太助と悶着を起こした、魚河岸で悪事をはたらく商人は外様大名とつながっていて、その殿様は摘発に手を貸した彦左を恨みことは旗本と大名の対立にまで発展。老中・知恵伊豆は御世の安泰のため断腸の思いで旗本らに処分を下すが、将軍の勘気を蒙った彦左のじいさん落ち込みまくり。物も食わぬ彼を案じた太助は、死を覚悟して伊豆に駕籠訴の挙に出るのだった。
彦左のエピソードは、よく知られた盥で登城のアレが中心。これが特注品で、太助の恋人のオヤジの桶屋が製作する運び。旗本は水野十郎左衛門だけ出てきて、太助の危機に介入し大名の若様の悪ガキを斬ってしまい切腹。恋人である丹前勝山が後を追う挿話も付属。
ロケ地
・駿河台の大久保彦左衛門邸へ魚の配達に向かう太助、建仁寺久昌院前路地〜両足院前路地〜西来院(彦左邸)。
・上州屋と賄頭が流通量操作のため魚を廃棄する現場、積み込む浜は琵琶湖西岸松原、湖上へ漕ぎ出し廃棄の場面もある。
・美濃高須五万石の徳永左馬助が登城途中彦左の駕籠に自分の駕籠をぶつけさせる大手橋、彦根城大手橋。
・特注の桶に乗って登城の彦左、建仁寺西来院門〜彦根城大手橋〜石垣下。
・彦左を召して伊豆に面倒をかけるなと諭す家光、彦根城玄宮園池端。
・彦左の肝煎りでお仲との祝言も決まりご機嫌の太助が商売を終えて一休みしていると寺の門から囲碁指南のご浪人・勘兵衛が出てくる、大覚寺大沢池木戸前。ともに家路につく太助と勘兵衛を襲う徳永の馬鹿息子たち、上賀茂神社ならの小川畔(襲撃者は祠の間からぬっと出る。二人の危機を見て介入の水野十郎左は右岸から一本橋を踏んで現れる。川中での立ち回りあり)。
・水野の切腹後引きこもる彦左を案じてお百度のお仲、大覚寺天神島(鳥居から祠を見るアングル、スモーク焚き)。
・お百度帰りのお仲に声をかける水垢離帰りの太助、天神島朱橋。老中に直訴するとお仲に告げる太助、護摩堂脇(背景に心経宝塔、ライトアップ)。
・登城する伊豆に駕籠訴の太助、大覚寺参道石橋。
・伊豆が太助を将軍に会わせる庭、枳殻邸印月池畔。
*彦左の丹哲は暴れまくり、盥登城のほか太助らの危機に騎馬武者で現れたり、駕籠ぶつけてきた大名の駕籠ひっくり返して濠に落としたり。もちろん例の繰言の長い昔話もあり、出ると皆が即座に止めるのもお決まり。杜夫太助は上様と二役。太助と彦左まわりの人間はシンプル、太助恋人のお仲に美保純で親父の桶屋は小林昭二、囲碁のセンセイは織本順吉。終始いいカッコで切腹で締める水野十郎左は里見浩太朗、彼にぞっこんの丹前風呂・紀伊国屋の勝山に沢田亜矢子。老中・知恵伊豆は若林豪、板挟みに苦しむ管理職が絶妙にお似合い。悪役陣は、上州屋に田口計、徳永の殿様に田中明男、馬鹿息子に南条弘二。
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