21〜33話
キャスト
金さん(北町奉行遠山左衛門尉景元)/杉良太郎
お竜(密偵・表稼業は髪結い)/小鹿ミキ
秀駒(芸者)/二宮さよ子
一葉斎(手品易者)/伊藤一葉
甚兵衛(蕎麦屋・長命庵主人)/美川陽一郎
お初(長命庵看板娘)/三浦リカ
赤目玄蕃(南町同心)/岸辺シロー
花川戸の新八(赤目付岡っ引)/植田峻
堺文之進(北町同心)/田中弘
青木紋十郎(北町筆頭与力)/伊東四朗
第21話「地獄の炎を消せ!!」1976.2.19
親と頼む者にハメられた男を助ける話、火事で牢から解き放ちになった男は自らの手で真犯人を探そうと奔走するが、時は空しく過ぎてゆく。
ロケ地
・太吉の回想、湊屋に借りた結婚資金を盗られた弓町の坂、今宮神社高倉脇坂。
・困り果てているところへ金貸し婆の話を持ちかける兄貴分、中ノ島橋下手右岸河川敷(背景に堰堤の落水)。
・回向院へ出頭の朝を迎えてしまう太吉が泊まった漁師小屋、広沢池東岸汀にあしらい。
・金を盗られた現場で人探しの太吉、今宮神社境内。
*親切面で太吉を罪に落とす湊屋に稲葉義男、金貸し婆の情報をお竜に話す行商の婆さんに新屋英子。*今回のお白州は乱暴、冒頭太吉に無罪を言い渡し、出頭の刻限過ぎた件は「その時ある男の前にいたからいいんだ」ですぐ桜出す。青木のダンナ、珍しく虚無僧姿で見張りに出る。赤猫お解き放ちの囚人の一人に福ちゃん、ブレてるし一瞬だけどホントによく目立つ。
第22話「恐怖の縄を解け!!」1976.2.26
山師の見つけた銀の鉱脈横取りをはかるワル、父を殺された娘に頼られた金さんは事件解決のほか、娘を慕う蘭学志望の若侍との仲を取り持ってやる。
ロケ地
・山師の円平が殺されて見つかる向島の浜、広沢池北岸。
*タイトルは山師殺しに使われた特殊なロープ、責め問いに使う竜舌蘭の繊維でできた南蛮渡りの品で、濡らすと締まる。金さんたちも一時これで縛られてしまい、むぎぎと苦しむ場面あり。山師に嵯峨善兵、正直を通して死んだ善人設定。娘に岡崎友紀。
第23話「悪夢を吹き払え!!」1976.3.4
凶盗・夢枕の五郎蔵は呉服屋の大番頭という表の顔を持つほか、娘の素性を隠して主の後妻に送り込み、跡取り息子と共に始末してお店いただきという企みを抱いていた。しかし盗みのあと変装を解いているところを金さんに見られており、そこで悪党の命運は尽きていたのだった。
ロケ地
・五郎蔵の素性を知る軽業の親方が刺されて一葉斉の見台に倒れこむ神社、今宮神社境内(一葉斉も卒倒)。
*五郎蔵に花沢徳衛、凶盗にして主殺しのうえ跡取りを冤罪に落とすという血も涙もない悪党を熱演。腰の低い忠義者の大番頭から一転、残忍さを見せる場面など秀逸。もちろんお白州でも逆らいまくり、桜吹雪が出たあとも食ってかかり引き立てられる際にはお奉行を憎悪のこもった目で睨みつける徹底ぶり。*軽業の親方に藤尾純。
第24話「消えた飛脚を探せ!!」1976.3.11 3
品川宿の旅籠総代をつとめる入舟屋、その若旦那は飯盛女と恋仲で半ば勘当中。店を狙うワルは、飛脚をしている彼が金を持って女と逃げるというシナリオを書くが、25年ぶりに旅から帰って来ていた女の父が犯人と名乗り出る。その父は女房に男がいると思い込み江戸を去り、娘が生まれていたことも今まで知らずにいたのだった。
ロケ地
・飛脚が襲われ殺される竹林、わらびの里か。
・妻子が品川宿にいると聞いた老渡世人がゆく道、広沢池西岸の道(農地から)。
・妻の墓に娘が来て金を埋めてゆくのを見る渡世人、黒谷か。
*老渡世人・弥之助に今福正雄、娘の飯盛女に水原麻紀。
第25話「死神を封じ込め!!」1976.3.18 3
賊が南町で破牢、隣の房でコロリ患者が死んだから大騒ぎ。鳥居に事を託されたお奉行は体当たりで賊と対決、手足を切って捨て自身は逃れる気満々の黒幕も白州でやっつける。
ロケ地
・牢の熊蔵の脱走を待つ賊一味、不明(塀際に大木)。
・釣りの旗本にコロリ情報を告げ探りを入れる金さん、広沢池東岸。
・金さんと熊蔵交換の林、糺の森か。
・賊がアジトにした香林寺、不明(経蔵のようなお堂、その前の道は石垣あって上は斜面)。
*患者触って赤目同心らは封鎖中の南町の中でもキツく隔離、牢に半月込められ。熊蔵立ち寄り先で「接触」の青木のダンナも、長屋封鎖の竹矢来の中に込められたまま忘れられてたり。
第26話「金の大黒を追え!!」1976.3.25
岡っ引殺しを目撃した寄場帰りの男は、訳も判らぬまま事件の中枢に。金さんに操られたうえ亡き岡っ引の娘に縋られてしまった彼は、蛮勇を奮い金の横流しをしていた札差のもとに乗り込んでゆく。
ロケ地
・札差の放った刺客に襲われる寄場帰りの正吉、大覚寺五社明神。
・密命を与えた岡っ引が殺されたことで悔悟の念しきりの青木与力が正吉に土下座して頼み込む水辺、大沢池畔(水無し)。
*お調子者の正吉に尾藤イサオ。タイトルの大黒は札差が佐渡金山からの金を金山奉行から横流しして貰い鋳潰し売り出すもの。
第27話「花の廓の闇に咲け!!」1976.4.1 3
仇討ち姫のお話、敵を待ち受ける舞台は吉原。男に靡かぬ人気の太夫は実は姫様、土田早苗がきりりと演じる。
ロケ地
・北町を出て吉原へ帰る太夫の駕籠を見送る金さん、上賀茂神社ならの小川畔。
・一葉斉藤が手品をしている横で種明かしのいたずら金さん、今宮神社境内。
*ワルは将軍の若様の守役、近藤宏で手下は内田勝正。*雲の上の太夫に袖にされに行く男たち、一発目は赤目のダンナで120両請求され付け馬。お次は金さんで250両要求され桶伏せ。*OPがレギュラー写真入りに。
第28話「折鶴の謎を追え!!」1976.4.8
立て続けに二人の医者が殺される事件、意味ありげに合掌の上に銀の折鶴。母を診て貰えず死なれた恨みと思いきや出てくるのは幕閣がらみの汚職で、兄弟には温情裁きが下る。
ロケ地
・寄場帰りの長兄について妹に聞く金さん、今宮神社境内。
・殺された二人は御目見得医師候補と報告する青木さま、中ノ島橋下手右岸堀端。
*長兄、死んでる医者見てややこしい細工…せめて恨みのとか言ってるけど、なんでそんな余計なことを。*次兄を見張っていたお竜に差し向けられる刺客、リーダー格は阿波地大輔で手下に福ちゃん。金さんに見事な空振りをやらかしたあと、ちょんと小突かれて堀落ち。
第29話「燃える瞳を救え!!」1976.4.15 4
涙なみだの母子再会もの、金さんが構った浮浪児はクソ生意気でコソ泥も働く悪たれだが、身売りした母を取り戻すための金を貯めていた。
ロケ地
・お竜が仙太を連れ出す天神さま、今宮神社境内(縁日)。
・仙太が目撃した殺人犯の坊主が住持する正林寺、招善寺墓地への門と周辺(金さんが地蔵の陰に隠れたり)。
・見つかり逃げる仙太が走る道、大覚寺大沢池北岸(西望、心経宝塔映り込み)。
・再び正林寺へ行き母と坊主のヤバい密談を聞きしょげた仙太が石を投げる堀端、大覚寺有栖川畔。
*宿場女郎のあと口入屋の妾となり人身売買組織の手先をつとめるようになっていた「母」に長谷川待子。
第30話「暗闇の銃声を消せ!!」1976.4.22
奉行を恨む男の仕込みで失態を演じる北町、その男の使嗾で瓦版屋が書きたて奉行の進退問題に発展するが、北町同心に恩を受けた芸者が体を張って悪事を暴く。
ロケ地
・お竜に短筒探索を指示する金さん、大覚寺大沢池畔。
・淀屋が参る兄の墓、相国寺墓地か(奥に竹林)。
*芸者・玉菊は錠前師の娘、中山同心に危機を救われ見逃して貰った恩を返そうと動く。彼女はお竜の知り合いで、天井裏でばったり。*淀屋は深江章喜、お白州では拳骨振り上げて向かってくる。中山同心は河原崎次郎。
第31話「明日に別れの賽を振れ!!」1976.5.6 4
抜け荷の運び屋は油屋と見当をつけた金さんは、「就職する」と宣言して怪しい店に潜入。そこには目明しの先客、露見し消されてしまい罪の肩代わりに哀れな恋人たちが利用され、もう一歩で死の道行きに。その男を慕っていた油屋元締の娘の儚い恋物語も挿まれる。
ロケ地
・釣りの金さんが青木さまに抜け荷一味の見当を話す水辺、広沢池東岸。
・龍神一家の雇われ人夫・伊三次が佇む川辺に元締の娘のおせいがやって来て「迫る」のは日吉大社大宮橋下汀(おせいの結婚相手に決まっている島蔵が来て皮肉を言うのは走井橋)。
・一家の人夫におさまった金さんが油運びの船に乗り行く川、広沢池(荷揚げ場面はセットにスイッチ)。
・岡っ引殺しの罪を引き受け、身請けした恋人と道行きの伊三次を呼び止めるおせい、日吉大社境内。わけを聞くのに引っ張り込む神輿小屋、大覚寺五社明神舞殿(破れ放題の障子をはめ込み)。
・家に取って返し伊三次の件を父に問いただすも、裏で働いていた悪事を知らされ伊三次の居所を迫られたおせいが走り出て船を出す船着き、広沢池観音島。追ってくる一家を振り切り上がるのは東岸、逃げる道で金さんに腕を引かれ匿われるのは仁和寺御室桜林西側の塀際(追っ手は御室桜林でおせいを見失う)。追っ手が金さんにボコられた下っ端(おせいが連れていた若い衆)を見つけるのは九所明神前。
・逃げた伊三次らが矢車の女将を頼り連れ込まれる回船問屋(一家とグル、女将もグル)の寮、中山邸通用門。
*伊三次に森次晃嗣、恋人の水茶屋女に新藤恵美。龍神一家の元締に北村英三、グルの南町与力に和崎俊哉。このほか悪役陣はお馴染の面々がいっぱい。逃げる元締の娘を追う船、広沢池で棹を操るのは福ちゃん。
第32話「逢いびきは三途の川で」1976.5.13
事件は公共工事をめぐるライバル追い落とし目的の放火に殺人、お話の主体は昼行灯で十手取り上げ寸前の情けない岡っ引。品川隆司演じる婿養子が、女房に尻を叩かれながら金さんのヘルプで「手柄」をたてる、騒がしくも楽しいどたばた喜劇。
ロケ地
・始末された放火犯の情報を菊川町の長太郎親分に話す金さん、大覚寺五社明神。
*菊川町の先代は捕物名人、その娘である長太郎の女房は躍起になって亭主に手柄を立てさせようとする。もし十手取り上げなら奉行の遠山(呼び捨て)を呪い殺すとブチ上げ、お白州でギャグに。*タイトルはライバルと通じていた後妻の件、二人して磔獄門。ちょっとブラック。
第33話「五色の手鞠を離すな!!」1976.5.20 4
栗饅頭が名物の菓子屋へ乞われてやって来た上方の職人は、餡の勘所を探ろうとしてとんだ秘密に近付いてしまう。そしてこの男はお竜の幼馴染で、小さい頃泣く泣く別れた彼女を思い続けていたことが判明するのだった。
ロケ地
・饅頭を盗んだ幼女に手を上げる卯之助から平吉が庇ってやる八幡さま、日吉大社東本宮楼門前に縁日あしらい。
・卯之助が刺殺される葦原、広沢池か。
・おかめ屋の番頭が武家のお女中に「饅頭」を届ける屋形船、罧原堤下汀(右岸)。
・平吉が助けた女児にお礼の鞠を貰う橋、日吉大社走井橋(導入は大宮橋欄干の透かしから覗くアングル)。
・おかめ屋の向島の蔵、宇治川派流大倉浜沿い酒蔵(お竜侵入の段で大屋根、金さんが近付く段で堀端を使う)。
・平吉の回想、父を亡くし遠縁に引き取られてゆくお竜を追いかけた道、不明。
・平吉と江戸を発つお竜の見送りに行かずお竜の別れの文を読みうるうるのお奉行、大覚寺回廊。
*小鹿ミキの密偵とお別れの回、お白州におかめ屋へ入った泥棒としてお竜を座らせ、お裁きは江戸払いで餞のお祝いが渡される運び。一件落着を告げる姿が既にうるうるしている杉サマ傑作。*おかめ屋の悪事は阿片密売、栗饅頭に仕込む趣向。主は高城淳一で短筒ぶっ放すけっこう豪快なワル、番頭は山本昌平で冷酷な顔がとてもコワい。この二人が蔵に籠ってご注文の阿片入り栗饅頭を調製している姿は血も凍るがどこか滑稽。
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