信長の棺

2006.11.5ANB/松竹


 信長を敬愛する書役・太田牛一は、焼け落ちた本能寺から遺体が見つからなかったことに拘り続け、曲折を経て真実に辿りつく。時間の推移は本能寺ノ変直前から太閤の死まで。ドラマの主体である謎解きのほか、太閤に強要され歴史を曲げたことに落胆するさまや、亡妻に似た侍女とのロマンスも見どころ。

キャスト
太田信定(牛一)/松本幸四郎 信長/松岡昌宏 楓(太田家侍女)/片瀬那奈 才蔵/渡辺いっけい
秀吉/中村梅雀 三成/篠井英介 大村由己/蟹江敬三 光秀/小日向文世 家康/西郷輝彦
お鍋の方(元信長側室)/浅野ゆう子 清如(阿弥陀寺僧侶)/内藤剛志 惣兵衛(楓祖父)/夏八木勲

普済寺 鐘楼門

ロケ地

・安土城、外観はCGで内部は信長の館か。
・秀吉の要請に応じ京へ発つ信長が出る城門、姫路城菱の門
・本能寺、門は大覚寺大門(高所からのクレーンショットと内側)、お堂等内部の建物は例の砕石場様の崖下にセットを組んだ模様(炎上→焼け跡)
・光秀の軍勢がゆく街道、大堰川堤か。
・信長から託された五つの箱を埋める林、鳥居本八幡宮広場
・謎の手勢に拉致された牛一が目隠しされ連れてゆかれる道、酵素ダート
・十ヶ月の間幽閉される海辺の村、間人
・幽閉場所から連れ出された牛一が前田利家と秀吉に会う金沢城、本物(外観のみ)
・旅の途中顔を洗う牛一に追いついてくる楓、清滝河原
・信長の法要、三法師ぎみを抱き輿でゆく秀吉の行列、仁和寺参道
・牛一に切りつける小鶴(一回目)大覚寺有栖川畔。
・大坂城勤務の牛一、イメージに大阪城天守
・牛一が遺骨を必ず見つけだすと胸に期する大坂城下の道、大覚寺大沢池畔/小鶴に襲われるのは天神島朱橋(二回目)
・太閤軍記を書き上げたあと隠居した牛一が住まう天満の屋敷、宝厳院通用門
・光秀が本能寺へ向かったルートを検証する牛一が辿る洛中の道、中ノ島橋大覚寺心経宝塔を合成。
・愛宕神社の神官に聞いて訪ねる茶屋四郎次郎の別邸、不明(萱葺の門)
・大坂城に呼ばれ信長公記の編纂を命じられた牛一に、変の当日本能寺にいた娘を引き合わせるお鍋の方、姫路城好古園お屋敷の庭
・太田梅庵と弓を競う牛一が、娘に聞いた信長の本能寺襲撃時の態度について疑問を話す弓場、上賀茂神社北神饌所裏手(奈良社に幔幕あしらい)
・本能寺の地図を検証し浮かぶ抜け道出口の南蛮寺、宇治・興聖寺山門(外観のみ)
・抜け道を探っていてリンチに遭った楓を療養させる有馬の湯、不明(岩風呂)。有馬の太閤の湯、不明(石樋)
・「山の民」の楓の祖父を訪ねる丹波の里、酵素(崖際に窯あしらい、家は民家セット)
・楓の祖父が差し向けた、遺骨の在り処を知る僧が属する京・阿弥陀寺、普済寺(山門の内外ほか境内)
・太閤の死後、僧が牛一を案内する信長を密葬した墓地、大覚寺遣水跡

メモ
・牛一がとっても大切にしているギヤマンの壺に入った「こんふぇいとぅ」、信長の先進性の証拠品。
・太閤に不要とされるも肯んじ得ぬ牛一、大坂城の文庫でそーっと信長公記に幼少期も書いた首巻を「足して」くる。「史実」に関しては、どの時代の為政者だって己の都合でそれを曲げると言い放つ秀吉がなかなか。様々な「改竄」に関しては見ての読んでのお楽しみ。
・牛一が「お作り申し上げる」とブチ上げる信長の「棺」のビジュアル、早桶がばりーんとバラけて信長の哄笑が被り、中には「信長公記」全巻が納まり。

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