剣客商売スペシャル 2006.6.16CX/松竹
三冬が関わった誘拐事件は仔細ありげ、さらわれかけた娘の家には複雑な事情が隠されていた。大店の身代をめぐる行き違いやあきらめねばならぬ淡い恋は娘を苦しめるが、思い決めて臨んだ結納の席で彼女は望外の喜びを知る。
ロケ地
・井関忠八郎の十三回忌法要が営まれる寺、金戒光明寺阿弥陀堂。式のあと行われる追悼試合は方丈前庭(西望のアングルでは御影堂側面が映り込む)。
・橋場・大川べりの山崎屋の寮へ行ってみる秋山父子、宝厳院通用門。
・山崎屋の迎えが来て秋山道場から帰るお雪の駕籠が通る道、民家塀際(西望、昼間)〜田畔は亀岡の田んぼか。
・弥七の店で手配を済ませ船で隠宅へ帰る小兵衛夫婦、八幡掘〜西の湖葦原と松本酒造酒蔵合成(蔵の後ろの山は安土山、蔵は少しいじってある)〜西の湖。
・道場へ捕えてあった男を逃がし泳がせる場面、足を引きずりながら去る渡り中間を見やる傘徳のシーン、民家塀際(東望・西望両方のアングル、夜間か早暁か)。
・山崎屋の一件を田沼に告げにゆく小兵衛、門は随心院薬医門、会見は書院座敷。
・小太郎を鐘ヶ淵へ預けにゆく大治郎を見送る三冬、大覚寺大沢池堤。
・山崎屋の庭に佇むお雪、洛翠庭園の池畔・橋たもと。
・お雪を平河天神に連れ出す三冬、休む門前の茶店は下鴨神社河合社前にセット。
・大治郎が出稽古に赴く平河天神裏の関口道場、随心院長屋門。
・関口の門弟・小金吾と話す大治郎、御津町新舞子干潟。
・不二楼で小兵衛と会った帰りの「隠居」をつける胡乱の浪人たち、嵐山自転車道か。襲撃は大覚寺五社明神(中の人は小兵衛で退却)。
・その日山崎屋へ泊まった小兵衛が翌朝用心棒で入っている三冬と打ち合わせの庭、洛翠庭園・池畔橋たもと(渓猿亭映り込み)。
・番頭に狂言と言い含められ夜中に家を抜け出したお雪が駕籠に乗せられゆく道、大覚寺五社明神(傘徳が尾行)〜丹波国分寺(小兵衛らが討ち込んでラス立ちもここ、門を中心に内外様々なアングルで用いられる。下ッ引が張り込む場面では石仏群も。立ち回りはセット中心、一部門付近使用)。
・田沼に次第を告げる小兵衛、随心院書院(座敷、縁先)。
・小兵衛隠宅はいつもの酵素民家セット。
*「三冬の乳房」をベースに、「不二楼・蘭の間」の設定を加味してある。「乳房」では三冬は結婚前で、山崎屋の娘が男と思いこみ惚れる設定。この部分を大幅に変えてあり、「蘭の間」に登場する高利貸しの養子・小金吾を冷や飯食いに変えて持ってきてある。山崎屋の隠居が小兵衛に語る人生観は「蘭の間」で宗哲先生が語るもの。
*山崎屋隠居は大滝秀治、主は江藤潤で番頭は近藤芳正、用心棒に寺島進。
参考文献
池波正太郎著「剣客商売/辻斬り」(三冬の乳房、不二楼・蘭の間)新潮文庫
→剣客商売表紙
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