修羅之介斬魔剣 −妖魔伝説−
津島勝監督作品 1996.11.9松竹

 京本政樹が妖しの美剣士を演じた一作、怪僧天海やキリシタン政宗に茶髪の出雲阿国などがわらわらと登場し「その手」の記号が散りばめられる。
北条氏ゆかりの一対の剣をめぐって起きる騒動、黒い巨人が暴れたり姫様がさらわれたり忍者もいっぱい出てきて賑やか、降りかかる火の粉を払うかたちで渦中に入る修羅之介だが、関わる女たちにモテモテ。剣はあっちへ行ったりこっちへ来たりすったもんだの末二つ揃い、最終的に天海の手に落ちる。オカルト要素は剣のほうになく中茎に記された財宝の在り処、お城の地下で天海が正体を現し爆発と落盤でワヤ…結局南倉藩の銀竜剣は埋まっちゃってるし、姫様との約束はどうなったんだの修羅之介はしれっと旅に出る。


糺の森池跡

ロケ地

・修羅之介がねぐらにしているお堂(お不動さんが祀ってある)鳥居本八幡宮(広場や鳥居、石段に舞殿とフル活用、立ち回りもある。舞殿には扉をつけてある)
・関一族(政宗子飼いの忍群)から南倉藩の姫を取り返した修羅之介が船をやる、広沢池東岸(獰頑を追う捕り方が堤に十重二十重)
・仙台藩邸、大覚寺大門
・天海が手下の忍び・乱堂に政宗監視を命じる、西教寺本堂と客殿間の渡廊(後段、墓地から本堂を見るショットもあり)
・修羅之介が額づく野末の墓地、下鴨神社糺の森池跡(卒塔婆や五輪塔あしらい、修羅之介が祈る塚石には「無」の文字。ここは何回も出てきて大立ち回り)
・市中をゆく修羅之介、くの一を撒いたり南倉藩士とやりあったりの門と石畳、南禅寺三門と前後の参道。
・真夕姫に剣の由来を聞く修羅之介、藩邸の庭は梅宮大社神苑
・女掏摸のお蓮が仙台藩邸の地下牢から修羅之介を救出し出てくる井戸、大覚寺大門と御殿川を挟んで対岸にセット。このあと二人は御殿川河床・参道石橋下に潜む。
・財宝の隠された八王子城、石垣は彦根城
・旅立つ修羅之介、流れ橋

*天海に隆大介、不死身のトンデモ設定で最後に「若い」姿でワハハハ。政宗は中村敦夫、敬虔なキリシタンで世界平和のため徳川を打倒する意志を持つという、十分にトンデモ。あと怪し過ぎの巨体レスラーとか元ボクサーとか、とにかくコッテコテ。そして京本ちゃん、総髪に着流しで眠狂四郎ふう、円月殺法みたいな剣も振るうし過去のしがらみもドロドロでやらしい濡れ場もあって全開状態。ニヒル設定だが、わりとホイホイ姫様の頼みも聞いちゃうしあと放ったままだし、なんだか行動原理のよくわからない修羅之介なんだけど、殺陣はいろんなシチュエーションがあって見応え満点。秘剣も出すけど、相手は不死身でワハハハで復活。


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