34〜40話
キャスト
金さん(北町奉行遠山左衛門尉景元)/杉良太郎
おすみ(女目明し)/岡崎友紀
秀駒(芸者)/二宮さよ子
一葉斎(手品易者)/伊藤一葉
甚兵衛(蕎麦屋・長命庵主人)/美川陽一郎
お初(長命庵看板娘)/三浦リカ
赤目玄蕃(南町同心)/岸辺シロー
花川戸の新八(赤目付岡っ引)/植田峻
堺文之進(北町同心)/田中弘
青木紋十郎(北町筆頭与力)/伊東四朗
第34話「娘十九の父恋い十手」1976.5.27 4
将軍の寵愛を失い暇こいた御側室がやらかすカジノ、訴えて出ようとした奥女中が斬られる事件。お奉行に大恩を感じていた隠密回りが深入りして落命したあと、その娘が願い出て形見の十手をかざし悪の巣窟に乗り込んでゆく。
ロケ地
・寺社奉行所へ向かう奥女中が別式女に斬られるお宮さん、大覚寺五社明神。
・お松の方が勤行の音で博打騒ぎを隠して西洋賭博に興じる本所・寶生院、大覚寺大門。
・十手を持ち町へ出たおすみが渡る橋、大覚寺勅使門橋。
*お白州で望みを聞かれたおすみは十手を所望し、お奉行は押し切られる(はじめは女目明しであることは皆には内緒、41話でバレる)。
第35話「紋十郎 惚れて候」1976.6.3
手に手をとって江戸へ駆け落ちしてきた男と女は、金を貯めて故郷へ帰るべく再会を約して別れて暮らす。しかし双方うまく行かずそのうえワルに付け込まれ、という哀話に絡んでくるのは青木さま。金さんがうっかり連れて行った吉原で女郎に岡惚れしちゃってタイヘンな舞い上がりよう、四十年生きてきて初めて女に惚れたと大騒ぎ、最後は騙されていると知りつつお奉行から大金を都合して貰い身請けまで行くのだが、引き際はちゃんと心得ている独身中年なのだった。
ロケ地
・小鈴と伊三次が名を彫り再会を約した両国橋、中ノ島橋。
・昔馴染みに愚痴を垂れ博打に誘われてしまう伊三次、広沢池東岸。
*舞い上がりまくり青木さま、様々な狂態を示す。まず起請文をありんす言葉の女声で読み上げ、身請けの捨て金を置いてきたあとはヤケの阿波踊りで、二人に判決が下った場では高砂を朗々。いちいちうるうる泣いてるし。*今回時間が押してたのか、お白州イキナリなうえに即桜出し。でも恋人たちには尺を裂き、八丈で結婚はOKの温情裁き。
第36話「惚れた女を裁け!!」1976.6.10
けちな小悪党がうっかり凶賊の仲間に引き込まれるがちゃっかり猫ババはやらかし、捨てた娘のもとへ舞い込み迷惑をかける、おきまりのダメ親爺話。小料理屋をしている娘に珍しく金さんが思い入れる一幕あり、小道具は彼女が落として歩くりんご。はっきりとりんご映ってるし金さんもりんごって言う。
*ロケなしセット撮り。凶賊は五味竜太郎、ダメ親爺は海老江寛、娘は朝丘雪路。
第37話「海鳴りを抱く女」1976.6.17
油の値を操るための陰謀で家族を焼き殺された女は、岡場所に身を沈めてまで犯人を求めるが、火つけ実行犯の背後には巨悪が控えていた。
ロケ地
・おとよ殺しに一役買う牢番が小判と指令書を取り出す谷中の墓地、くろ谷か。
・金さんに差し向けられる刺客、民家塀際と内部。
*おとよに鮎川いづみ、太地出身設定。悪辣な油問屋は須賀不二男。
第38話「消えた姫君を追え!!」1976.6.24 4
遠山金四郎との縁談を嫌った姫様が出奔、裏には他の馬鹿殿と縁付けて藩を牛耳ろうとする江戸家老がいた。金さんに感化される姫様の成長物語にきれいにまとまって幕。
ロケ地
・野沢藩邸、相国寺林光院。捜しに出た用人から逃げる姫、赤山禅院地蔵堂前。むくれた金さんを追ってくる姫、じいに見つかり金さん立ち回り、赤山禅院本殿朱玉垣脇。
*世間知らず姫のお約束ギャグはたっぷり、一葉斎にお花手品をもっととせがみ「そちは花咲かじじいゆかりの者であろう」が爆笑もの。姫様は結城しのぶ、仲人趣味の水野老中の母堂に毛利菊枝。*今回「お裁き」は野沢藩邸での結納の席に水野老中の名代として乗り込み江戸家老を断罪、よって「お白州」はなし。
第39話「松風聴いた母子草」1976.7.1
その昔植木屋夫婦に託された対の盆栽、隠された秘密を求め悪家老一派が関係者に迷惑かけまくり。未亡人と坊をガードする金さん、悪者どもに無駄な大穴を終日掘らせ嘲笑う。
ロケ地
・長命庵の親爺と質屋の隠居が一つずつ対の盆栽を買う深川八幡、今宮神社(楼門、境内)。
・長命庵から盆栽を盗もうとした正平坊が魚とりの川、上賀茂神社ならの小川。
・正平と母が身を寄せる寺、西寿寺(石段から見上げ)。
・質屋を殺し盆栽を盗った浪人が口封じされる町角、大覚寺五社明神。
・大河原藩のことを金さんに報告するおすみ、大覚寺放生池堤。
・溺れた正平を救出する金さん、中ノ島橋上手堰堤下。
*盆栽の鉢底にあった粘土板を差し替え、総出で見当違いの場所掘るのを見ている金さん、日暮れて篝火が焚かれてからくつくつ笑い出す。無駄働きの一同、ムッカー状態で殺到するのが大笑い。未亡人から盆栽を取り上げた植木屋の江幡高志が20年の江戸払いなのも笑えるがちょっと気の毒。
第40話「嵐の中に立つ姉妹」1976.7.8
汚職を知ったことで斬られた小役人、娘二人は仇を求め江戸へ。間違った相手に斬りつけ負傷した娘は長命庵に保護され、金さんが事情を知ることとなる。
ロケ地
・姉妹の妹のほうが金さんに傘を呉れる雨の市中、上賀茂神社校倉、ならの小川。
・一葉斎の手品にたかっていた腕に痣の浪人を追う金さん、上賀茂神社北神饌所、奈良社。
・遠州津川藩邸、随心院薬医門。
*間違われ浪人に草野大悟、飄々とした態度がいい味。能楽師になりおおせている仇に田中浩、汚職役人に西田良、悪徳商人に沼田曜一。*長命庵オヤジ美川陽一郎、今回で終わり、次回から新キャスト。
→遠山の金さん 表紙 |