花よりもなほ

是枝裕和監督作品 2006.6.3松竹


 父の仇討ちを期す青年が暮らす長屋は吹き溜まりのボロ長屋、住民は一癖も二癖もある怪しい面々揃い。そこで揉まれるうち人生の機微を知る青年、生来穏和な彼は、仇の所在を知るも妻子と暮らす相手の暮らし向きを見てしまい遂行かなわず。ここで一計を案じた青年が思いつく大芝居は、長屋に潜伏していた赤穂義士の背中を妙な形で押すことになる。

大原野神社

ロケ地
・おさえと権現様に参る宗左、毘沙門堂山王社。参詣後二人が話す茶店、勅使門下にあしらい(やじろべえ売りの露店は門下石垣際)
・荷揚げ場で仇の姿を確認する宗左、罧原堤下河原か。
・新坊と猫にやられた小鳥の墓を作りに行くくだり、石を拾う河原は摩気橋下園部川河川敷(欄干越しのアングルも)。小鳥の塚は橋たもと民家塀際の、堤に生えた木の根方。
・父の遺言のことをおさえに話す宗左、二人が出てくる門は龍潭寺山門、話しながら歩くのは参道。
・長屋衆が仇討ち芝居でひと儲けを企む八幡さま、大原野神社本殿前、参道(屋台あしらい)
・おさえと縁日に出かけた宗左が「仇」を見かける参道、大原野神社参道
・叔父に伴われ故郷へ向かう宗左、不明(杉林の山道、溜池?汀、池堤?の街道)
・宗左の父の法事が営まれる寺、親戚に三年も何をしていたとからまれる座敷は粟生光明寺方丈座敷。
・弟と墓参にゆく道、民家南塀際。墓参の資格が無いと弟に難詰される「仇」金沢の屋敷跡前、民家西側通用門
・新坊を苛める武家屋敷のガキども、随心院裏土塀(仇の息子の吉坊が介入)
・仇の男を連れ出し話す宗左、随心院裏手竹林

キャスト
青木宗左衛門/岡田准一 おさえ(向いの未亡人)/宮沢りえ 貞四郎(タカリの仕切屋)/古田新太 平野次郎左衛門(うるさ方の隣の浪人)/香川照之 おのぶ/田畑智子 乙吉(屑屋)/上島竜兵 孫三郎(糞が餅に変じるのを待ち望む足りない男)/木村祐一 そで吉(粗暴な訳あり男)/加瀬亮 留吉/千原靖史 善蔵(おのぶ父)/平泉成 お勝(乙吉母)/絵沢萌子 おりょう(大家嫁)/夏川結衣 伊勢勘(大家)/国村隼 重八(長屋長老の代書屋)/中村嘉葎雄 青木庄三郎(宗左の叔父)/石橋蓮司 寺坂吉右衛門/寺島進 鈴田重八郎(脱命義士)/遠藤憲一 小野寺十内/原田芳雄 与力/トミーズ雅 青木庄二郎/南方英二 金沢十兵衛(仇)/浅野忠信


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