人形佐七捕物帳
死をよぶ猫は金の爪
1984.1.12CX/映像京都 主演/片岡孝夫
岡場所の女が抱き上げた白猫の金の爪が発端の事件、女郎とその男をはじめ次々と起こる殺し。怪しいと判っていて町方が踏み込むことかなわぬ武家屋敷では、贋金作りが行われていた。
ロケ地
・元小普請支配・丹波主膳(亡)別邸(お部屋さま・お銀が住まう)、中山邸門。
・丹波邸付近の鼠橋、大覚寺参道石橋。
・女郎や飾り職人が殺されて見つかる音羽稲荷、吉田神社竹中稲荷(舞殿まわり、参道重ね鳥居)。
・大工衆が毒殺される屋形船、大覚寺大沢池(船着際に係留・導入部の背景に五大堂)。これを検分したあと神崎与力と佐七が話す水辺、放生池堤。
・登城し将軍と姫君に拝謁する佐七ら、お城イメージに姫路城天守、庭は仁和寺宸殿前白州。
*なんつっても印象的なのは大白猫、ぶっとくてふかふかで真っ白。お屋敷から岡場所へ悠然と徘徊し、なぁ〜ごと鳴く。抱き上げた女郎が肉球を押すと、しゃきーんと出てくる爪が金という趣向、ヒミツの工房へ出入りしてくっつけた金。
*佐七の父と、親しかった老目明しの吉兵衛が手柄とした事件で捕まった賊の残党が恨みによって引き起こす事件、町方の面目失墜が目的。佐七に目をかける与力のダンナによって、もてはやされはするものの不浄役人に過ぎぬ身分の悲哀が語られるのも見もの。持ち上げたり貶したりの浮き沈みも映像化されて挿入される。
*将軍家の姫君に働きを嘉された佐七が召され登城し上様に真の悪を暴露というくだり、町人では目通り適わぬゆえ侍に扮してゆく佐七と下っ引、神崎与力のアイデアで佐七と辰五郎に豆六が「玉池七之助・金時辰之進・うらなり豆右衛門」と称して上がるというのも傑作。
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