1979/10/25-1982/3/25テレビ朝日/東映 (全113話)
第41話 「紅い幽霊屋敷」 1980.8.14
稚気ゆえ仕出かした、悪戯に等しい意趣返しが、ほんものの仇討ちに変じる椿事。長さんの手配りに加え、国許の殿様差し回しの「正義派」が、悪党の手から娘を守る。
ロケ地
- 霊岸島の「幽霊屋敷」である元山形屋寮、中山邸。門に廃屋ふう小道具あしらい、ここへ来る道に朝鮮石人像と「参道」。
- 長さんとおみつが行商のおふみを助ける街道、谷山林道か。
- 長さんが山形屋と最上屋の因縁を聞きに行く伊豆守邸、相国寺大光明寺石庭。今回は庭の隅っこにミニ菜園があるという趣向で、茄子を収穫。石庭にはいつものガーデンセットもちゃんと置いてある。
- おふみの弟の回想、父母の死後きょうだい三人で房州の親戚を頼っていった道、桂川河川敷(礫河原のロングと荒瀬の汀)。
- 家老の手先をつとめていた谷村が、弟を案じ寮に侵入したおふみを追って斬り、水に蹴落とした川端、広沢池観音島。ここでおふみの遺留品を見つけた伊助が長さんに報告する橋たもと、中ノ島橋たもと(中州側、背景に堰堤の落水)。
*紅花問屋・山形屋の遺児・おふみは佐藤万理、妹を問い詰めて弟が仕掛けた幽霊芝居を知る運び。殿の密命を受けていた谷村は剣持伴紀。山形屋を追い落とした悪徳商人は守田比呂也、結託していた江戸家老は北原義郎で腹心は五十嵐義弘。山形屋は石浜祐次郎、井戸に身を投げした、琴が得手だった妻女は小林泉。
*幽霊屋敷の仕掛けがベタで大笑い、後で調べに入った杉山と太助が、吾兵衛が放置した重箱を漁り、大酒を食らって寝込んだすえに「見る」段も傑作。
第42話 「暗殺!死を賭けた友情」 1980
亡き殿の仇と「松平長七郎」を狙う元松倉藩士たちだが、全くの誤解で悪党の使嗾。「結城長三郎」と剣友になっていた旧藩士は、武士道と人情の板ばさみになって苦悩する。
ロケ地
- 松平長七郎の似顔を渡された旧藩士たちが捜し回る市中、オープンセットと上賀茂神社神饌所裏手をミックス。
- 長さんがおみつとお参りに来たところを旧藩士たちに見られる神社、今宮神社。境内石畳脇に縁日の露店を演出。
- 松平長七郎を殺す相談をしているところを、通りがかった大工に聞かれ斬り捨てる小船稲荷、今宮神社稲荷社(相談はやしろの中で、大工殺しはぐるりを追っかけ廻したあと鳥居前。後で杉山のダンナが現場を説明、日本橋小舟町の稲荷)。
- 長さんと剣の稽古をする浪人・長尾多聞、広沢池東岸。
- 多聞に声をかける元朋輩の梅沢、上賀茂神社ならの小川畔。亡君の仇・松平長七郎が見つかったと聞かされるのは奈良社。
- 娘を人質に取られた多聞が、長さんと対峙する町外れ、仁和寺九所明神。茂みから狙撃されるが、多聞が弾を受ける運び。
*長さんとタメを張る腕の持ち主設定の多聞は大木実、いい人で出てきたら死ぬいつものパターン。娘の八重は吉本真由美。旧藩士の束ね・梅沢は高野真二。彼らを使嗾する悪徳商人は小田部通麿、長七郎ぎみ暗殺で伊豆守や大久保のご隠居の失脚を狙う若年寄は五味龍太郎。 *松倉藩改易は隠れキリシタンがらみ、放浪中の長七郎が隠密と噂された件を悪者が利用。
第43話 「死に損ないの夢に咲け!」 1980.9.11
旅をしていた頃の長七郎が、一家心中から助けた娘の哀話。彼女はその後南蛮手妻の一座に売られて辛酸を舐め、今は悪党の手先となっていた。淡い恋のため儚く散る娘哀れ。
ロケ地
- 慰安に出た両国で弁当を売る浜乃家一同、金戒光明寺参道石段。上から下りてきたお久は三門で仲間と打ち合わせ、極楽橋で丁子屋の娘を拉致。橋は両国橋設定。
- さらった娘を船に積み込む一味、桂川畔。それを見送ったあと、長さんに誰何されるお久、嵐山公園中州下手端。
- 長さんの回想、お久を一家心中から助けた水辺、大覚寺大沢池水門際。設定は木曽付近か。長さんが駆けつけた時は他の家族飛び込み済み。
- 連続する誘拐事件のことをなつに聞く長さん、嵐山公園中州岸・桂川堰堤脇。
- お久に黒幕は誰か問う長さん、中ノ島橋上。
- お嬢さまがさらわれて慌てる丁子屋の手代を呼び止め事情を聞くお久、金戒光明寺永運院下坂。
- 誘拐現場を調べている手代に、調べて知らせると告げるお久、金戒光明寺三門。手代がお嬢さまと祝言予定と聞かされるのは三門下石段(見上げ)。
- 好いた男が別の女と結婚すると知り、落ち込んで水に石を投げるお久、中ノ島橋下背割上。長さんが来て説教まじりに話すのは橋下手河川敷。
- 黒幕の能役者・狛江新之丞邸通用門、相国寺玉龍院門を放生池越しに。探る伊助は池の植え込み際(内側=池側)に。後段、ここでお久を抱えた長さんが放生池に逃れる場面も。ラストには閉門の竹矢来が演出される。
- 狛江のことを長さんに報告する伊助、嵐山公園中州岸・桂川堰堤脇に茶店仕立て(緋毛氈の床机と朱傘あしらい)。
- 伊豆守に会い、狛江のことで念押しする長さん、相国寺大光明寺石庭(野点)。
- 千石屋と狛江がさらった娘たちを船に積み込もうとする川端、広沢池東岸。土手上に海鼠壁仕立ての大がかりな塀をあしらい。成敗に現れる長七郎ぎみは、いつもの浜乃家の半纏ではなく、知盛の衣装をまとい「船弁慶」を吟じつつ現れ、派手に水しぶきを上げて大立ち回り。
- 事後、お久の墓に参る長さん、金戒光明寺墓地(背景に文殊塔)。
*お久は鶴間エリ、手代は水上保広。お久を操る親分は大木正司、悪徳商人は長谷川弘、将軍ご贔屓の能役者・狛江は石濱朗←出自がアレで世の中金じゃ主義者。ラス立ち福ちゃん入り、狛江の家臣で桟橋から広沢池に背中からダイブ。
第44話 「恋も一途の仇討奉公」 1980.9.18
連続する辻斬りは物盗りに非ず、的の隠蔽に無辜を巻き添え。実行犯は仇持ち侍で、性根腐り果て悪党の手先に堕ちていた。彼に仕える、忠義の折助の情話が主題。
ロケ地
- 病に倒れた又平が先代と金吾に助けられた街道、不明(池端か)。
- 先代が佐々山大膳に斬られた津山の城下、不明(作り物っぽい石垣際、奥に楼門らしきシルエットも)。
- おさんの勤め先へ会いに来る又平、二人話す裏手は中ノ島橋たもと(中州側、堰堤の落水や欄干映り込み)。
- 金吾の回想、佐々山に挑むも敗れ、惨めに命乞いをした鎮守、鳥居本八幡宮。
- 又平が自首したあと、失踪した金吾を捜し回る浜乃家の衆、中ノ島橋上。
- 金吾の立ち回り先や、佐々山の現況を長さんに報告するなつと伊助、三人が下りてくる石段は神護寺石段。
- 伊豆守に会いに行き、又平の釈放を求める長さん、阪口青龍苑池泉。
*又平は森川正太、おちゃらけ一切無く糞真面目。恋人のおさんは岐邑美沙子。又平の主・金吾は三上真一郎、仇の佐々山は佐藤京一で凶悪風味、これを雇う作事奉行は勝部演之、つるむ悪徳請負師は金井大。
第45話 「誰がための花かんざし」 1980.9.25
手に手をとって逃げたものの、追っ手に女を殺されてしまう男。自身も危ういところを長さんに保護され、浜乃家に。そこには、さっき死んでしまったはずの女が酔い潰れていた。
ロケ地
- お咲と松吉が追いつかれてしまう祭礼の神社のくだり、導入の神輿が練り歩く境内は上御霊神社本殿前、二人が逃げてくる竹林(祭礼の幟あしらい)、北嵯峨か。松吉が簪を購めている間にお咲が刺されてしまう境内、不明(現場は踊り場の石畳で露店あしらい、石段の上に鳥居)。釣り帰りの長さんが通りかかり騒ぎを聞きつけるのは広沢池東岸。
- 松吉が語る、お咲との経緯、船遊びの大川は広沢池東岸(船上)。お紋が長さんにお咲は双子の妹と明かす夕方の水辺は広沢池東岸。
- 伊豆守に会う長さん、嵐亭延命閣前庭(ガーデンセットあしらい)。帰り道の長さんを襲うならず者たち、広沢池東岸並木(若年寄の手下が正体を見てビビり)。
- 中州にある相模屋の寮、中山邸通用門。伊助は塀から忍び込み。撃たれた伊助を助け出した弥太郎が通る塀際、不明。
- お咲の墓、亀岡の墓地か(伊助の墓はその「山裾」)。
*相模屋の妾のお咲と、浜乃家常連の芸者・お紋は野川由美子。お咲を連れて逃げた船頭の松吉は亀石征一郎。回船問屋・相模屋は加賀邦男、大奥のお局さまを阿片漬けにしている若年寄は横森久で腹心は波多野博。ラス立ち福ちゃんと峰蘭さん(加賀屋に大刀を渡す役回り)入り。 *伊豆守が相模屋に入れていた手の者・武井弥太郎は川崎公明、レギュラー入り。 *伊助殉職、死に際の報告で長さんの正体が皆に知れる運び。長さんの扱いは今まで通り、外部にはナイショの取り決めが成立。
第46話 「情けが仇の父娘草」 1980.10.9
幼い頃からよそへ預けっ放しの娘に、せめてと届けた高貴薬はニセ薬。道を踏み外した父だが、長さんの説得と娘の悲痛な叫びに更生を期し、巨悪を暴く一穴に。
ロケ地
- 伊造が薬を取りに来いと告げた下谷五条天神裏、仁和寺五重塔西側の石畳に露店あしらい。父に与えたが効かなかったと怒り、文句をつけた峰蘭太郎の若旦那が消されるのもここ。その事件について長さんに報告するなつは大覚寺大沢池畔・船着(小)たもと。
- お梅が参る養母の墓、不明(高台の模様、卒塔婆立て付き。五輪塔映り込み)。
- 与えた人参が効かず養母が亡くなったとお梅に聞き、衝撃を受け詫びる伊造、仁和寺九所明神本殿前。
- 桝屋根岸寮に怪しの浪人たちがたむろ、と報告する弥太郎、大覚寺大沢池畔に木塀あしらい町角に仕立て。
- 桝屋と会津藩用人がもみ消し工作をはじめたと長さんに報告するなつ、大覚寺大沢池畔・船着(小)たもと。
- 長さんに諭されるも今夜一晩見逃せと走り去る伊造、仁和寺九所明神拝殿前。
- 桝屋に雇われた浪人たちが会津から来た岩人参を受け取る草加宿付近、砕石場か。彼らが始末される竜閑橋、中ノ島橋。
- 用人らがブツ受け取りに出向く草加宿、先の岩場と同所。
- 無罪放免となるも、娘には会わず長さんに見送られ旅立つ伊造、大覚寺護摩堂前。
*伊造は藤巻潤、お梅は佐久間真由美、養父は穂高稔。ニセ薬を国から運んで大儲けの会津藩用人は菅貫太郎、桝屋は弘松三郎で乱暴な雇われ浪人は中田博久。ラス立ち福ちゃん入り←虚無僧のカッコしてブツ運んできた侍、長さんに偈箱両断されてあわわ。
第47話 「金襴緞子の影で泣け!」 1980.10.16
娘が玉の輿に乗りご機嫌なオヤジが、過去の罪状をタテに悪夢のどん底へ落とされる。その「罪」は過去の長さんがらみでしかも冤罪、因縁は解きほぐされ悪人は一掃され、お祝いのやり直しでめでたくシメる。
ロケ地
- 源さんが役人を突き落としてしまった日光山中の崖、保津峡落合落下岩。回想シーンは真っ赤で転落の模様を描き、源さんの告白シーンで全ての顛末が語られる際はリアルカラー、逃げてゆく源さんのシーンは崖道・奥に落合トンネルから来る道が見えている。
- 江戸を売ろうとした源さんを目ざとく見つけ脅す侍、広隆寺東塀際(境外)。木の脇に祠あしらい。
- 長さんの回想、六年前会津から日光へ抜けようとして遭難した雪山、イメージの雪嶺は不明、遭難シーンや源さんの炭焼小屋はインドアセット。
- 伊豆守を訪ね源さんを脅している伊豆代官のことを話す長さん、嵐亭延命閣前庭。二人で弓のお稽古。門は映画村オープンセット。
- 娘と若旦那が未来の夢を語るのを見かける源さん、広沢池観音島。
- 源さんの娘がさらわれ監禁される三島屋寮、中山邸門。
*源さんは遠藤太津朗、娘は山本ゆか里。元日光奉行で現伊豆代官の汚職政治家は睦五郎、源さんを脅しに来る強面の腹心は宮口二郎、悪徳商人は城所英夫、実は生きてて源さんに恨み骨髄の崖落ち役人は北九州男。 *長さんの遭難が自棄になっての行為と語られる、哀切な一幕が秀逸。身分バレして日が浅いので、長七郎ぎみネタも満載。寮から娘を助ける際の弥太さんの得物がちょっとコワい。
第48話 「命みじかく三十両」 1980.10.23
父の眼を治したい孝行娘に、悪党が付け入るよくある話。しかし、娘は忍者で悪党は凶賊というドラマチックな構図。手を汚す決心をするものの、人殺しなどできなかった娘を、長さんがフルサポート。
ロケ地
- 凶賊・小草履組がおせつを連れ込み仲間になれと迫る鳥越神社、仁和寺二王門(境外からのショット、遠景に塔)。うなだれて帰るおせつが通る塀際、境内か(足もと草深い)。
- 賊のかしらが大目付邸へ入ってゆくのを見届ける弥太、大覚寺参道石橋〜大門。弥太は橋の欄干を乗り越え御殿川におりて、大門を河床から覗く。
- おせつに小柄を投げて「試す」長さん、仁和寺観音堂脇。おせつは跳躍してお堂縁先に飛び乗り。
- おせつが賊と会っていたと報告するなつ、大覚寺五社明神。
*おせつは日向明子、剣客の父は小林昭二。賊のかしらは石橋雅史で手下に堀田真三。黒幕の大目付は安倍徹←曰く付きの道具盗ませて大名から大金を掠める大悪党。賊に入られる商家の主に山村弘三、中村錦司。町医者が柳川清で奥医師は疋田泰盛、体の養生からはじめなければ難しいという見立てが、奥医師にかかると一瞬で目開いて荒っぽいのなんの。 *小草履は賊どもが揃って履くもので、甲州で何とかかんとか出てくるが一言だけであとのフォロー出ず。とりあえずヤラしい意味は無いみたい。 *身分ネタがしつこく入っている。
第49話 「仇討ち・木曽節しぐれ茶屋」 1980.10.30
木曽からきて江戸の片隅に暮らす父子には、辛い過去。再び同じ悪党ばらが彼らの幸せを突き崩したとき、娘は「中乗さん」の衣装を着込み仇の屋敷に殴りこむ。
ロケ地
- 三次を捜し夜の町を呼ばわって歩くおさき、不明。同じく三次を捜す藤兵衛は嵐山公園か(石積から見上げ、松あり)。
- 三次を捜す捕り方が出る夜の橋、中ノ島橋。人数がどっと橋上を渡ってゆき、橋下に三次がいる図。
- 武蔵屋の駕籠を襲う三次、上賀茂神社ならの小川畔〜校倉脇。
- 父の遺骨を抱いて三次とともに故郷へ帰るおさき、道端に竜胆咲く中山道は北嵯峨農地・農道。
*おさきは三沢あけみ、父・藤兵衛は小栗一也、元おさきの婚約者で悪党にたばかられ佐渡送りになった三次は長谷川明男。悪徳材木商は天草四郎で強面の番頭(後段のなつの台詞では手代に降格)は黒部進、つるむ材木石奉行は外山高士。冒頭、魚河岸の闘鶏で喧嘩沙汰を起こし杉山のダンナを殴る男に福本清三、クレジットは「ごろつき」。
*闘鶏が大はやりという背景を持ってきて、藤兵衛が軍鶏を仕立てる名人。奉行がその軍鶏を欲しがる運びで、動機は屋敷で闘鶏を催しズルで丸儲け狙い。小道具のトリさんは長さんにポイポイ投げられてお気の毒。
第50話 「殉死!悲しき武士道」 1980.11.6
先代の殿に殉じようと心決めて生きる侍、彼が煙たい向きはその事情を利用しての始末をはかる。彼を真の武士と見込んだ長さんは、己が身分を明かして説得するのだった。
ロケ地
- 太助と釣りに出た長さんが、抜け荷を摘発して危機に陥っていた烏山藩目付を助ける川端、広沢池東岸。
- 烏山城イメージ、彦根城佐和口多聞櫓をいろは松越しに望む図。
- 烏山藩江戸家老が悪徳商人と密会する屋形船、広沢池。船頭が弥太、芸者がなつ。
- 国元から戻る途中の村田が路傍の地蔵に祈る街道、北嵯峨農地農道。妹の祝言を終えて、悪党を退治し終えたら先君に殉じると独白。
- 長さんが伊豆守に村田のことを話す庭、嵐亭延命閣前庭。伊豆守は弓のお稽古中。
- 村田の妹に会い励ますおみつ、神泉苑。おみつは法成橋を渡ってやってきて、くめのいる善女龍王社脇へ。高所からのアングルあり。
- 駿河大納言の死後、一人生き残った身の惨めさを説いて村田を説得する長さん、広沢池東岸(村田は例え話のみで「身分」に気付く)。
*村田は中野誠也、妹のくめは三浦リカ、彼女と祝言予定の部下は谷岡弘規。抜け荷でウハウハの江戸家老は川合伸旺、腹心の留守居役は綾川香、グルの悪徳商人は田島義文。善玉の国家老は永野辰弥。
*まだ殉死が禁じられていなかった旨、締めのナレーションで語られる。村田の殉死は回避され、出世して浜乃家へやって来る際は豪華キラキラ羽織を着込んでいる。
第51話 「影が狙った振り袖剣法」 1980.11.20
長さんが助けた若衆と郎党、あるじの方実は女で、許婚者が失踪と聞きはるばる津軽から駆けつけたもの。彼女の恋人を監禁していた悪家老どもは長さんに成敗されるという常道だが、恋文を読んで感動したおみっちゃんが暗号を見つけたり、東北弁の郎党があるじを庇って死んじゃったりするのが妙味。
ロケ地
- 杉山をやり過ごした小枝と治六の主従が渡る橋、日吉大社二宮橋。渡ったところで浪人どもの襲撃。
- 刺客に追われた主従を助ける長さん、日吉大社白山宮下坂。この前に、配達帰りの長さんとおみつが境内を歩くシーンがある。
- 津軽藩上屋敷を出た家老の駕籠が着く料亭、嵐山公園・錦。中で悪徳商人・陸奥屋と密談。
- 小枝の回想、恋人・伊織が江戸に発つ前日、稽古帰りに二人話した橋は日吉大社走井橋。
- 伊織の文の暗号から見つけた帳簿の隠し場所の鳥越神社拝殿、日吉大社白山宮本殿。
- 浜乃家から隠れ家へ飯を運ぶ治六を見つける陸奥屋の用心棒たち、日吉大社西本宮塀際。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 おなか/友架代子 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
小枝/中島ゆたか 治六/吉幾三 青山伊織/本郷直樹 陸奥屋五郎蔵/名和宏 安藤将監/江並隆 浦川/有川正治 田原伝四郎/平沢彰 与平/国一太郎 寅吉/黒田努 江尻/池田謙治 牧村/小峰隆司 紅屋の女中/富永佳代子
脚本/土橋成男 監督/荒井岱志
第52話 「一揆!太助がさらわれた!?」 1980.11.27
成田詣での太助が、佐倉の騒動に巻き込まれて行方不明に。侍に斬られて負傷した彼を助けるものの、解放はしない若者たちには、切迫した事情があった。
長さん、庄屋の娘に事情を聞いたあと江戸へ取って返し、伊豆守に会って藩主は安堵の約定を取り付ける細やかさを見せる。
ロケ地
- 親方とともに成田行の太助、領民が佐倉藩の侍に斬られるのを見てしまい難儀に遭う印旛沼畔、広沢池北岸。侍たちは山からどっとおりてくる形。
- 侍に斬られたあと逃げるも倒れた太助、若者たちに保護される小屋は酵素河川敷に設営。ここは秘密の小屋で、庄屋の娘のお袖を中心とした若者たちが、圧制をしく家老たちを倒す算段をぶつ。後段では焼き討ち用の油を積んだ大八が炎上したり、立ち回りが行われたりもする。設定は印旛沼付近。
- 家老とつるむ悪徳商人・上総屋についての報告を弥太郎から聞く長さん、船は広沢池東岸につけられる。
- お袖を慕う新次が上総屋の手先のゴロツキに拉致される竹林、北嵯峨か。
- 長さんが佐倉と江戸を馬で往還する道、大内辻堂付近のほか山道。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 おなか/友架代子 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
お袖/栗田ひろみ 新次/大場順 島田左京/近藤宏 上総屋仁兵衛/山本清 岡部小弥太/原口剛 佐吉/山田昌人 吉五郎/藤沢薫 およし/中真千子 おりく/武田てい子 道庵/日高久 彦造/滝譲二 治六/畑中玲一 清太/東父岡勇二 徳兵衛/有島淳平
※ラス立ち福ちゃんや小峰さん入り、原口剛の配下の藩士。
脚本/土橋成男 監督/大洲齊
第53話 「かりそめの花嫁衣裳」 1980.12.4
錺職人の父を殺された娘は、間近だった婚礼を打ち捨てて復讐を志す。慕情と恩と憎悪が入り混じる展開、結局仇に手をかけられぬ彼女だが、悪はちゃんと滅びる。
ロケ地
- 錺職の喜兵衛が「土左衛門」で見つかる掘割、大覚寺有栖川河床。
- お冬たちが安宅屋の娘を監禁する漁師小屋、広沢池東岸汀に設営。ここでは後段立ち回りも。
- 安宅屋とつるみヤバいブツを捌く加賀藩上屋敷用人、その屋敷の門は大覚寺大門。
- お冬に指定された思案橋へやって来る安宅屋、中ノ島橋。お冬たちが船で来て交渉のシーンは渡月小橋で撮られている。安宅屋が人数を伏せていたのは石積護岸の下の汀。
- 伊豆守と会う長七郎、伊豆が素振りの庭は嵐亭延命閣前。
- 川筋を聞き込む弥太郎、屋形船が舫う船着は広沢池東岸。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 おなか/友架代子 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
お京/鶴間エリ お冬/服部まこ 能見半兵衛/須賀不二男 安宅屋惣右衛門/福山象三 喜兵衛/相馬剛三 お久/松香ふたみ 平田/下元年世 やくざ者/山本一郎 加賀藩御用達/国田栄弥 番頭/重久剛一 大家/蓑和田良太 小女/矢野もと子
※ラス立ち福ちゃん入り、藩士。
※喜兵衛親方を父のように慕っており、お冬の復讐につきあったお京(おみつの幼馴染設定)は長さんに諭され炭屋で働くことに。
脚本/櫻井康裕 監督/上杉尚祺
第54話 「おとこの真実の風車」 1980.12.11
絵の道を志す貧乏御家人は、ある日贋絵作りを依頼される。依頼者はかつての恋人、やんでいなかった思いから絵を描く男だが、永徳の写しは悪党の私腹肥やしに使われるのだった。
ロケ地
- 絵の得意な風車売りの御家人・榊と知り合う長さん、大覚寺天神島朱橋〜祠。後段、経師屋の妻女・妙が頼みごとに現れるのもここ。
- 勝山藩邸を出てきた経師屋・庄兵衛の素振りがおかしかったと長さんに報告するなつ、広沢池東岸(長さんは船に腰掛け)。あとから弥太郎も来て、永徳の軸を盗った賊を消した侍は勝山藩士と報告。
- 妙が榊のもとへ行ったと報告するなつ、広沢池観音島。遠景に萱葺民家。
- 永徳の写しを作っていた榊に話を聞く長さん、妙とのことを告白されるのは大覚寺護摩堂前。
- 榊が描きおえるのを待つ長さん、思案顔で釣りの船は広沢池に浮かび。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ おなか/友架代子 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
榊市之進/西田健 妙/沢井桃子 望月忠政/小沢象 沖原/成瀬正 堀江儀兵衛/岩田直二 嘉平次/広瀬義宣 大店の主人/鈴木康弘 惣市/山田克二 小女/古川京子 庄兵衛/福田豊土
※長さんが伊豆守を訪ね勝山藩のことを話す段、伊豆の槍の稽古につきあっていた家来の一人に小峰さん。
※お京レギュラー入り。
脚本/櫻井康裕、高木良子 監督/大洲齊
第55話 「江戸一番!土くれ剣法」 1980.12.18
立てこもり事件を「解決」して評判をとり道場を構える剣客、実は一揆くずれの百姓。彼と彼の妻子を狙う藩の悪党どもが牙をむくが、長さんのほかにもう一人、頼もしい助っ人がついているのだった。
ロケ地
- 伊豆守に会い、日下道場にいる剣客・孫兵衛のことを話す長さん、鯉に餌やりの伊豆邸庭は青龍苑池泉。
- 宍戸藩の侍について聞き込む弥太郎、渡月小橋下手河川敷で船にいる漁師と話す。なつは橋上にいて、見下ろす図。
- 宍戸藩の侍が出入りする常陸屋の寮、中山邸門。弥太郎となつが忍び込む際に映る。内部はセット撮り。
- 道場主・日下こと宍戸藩領の百姓・長吉の回想、村人と一揆の相談をぶつ林、北嵯峨竹林か。一同が押しかける宍戸藩勘定奉行所、大覚寺明智門(門が開くと中には鉄砲隊がいて一斉射撃、門内からのアングルも)。一人逃れる長吉、大覚寺御殿川河床。女房・おてるが逃げる長吉に荷物を渡す川は柊野堰堤下、追っ手の姿も。
- 日下の生兵法をいさめた長さん、そのあと孫兵衛と話し室田の帳簿を渡す茶店、広隆寺東塀際に設営。「会談」終了後、弥太郎が長吉たちの急を知らせに走ってくる。
- おてるに懸想していた宍戸藩勘定奉行・室田が、捕らえた長吉一家を嬲り殺そうとする目黒の御狩場、湖南アルプスか(ガレ場、幼松など見える)。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 おなか/友架代子 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
長吉/橋本功 おてる/早瀬久美 伊藤孫兵衛/島田順司 室田治部太夫/田口計 常陸屋六右衛門/南道郎 黒沼/石山雄大 およう/桜井浩子 赤江/五十嵐義弘 大吉/時任やまと 浪人/大木晤郎 伊勢屋/笹吾朗 お糸/北島洋子 与力/高並功 通行人/和田昌也 漁師/高谷舜二 役人/池田謙治 若者(一)/江原政一 若者(二)/小船秋夫 宍戸藩士/小松健悦 踊り子/藤間勘駒次、花柳陽要、的野三栄子、原田二美
※冒頭、伊勢屋で立てこもりと叫び走ってくる職人二人は福ちゃんと波多野さん。日下道場で孫兵衛に負かされる門弟も福ちゃん、気合が凄い。ラス立ちにも福ちゃん、宍戸藩士。
※変名を用い日下道場にいる孫兵衛は、実は水戸藩指南役。隣藩の宍戸藩から逃げてくる百姓が多いので乗り出し。長さんを二刀流の遣い手と見て、正体を長七郎と看破。また、成敗後には長吉たちが長さんの正体を知り平伏するシーンも(成敗衣装のまま来てるし)。
脚本/今村文人 監督/原田雄一
第56話 「ちゃんが覗いた火焔地獄」 1980.12.25
伊勢屋に放火した咎で追われる左官だが冤罪、裏には御用商人取立てを餌に私腹を肥やす悪党がいた。
人々に忌まれる左官の子と、彼を庇うおみっちゃんの情話が泣かせる。
ロケ地
- お救い小屋の一部、大覚寺境内か。悪党の手先をつとめる北町同心・高井と、「賊」の一味がツナギをとるくだり。蓆の向こうに屋根がのぞく。
- 太郎吉がおみつのため薬草を摘みに行く水辺、広沢池東岸。ここで父・与吉と再会、二人は一時汀に設営された漁師小屋に隠れる。父を振り切りおみつのもとへ薬草を持って走る太郎吉のシーンは汀と土手道。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ おなか/友架代子 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
与吉/高橋元太郎 秋葉紋太夫/北原義郎 高井圭四郎/木村元 太郎吉/大場利明 藤八/里木佐甫良 時造/市村昌治 才次/荻原賢三 大垣/白井滋郎 母親/星野美恵子 長屋の男(一)/森源太郎 長屋の男(二)/宮崎博 長屋の女/富永佳代子
脚本/櫻井康裕 監督/上杉尚祺
第57話 「米なき里の豊年踊り」 1981.1.8
棚倉の殿さまが領民を江戸に来させて、中村座で豊作の踊りを披露させるが、舞手の表情は暗い。それもその筈、彼女たちの村には実りが訪れず、豊年どころか地獄を味わっているのだった。
ロケ地
- 藩邸へ帰ると決めたお秋とお春を送ってゆく長さんたち、大覚寺五社明神。娘たちは、池辺で遊ぶ子らを見て、里の子の境遇と引き合わせ忸怩。このとき、土左衛門騒ぎがあり、大沢池船着(小)付近に引き上げられる。死人は姉妹の知る、村人・又七。このあと姉妹と別れる長さん一向は護摩堂前。
- 棚倉藩上屋敷を見張る弥太郎、大覚寺大門。後段、国家老・小松が駕籠で出てゆくシーンがあり、その際は参堂も映る。
- お秋の回想、水源の御用林の山へ調査に入るという許婚者・清右衛門と話した家の前、不明(萱葺民家、軒瓦が出ていて、入口付近にはよく茂った生垣。嵯峨か)。
- 又七が生きていると偽られ船から連れ出された清右衛門、上陸する浜は広沢池東岸(船着しつらえ)。害されるところ、太助たちに加え長さんが出て阻止。
- 清右衛門の回想、川の水が濁り稲が枯死した際訴えるも相手にされなかった村役の家、民家門。又七と二人、鉛毒で白濁した川を見るも鉄砲隊が出て捕まった御用林の山の裏側、酵素河川敷。隠し銅山稼働中という設定。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 おなか/友架代子 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
お秋/吉沢京子 清右衛門/佐々木剛 お春/松村和美 小松蕃山/江見俊太郎 三州屋磯八/高木二朗 半次/古代一平 戸田/灰地順 羽村/杉江廣太郎 内藤信照/水上保広 江戸家老/西山辰夫 藩士/藤沢徹夫 又七/志茂山高也 やくざ者/藤山良 大滝村の娘/花柳陽要、安田由紀、的野三栄子、矢野もとこ、原田二美、前川恵美子
※殿さまの水上保広や江戸家老の西山辰夫は、何も知らない善人。一座の太鼓叩き・半次が逃げた際、長さんとやりあった藩士に福ちゃんや峰さん。
脚本/今村文人 監督/上杉尚祺
第58話 「晴れ舞台 姉弟しぐれ」 1981.1.15
阿国の再来と評判の太夫には生き別れの弟がいたが、江戸で思わぬ出会い。彼が身を投じていた悪い仲間は、上からまるっと長さんに成敗され、姉弟は新たな人生をスタートさせる。しかしその陰でひとり、大きなつづらにトラウマを抱えてしまうお京なのであった。
ロケ地
- 駒形座が小屋掛けする浅草、今宮神社絵馬堂前、月読さんの鳥居脇あたりに設営。お京が配達中、大八に死体入りつづらを仕込まれてしまう際には、脇の坂なども映っている。つづらの中身の衣装が見つかるシーンでは摂社が、以降も何度も絵馬堂まわりが出てくる。
- つづらから出た一座の者の死体の面通しに番屋へ行った帰りの太夫が拉致されかかる道、大覚寺五社明神。
- ならず者から助けてくれた長さんと別れた後、一味にいた弟のことを思い太夫が佇む橋、中ノ島橋。
- 西海屋の駕籠が出る下谷の寮、中山邸門(門内から参道を見る図、戸が閉められる)。以降、朝鮮石人像前を通り(東望の図)、大覚寺大門へ(若年寄・本間佐渡守邸)。
- 弟に会いに下谷へ出向く太夫、ならず者に囲まれてしまう夜道は相国寺鐘楼まわり。長さんは鐘楼から出てくる。宗丹稲荷も映っている。
- 太夫が弟・政吉の文で呼び出される今戸の一本橋、流れ橋。橋上で再会と襲撃、駆けつける長さんは堤上、姉弟の傷の手当をするのは橋上手の川原・政吉が川に入るシーンもある。
- 流れ橋での立ち回りの前、長さんが伊豆邸にいて太夫の急を聞く座敷は青龍苑、蕎麦をふるまわれる座敷から池泉が見えている。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ おなか/友架代子 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
若井綾之助/三浦布美子 本間佐渡守/幸田宗丸 政吉/高峰圭二 仁吉/井上博一 甚太/稲吉靖司 梶川/丘路千 半次/原一平 お福/安藤かおり お菊/幸村有美 善助/泉好太郎 女中/桂登志子 為吉/東孝 西海屋四郎兵衛/井上昭文
※ラス立ち小峰さん入り、冒頭派手に斬られる。
脚本/土橋成男 監督/原田雄一
第59話 「明日に旅立つ娘たち」 1981.1.22
さる藩の姫さまを保護した長さん、彼女は江戸家老の不正を暴くべく市井に身を潜めていた。
生活必需品の塩で儲けようとする悪党どもを懲らす過程で、なつに恋が芽生える。
ロケ地
- 町娘姿の菊姫が侍たちに追われるところ、通りかかったなつが助けて逃げる土手、広沢池東岸。なつは土手道、姫は汀に。二人は船で逃走、悔しがる侍たちは汀に設置した船着に。
- 菊姫が長さんに身分と事情を明かす水辺、広沢池観音島。
- 福山藩江戸家老・増山の駕籠をつける弥太郎、セットの藩邸〜相国寺大通院前路地(駕籠は東に)〜セットの料亭(瀬戸屋と良からぬ密談)。
- 伊豆守を訪ねる長さん、弓の稽古中の庭は嵐亭延命閣前庭、巻藁越しに建物を望む図。用件が福山藩の塩がらみと察知されている次第。
- 菊姫が長さんを身分の高い人かと問う水辺、広沢池観音島。姫が駆け去る際橋が映るが、旧態の木橋。
- 小森のフライング潜入を聞き駆けつける長さん、走る道は相国寺法堂基壇(南側)〜鐘楼裏手塀際(鐘楼映らず)〜法堂南の林間(深手を負い藩邸から逃れてきた小森を発見/追っ手と立ち回り/木の間から鐘楼や弁天社がのぞく)。このあと追っ手が法堂基壇北側を走る図も出る。
- なつを貰い受けたいと伊豆守に申し出る菊姫、長さんも同席の野点は嵐亭延命閣前庭に緋毛氈敷いてしつらえ。姫が長さんに遠回しに慕情を伝えて去る伊豆邸門はセット。
- 福山へ帰る姫の行列がゆく東海道、北嵯峨農地農道・前景に野の花と石仏あしらい。駕籠そばには小森となつがいていちゃつき。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 おなか/友架代子 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 春弥/津奈美里ん 一心太助/大和田獏 なつ/岡崎友紀 松平伊豆守/丹波哲郎
小森進之助/森田健作 菊姫/山本みどり 増山帯刀/横森久 瀬戸屋治平/長谷川弘 岡部/出水憲司 望月/秋山勝俊 備前屋徳右衛門/中村錦司 町人(一)/宮城幸生 町人(二)/内藤康夫 町人(三)/泉好太郎 町人の女/稲垣陽子 長屋の女房/春藤真澄 女中/高田優子
※吾兵衛の娘・おなかが屋敷奉公に上がることとなり、浜乃屋を去るエピソードが挿入されている。
※小森は伊賀の出で忍びの心得ありという設定。
※ラス立ち、一斉に羽織を脱いで高く投げ捨て、きりりと襷がけ。これを俯瞰で撮ってある。
脚本/土橋成男 監督/松尾正武
第60話 「紅蓮の海に故郷を見た!」 1981.2.5
長屋を所有しているオヤジが殺されて放火されたり、太助の長屋が店立てに遭ったりする裏には、でかい遊里をこさえて私腹を肥やすつもりな悪党がてんこ盛り。彼らが追い使うチンピラに紛れた青年は、改心して恋人と故郷へ帰る寸前、人生を断ち切られてしまうのだった。
ロケ地
- 佐渡屋へ赴き、佐吉を連れ出しておそのと会わせる長さん、中ノ島橋。
- 佐吉がおそのを連れ出し話す川辺、嵐山公園中州北岸・堰堤脇。トイレの前に茶店をしつらえてあり、暖簾越しに流れを望む絵もある。話の途中、二人が汀におりるシーンがあり、中州法面越しに「茶店」を見上げる構図も出る。
- 伊豆守を訪ね寺社奉行・戸田以下の所行について問う長さん、嵐亭延命閣前庭。伊豆はまた弓の稽古中、今回はここで新密偵・信乃に引き合わされる。
- 足抜けを申し出た佐吉、兄貴分に許可されたと思いおそのに会いに行くと、別の仲間が出て刺される林、不明。弥太郎が彼を助けておそののもとに連れてゆくのは中ノ島橋下手右岸側河川敷。おそのや長さんは橋上に。
- 佐吉の遺骨を抱いて故郷に帰るおその、見送る長さんたちは二尊院紅葉の馬場。
松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
佐吉/星正人 おその/秋谷陽子 戸田伊予守/久高惟晴 佐渡屋五郎兵衛/山岡徹也 軍太/市川好朗 叶屋辰造/加賀邦男 勝五郎/稲川善一 弥兵衛/国一太郎 源次/笹木俊志 仙八/細川純一 男(一)/大城泰 男(二)/山田良樹
※ラス立ち福ちゃん入り、五回も斬られている。
脚本/土橋成男 監督/居川靖彦
→ 長七郎天下ご免! 表紙
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