1995東映/テレビ朝日
キャスト
相良淳道/藤田まこと 相良ぎん(淳道の母)/南美江 小林藤次(診療所助手)/錦織一清 おみつ(診療所助手)/水野美紀 神山道喜(北町与力)/左とん平 同心川口/笹木俊志 同心吉田/柴田善行 勝小吉(御家人)/田村亮 おさき(口入屋女将)/沢田亜矢子
第1話「快楽殺人」
助けられなかった患者の遺児の面倒を見る淳道だが、兄のほうは奉公先で不審な目に遭い、幼い妹が失踪してしまう。面妖の裏には町方が追跡中の辻斬り、淳堂は刀の封印を解く。
ロケ地
・泉屋へ奉公に上がった市坊が溺れて助けられる掘割、大覚寺放生池堤。
・直参・岡部の手先が泉屋に書状を渡す裏口、大覚寺東塀通用口(有栖川に小橋架かるところ/神山与力が見ている)。
*元侍だった泉屋は誠直也、直参の岡部は立川三貴、誤診の藪医者は玉生司朗で彼の用心棒が福ちゃん(淳堂に斬りかかり捻られ)。*「出陣」の夜道が必殺テイスト。
第2話「咬み犬」
藤次の哀話、やっと会えた幼馴染の女は苦界に。淳道のはからいで解放されるかに見えたが、悪名ふんぷんの因業金貸しが素直に応じる訳もなかった。
*ロケなしセット撮り。藤次の幼馴染は中原果南、金貸しは小沢象、凄腕の用心棒は曽根晴美。本屋の北見唯一や小料理屋の主の石倉英彦もいい味。*医療部分は犬の咬み傷、縫合し直しの際の合成の傷見るだけで痛い。
第3話「仮病の女」
押し込みに斬られた女が記憶喪失、衝撃ゆえと案じる診療所一同だが、母上さまは女が男の名を呟くのを聞き逃さず、恋患いと断じる。
ロケ地
・おしんの様子を窺いに来た不審な男を尾行する小吉、盗っ人一味がアジトにしている無住の荒れ寺、神光院中興堂(建具をはずし破れ障子をあしらい、座敷も使用。迷ったと中に声をかける小吉「神光寺ってここかね」が大笑い。境内の木々は紅葉し地面も真っ赤)。
・おしんが勤めだした質屋を窺う与兵衛、今宮神社石橋からかざりや方面を見る(池田屋裏口で掃除をしているおしんの部分は映画村セット)。与兵衛を人けの無いところへ連れ込み釣りこみの芝居をするおしん、今宮神社合祀摂社前。与兵衛が立ち去ったあとおさきが稲荷社から出てくる。
*おしんは辻沢杏子、与兵衛は内田直哉。凶盗は岩尾正隆で手下に小船秋夫。おさきにぞっこんで店を盗っ人誘き出し現場に使われてしまう質屋は冷泉公裕。
第4話「乳岩の女」
抜け荷事件と乳癌手術をからめた話、埋めてるんじゃないのと噂のモノもきっちり見つかり、締めは小吉の恋ばなし。
ロケ地
・手術に脅え診療所から消えたおさんを探す小吉とおみつ、大覚寺放生池堤。
・おさんの思い出の場所・中川のお救い小屋跡、広沢池東岸池底(水無し)にあしらい。
*おさんは藤田佳子、抜け荷商人は鶴田忍で大元の店の番頭は中田浩二。*秩父屋に監禁されたおさんの逃げっぷりが傑作←高窓の桟切って脱出。手術中、表でお祖師さまに無事を祈って団扇太鼓どんつくの小吉も笑える。
第5話「妻売る侍」
淳道に藩医の話が来るが、出所の鳴滝塾での先輩の御典医はとんだ外道。悪党どものため父母とも失いかける坊のため、刀もメスも振るう淳道なのだった。
ロケ地
・近江屋の女中・おゆみが幼馴染のおみつに店を辞めて結婚する旨を伝える水辺、大覚寺大沢池畔。
・おゆみが殺されて見つかる大川、嵐峡汀(土左ヱ門が上がったと走る町衆や通りがかりの小吉は生垣際の道)。
*高山浪人は佐藤仁哉、五百両で近江屋のもとへ行った妻女は丸山ひでみ。御典医を色と金で抱き込む悪徳商人は椎谷健治で色魔の御典医は滝田裕介、用心棒は出水憲。*神山・藤次ネタ今回は露骨、小吉のからかい入り。
第6話「臨月の女」
淳道が拾った女は妊娠中、仇持ちのうえ郎党の子を孕む身の上に、一同は別の道を歩ませようとはかる。
ロケ地
・金貸し・高浜屋を恨んでいた大工が殺されて見つかる大川端、中ノ島橋たもと(駆けつける酔態の神山たちは橋上)。
・雪乃の懐妊を知り怒って帰る途中の叔父(唐津藩用人)が高浜屋に斬られる祠、大覚寺天神島。
*仇討ちの未亡人は蜷川有紀、情を通じてしまう従僕は加藤純平。叔父の用人は山本清、実は仇だった高浜屋に有川博。*お産は母上が担当、どんつくうるさい小吉を叱りつけ。お産なのに男連中が外へ出されない珍しい展開。
第7話「女房殺し」
子の薬代のため夜鷹に身を落とした女が斬殺される。求められ刀を振るった浪人の亭主は荒み、要らざる別の悲劇も出来させてしまう。
ロケ地
・父の平癒を願いお百度を踏む菊枝、大覚寺五社明神(祠前に百度石あしらい)。
・夜鷹が葬られた浄真寺の無縁墓地、不明(塚は竹林際、参って帰りの小吉が深尾浪人と行き会うのはクリーム色五本線の塀際、土手越し見上げのアングルも)。
・脚の切断にショックを受けた菊枝が泣き伏すのを見て、頭に来た藤次が深尾浪人に立会いを求める市中、大覚寺護摩堂前。
*深尾浪人は丹波義隆、菊枝は松永麗子、父の道場主は穂高稔。*藤次が菊枝に心ひかれる設定、菊枝は道場破りの深尾の相手をして負傷→放置して脱疽を発症。*墓地のロケ地、必殺の激突18話と同じ。大江戸犯科帳2話で出る水辺もひょっとして同じか。
第8話「贋金造り」
贋金を作り己の賭場で表金に替えていた悪党だが、ぴたりと賽の目を読む達人により露見。その親爺の、「娘」との経緯が涙もの。
ロケ地
・土浦の鍛冶屋の死体が上がる大川、嵐山公園中州岸(中ノ島橋下手)。
・淳道の求めに応じ父に書物を借りに行く藤次が渡る橋、中ノ島橋。
・万屋が根岸の寮で開く賭場、中山邸通用門。
*目を患ったことで勘が鋭くなり「博打の神様」状態の親爺は梅野泰靖、彼の娘の名を騙っていた女は吉野真弓。万屋は石山律雄。
第9話「人体解剖!殿様になりたくなかった男」 *スペシャル拡大枠
同じ根の事件の尻が淳道のもとにに持ち込まれる。命を狙われている若殿を預かり、殺しの疑いがある産婆の遺体を腑分けしたり、果ては北町奉行の依頼で遠出。そして淳道の言葉により、若者たちは己の行く道を選びとってゆく。
ロケ地
・安房藩中屋敷から若殿と藤次を助け出してきた淳道が一息つく橋、中ノ島橋下。
・産婆の死体が上がる中川、罧原堤下汀(漁具や小屋あしらい、中州や岸にユリカモメいっぱい)。
・諏訪町の川っぷちに上がる偽証した船頭と悪党に通じた岡っ引の死体、大覚寺天神島北辺水路(駆けつける神山は朱橋を渡る)。
・江ノ島さして早駕籠をやる淳道と小吉、嵐山自転車道。江ノ島、広沢池南岸(遍照寺山の後ろに富士山合成)。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・産婆の墓、7話で小吉が参っていた墓地と同じ。
*若殿・土屋貞信は渡部篤郎、彼を亡き者にし弟ぎみを後継にとはかる留守居役は深江章喜、その裏で糸を引く札差は石橋蓮司。産婆の娘は濱田万葉、産婆は三浦徳子。赤子を周旋した医者は中田博久、秘事を知る者を消してゆく用心棒は井上高志。解剖に協力する蘭方医は御木本伸介、産婆にしっぽくを売った蕎麦屋は牧冬吉、遠山奉行は山城新伍(花吹雪はナシ)。*神山のダンナ、若殿をまじまじ見て「病気」を出す。どうやらいい男なら誰でもOKみたい。
淳道は武士の身分を捨てた長崎帰りの町医者、母上は侍を捨てたことがご不満で息子の「恋人」のおさきを「大きな雌猫」などと嫌う。友あり、御家人の小吉と町方の神山。彼らとおさきは淳道の「闇裁き」に同調というか黙認というか、むしろ加担。助手二人は淳道に心酔の設定、彼らと医療行為を行う場面がお話の主幹。初めて行う手術なんかもたくさん出てきて、ドラマの山に。時代劇のお約束の「ヒーローの苦手」も用意されていて、淳道は鼠が怖い←鼠退治に猫を飼いたいが母上は猫がお嫌い。「闇裁き」中にも鼠に怖じる淳道のため、小吉が猫を貸しに来る。そうした手助けの駄賃には必ず「小吉の請求書」がついてくるのがお決まり、神山の男好きもお決まりのお笑い。
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