酔いどれ二刀流 森一生監督作品 1954.4.7大映
無頼の喧嘩安が高田馬場で名を上げ、婿に乞われ堀部安兵衛として長屋を出てゆくまでを描く。
画面からアルコールの香りがしてきそうな、豪快な酔態を見せる長谷川一夫の安兵衛は寝ている姿も豪快。菅野の叔父の文も途中で放ったらかして寝てしまうし、内匠頭に呼ばれた御殿でも大酒食らって眠りこけ。
立ち回りは、高田馬場と内匠頭に槍で突きかかられる御殿と、見せ場たっぷり。
長屋衆との交流も、しつこく食い下がる弥兵衛とのやりとりも情味あふれ味わい深く、お鶴坊に見せる優しさが胸に迫る。
ロケ地
・幸にからむ巾着切りを懲らしめる市中(鬼子母神境内か江戸橋か)、不明(北野?)。
・菅野六郎ヱ門が果し合いの場へ駕籠をやる道、不明(川堤か/堤に軒を接する家並み)。
・高田馬場、不明(白砂の広場、松の孤立木がちらほら/周囲は松林、竹林ものぞく)。
・高田馬場へ走る安兵衛、叔父の駕籠が行った堤のほか、塀際は東福寺か。田んぼ脇の地道も見える。
・叔父の墓に参る安兵衛、不明(後ろの塀に宝筐印塔の頭がのぞく)。帰り道の縁日、不明。
・堀部の姓を捨てて中山姓にと内匠頭に願い出る弥兵衛、不明(お寺の境内?塀と門/内匠頭は弓のお稽古中)。
キャスト
中山安兵衛/長谷川一夫 お鶴/若尾文子 お滝/入江たか子 屋根松/益田キートン 甚兵衛(差配)/瀬川路三郎 菅野六郎ヱ門/香川良介 堀部弥兵衛/菅井一郎 幸/三田登喜子 わか/浪花千栄子 浅野内匠頭/黒川弥太郎
|