が新さんに経緯を語る川べり、上賀茂神社ならの小川畔。回想、河原で遊ぶ幼い加代と鉄之進、罧原堤下河原。「事故死」した鉄之進の父・郡奉行の検分、広沢池畔。江戸へ赴任する鉄之進を見送る水辺、広沢池観音島。ニセ紬を運ぶ一味を懲らしめる、仁和寺金堂−経蔵間の林間。加代の従者・六兵衛が留守居役の手下に斬られる、妙心寺法堂前。新さんが忠相とツナギをとるのを立ち聞きの加代、仁和寺御室桜林(西側、塀際)。鉄砲洲の蔵屋敷へ向かう加代と鉄之進、広沢池東岸から船を出す。
*加代、きりきりと不正を指摘・立ち回りもやる凛々しいお嬢様設定で袴姿が可愛い。ラス立ちでは留守居役の情婦をぐっさり殺る。*福ちゃん二態、藩邸の蔵へ入る加代に戸を開けてやる中間(直後中で加代が害されかかるが、福ちゃんは関係ない模様)。もう一つはラス立ちの桔梗屋用心棒、黄色い派手な袴を穿いて登場、廊下では後退の勢いが余ってつつーと板を滑る珍しいシーンが見られる。


第20話「悪人志願の娘

 不幸な境涯でグレる若者たちを更正させる話、油問屋と北町が組んで値の吊り上げをはかる悪事とリンクしてゆく。

 油問屋・近江屋が身投げを装って放り込まれる大川、中ノ島橋(草履を欄干に)。町で悪さをしていた永吉やお咲らを連れてくる芝界隈(竜吐水置き場か)神光院中興堂(のち、め組の若い衆まで一緒に野博打のシーンは蔵の前)。永吉たちを就職させる向島薬草園、畑は広沢池西岸か。
*北町奉行に深江章喜、手下の浪人に工藤堅太良。ラス立ち福ちゃん入り、浪人で派手な色目の衣装。


第21話「毒牙を隠した花嫁

 毒婦もの、乱暴な姉ちゃんで、新床で旦那を刺す・誰何した岡っ引をいきなり刺すなど凶行を重ねる。裏に犯行を示唆する男あり、こっちは色悪で相棒の毒婦のほか上司の娘も誑し込み。家来も一緒になって仕出かす悪事は金目当て、上司をブチ殺して後釜に座ろうと猟官運動を展開していた。毒婦は捨て子で盗っ人に育てられ裏街道まっしぐら、しかし蜆売りの子を庇ったりする一片の情を掬い上げてやる上様なのだった。

 ロケ地、庭で香月左門を相手に剣の稽古の上様、彦根城玄宮園池畔。新床で札差を殺したあと仲間の中間の担ぐ駕籠で逃げるお甲を呼び止める山田朝右衛門(夜釣り)中ノ島橋。香月邸、建仁寺久昌院。朝右衛門が新さんにお甲の駕籠を見たと報告、常寂光寺仁王門(裏から)。香月が上司の内藤と行き会い皮肉を言われる道、大覚寺放生池堤。お甲が新たなターゲットの両替商を引っ掛ける屋敷、不明(建物の前に池泉)。内藤の娘の妊娠を知ったお甲が香月に詰め寄る、建仁寺三門。玉の輿退職で勤めていた料亭を祝福されて出るお甲、嵐山公園内料亭・錦。内藤家の墓、不明。事後、じいとしんみりお話上様、彦根城玄宮園龍臥橋
*香月左門に小野進也、稽古でも上様に突きでかかってゆき、無礼と止められても却って怒り出す狂犬ぶりで、魔剣邪剣と称される←変な剣客には朝右衛門。


第22話「無法街の花姉妹

 作事奉行と組んでやりたい放題の口入屋、恐れて口を噤む町衆だが、威勢のよい魚屋の姉ちゃんが勇を奮いどら息子を殺人者と証言。しかしそれがために商売は妨害され、挙句妹が虫けらのように殺されてしまう。ワルがふるっていて、作事奉行は亀石征一郎で口入屋に立川三貴、口入屋の手がつけられぬ粗暴な息子に遠藤憲一ときて、暑苦しいまでの狂乱トリオ。ワル同士は和気藹々なのが笑える。

 ロケ地、魚屋のお春が父を伊皿子屋に殺されたと語る道、仁和寺塔前。お春の妹・お七が監禁された破れ寺に急ぐ新さんと朝右衛門、不明(どこかの塔頭か)。お七の墓、黒谷墓地(背景に文殊塔)。笹舟を流すお春、嵐山公園中州下手汀。じいがお見合い話を持ち出す庭、阪口青龍苑(築山の上に亭)
*「貴様だけは許さん」と遠藤憲一マジ斬られ、朝右衛門が流れを受けてフィニッシュ。


第23話「おんな盗賊の恋、吉宗にしかけられた天下の大陰謀」 (スペシャル)

 義賊・葵小僧が出没、阿漕な商人ばかり狙い貧者に施す、その正体は女。危ない目に遭う彼女を何度も助ける新さん、信頼を得て告白される前身がまた凄くて元殺し屋の卵。彼女にはどうしても会いたい命の恩人がいるが、その男は十年を経てとんでもない怪物になっているばかりか、元々彼女を道具にしたに過ぎないのだった。

ロケ地
・江戸城イメージ、姫路城天守
・琴の師匠・弥生が時折世話に訪れる孤児院の尼寺、常寂光寺仁王門(葵小僧として小判を届けにも来る)
・忠相と葵小僧の話をする弓のお稽古上様、嵐亭延命閣
・寺社奉行とつるむ怪しの祈祷師・日照が住持する常光寺、粟生光明寺(阿弥陀堂を中心に回廊や本堂)
・日照や寺社奉行とつるむ悪徳商人の情婦が経営する料亭・夕月、中山邸通用門、参道。その料亭に常光寺でかどわかした娘たちを送り出す船着き、大覚寺大沢池船着
・事後、晴れやかな顔で馬をやる上様、下鴨神社馬場
*弥生に斉藤慶子、元「直さん」の日照に加納竜、弥生を実質育てた殺し屋の元手下に中条きよし。彼らを支配していたのが上方の琴職人で裏稼業が殺し屋の元締という設定や、「殺し屋」の弥生の得物が琴の爪と絃というのもパロディくさくて笑える。*悪役陣には御木本伸介や滝田裕介がいるものの、ヘンな祈祷師に操られてるうえ黒幕は別にいたりしてショボいし、将軍を亡き者にしたあとのビジョンが思いっきり不鮮明。彼らに籠絡され上様に妙な薬を持ってくる田野倉さまだが、書見中の上様の部屋にはちゃんと金魚鉢が用意されている。


第24話「悪をあばいた潮騒の娘

 己の出世のため筆頭老中を陥れるワル大名、底無し沼に隠された御神刀は、老中が昔静養先で情を通じた女の娘によって引き上げられる。

 ロケ地、岡崎藩上屋敷へ神刀盗難を知らせる早馬が走る、随心院参道薬医門。軽平が海女の芸を見せる神社、梅宮大社舞殿脇。水野老中の災難について協議の上様トリオ、姫路城西の丸。お参りのおいくに声をかける新さん、梅宮大社本殿。身の上を聞くのは神苑汀〜池中亭土橋。水野辞任を噂する大名たち、姫路城はの門下坂。山上藩上屋敷、随心院長屋門。山上藩捜索について田之倉に詰め寄る譜代大名たち、姫路城二の丸付近。神刀が隠された竜神の池、不明(山中の溜池、池畔でラス立ち・ほとりにある建物に目隠し装飾施し)
*水野和泉守に大出俊、鯵のたたきに薀蓄垂れるくだりは独特で験かつぎの「やいとや」を彷彿とさせる。ワルは田口計で悪徳商人と組んで抜け荷なんかもしている。


第25話「盗っ人新さん、二代目襲名!

 腕のいい植木職のオヤジがなにをとち狂ったか義賊に憧れ、周囲をやきもきさせる。その与太話にホントの泥棒が乗ってくるが、こやつの後ろには御金蔵の番人がいて公金横領のごまかしを企んでいるのであった。

 ロケ地、千代田のお城、姫路城(植木屋のシーンなど西の丸を中心に、御金蔵破りの段では石垣や城へ登る坂など各所を使用)。植木屋の娘が朝吉と歩くシーンやお参りのシーンに今宮神社(合祀摂社や稲荷社)。新さんに弟子(盗っ人のほう)になれと迫る弥平、広沢池西岸湿地(汀に船をあしらい)
*オヤジが二代目に技を伝授したら真面目に植木屋をやるというので、新さん弟子入り。オヤジ、新さんがてきぱき御金蔵へ案内するのに少しの疑問も抱かない天然系。この弥平に橋本功、エセ義賊の円蔵に曽根晴美。


第26話「刃傷!慕情消えやらず

 城中で刀を抜き成敗された奥祐筆、不可解な死に仇討ちを決意する残された妻。尼となった彼女を気遣う男は、かつて慕った女の手を汚させるに忍びず先回りしてワルを血祭りに上げてゆく。

 ロケ地、下城する侍たち、姫路城菱の門。出家した堀内の妻が身を寄せる尼寺、常寂光寺(仁王門内外や石段を使用)。悪徳商人と奥祐筆組頭が密談の屋形船を出す大川端は広沢池東岸、汀に船着や船宿の入口をセット。組頭の裏にいる黒幕について田之倉と話す上様、姫路城西の丸
*蓮祥尼を慕う夫の剣友は提灯奉行、やることが過激な割にコミカル。南町から出てきて才三とこそこそ話す新さんを見て「隠密回り」と早合点したりする。尼さんのくせに夜な夜な仇討ちに出てゆく未亡人は道場主の娘で小太刀の遣い手設定。*船頭に化けて組頭を襲う石崎のくだり、ちょっとと呼び出されて刺され水ボチャの家来に福ちゃん、思い切りよく背中から広沢池に落下、役名は「河合」。


第27話「天下御免の偽十手

 岡っ引殺しの現場で十手を拾った魚屋の青年はニセ目明しに変身、町で子供に情けをかけたりするうち大奥女中がらみの事件に巻き込まれてゆく。

 ロケ地、野博打の男たちが岡っ引・長吉の手入れを受ける岸辺、広沢池観音島。捕まった仙太が金を取られるのは東岸へスイッチ、ここで役者遊びの大奥女中を見る(汀に船着と船宿をセット)。幼馴染のお美代の母の病が篤いと聞く仙太、梅宮大社(神苑門、本殿、神苑)。役者と密会した大奥女中を尾行する仙太だが気付かれ囲まれる、妙心寺涅槃堂前路地。新さんが追い払っているスキに駕籠を追っていくが見失う路地、大通院裏路地。留守居役・板垣大和守邸、龍泉庵。仙太に強請られた役者が相談にゆく西海屋の寮、中山邸門。板垣らと密談の茶室は無畏庵(外観イメージ)。お喜多の方が墓参の増上寺、仁和寺(塔遠望、金堂、塔前路地、参道)。さらわれたお美代と強請りネタの簪を交換の氷川神社、神護寺石段
*留守居役に菅貫、タラシ役者に山内としお(しらばっくれの台詞回しは「田中さま」そのもの)。


第28話「子連れ芸者の挑戦

 亭主の死に不審を抱いた女房は、司直の手にとの声を退け自らワルに迫る。この芸者が、懐かぬ生さぬ仲の子と真の親子となるプロセスを絡める。

 ロケ地、蟻いじめの勘太に声をかける才三、梅宮大社神苑(亭主を見送るお蔦の回想や勘太拉致もここ)。道庵の寺子屋、神光院中興堂(内部も使用、中から蔵が見えるショットも)。忠相が殺された勘定奉行が伊豆行きを予定していたと語る、大覚寺大沢池(庭湖石が見える)。道庵の前身について報告の才三、芋田楽の茶店、天神島朱橋たもとにセット。子のため新田屋へ向かうお蔦が歩く川辺、桂か。事後、今回の件を話す上様と田之倉、彦根城玄宮園龍臥橋
*道庵に森章二。


第29話「新さん負けるな!大競馬

 将軍お召し馬候補をめぐって起きる騒動、意地っ張りのお召し馬乗りと牧場の兄弟をサポートの上様、途中からレースを引き継ぎ駿馬・疾風に乗ってゴールイン、そのまま悪企みをしていた関東郡代を成敗のチャンバラに。

 ロケ地、火事場の邪魔をしたお召し馬乗り・速水連三郎に謹慎を申し渡しに御厩へ赴く田野倉孫兵衛、妙心寺退蔵院(前の看板も利用)。弓のお稽古上様に拝謁する野馬奉行・綿貫、姫路城西の丸。速水を挑発に来る関東郡代所の馬乗り・沖山、妙心寺法堂・仏殿間の回廊。下総へ向かう街道で郡代の手先に襲われる速水、谷山林道。関東郡代所、妙心寺龍泉庵。小金牧へ着いた速水が野火消しを手伝う野原、酵素か。野馬奉行所、妙心寺聖澤院。疾風を試乗して落馬する速水、下鴨神社河合社脇。綿貫の墓に参る新さん、不明。レース、出発点とゴールおよびラス立ちは走田神社本殿前と参道(参道奥に紅白の幔幕)。行程には山室堤谷間林道が使われる。お城へやって来た疾風を嬉しそうに乗り回す上様、下鴨神社馬場
*狭い堤道や山道をどかどか駆ける松平健の手綱さばきが見もの。話の展開をレースへレースへ持っていくのは、やはり上様の騎馬姿を見せたいせいか。*お城で上様と話しても全然新さんだと思わない速水や牧師兄弟、なんかおかしい…ムリっぽい「だっぺ」言葉も。


第30話「嵐を呼ぶ三兄弟

 弟妹を残し上方へ奉公、出世ののち帰った兄は女郎になった妹と盗っ人の一味になった弟を見る。新さんとめ組が二人を掬いあげる人情劇が主軸、ワルは盗っ人を追い使い上前をハネていた火盗改。

 ロケ地、弟と間違えて声を掛けヤクザにボコられる田之助、縁日の情景の導入に仁和寺の塔を九所明神拝殿越しに挿み、屋台をあしらった勝持寺鐘楼前。和尚に挨拶して帰る田之吉に事情を聞く新さん、参道石段。田之助の弟について報告の忠相、姫路城西の丸。吉原で女郎の妹を見て嘆く田之助、山室堤道(堤にぼんぼり、堤下に屋台あしらい。め組と新さんが足抜けさせた妹と涙の再会も同所で夜)。盗っ人が持っていた銃について話す忠相と田之倉に軽口を叩いてゆく火盗改長官、姫路城ぬの門。足抜けヘルプについて上様を責めにくる忠相、好古園御屋敷の庭。大坂へ向かう三兄弟の見送り、広沢池東岸(船着と茶店あしらい)
*火盗改長官に山本昌平、手下の賊・狐火の仙蔵に黒部進。ラスト兄弟の乗る船の船頭に福ちゃん。*女郎足抜きはめ組の主導、楼主らに見つかり窮地のところへ新さん介入。め組をご定法破りと叱るくせに牛太郎らを打ち懲らしてあとで忠相にお目玉を食らう上様、しかし忠相もあの店は常々問題があって欠所で楼主は重罪とか言ってフッと笑う…いいのかこいつら。


第31話「空を飛んだ米相場

 米相場を操り価格を高騰させ民を泣かすワル、唯一良心的な店を潰しにかかる。その店を切り盛りする気丈な女は、昔火事ではぐれた弟を捜しており、やっと見つかったその弟がグレていて脅しの材料にされてしまうのだった。

 ロケ地、父母の墓に参る美乃屋の女将・お幸、黒谷墓地。弟を見かけ追うも反抗される、梅宮大社境内。事情を聞く新さん、神苑汀。お幸が語る弟と鳩の回想、大覚寺大沢池堤下汀(南岸)。お幸が弟に呼び出される深川天神、五社明神。弟の兄貴分のチンピラが語る拾った際の模様、鳥居本八幡宮(井戸端と舞殿)。チンピラがお幸を追う、大覚寺放生池堤護摩堂前。怒りに任せて鳩を射る弟、天神島。弟が大戸屋の手下に拉致される、大沢池堤。兄貴分が殺されて上がる船着、大沢池船着(大)。前勘定奉行が黒幕と報告を受ける上様、梅宮大社境内に床机をセット。ラスト、じいと漫才の上様、芝地の茶亭、不明。


第32話「紀州から来た刺客

 隠し金山で得た財を尾張宗春に貢ぎ片方で将軍暗殺を図る大名、その手先に使われた女の哀話。彼女は二度吉宗を狙うも果たせず、騙していた忍者に恋人の仇とかかってゆく。

 ロケ地、殺された隠密の後を継ぎ山根藩探索を才三に命じる上様、阪口青龍苑(池泉切石橋上)。才三が潜入する山根藩領の隠し金山、不明(白水峡か)。尾張藩邸イメージ、妙心寺玉鳳院(放生池越しのショット)。新さんに近付いた辰巳芸者の正体を報告する茜、屋形船は広沢池東岸。新さんの回想、紀州藩主時代迷い込んだ山で髪を洗うお七を見る、清滝。小十郎(紀州で上様に解雇されて逆恨み中)にかかってゆく「小鈴」、崖地不明。事後、野点の席でお七を悼む田之倉と上様、阪口青龍苑(茶亭前の芝地)
*宗春は謁見で偉そうにしているだけで目立った動きは無し、事敗れるを聞いた茶室で小指立ててお茶啜ってる中尾彬が妙に可愛い。実は忍者の小鈴は茜と旧知、「お七ちゃん」「茜ちゃん」と呼び合うのが面白い。ラス立ちでは茜が小十郎を「お七ちゃんの仇」と憎しみを込めて斬る。小十郎弱すぎ。


第33話「鳶口一本、炎の男道!

 駿府城代の暗殺、凶器の鳶口は辰五郎が龍虎に与えたもの。裏には城代の後を襲い、産品の横流しで私腹を肥やさんとした大番頭らの陰謀が渦巻いていた。久々登場の初期メンバー・龍虎を起用、サブちゃんと男の友情で泣き入る人情劇を展開。

 ロケ地、駿府城代・田辺肥後守が暗殺される屋敷の庭、嵐亭延命閣。鳶口のことで辰五郎が誰かを庇っていると話す新さんと忠相、桂川松尾橋上手中州流れ込み前汀。駿府城、二条城本丸櫓門を側面から。城下をゆく才三、仁和寺塀際。昼を使う才三に接触する龍組の佐吉、摩気神社本殿。事の仔細を鳩に託し放つ才三、本殿裏手。龍虎の女房を伴い江戸へ向かう才三がゆく街道、嵐山自転車道(事後、女房と駿府へ帰る龍虎も同所)。女房と再会の龍虎、仁和寺観音堂脇。
*悪役陣、大番頭に川合伸旺、駿府勤番組頭に小沢象、北町与力に中田博久と豪華。駿府城代暗殺の瓦版に群がる民衆の一人に福ちゃん、道具箱担いだ大工。*じいに賄賂の最中、餡の中に小判仕込み。近頃では珍しいかも。


第34話「潜入!いれずみ湯の風来坊

 島帰りの入墨者を引き込みに使う凶賊、裏には火盗改という図。縁あって真面目に働く若者が彼らの道具にされかかるが、新さんの目にとまって万事メデタシ。

 ロケ地、母の病平癒を願いお百度を踏む平太、鳥居本八幡宮。引き込みをつとめた源助が消される汀、大覚寺大沢池(池ボチャ)。平太を入墨のことで脅す賊の手下、五社明神。源助の死体が上がる大川、嵐山公園中州下手河原。怪しい口入屋にカマをかけた帰り襲われる浪人姿の新さん、二尊院紅葉の馬場。やっつけられ逃げた一味を追った才三が火盗改に捕まる、大覚寺五社明神。事後、平太のことを話す上様トリオ、阪口青龍苑
*平太に坂上忍、賊の首領に大木正司、火盗改長官に内田勝正。ラス立ち福ちゃん入り、火盗改方で羽織袴。*タイトルは入墨者ばかり入りに来る深川の湯屋、風来坊はニセ墨入れて風呂屋に行ってみる新さん。


第35話「廓祝言、一夜の花嫁

 過去の悪行を償おうとした男、女郎になっていた被害者の遺児を身請けするが、ワルの手が伸び心中を偽装して殺されてしまう。お話は生き残った女を中心に進み、真実を知って自棄になる彼女を前向きにさせる新さんたちの話や、法制度に悩む上様なんかも描かれる。ワルは悪徳商人と結託して手抜き工事しまくりの材木奉行。

 ロケ地、縁日で元火消しの周蔵を見かけて声をかけるめ組の衆、今宮神社(楼門、境内、高倉脇坂、地主社他各所)。周蔵とおこのが「心中」して見つかる大川、広沢池東岸。放火され悉く焼死した日向屋の生き残りの娘・おいく(おこの)が引き取られた平塚村を訪ねて街道をゆく才三、不明。材木奉行の悪行を聞き怒りまくりの田之倉、阪口青龍苑(上様鯉に餌やりタイム)。周蔵がおこのにやった守袋と同じものを見る新さん、今宮神社楼門。平塚での調査を報告の才三は境内に茶店をセット。
*材木奉行に西田健、酷薄ぶりがナイス。


第36話「争奪!石田三成の密書

 改易をちらつかせ外様大名から金を強請る幕府総目付、真田家を狙う道具立ては家康を弾劾した戦国期の書付という大仰さ。信州まで出かけていった上様は、お家大事と密書奪還に燃える荒くれ武者と出会う。

 ロケ地、松代城、不明。蔵から密書を盗んだ賊と警備兵の戦闘、大覚寺五社明神。松代藩町奉行所、民家長屋門。新さんが宿をとる烏帽子岳山あいの鄙びた温泉宿、日吉山荘。横目付・大蔵が寝ていて爆破される山小屋、酵素河川敷。大蔵宅、民家門。宿から消えた怪しい男女を追いチャンバラの新さんと大蔵、谷山林道切り通し。町奉行・伊佐山邸、民家長屋門。何度か出た起伏の緩い山道、不明(傾斜地の田んぼか)
*熱血横目付に和崎俊哉、思い切り泣き入る設定で派手な演技。幕府総目付は遠藤太津朗でセコくて凶悪、手下の草入り忍に外山高士。


第37話「わが恋せし上様

 迷って奥庭に入り込み上様を見てしまうお半下女中・おみの、お城を下がってのちも慕情いやますばかり。そんなところへ現れる徳田新之助、おみのが語る上様「凛々しい」「あの方のためなら命も」の言葉に照れまくり。しかし彼女の父が増上寺修復工事をめぐる陰謀に巻き込まれ落命、健気な娘は恋を捨てて父の遺志を継ごうとする。

 ロケ地、おみのが上様を見てしまう奥庭、姫路城西の丸(植え込みの陰でぽうっと眺めていて、茜に不審者扱いで連れ去られる)。増上寺修復工事現場、粟生光明寺本堂裏手にビケあしらい。上様ラブでお参りのおみの、上御霊神社本殿脇祠。お葉と連れ立って来るおみのが新さんとばったり会う道、大覚寺放生池堤。大工の久助が暗殺される夜道、五社明神本殿脇。ならず者に拉致されかかるおみのを助ける新さん、上御霊神社本殿裏。上様を見たと語るおみの、大覚寺放生池畔。現場で材の不正をチェックした帰りおみのの父が暗殺される夜道、五社明神。この報告を聞く上様、姫路城西の丸(弓のお稽古中、背後に天守)。おみのの父の葬儀、神光院中興堂。父の墓に遺志を継ぐと誓うおみの、二尊院墓地(新さん、ここで上様とバレ)。おみのが父の書付でライバル大工を呼び出す「光明寺」、暗殺者が出て危機は神光院本堂脇、無茶を諌める新さんは粟生光明寺山門(粟生の部分を避けて看板を映す)、別れて歩み出す新さんは石段踊り場で才三が黒幕の正体を報告。
*暗殺者の浪人は凄腕で邪剣の持ち主、同門設定で山田朝右衛門が登場。逆手斬りを受け止める緊迫の殺陣。*締めくくりナレーション問題発言アリ、「吉宗は若者のような心に還っていた」って…ついこの前まで「まだ若い吉宗」とか言われてたのに。


第38話「風雪!子連れ母唄

 たちの悪い殿様が臣下の妻女をつまみ食いしようとして、夫に親友を差し向け上意討ち…なんかどこかで聞いたようなお話の殿様が菅貫だからもうたまらない。友を斬ってしまった男が遺児を連れて母を捜すのが以降のお話。この悩める武士を演じるのは大出俊で、殿の邪まを知るや暴発、菅貫を斬りに行って返り討ちとなる。

 ロケ地、安次郎とおさいが船上で殺されるお尋ね者を見る川端、嵐峡船着き。逃がし屋一味の殺し屋が高倉市之進と報告する庭番、大覚寺心経宝塔前林間。藤井岩見守のことを話す上様トリオ、小体な庭、不明。藤井寓居、中山邸通用門。釣りの高倉と小一郎、大覚寺大沢池堤下汀(新さんが来て高倉を問い詰めるのは堤上)。高倉に岩見守が逃がし屋の黒幕と告げる新さん、天神島。小一郎と母を会わせてやる寺(効果音が木魚)二尊院紅葉の馬場
*福ちゃん二態、小一郎が母を探して入った酒肆にいた客で職人、あとはラス立ちのお侍。


第39話「偽将軍様の悪党退治!?

 若い藩主に毒を盛り弟ぎみを立てて藩政を壟断しようとした一味が、自らの策に足をとられる話。町で新さんを見かけたワルは「そっくり」と呟き悪企み、偽将軍を仕立てて次期の座に口添えさせようと図る。ワルどもに陥れられた忠義の士を恩人として助ける、元盗っ人の姐さんの哀話が横糸に。

 ロケ地、新さんをつけ回すお弓、そのことを告げる才三のいる茶店、二尊院門内茶店(お弓は門柱の陰)。遊んでやるとわざとお弓の横をすり抜けてゆく新さん、紅葉の馬場を遠景に参道。お弓の芝居に乗って岡っ引から逃げ、船に乗り込む新さん、広沢池東岸。お弓が新さんを連れ込む隠れ家、中山邸門。死に瀕しても忠義を忘れぬ神崎に泣くお弓、大覚寺大沢池(夜)。事後、お弓のその後を話す上様と田之倉、阪口か。
*村上藩家中にお馴染悪役陣がわんさか。中田浩二、曽根晴美、高野真二、五味龍太郎とこてこて。このうち高野氏は江戸家老で善玉。元莫連女の寝待のお弓に蜷川有紀。お弓の回想、大酒呑みの父が作った借金を取り立てに「じゃかぁしいワレぇ」と土足で入ってくる男、福ちゃん。


第40話「お泣き地蔵の恋

 眠り薬を使う賊あり、表の顔は薬屋で裏には御薬園奉行。この賊に目明しの父を殺された娘と、島流しになった盗っ人を父に持つ許婚者の情話が展開され、ワルだけさくっと始末されてメデタシ。

 ロケ地、怪しい薬種問屋について報告を聞く新さん、縁日と茶店は大覚寺大沢池畔にセット。賊による火事の件で報告を受ける上様、庭不明(紅葉)。お泣き地蔵、大覚寺放生池堤石橋たもとに設置(ここを中心に護摩堂や五社明神を映し込む)。小石川御薬園、不明(水場、遠景に大きめの懸魚がついたお堂)。御薬園奉行が荒くれを集めている隠れ家、中山邸門。
*御薬園奉行に亀石征一郎。*め組に使われかけた毒に新さんが化学実験を敢行、湯に溶いたそれに簪を漬けるとじゅわー…そんな毒口に入らないって。


第41話「対決!みちのく恋風剣法

 参勤交代の途中で旅費が尽きたりする金欠大名、しかし財政再建に邁進する勘定方をハメにかかる江戸家老がいた。上様、今回は商人・徳田屋に化けて千手宿に足止めを食っている弘前藩一行を救いに出張る。牢に入れられて「目から光線」でならず者をビビらせたり悪ノリまくり、田之倉のじいまで番頭・孫兵衛などと称して出てきたり。

 ロケ地、津軽土佐守の大名行列がゆく山道、谷山林道(国元から金を届けに来た使者が襲われる場面等にも使用)。弘前藩の行列が千手に足止めとの報告を聞く上様、姫路城好古園御屋敷の庭(背景に滝組)。道中奉行・望月主馬の回想、婚約者の千加にワルの一味と言われ拒否される弘前城下の街角、好古園茶の庭前路地(クレーンショット、遠景に姫路城)。千手宿はずれ、同士に紹介される千加、下鴨神社河合社(このあと主馬に詰め寄られ当身を食らうのは鳥居下、見張りの才三は向かいの三井社にいる)。事後、連れ立って国へ帰る主馬と千加、罧原堤下河原(茶店と馬あしらい)。二人が無事発ったと報告を受ける上様、姫路城好古園流れの平庭(曲水の橋上)
*狙われる勘定方に西沢利明、道中奉行に大橋吾郎、ワルの江戸家老と結託する幕閣に深江章喜。


第42話「木枯しも泣く迷子石

 親身になって迷子を世話する職人、自身も捨て子という身の上で棄てられた因である高利貸しを憎むこと甚だしく、心理に付け込んだワルに操られ悪事の片棒を担いでしまうのだった。

 ロケ地、迷子石、仁和寺参道傍らにセット(向かいに重ね鳥居などあしらい、金堂や中門、塔が映り込む)。逃げ出した栄太が新さんにぶつかりコケる、九所明神。寺社奉行大検使と悪徳両替商が密談の門跡・青松院、常寂光寺仁王門。乱暴な借金取立てをしたヤクザが火盗改の北岡にツナギをとる茶店、仁和寺茶店。火盗の用をつとめる仙太郎を諌める新さん、上賀茂神社神事橋たもと。盗賊一味が約束の金をとる石灯籠、仁和寺九所明神の織部灯篭火袋。北岡が手先の岡っ引を始末する川端、中ノ島橋下に船を係留(斬られてドボン)
*大検使に江見俊太郎、カーン/断罪のあと「上様が代われば世も変わる」が笑わせる。福ちゃんいっぱい、口入屋のチンピラ、高利貸しの用心棒、ラス立ち侍と多彩で茜にも斬られてうわぉ。


第43話「天下を正した切腹訴状

 真っ正直な役人が汚職塗れの役人に追い詰められ、目安箱の前でハラキリ。国元から娘が父の仇を討ちにやって来て、女を武器にワルの暗殺を目論むが道半ばに斃れる。娘を看取り恨みの籠った簪を託された上様は、ワル一堂に会す座敷にそれを投げ込み成敗の嵐。

 ロケ地、高木武兵衛が切腹する評定所門前、大覚寺大門。江戸へやって来たお栄がならず者にからまれるのを助ける新さん、大沢池畔。お城の庭で報告を受けるシーンは嵐亭延命閣。お栄らの墓、黒谷か。
*お栄の請け人になったおさいは投獄されるが、辰五郎の差し入れで牢内でどんちゃん騒ぎ。牢名主になったりして、料亭の女将を酔わせ証言聞き出しなどもやる。*ラス立ち福ちゃん入り(家士)、才三にも斬られる。


第44話「春を呼んだ喧嘩そば!

 勘定所の役人と町娘の恋、しかし青年は汚職を暴く使命の危険さゆえに娘を遠ざける。娘がさらわれ証拠の印籠が要求されるが、このとき青年の心底を見た娘の父は単身ワルの待つ館へ乗り込んでゆく。このオヤジが品川隆二だから、べったべたの情話がしゃきんと収まる。痛風持ちの仕草なんかサイコー。

 ロケ地、おひさと父・市助が参る母の墓、亀岡の墓地か。帰り道に招じ入れられる浄円院の清涼庵、法然院山門。城内の庭のシーンは姫路城好古園・築山池泉の庭をいろんなアングルで。おひさに別れを切り出す佐々岡、梅宮大社神苑。人の恋路に介入の新さんがおひさと話すのは境内。老中に船手奉行の悪行を報告した佐々岡が帰途襲われるのは神苑・咲耶池の北。
*「喧嘩そば」は品川隆二のオヤジが昔暴れていた時分の通り名「喧嘩市」から。辰五郎に鉄拳制裁を食らう回想シーンがある。*最終話だからか、とってつけたかかのように登場の「母上」玉緒ちゃんだが、ちゃんとお話にからめた上様幼少時の挿話もある。*勘定奉行を毒殺する一味の花魁は、身請けしてくれないと知るや「お上に訴える」→始末の流れ。この現場の屋形船の船頭が福ちゃんで「何かありましたか」と入ってきて斬られる。


参考 全話リスト


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