丹下左膳 百万両の壺

津田豊滋監督作品  2004.7.17EDEN

キャスト
丹下左膳/豊川悦司 お藤/和久井映見

 山中貞雄「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」のリメイクを謳う一本、従って左膳は底の抜けたお人よしの人情家。人気役者を主役に迎え、情話としても時代劇としてもなかなかに見せる、余韻もたっぷりとられたまとまりのよい作品。ストーリーはほぼ「餘話」を踏襲、古き良き時代のどたばたコメディの香りを漂わせる作りとなっている。

八幡掘 白雲橋

ロケ地

・柳生城外観、和歌山城岡口門越しに天守。
・兄・対馬守がくれた壺の悪口を言っているところへやってくる回収業者、妙心寺大庫裏北西角路地(このあと壺を探しに出る源三郎が下男と別れる際には、大通院から出てくるカットも)
・金魚補充に釣堀へゆく左膳たち、八幡堀白雲橋堀端
・壺が見つかるようにと祈願の萩乃、上御霊神社本殿(金魚屋が本殿脇に)
・壺の行方を突きとめ上機嫌で御帰宅の源三郎、金戒光明寺本堂前。
・矢場通いがバレて禁足を食らった源三郎が外出願いを却下される司馬道場の庭、洛翠荘・画仙堂前の池。
・上州屋に迫られた六十両返済で大ゲンカの左膳とお藤、「けんかしないで」と置手紙残し家出の安坊がべそかいて歩く、金戒光明寺鐘楼脇石段鐘楼本堂前石段(安を捜す左膳が三門背負って石段を駆け上がってくるシーンも)。ようやく探し当て「怒ってないよ」は八幡掘白雲橋上。
・金を作りに賭場へ行きすっての帰り旗本の襲撃を受ける左膳、嵯峨・野々宮町あたりの小柴垣道か。
・少しでも足しにと壺を売りにゆく安、高大之進の「審査」が行われ市民が列をなす会場、二尊院参道、境内、紅葉の馬場、黒門。
・対馬守の御落胤と判明し迎えの駕籠に乗ってゆく安坊、下鴨神社河合社前〜馬場。

*左膳、立ち居振る舞いも殺陣も衣装も好感が持てるが、駄々っ子のような「いやだい!」が殊に傑作。対するお藤、つっけんどんな物言いがやってることと対照的で妙味。こちらの衣装がまた渋い。*クレジットにお名前が見えぬものの、福ちゃん旗本の馬鹿息子に雇われた用心棒で登場。本命の強い用心棒と左膳がやりあうところへ介入し、味方にぐっさり刺されて頓死、三人が近接してからむ殺陣は見もの。


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