THE HISSATSU |
1984.6.16松竹/朝日
TV放映600回記念映画化
冒頭、OPクレジット流れるなか主水が渡る橋、木津川流れ橋。
上方から来た人形浄瑠璃一座が宣伝ビラ撒きながら町をゆく、その車輪に轢かれそうになった子猫を助けに飛び出す天然系の少女・お君。
一座の太夫・此竹朝之助は博打狂いで早速二階の窓から逃げ出す。
始末され塔から落とされる男、倒れた石畳に広がる血溜まりに六文銭が投げられる。背後の林に朱傘の女。
強い雨の降る日、掘れた崖からのぞく死体、長屋の井戸からあがる女の逆さ吊りの死体、それぞれ口に銭を銜えさせられている。傘の女が微笑みながら見ている。
勇次の店で一連の事件について話し合う主水チーム、おりくもいる。次々殺されるのは同業者で、死体の口の六文銭から同一犯の仕業と語る主水。
六文銭の話聞いたおりくは旅姿で出てゆく。その様子を案じる勇次。
加代に仕事人のことを尋ねに来る少女、お君。池の端の出合茶屋の隠し女郎。
同僚らと仕事に出てゆくお君に声かける加代、今宮神社東門外の茶屋付近。
縁日の神社、お君に雑踏の中を歩いて来いと指示する加代、顔を見せぬ仕事人との接触。条件の提示・ターゲットの特定。屋台のシルエットが交錯し効果をあげる。金を置いた祠からは瞬時に以来料が消える。ロケ地、今宮神社境内、高倉下、合祀摂社等。
芸者・お甲に声かける朱傘の女・お葉、今夜子の刻本妙寺の手紙の中に六文銭。慌てて仲間にツナギとるお甲、江戸を売ろうというお甲に髪結いの新次は全面対決を主張する、中ノ島橋下。そこへ橋上からお葉の声、「今夜法妙寺」、橋を渡る不気味な僧。
法妙寺、息を潜めて待つお甲たち。いきなり上からぶら下がる新吉の死体。ロケ地妙心寺か。
以降、お甲以下は各自家に引きこもる。
お君の逃げた男・仙太に事情聞く秀、ターゲットの伝次が殺めたのは子猫、その死骸を抱きめそめそ暗いお君に愛想つかして逃げた仙太。
経緯知った主水チームはお君呼び出し依頼料返却、馬鹿にするなと加代に叩かれる。泣き崩れるお君。
品川・大森海岸の松林。ロケ地近江舞子。主水が戦慄コンビ連れて湯治。湯に浸かる主水に声かけるお葉、表の顔も裏の顔も知っている、組みたいと申し出る。また、面白いものが見られるから祭りの警備には必ず来いと告げる。
猫の死骸抱き町を彷徨うお君、見かけた朝之助が猫を川に流し弔ってやり仕事の依頼も受ける。お君は川岸に座り込みここで通夜をしてゆくと残る。直後、六文銭のツナギの現場見てしまい殺され川に投げられるお君。
伝次を仕置にかける朝之助、紙吹雪飛ばす手口を秀が見ている。
祭り、華やかな神輿のなかにひとつ異質な真っ黒の集団。押し殺したような掛け声で進む。お甲チームの幇間の善好や瓦職人の政を神輿に巻き込んでシメてゆく。遂に引きこもるお甲の家に乱入、お甲引っ掛けて出てくる。家は崩壊という荒っぽい手口。見ていた主水たちは緊張。
川を流れてゆく黒神輿、川岸には六文銭銜えたお甲たちの死体。ロケ地桂川、罧原堤(堤下汀)か。政のみ息あり助かる。
上州の旅から帰ったおりく、六文銭の容易ならざるを語る。その後お葉の手引きで頭・庄兵衛のもとへ赴くおりくたち。庄兵衛は昔世話になったおりくに江戸を出るか足を洗うかせよと迫る。ここでケリつけるというおりく、幼女盾にとり去る庄兵衛。寺、神護寺か。
主水にはお葉がコナかけ、仲間の首と引換えに組もうと持ちかける。また、せんに中村主水は殺し屋と吹き込む。
おりくの指示で助っ人が集められるが妙な者ばかり。あまつさえ次々六文銭に消されてしまう。
尾行される秀、大沢池木戸付近。有栖川の堀を走って逃げる。勇次が堤を歩くのに堀から声かける秀、腕のいい仕事人に会いにゆくというのに御一緒。勇次の歩く堤は伏見・松本酒造脇の東高瀬川堤、秀の出てくる堀、旧高瀬川。
賭場にいるその仕事人は朝之助、勇次が助っ人を依頼、断るところへ襲ってくる六文銭たち。
助っ人募集聞きおりくを訪ねてくる鎖筒の時次郎とその弟分、試技が行われる、木津川流れ橋下の河原。時次郎は政の投げる瓦を見事に割り、弟分の石亀はファンキーな土遁の術を披露。橋上で見ていたおりくと主水は参加を了承。しかし時次郎は仕事の前日酒場のいざこざで殺され見ていた石亀は金持って逃亡。
主水に決心ついたかと問いただしに来るお葉、ツナギの茶店は粟生光明寺石段途中にセット。自分と組んでくれる証を立てろと言われ××の主水。
亥の刻・お酉様の境内の約に出陣の主水、刀の目釘改め出陣。通りかかる塀と塀の間の道、妙心寺か或いは西本願寺か。出迎えるお葉、主水の決意察し「あたしゃまた別の中村主水を見つけるさ」と笑い、去る。
一かけ二かけ三かけて仕掛けて殺して…と呟くように歌いながら流れ橋を渡る主水、行く手では次々とチームが合流してくる。
お酉さまの境内に着く主水、下鴨神社。設定は浅草のお酉さまか…数ありすぎて不詳。
二の鳥居で庄兵衛と対峙する主水、秀が潜むのはならの小川の石橋下。庄兵衛の喉笛に刺さる瓦、とどめさす主水、しかし替え玉でまたまた現れる庄兵衛。はじまる死闘。勇次の仕掛けは竹林のなか、秀は堰堤の水抜き穴に潜み水中に体没し、落差工の中からざばぁと躍り出て水中に相手引きずりこみ仕置。ワイヤー使った演出が派手。ロケ地、柊野堰堤。政夫婦はヨシ原の中で戦死。
劣勢の主水たちに船を漕いで来た朝之助「しょがない、助けたるわ」と参戦。芝居小屋に誘い込み最後の決戦。からくも庄兵衛仕留めた頃回る町方の手。一旦散るが主水が汀に用意した潜水艇にみんなで乗り込み逃走。この趣向を楽しい見世物ととるかぶち壊しと怒るか、時を経た今見てみるともっと変なものも見て来ているのでなんとも思わなかったりして。
勇次の仕置の最後、背中に無いと思ったら裾まくった裏地に「南無阿弥陀仏」、怪力の半鬼は主水が奈落から姑息に刺す。
ラスト、朝之助の舞台見ながらいい芸だと感想漏らすおりくと勇次、枡席で戦慄にやり込められている主水に目を転じあれも千両役者と述懐。