闇を斬る!大江戸犯科帳 1993/3-12 NTV/東映

キャスト
一色由良之助/里見浩太朗 
大目付兼闇奉行
一色きよ/田中好子 
由良之助妻女
白髭権十郎/今福将雄 
一色家用人(じい)
桃太郎/岡まゆみ 
辰巳芸者兼一色密偵
六助/火野正平 
按摩兼一色密偵、14話で殉職
伝六/鈴木ヒロミツ 
飴売り兼一色密偵、14話から登場
助六/桜金造 
紙行商人兼北町密偵
小笠原能登守/西郷輝彦 
北町奉行

 闇奉行の決め台詞は「闇奉行参上」ではじまり、何だオマエはの誰何に「やかましいやい」と応じ、根拠を問われると「闇奉行の俺に証拠なんざ要らねぇんだ/叩っ斬る/性根を据えてかかって来い」の啖呵→チャンバラ(容赦なく皆殺し・峰打ちなしで生存率ゼロ)。成敗衣装は黒ずくめでイカ頭巾、背中と胸元に「闇」の染め抜きで帯と刀の拵えは白。一色周辺で彼が闇奉行と知らないのは家族のみ、しかし後段では怪しみひょっとしたらと迫るくだりもある。一色が妻女を誤魔化す技は「抱っこ」、この際妻女が足をばたつかせるのをじいが見てアチャー、がお決まりギャグ。しかしいくら閑職でも大目付が月代剃ってないのは珍しいかも。
お奉行はこちんこちんの堅物設定で、終始渋面。桃太郎に踊りを習っていて邪魔臭そうな「練習風景」がギャグ、しかし桃太郎から情報を取るのが目的なのですぐに「疲れて」中断するのがお決まり。桃太郎は職業を生かし立ち聞きなどして情報収集、緊急の際には由良さん宅へ表から入ってゆき、たいてい妻女と喧嘩になる。六助と助六は探索先でかち合う度にじゃれ合いのおふざけギャグを展開、これは伝六にも引き継がれる。
※1993年3月〜12月放送


第1話 「闇奉行誕生!

 親友が爆殺された事件に立ち上がる「閑職」の大目付・一色由良之助、老中に願い出て内諾を貰うのが「闇奉行」成立の経緯。「闇」というのは「表」の北町奉行と対比させての洒落で、堅物の小笠原ははじめ一色の行動をとんでもないと苦りきるが、手の届かぬワルを目の当たりにし闇裁きを教唆するに至る。
 勘定奉行・綾部は、町で出会った遠州屋の後家と「二十歳の青年のような」恋に落ちるが、彼女の店は大店潰しの政策に乗じたワルに目をつけられていた。綾部の死後、いよいよ遠州屋に魔手が伸びるとき、親友の恋人を救いに現れた一色は与力の悪企みを阻止し、その後「成敗衣装」に着替えてワル一堂に会す幕閣の屋敷に推参の運びとなる。

 ロケ地、一色邸、相国寺林光院。綾部の墓、不明(高所と思われる地形、大きな五輪塔が林立)。遠州屋の荷に禁制品を仕込もうとした男が見破られ舌を噛む騒ぎ、これを監視していた忍者を尾行する六助、大覚寺五社明神(イカに追われ隠れるのは本殿裏手、小笠原の密偵・助六が本殿内陣にいて言い合いに)。一色が芸者・桃太郎に話を聞く屋形船、不明(嵐峡か罧原堤か、燃やしてるからある程度広い所と思われる)
*綾部に風間杜夫、彼を暗殺する黒幕の若年寄に青木義朗。「銀ちゃん」の恋のお相手は増田恵子。若年寄が追い使う凄腕の忍び?に福ちゃん、火矢を放ったり大活躍、ラス立ちでは闇奉行と化した一色に戸板ごとずんばらりと両断されている。役名なしのベタなれどクレジットあり。*一色の密偵・六助成立の経緯も見もの、賭場でイカサマ騒ぎを起こして簀巻きのところを救われ心酔→ポチにして下さい。


第2話 「君よ怒りの剣を取れ!

 悪虐の主を討つ決心をした男は、腰抜けの汚名にも甘んじ隠忍自重の日を過ごす。同士と徒党を組んでの企みが露見し返り討ちに遭い、満身創痍で藩主の狩場に現れた男が膾にされるとき、闇奉行は白昼馬を駆って現れる。

 ロケ地、助六が辻斬りを見ていた人夫に話を聞く普請場、不明(地道の坂、遠景に懸魚も大きい立派なお堂)。六助が聞き込みに行く大月藩領の道(勢いよく落馬、前は畑地)、北嵯峨か。去り状を突きつけられたしのぶが自刃するのを止める一色、大覚寺天神島汀。伊奈隼人正が狩の野、酵素(狩場は河川敷に幔幕張り巡らせ、騎馬で駆けつける一色はダート、妻女を伴い駆け寄る六助は降り口から)。登城イメージ、姫路城天守
*徳川直系を慮った奉行は隠居を勧めに行くが扇で散々に打ち据えられ、一色に藩主の居場所を告げに現れる。*血塗れぐちゃぐちゃの描写多し、藩主に無体をはたらかれたしのぶの、白無垢からのぞく傷だらけの顔が凄絶。


第3話 「闇奉行VS闇奉行

 早や三話目にして出る偽者、殺るのは悪徳商人ばかりでない偽の闇奉行は、巨悪に怒り行動するものの、その実大ワルにたばかられ操られていた。

 ロケ地、遠州屋殺しの噂を聞き込み釣りの一色に報告する六助、大沢池か。一色とお奉行が会議で話題に出た闇奉行の件について話す下城の道、梅宮大社神苑汀。春木屋殺しに騒ぐ民衆を見て去った紫房の十手を持つ侍を尾行する一色たち、建仁寺霊洞院脇坂(門前で呼び止め名乗りあう)。勘定組頭・荒木に春木屋は本当に悪党だったのか問う八州の井坂、不明(祠脇?周囲は建て込む)
*正義感強く暗殺に利用されてしまう八州に萩原流行、ワルの首魁・勘定奉行に中田浩二、手下に中田博久。*ラス立ちには偽闇奉行の八州も参加、しかし戦い終わったあと自責の念に駆られ自刃。一色さまってばコレを担いで帰るんだけど、出役の北町一行にバッタリ。お奉行の指示で通して貰えるが、役人たちに顔思いっきり見られてもヘーキなのが笑える。*一色の妻女が出没する桃太郎にやきもきしたり、じいが「小笠原さまと旦那様が近頃疎遠」と心配したり、細かいエピソードも挿入される。


第4話 「風花に泣く女

 大奥や御三家と通じ賄賂を渡さぬ諸大名を改易に追い込む大目付、面当てに門前で切腹して果てた家老の娘は、父の遺志を継ぎ仇を討つべく立ち回る。これが日陰者として育った女で今は辰巳芸者、母と自分を捨てたと恨んでいた父の真情を知り、仇討ちを志すところがドラマになる。

 ロケ地、悪徳大目付・月形に助け舟を出した一色を責めるお奉行、下城の道は梅宮大社神苑(お奉行を青いとからかう)。一色邸、門は相国寺林光院。芸者・小りんに切腹した家老のことを聞くお奉行、中ノ島橋。メジロに餌をやる月形に斬り込みをかける改易にされた陸奥の元藩士たち、大覚寺大沢池(峰蘭太郎が切込隊長)。小りんと協力して月形を探っていた堀田家老の使用人夫婦に身分を明かし危険を知らせるお奉行、梅宮大社境内。奉行を信じず逃げた夫婦が斬り殺される堀端、大覚寺有栖川(河床から見上げ)五社明神。江戸城イメージ、姫路城天守
*小りんに蜷川有紀、父家老に滝田裕介、悪徳大目付に浜田晃。*助け舟を出した直後一色邸に貢物わんさか届き、妻女と用人舞い上がりが笑える。


第5話 「悲しい嘘

 殺しを目撃するものの全く違う男を名指し証言する娘、裏には哀れな事情があった。今回ワルの断罪は二段階、米を隠匿の悪徳札差を表の奉行がお白州で裁き、裏にいて逃げおおせようとする巨悪を闇奉行が退治る。

 ロケ地、一色邸、相国寺林光院(北西角から塀越しに屋根)。お咲に殺人者と言われたちんぴらが首を吊った状態で見つかる橋、中ノ島橋(夜)。その男の死を告げ真実を迫る一色、大覚寺護摩堂(六助が縁先に腰掛け、裏に助六がいて立ち聞き)。彼らを見張る浪人は放生池堤で釣り。船頭に米の流通量を聞き込みそのまま川越へ船を出させる六助、桂川河川敷(壁あしらい)。ここで妹と二人身投げのところを大黒屋に助けられたと話すお咲、中ノ島橋
*札差に西田健、牢で暗殺される。巨悪の蔵奉行は川合伸旺、閣議で悪事を指摘されにこぉと破顔。*お奉行のイヤミ捨て台詞、たまには一杯と誘った一色に「渇しても闇奉行の酒は飲めん」…。


第6話 「忠義よりも武士道よりも

 箱根の湯治帰りに訳ありげな侍を拾う一色、三森藩改易の陰謀を知ることとなる。骨肉の確執を利用したワルのため落命する弟を見た一色は、闇奉行に変じる。悲劇の兄弟は鉄砲方、弟は失地回復のため藩に仇なすと思い込まされて奸商を狙い、兄は弟が道を踏み外すのを止めようと動く。

 ロケ地、箱根街道をゆく一色夫婦、不明(片側崖の山道、柵あしらって関所にする地道等)。一色邸、相国寺林光院(門や塀のほか前庭も)。一色邸を出たあと有賀彦太郎と小枝がねぐらにするやしろ、鳥居本八幡宮(舞殿、石段)。お参りの和田屋が狙撃される神社、仁和寺九所明神(参道鳥居から本殿をたっぷり使う。瓦練り込み塀や塔基壇、経蔵なども映り込む)。彦太郎がしくじり弟・数馬が射手を代わった競射の広場、不明(白砂?の地面、幔幕の奥は鬱蒼と樹木)。彦太郎と小枝が藩士の手配で一時身を寄せる屋敷、相国寺大光明寺(弟が騙されて兄を狙撃しかける)
*兄・彦太郎に大橋吾郎、いつものように善人の被害者。弟は鷲生功。サブタイトルは一色が弟を諭すお説教の文言。*入鉄砲を見逃す羽目になる一色、大目付様だと通した役人にあとで「不審人物連れて通りました」と報告上げられちゃってて笑える。*ラス立ち福ちゃん入り、数馬と一緒に奸商襲撃に動いていた藩士のなりをしているが、途中いたかどうかは笠被ってたので不明。


第7話 「危うし北町奉行!

 評判を落とすよう仕組まれたお奉行、謹慎食らって後任も決まり大ピンチ。表あっての闇と、「男の友情」が炸裂。

 ロケ地、お城、姫路城天守。お奉行の駕籠を襲う民衆、大覚寺大沢池堤(唆され参加の大工が消される)。賭場を探りに行った帰り襲われる一色、五社明神。死んだ大工の墓に参るお奉行、二尊院墓地。その帰り一色が黒幕について告げる坂、紅葉の馬場
*黒幕は寺社奉行、博打のあがりをたんまり掠めていて、追求しかけた小笠原がジャマになった亀石征一郎。もう一人は北町奉行になり代わろうとする旗本で小沢象。喧嘩に走ってゆくを組の小頭に峰蘭太郎。*六助の合図の猫の声傑作。


第8話 「雪姫ご乱行

 水戸の姫を騙って商家から大金を毟る一味、首魁の目的は水戸家への意趣返し。御乱行の噂が高くなり窮地に陥る水戸を救ったのは表と裏のタッグを組んだ働き、お奉行が姫様に惚れられる話が挿まれる。

 ロケ地、一色が姫を見に行く菩提寺の庭、不明(奥に石段)。帰りの駕籠を襲われる姫、南禅寺僧堂坂。江戸城イメージ、姫路城天守。お奉行が姫に騙りの話をする庭、梅宮大社神苑。帰国すると奉行に別れを告げる姫、南禅寺三門
*企みの首謀者は水戸家の目付、名主だった父が一揆のかどで磔になったのを恨んでの所業。本人がこれをべらべらと喋る悪魔じみたシーンが笑える。


第9話 「闇奉行に罠をかけろ!

 悪徳商人と結び私腹を肥やす若年寄、一色の調査が及ぶを知り、彼に恨みを持つ火盗改を引きずり込む。遺恨のもととなった元盗っ人は、一色の恩義に報いるべく高尾山を下りてくる。いろんなところでむやみに敵を作っている闇ちゃんもタイヘン。

 ロケ地、元疾風の万七の手下だった利吉が営む茶店、金戒光明寺茶所。偵察に来た助六に声を掛ける六助、鐘楼。火盗の鬼塚と対峙の竹林はわらびの里か。
*一色に逃がして貰った万七に中野誠也、鬼塚に成瀬正孝、若年寄は外山高士。


第10話 「江戸城御金蔵を狙え

 江戸城の抜け穴調査を嗅ぎつけたワルは、スケープゴートを仕立てて御金蔵破りを企てる。騙された小藩の江戸家老は人さらいまでするが、企みを察知し正道に戻り、凶刃を受けて斃れるのだった。

 ロケ地、登城風景イメージ、彦根城佐和口多聞櫓。恋人の役人をさらわれた小夜を一色のもとへ連れてゆく六助、大覚寺天神島朱橋。一色が小夜と会うと出てくる刺客、天神島。片岡がさらった役人に濠の秘密を聞くくだり、濠イメージに彦根城内濠。小夜が片岡の名を騙った偽文で呼び出される初音河岸水天宮、広沢池観音島。江戸城奥御金蔵、彦根城佐和口多聞櫓(内側)。金蔵から上がってきた賊を捕える町方、彦根城堀端
*内実は正義漢の上山藩江戸家老は神田正輝、ワルは奥祐筆(和崎俊哉)と若年寄(高城淳一)。丹哲出演回。*神田正輝斬殺とラス立ちに福ちゃん、けっこうたっぷり映り込み。


第11話 「運命の銃弾

 処刑される賊をたばかり隠し金をナイナイの南町奉行、身辺に一色の調査及ぶを知り罠を仕掛けてくる。彼により島から出された五月雨の紋次は、一色が女房を殺したと逆恨みしていた。

 ロケ地、とよの墓に参る一色、黒谷墓地。登城イメージ、姫路城天守。元盗賊の元締に相次いで処刑され隠し金の見つからぬ賊について聞く一色、釣りの隠居は広沢池観音島。紋次捕縛時の回想、立て籠もりの山小屋は酵素河川敷、馬をやる一色はダート。
*紋次に菅貫、きよの健気さに殺せないと嘆く顔、とよの菩提を弔ってくれていたことを知り感謝して死ぬ顔(白目)などさすがに巧者。きよを探しに行ってきっちり自分も捕まる六、合図の折鶴を見張りから隠すのに「食べる」仕草がいかにも正ちゃん。


第12話 「鬼の棲む島 夢の島

 今回出てくる無法の島は「いのちぼうにふろう」タイプ、強面の顔役ははぐれ者の世話を焼く実のある男で、彼を訪ねてくる息子との情話が縦糸。再会し未来に希望を持ったとき、薄汚いワルの手により「父」は命を落とす。

 ロケ地、鬼ヶ島(沖ノ島)、不明(岩浜ですぐ傾斜地、波は静か。宮ヶ浜あたりの琵琶湖か)。竜之助の回想、笛を吹く父と子、嵐山自転車道。母亡き後父を探し旅に出る竜之助、自転車道桂川河原。一色邸、相国寺林光院(塀越しに屋根)
*島の顔役・徳兵衛に峰岸徹。悪徳商人は黒部進でつるむ幕閣は江見俊太郎。福ちゃん浪人姿で「島」にいるけど、立ち回り等なく焚き火に当ってるだけ。*徳兵衛は乗り込んできた一色をはじめから闇奉行と見抜いており、死の間際「会えてよかった」などと述べる。助六と六助の助け合いもあり「一勝一敗」。


第13話 「捨て猫を拾う男

 六助が兄貴分と慕う直次郎が自刃とも他殺とも知れぬ謎の死を遂げたことから発覚するワルの所業、お話の軸は直次郎の結婚相手とグレた弟の情話。

 ロケ地、一色邸、相国寺林光院。評定のあと一色と北町奉行が札差と勘定奉行結託について話す下城の道、彦根城佐和口多聞櫓(内側)。札差・山路の寮、中山邸通用門。事後、揃って登城する一色と小笠原、彦根城天秤櫓
*直次郎に懐いていた設定なもんだから六助感情出しまくり、例の調子で泣いたり笑ったり・けっこう年食ってるのにラブリイ。


第14話 「筆頭老中への陰謀」 (スペシャル)

 筆頭老中・兵頭丹後守を狙った陰謀、十年越しで一人二役をこなしてきた勘定吟味役の手の込んだ仕掛け。
死んだと見せて生きている、その正体は風魔の生き残り。
陰謀の主を探る表と闇の奉行に襲い掛かる忍群、その過程で六助が殉職してしまうのだった。

 ロケ地、勘定吟味役が爆殺される大川端の船宿の離れ、琵琶湖西岸松原。殺された勝山家来の田村の娘・君江を見かける六助、大覚寺五社明神(六助が風ぐるまを買うのは舞殿前、君江がお参りは本殿)大沢池北西畔。江戸城イメージ、姫路城天守(兵頭を「告発」の場面で将軍家斎登場、一色に調査命令が下る)。一色が下城の途中銭座のしろがね屋が老中のもとに参上するのを見る、彦根城天秤櫓下。一色邸、相国寺林光院(玄関はセット)。田村が主殺しを告白した遺書(老中の命とほのめかし)を残し「自刃」して見つかる竹林、鳥居本八幡宮(竹林、大岩)。閉門を命ぜられた兵頭丹後守邸、大覚寺大門(竹矢来あしらい)。君江に父・田村の話を聞く一色と六助、神護寺鐘楼下石段。一色が六助にしろがね屋探索を命じるのは和気公廟所前。六助と話していた君江が六部に襲われさらわれるのは大覚寺天神島。箱根山中、「おかしら」しろがね屋と老母の奏でる楽の音にひかれ山あいの広場に三々五々集まってくる風魔一族、酵素河川敷(六助が潜み窺う)。並んで立つ君江の父と六助の墓標、不明(高台か山上)
*金座の地位を狙うしろがね屋に中尾彬、大谷刑部ばりのマスクつけて登場。べりべりと変装を剥がし正体を現す凶悪な場面あり。しかし、この番組最初にゲストの配役も出るので、中尾彬二役って書かれてて興ざめ。*箱根山中での風魔決起集会ダンス、踊り手の一人に福ちゃん。ラス立ちには若年寄・長谷部の家士として登場、最後のほう、中尾彬の面前で海老反り。*君江を庇って腹に刃受けて太陽にほえろふうに殉職の六、臨終の台詞も泣かせる。


第15話 「故郷からの恋文

 公儀の手伝い普請免除をタテに小大名から金を毟る側用人は、欲深いだけでなく好色のヒヒ爺。秋月藩留守居役は涙をのんで妹を爺に差し出すが、無体はそれにとどまらず祝言の決まっている侍女を求めてくるのだった。

 ロケ地、江戸城イメージ、彦根城佐和口多聞櫓。ヒヒ爺に差し出された綾乃が住まう田島屋根岸寮、中山邸門。綾乃の回想、婚約者だった正木隼人とデートの撫子咲く水辺、広沢池西岸。矢沢が逃がしてやった侍女が振り返りつつゆく道、広沢池西岸際農地
*矢沢に荒木しげる。一色の「密偵」は前回スペシャルで六助から引き継いだ伝六がすんなり溶け込み、助六とのからみも継続される。


第16話 「道化の涙

 おじゃるモノで大納言は立川三貴、欲深好色のお勅使の無体で妹を亡くした茶坊主のお話が軸になる。

 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。茶坊主・珍阿弥が帰宅の路地、随心院墓地脇の路地(奥が長屋門)。伝奏屋敷、随心院薬医門。幕閣がいつものように珍阿弥をイジっているところへおじゃるが来て更なるイジメをかますお城の御廊下、粟生光明寺方丈縁先。妹と買い物の珍阿弥が一色の休む茶店の前を通りかかる道、不明(後段、妹を思い自棄酒の珍阿弥の回想場面では竹中稲荷に似たやしろが見える)。しのの墓、二尊院墓地。お奉行に帝から来た土御門成敗オッケーの書状を示す一色、東福寺通天橋
*目の見開き具合がイっちゃってる立川三貴のおじゃる、憎たらしさ満点。茶坊主の役者さんはマジ剃りみたい。


第17話 「人情裁き!裏表二人奉行

 親に連座して死罪となる青年医師を救う話。その件で北町奉行を失脚させようとするワルをぶった斬ると同時に、青年の出生について大嘘をこく闇のダンナなのだった。

 ロケ地、助六に偽りの情報を流した源太をシメる塀際、不明(グレーに五本線、石垣つき。源太が出てくる門はけっこう立派)。青年医師の放免を祈りお百度を踏む許婚者の芸者、吉田神社竹中稲荷本殿。それを見た一色が桃太郎に一芝居と耳打ちは重ね鳥居下。
*青年の父の薬種問屋が阿片を扱っていたのは本当で、連座→死罪は法のもとに妥当。ワルは薬種問屋を密告、御典医見習いに決まっていた青年を蹴落とすライバル、これとつるんで阿片で大儲けを企む幕閣は、北町奉行を貶め後釜に座るプランも持つなど悪のてんこ盛り。首魁の若年寄は中田浩二。*出生の件は完全お芝居で、阿片使ってた医師を半ば脅して偽証させる…だんだん手口が荒っぽくなってくる闇ちゃん。


第18話 「闇に咲く花

 側用人の側室は政治向きにも容喙、大した羽振りの「御側御前」。宿場女郎だった過去を持ち金に執着する女だが、偶然の姉との邂逅を大ワルに利用されてしまう。

 ロケ地、御側御前が昼間から舟遊び、広沢池。それを見る一色夫婦がいる茶店は東岸にセット。お城イメージ、姫路城天守。御側御前の機嫌を損じ腹を切った奥祐筆の墓、黒谷墓地。その帰り一色夫婦が立ち寄る浄巌寺の茶店、仁和寺茶店。その帰り御側御前の駕籠を見るのは水場下・観音堂脇。芸者・梅吉が殺されて見つかる川端、広沢池東岸。梅吉に三味を習っていた茶店の娘の回想、駕籠から降りる御側御前を見た梅吉の驚愕、金戒光明寺清和殿前。御側御前に会い梅吉のことを話す一色、野点の庭不明。梅吉の墓、不明(竹林越しに塀と大屋根が見える)
*側用人の下で機会を窺っていた御側衆は名和宏、金をやって遠くに行かせるだけだったのにと姉を殺したことを責める御側御前に「ちと遠すぎましたかな冥土は」…。


第19話 「蛍大名

 将軍寵愛の側室を妹に持ち旗本から大名に出世の男、権威を笠に着て悪徳商人とつるみ欲をかく。泣かされる民のため立つ一色だが、うるさい小笠原ともども公的に始末されかけ大ピンチ、でも闇奉行が出るので問題ナシ。

 ロケ地、一色邸、相国寺林光院(今日は閉門なので竹矢来あしらい)


第20話 「闇の大物!

 小笠原が芸者殺しの疑いをかけられたうえ、闇の金貸しとして切腹寸前に追い詰められるが、それは当の大ワルの仕掛け。もちろん「親友」の闇奉行が出て腕ずくで解決するが、一色を庇ったせいだとぶちぶち愚痴る小笠原もなかなかに可愛い。

 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。殺された芸者の妹を呼び出し事情を聞く桃太郎、金戒光明寺鐘楼と脇の石段。


第21話 「流人の島から来た娘

 八丈生まれの寂しそうな娘を気にかけたじいは、事情を知ったうえで養女に望む。しかし娘はあくまで母の生存を信じ、母とともに島を出た男に接触するが、凶賊にとって彼女は邪魔者でしかなかった。

 ロケ地、お城イメージ、姫路城天守。一色邸、相国寺林光院。慈光の寺・妙源院、大光明寺(門、方丈、中仕切り、南路地)。一色と釣りのじいにお妙の事情を報告する伝六、大覚寺大沢池畔。妙と慈光(凶賊・儀三郎)の回想、お妙の母と逃げた八丈の浜および打ち上げられた房総の浜、不明(単色で暗い)。お妙にやった簪を竹舟に乗せて流すじい、大覚寺天神島北辺水路
*凶賊の裏にいたのは寺社奉行、政敵に金を貢ぐ富商を始末させたり悪辣。和尚はこいつが飼っているエセ坊主で、お妙の母も殺している。


第22話 「闇奉行死す!」 (スペシャル)

 募る公方の我儘、改鋳を迫られ筆頭老中はご遺訓をタテに拒否。しかし同じく老中の玉置豊後守は公方にへつらい兵頭を窮地に陥らせる。そして野では兵頭暗殺の企て、一味には若き兵頭が産ませて捨て置いた隠し子がいた。

 ロケ地、加賀へ嫁入りの家斉の息女の駕籠が浪人たちに襲撃される、下鴨神社馬場(浪人が潜むのは瀬見の小川橋下で水あり)。オルグされた木戸新之助(兵頭の隠し子)、長屋の娘に世直しを説きつつゆく水際、大覚寺放生池(茶店セット、一色が声をかける)、木戸が去ったあと娘に木戸の生い立ちを聞く一色、大沢池畔。兵頭丹後守邸、大覚寺大門(スケジュールを調べる浪人たちは対岸に潜む)。お城イメージ、姫路城天守。フライングして兵頭を襲撃する浪人たち、大沢池堤(天神島の北)。一色が挙に加わっていた木戸を連れて隠れ追っ手をやり過ごす、五社明神裏手。一色邸、相国寺林光院。木戸が爆弾を完成させたことを報告の伝六、大覚寺五社明神祠。木戸を兵頭に会わせる屋形船、広沢池東岸。一味に潜んでいた小笠原の密偵が吊るされ見つかる、大覚寺天神島大木。一色が木戸を説得する、広沢池西岸湿地。一色の妻が拉致され呼び出しの山並神社、鳥居本八幡宮(舞殿、石段)。兵頭の駕籠を追う浪人たち、御殿川に潜み落合付近で上陸(有栖川側に手すりセット)。爆弾設置の幸橋手前の道、塀際の道で脇に水路、不明。
*妻女はお奉行と一色の話を立ち聞きし、はっきりと夫の正体を知る。これに先立って夫婦の会話で冗談めかして闇奉行の話が出ている。*兵頭の死を賭しての「上様を殺すな」の言に従い一色は公方を諫死、家斉は隠居の運びとなる。*老中の隠し子に薬丸裕英、兵頭に対抗する悪老中に神山繁、金の茶室ねだる公方は森次晃嗣、アジテーターの蘭学者は大出俊。


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