銭形平次捕物控 からくり屋敷 森一生監督作品 1953.1.3大映

キャスト
銭形平次/長谷川一夫 お静/霧立のぼる
八五郎/アチャコ 三輪萬七/東良之助 笹野新三郎/原聖四郎
紫琴女/三浦光子 法来坊/羅門光三郎 赤井主水/黒川弥太郎


 手をかざすと足萎えが立ち目が開く生神さま、そればかりか金を供えると二両が四両になって帰ってくると大評判で、大勢が紫御殿に詰めかける。しかし信者の不審死が続き、調べに入った三輪の下っ引も八五郎も帰ってこない。乗り出す平次、怪しさ満点の紫教団の御殿で会った教祖は、一文長屋にいた幼馴染の女だった。
教祖の紫琴女は駿河大納言の忘れ形見、教団の別当で大奥のお局をコマし教祖も操る総髪の男、裏で動く浪人たちは天草党なんていう奇々怪々な道具立て、老中も籠絡されかける天下の一大事に、銭と十手で平次が向かってゆく。

清凉寺回廊

ロケ地
・七五三で賑わう神社、松尾大社楼門(子供相撲は門前のポーチ)
・八五郎が庭から忍び入る紫御殿の回廊、清凉寺本堂裏回廊(下から見上げ、本堂側にビケあしらいで普請中を演出。後で平次が坊主と男が金でモメているのを見るのも同所)
・紫御殿を手がけた棟梁に図面を見せられたあと、天草党に追われた平次が銃撃を受け落ちる橋、渡月橋

*教祖のご落胤話は本当、これを赤井主水に利用されるのだが、お琴が話に乗ったのは江戸へ戻って平次に会いたかったから。しかし既に平次はお静を娶っており、以降信仰に生きるがこれも赤井に利用されるという悲劇。しかもお琴は赤井に平次の面差しを見出し、離れられずにいた。*「からくり」は御殿の椅子が巨大歯車でごごーっと地下へ下りたりなんかして、八五郎はこれに乗ってしまい監禁の運び。赤井とのラス立ちはこのからくりの傍で行われ、悪者が機械に挟まれ敢無い最期を遂げるお約束の展開。*マルチの仕組みを信者の女がミュージカル仕立てで歌う場面が、いま見ると笑っていいのかどうか微妙…「ご利用は計画的に」とか入ってたら完璧。


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