旗本の名家乗っ取り騒動、妹を殿の妾にして正嫡の娘を遠ざけた悪臣は次いで主を失脚させ、ゆかりの財宝にまで手を伸ばす。お話は財宝をめぐって追いつ追われつ、欲をかいた田沼が放つ侍や、横取りを狙う泥棒、悪臣の情婦の掏摸など入り乱れ、旅は菅谷のお嬢さまと乳兄弟の愛の成就で締めくくられる。
ロケ地
・小浪と新太郎が戯れる安房館山の海辺、不明(たぶん本物の海、砂浜)。
・知行地の菅谷邸、高山寺石水院門(早馬を見て急ぎ帰ってきた小浪と新太郎は裏参道を来る)。
・江戸・番町の菅谷邸(閉門中)、不明。
・菅谷織部正がお預けになった相役の竹田邸(小浪が訪ねてくるが一足違いで会えず)、大覚寺大門。その帰りの小浪を襲うチンピラが出る路地(新太郎が出て防ぐ)、不明(塀際)。
・じいが財布を掏られる縁日(おえんが掏り返してくれる)、清凉寺石畳の両側に大量の屋台あしらい。早とちりじいが腹を切りかけるのは本堂裏手、回廊脇(弁天堂映りこみ)。
・田沼にも会えず落ち込む小浪、二条城堀端。
・田沼の密命を受けた小一郎を襲う飛騨の手下が出るも新太郎が助太刀の夜道、不明(先の塀と同所か、奥に太い狭間を見せる門)。
・飛騨の情婦のおえんが掏摸から小一郎の財布を買い戻す渡し場、不明(川の下流部、対岸に竹の河畔林、おえんが親切ごかしに小一郎に財布を渡すのはこの川の堤か)。
・館山へ戻った小浪がお参りに行き次郎吉一味に襲われる神社、不明(セットか)。
・祖母殺しの疑いをかけられ小浪が出奔したあと、小一郎が正体を明かし新太郎に鍵型の鏡を渡せと迫る山道、谷山林道(愛宕道分岐から先と思われる)。
・捕り方から小浪を逃がした新太郎が飛騨に撃たれ落ちる堀、嵐山か(セットの可能性あり)。
・小一郎が田沼に刃傷と早馬の侍に知らされる街道、不明(山道)。
・保品代官所(菅谷の殿様の知人、小浪が頼ってゆく先)、勧修寺山門(後段、次郎吉が鏡の謎解きをするのもここの塀の軒瓦だが、代官所設定ではない模様)。
・じいがおえんに鏡を取られる道(直後飛騨が出ておえんを始末にかかる)、不明(川べりの地道、流れはたっぷりとした瀞。瀬田川峡谷に似る)。
・埋蔵金のある底無し沼、葦原の汀は広沢池か(五輪塔の島はセット)。
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