千利休 本覺坊遺文

熊井啓監督作品 1989.10.7東宝


 洛北の山中に庵する半ば世捨て人の利休の弟子と、死に遅れた戦国武将の有楽斎は、哀惜の日々に利休の死の真相を追い求める。
閑居にて心の中の師に接する日々を送る本覚坊、彼が語る言葉をよすがとして利休に迫ろうとした有楽斎は、死に際し茶人としてのプライドを頑なに護った利休の最期をトレスして果てる。

大徳寺三門

ロケ地

・冒頭タイトルバックの石庭は龍安寺石庭(雪景)
・茶道具屋・大徳屋に伴われ建仁寺正伝院に成った有楽斎の茶室を訪ねる本覚坊、境内をゆく二人は妙心寺法堂の東から仏殿・三門を南望した図。
真如堂に紅葉を愛でに赴く本覚坊、塔と紅葉を映したあと、東陽坊に呼び止められるのは本堂前。
・合戦に赴く武将に茶を点てる利休、陣幕が張られた濠端の向うの天守は松本城
・洛中から庵に帰るさ、河辺に佇みその川の末を思い、堺に追放される師匠の姿を重ねる本覚坊、清滝河原か。京を追放された利休の船が下る淀川、木曽川日本ライン
・九州へ流罪が決まった古渓を送る茶会を開く聚楽屋敷、金閣の総門に似るが不明。
・太閤の意に添わず壮絶な立ち腹を切る山上宗二、鎌倉・妙本寺本堂前。
・利休忌に際し師の墓に参る本覚坊がゆく大徳寺境内、大徳寺三門脇路地・北望。有楽斎と種々を語り合う縁先は大徳寺大仙院。本覚坊の回想、古田織部正の伏見屋敷を訪ねる描写、大覚寺明智陣屋前の蔵脇・南望。


キャスト
本覚坊/奥田瑛二 千利休/三船敏郎 織田有楽斎/萬屋錦之介
秀吉/芦田伸介 古田織部/加藤剛 山上宗二/上條恒彦 東陽坊/内藤武敏 古渓/東野英治郎


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