庄助武勇伝
会津磐梯山
松田定次監督作品 1960.10.9東映
キャスト
小原庄助/大友柳太朗
お光/美空ひばり 甚兵衛/薄田研二
駒田主水/山形勲 天野忠兵衛/多々良純
透関禅師/左卜全 信姫/丘さとみ 松平容保/千秋実
会津の人々に愛されている伝説の人物・小原庄助を描くお話、「幕末の豪放磊落な郷士」説が採用されている。登場時のビジュアルは髭ぼうぼうのご浪人で、一目で判る好人物。
時は幕末、会津の殿様は松平容保公、庄助さんは歌の通り家作を蕩尽していて、朝寝朝酒朝風呂は家風という設定、但し身上潰したのは稀に見る無私無欲の人柄ゆえ。今日も今日とて酔っ払いの浪人を家に連れ込んでおり、老僕の爺さまに叱られているところへまた一人、先祖が家来だったなどと言い立てて食客が転がり込んでくる。そんなこんなでどうにも食い扶持に困り果てているところ、殿の要請もありお城へ上がることになる庄助さん。はじめ妹姫の指南役を仰せつかるが、女を見ると震え出す性質のためアウト、次なる任務は領内に入り込んでいるという幕府や薩長のスパイの狩り出し。しかし見つけられず、殿の厚情に報いること能わぬと思い詰めた庄助さんがハラキリを言い出す段で、実は密偵だった食客二人がたまらず正体をぶちまけ、進行中の陰謀を教えてくれるのだった。
ロケ地
- 一箕村の小原庄助邸、不明(丘の麓?にある長屋門を持つ屋敷)。
- 美空ひばり歌いながら登場のシーン、本梅川若森廃橋。
- 容保公がやって来て庄助を召す秀安寺、不明(参道と平門、龍譚寺に似る)。
- 殿様の頼みで化物退治にゆく南山口の下屋敷、大覚寺大門。
- 食客の二人が筒井屋を騙すのに新式の大筒の試験をする戦場ヶ原、湖南アルプスか。
- 姫がスパイどもの人質になり監禁されている滝沢街道の荒れ寺、勝持寺仁王門(周囲の様子が今とかなり違う)。
- スパイと通じていた武具奉行と筒井屋の一行が逃げ出すのを追い詰め大立ち回りの街道、不明(谷地田か)。
*庄助さんラブの女二人、老僕の孫娘と、腕自慢が昂じて嫁入りを遅らせている殿の妹姫。普段から庄助の傍にいるお光は女として見て貰えずしょんぼり、姫様ははじめ彼を侮るも手荒く扱われメロメロのよくあるパターン。姫が陥落の挿話は下屋敷の化物退治、これは落語の「化物つかい」を翻案してあり、実はスパイの化物たちが傑作。落語通りにまず一ツ目小僧が、次いで三ツ目の大入道が出て、怪異に動じない庄助にこき使われるのだが、等身大ダッコちゃんなんかも出てきてしまい、最後に「出た」のは姫で化物扱いされてクサヤを焼かされたりする。
*美空ひばりの歌ももちろん入っていて、「会津磐梯山」をバリエーションも交えたっぷり。
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