世直し順庵!人情剣

2005年10月〜12月 テレビ朝日/東映

キャスト
河合順庵/藤田まこと
おみつ(医師見習い)/中村瑠璃亜 藤森清三郎(医師見習い)/風間俊介
およう(酒肆「うきよ」経営)/池上季実子 吉松(目明し)/内藤剛志 長谷部総十郎(与力)/島田順司

 剣とタイトルにあるが決めの得物は針、ぶっとい奴で何本も箱にしまってある。出がけに突くポイントをおさらいして出ることもあるが、磨く・研ぐ等の描写はない。
ドラマは、順庵がこの暗殺針を用いて許せぬ悪を成敗するに至るプロセスを描く。
仕留める相手が複数にわたる場合などには、刀も用いる。針は基本的に投げて刺し、回転して飛んでゆくこともある。ヒットの表現にはCGが用いられる。
順庵は深川で開業するシーボルトに師事した医者で元武士、口癖から「手遅れ先生」と呼ばれている。与力の長谷部とは剣友。いつも大ワルには手を出せぬと順庵に愚痴をこぼし暗殺を教唆する感じの長谷部だが、明確な指示はせず金銭の授受もない。


第1話 2005.10.17

勝持寺参道 幼馴染の女を身請けしたかった男は賊を強請るがそのまま仲間に引きずり込まれ、帰らぬ男を案じて女は持病を悪化させる。これを診た順庵は男の帰還が最上の薬と探索、しかし男は賊の隠れた首領の手にかかり落命。犯人バレバレ状態なれどバックに尾張藩がおり手を出せず、闇裁きに至る。ところで殺した木曽屋を診るのも順庵というトンデモ、「手遅れ」でオシマイ。

 ロケ地、おしんが女衒に連れて行かれる村はずれ、不明(小さな萱葺きと幼杉)。おしんの家近くの路地(番屋を釈放された由蔵が入ってゆくシーンと、政五郎がこっそり戻ってくるシーンに登場)勝持寺参道(西側の生垣にデコレーション)。賊の黒幕・木曽屋を暗殺する順庵、上御霊神社本殿裏手

・本編にはサブタイトル無し、テレ朝サイト「廓の女」/東映サイト「悪党どもに正義の仕置きを!!二つの顔を持つ新ヒーロー登場」


第2話 2005.10.24

わら天神本殿脇 大筋は薬種問屋乗っ取りの陰謀、おみつにつきまとうストーカーや、地回りのショバ争いに欲深い生臭法眼と騒がしい作りで死人も続々。おみつの出生にまつわる情話も挿まれ、のうのうとのさばる悪は手遅れ先生がさっくりと始末。

 ロケ地、地回り・勝五郎とつるむ法眼の金銭授受イメージカット、大覚寺大沢池木戸前(遠景に五社明神)。勝五郎に操られた長助が吉松親分を呼び出す八幡さま、わら天神本殿脇。薬種問屋の馬鹿息子が消されて見つかる、大覚寺御殿川参道石橋下河床(遠景に勅使門橋)
*順庵の仕置、得物は前回と同じく針だが飛ばさず近寄って刺す×3人。順庵の犯行丸わかりのシチュエーションだし針残してくるし…ぽっくり逝ったことになっちゃう不思議ワールド・深川。

・サブタイトル テレ朝サイト「父と娘」/東映サイト「父の秘密と娘の涙…人の命で儲ける奴らに天罰を!!」


第3話 2005.10.31

ならの小川 吉松親分を騙って弱い立場の者から金を毟り取るワルが出て大騒動、親分が刺されて運び込まれるほか、検死や急患で診療所は救命センター並みの忙しさ。騙りの元岡っ引の背後にいたワルは小役人の手の届かぬところに行ってしまった・手遅れと長谷部さま今回は「な?」とか言って限りなく教唆っぽい。

 ロケ地、「身投げ」の夜鷹が見つかる河原、中ノ島橋下手河原。その女の人相書きを持って聞き回る吉松、大覚寺大沢池船着(大)。酒肆からの帰り万年橋近くで刺される吉松、大沢池堤。重傷をおして捜査に出る吉松、下っ引きに肩を借りてゆく道、放生池堤。吉松に止めを刺しに現れるおきく、有栖川畔。おきくを追いかける榊原同心、五社明神裏手。おきくが逃げ込む縁日、上御霊神社境内(矢八に刺されるのは本殿裏手)。順庵に仕置される書役、上賀茂神社ならの小川畔。
*書役・金井誠之助に宮川一朗太。

・サブタイトル テレ朝サイト「悲しい目をした女」/東映サイト「悪どい金で出世を買う男!だまされた女と父の愛…」


第4話 2005.11.7

大沢池北東畔・遣水跡 阿片がらみの話、出自を侮られ出奔した青年医師は江戸でワルの片棒を担ぐならず者に成り果てていたが、長崎から追って来た恋人の思いはぎりぎりのところで届く。

 ロケ地、長谷部と並んで竿を垂れ望月家の内情について話す順庵、桂川松尾橋下手右岸河原の水制上。暗闇の政を訪ねた志津が長崎へ帰ろうと迫るお宮さん、大覚寺五社明神。大目付・望月将監上屋敷、大門。政に危険が迫っていると知らせに日野屋の離れに駆け込む志津、望雲亭。追っ手から逃げる政と志津、御殿川有栖川の河床。事後、望月家のその後を語る長谷部、二人して蕎麦を手繰る茶店は梅宮大社神苑汀に床机をあしらい。長崎への道を辿る政と志津、大覚寺大沢池北東畔・遣水跡(彼岸花あしらい)
*今回の仕置は剣と針を併用。突き方がなつかしい某昼行灯のセコ突きに見えてしまう。古ダヌキ長谷部さま、大ワル次男坊と手下の死を不思議なことと語りまたまた「な?」で済ます。冒頭阿片のオーバードーズで頓死の彦六に映画村で寺子屋の先生などしている川鶴さん、福ちゃんは阿片窟もある望月家下屋敷の賭場で中盆、お客には宗匠姿の小峰さんもいる。

・サブタイトル テレ朝サイト「長崎から来た女」/東映サイト「長崎から来た女の恋…極悪旗本次男坊に闇の仕置を」


第5話 2005.11.14

仁和寺観音堂前から塔を望む 診療所の見習い・藤森の過去が明らかに。お話は、彼の兄の仇という浪人と、辻斬りを請け負い遂行するも消される食い詰め浪人と、それぞれの夫婦愛を描く。弟子がなんとか恨みを振り切ったのを見届けた順庵は、ライバルを殺してのし上がったお大尽を仕置に向かう。

 ロケ地、藤森の言動に泣くおみつにそれは初恋と告げるおよう、仁和寺水場脇石段。考え込む藤森に仇討ちはダメと釘を刺しにくる順庵、経蔵。そのあと狂ったように素振りの藤森、塀際草むら。兄の仇・戸田浪人と対峙する藤森、観音堂前。
*幕閣から近江屋への手出しを止められたとぶちぶち愚痴る長谷部さま、だからねという感じで「先生!」とほぼ強要か。あまりにもあからさまな「仕置」が笑える。

・サブタイトル テレ朝サイト「仇討ちの女」/東映サイト「涙の仇討ち!夫婦愛を踏みにじる悪い奴に天罰を!」


第6話 2005.11.21

大覚寺大沢池船着 姐御肌の壺振り女・おさいの心底を見て道を説き更正をはかる順庵、彼女がケジメると向かった相手は人心売買をはたらくワル。しかし外面は仏の両替商は役人に鼻薬をきかせており、今度も「手の出せない相手」。

 ロケ地、おはるが縊死体で見つかる大川端の林、大覚寺大沢池北西畔の木。仲間を案じて訪ねた先で義憤にかられて口を出したおように礼を述べるおさい、中ノ島橋。十文字屋の寮、大覚寺放生池堤北詰に入口をセット。順庵とおようを呼び出し更正すると告げるおさい、大沢池船着(大)に茶店の床机あしらい。おはるの墓にケジメをつけると誓うおさい、大沢池畔(庭湖石が背後に)。寮に踏み込まれ船で逃走する十文字屋と用心棒、大沢池北辺水路にゲートをセット。
*今回の相手に関しては長谷部さま「上からのお達しでダメ」→針を出してくる「儀式」もナシの仕置でルーティン化か。*林のシーンのアイキャッチにアオバズク、声入り。

・サブタイトル テレ朝サイト「壺振りの女」/東映サイト「幽霊の声と誘拐された娘達!順庵に惚れた極道女…」


第7話 2005.11.28

随心院薬医門 大川の土左ヱ門は殺しと見る順庵、幼馴染の死の真相を探るべくおみつが大奥潜入。変死は他にも一件、御側室のもとに通ってくる男を見たせいだった。側用人を殺った順庵が、何食わぬ顔で診察してスズメバチにやられたなどとのたまうお笑いもある。

 ロケ地、大奥勤めのお藤が土左ヱ門で見つかる大川百本杭、嵐山公園中州下手河原。江戸城イメージ、姫路城天守。大奥七ッ口、大覚寺明智陣屋(唐破風と遠侍のみ映るアングル)。自身が大奥へ入る算段を長谷部さまと話す順庵、茶室続きの廊下、不明。須磨の方が参詣の善正院、随心院薬医門。医師をと叫ぶお女中に応える順庵は門前の待合。

・サブタイトル テレ朝サイト「大奥の女」/東映サイト「江戸城大奥(秘)物語!お局様の野望と愛欲の果て…」


第8話 2005.12.5

桂川 北町同心・榊原一馬の悲しい恋、ふと心通わせた女は人の囲い者。しかも「旦那」はどす黒い野望を隠しもせぬ男、いくたりもの人を泣かせたその悪鬼が女を手にかけしかも開き直るに及び、仕置の針がじゃきーん。

 ロケ地、おとせに「昔の女」である姉の話を聞く順庵、桂川罧原堰堤下手河原に茶店あしらい(投網の漁師も演出)。火盗改役宅、大覚寺明智門。仙吉の獄死後、みんな黒田が裏でと叫ぶおとせ、上賀茂神社ならの小川(背景に巫女が神事橋を渡る姿を演出)。仙吉とおよしの墓、不明。長谷部に犯行を指摘されるも開き直り却って脅しにかかる黒田、妙心寺法堂・方丈間回廊下。仕置される黒田と手下、随心院土塀際。おとせの墓、鳥居本八幡宮舞殿裏手(小柴垣をあしらい)
*火盗与力・黒田以蔵の手下に福ちゃん、共に押し込みもやる。

・サブタイトル テレ朝サイト「囲われた女」/東映サイト「悪党に囲われた女の涙…火盗改めの罠と陰謀を暴け」


第9話 2005.12.12

上御霊神社高倉 順庵の患者もさらってゆく評判の女医、しかし彼女が処方する妙薬は麻薬で抜け荷の品。女を操るワルは今度も手の出ない相手で闇裁きとなる。女の父である医師は聖人だったが、それゆえに妻子を泣かせたという因果がドラマの要諦。

 ロケ地、長谷部さまが順庵に悪徳商人と組んだ役人の悪行を告げるお宮さん、上御霊神社高倉
*女医の妙薬はマンドラゴラという、トンデモ設定。ワルの手下に「田中さま」山内としおがいて仕置されるのも一興。ED部分に吉松親分の検分シーンがあり、何か気付いたっぽい含みを持たせてある。箱の「針」は三本になっているが意味は不明。

・サブタイトル テレ朝サイト「医者に背を向けた女」/東映サイト「順庵最後の大仕事 奉行と悪徳商人の陰謀を暴け!」


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