暴れん坊将軍 II  60〜79話

  →暴れん坊将軍 II 表紙


第60話「易者新さんに万両の夢占い!」 1984

 ドケチ旗本が古記録を探り、横山町の長屋に明暦の大火の際富商が隠した二万両が埋まっていると妄想、追い立てにかかる。この欲ボケを皆してハメるお話、上様なんか白髪白髯の易者の大家に扮して旗本を振り回した挙句、最後にはべりべりと変装をはがし成敗のラス立ちになだれ込み。

ロケ地
・お駒に話を聞く新さんのくだりや、お駒の子分が生計のため蜆採りの川、地回りと立ち回りのお駒の段など、上賀茂神社ならの小川や神事橋まわり。
・ラス立ちの護持院ヶ原は下鴨神社河合社(爆発は合成)
*ドケチ旗本に藤岡重慶、手下の地回りに汐路章、これに対抗する女口入屋に西川峰子とキャストを見ただけで騒がしい一話、スラップスティックコメディなので殺陣もどたばた・福ちゃん入り。


第61話「さぎりが覗いた暗殺命令!」 1984

 またぞろ持ち上がる将軍暗殺計画、今度の首魁は薩摩の江戸家老。浪人を集めて鉄砲玉にしようとするきったない企みで、その首領格の男とさぎりの悲恋が描かれる。彼とは長屋でお向かいさんのさぎり、忠相にきつく叱責されへこんでいる際浪人と急接近し幼い娘にもなつかれ、ひととき女としての幸福を夢見るのであった。

ロケ地
・お浜御殿の様子を見に行く島村浪人、大覚寺勅使門。新さんと行き会い浪士団のことを聞かれる帰り道、中山邸参道。
・島村を呼び出し暗殺計画について正す新さん、上御霊神社本殿裏手。
・お浜御殿へ向け出立する将軍の行列、二条城桃山門前。
・暗殺に赴いた島村を追うさぎり、追いつく松林は琵琶湖西岸松原。汀には浪人たちを乗せる船が置いてある。
・ラストのお庭逍遥、二条城清流園
*島村浪人に藤巻潤。薩摩の江戸家老に五味龍太郎、腹心の用人は堀田真三。


第62話「ほとんどビョーキの出たがり娘!」 1984

 絵師・寛斉がモデルにした美女が相次いで変死、裏には「出たがり娘」をうまうまと誘い出し大名の遊びに供する組織あり、黒幕には大名たちの弱味を握ってウハウハの大目付がいた。
絵師を演ずるは名物監督・山本晋也、レイバングラスかけたオールバックの風体で登場、サブタイにお得意のフレーズが採用されている。

ロケ地
・絵姿を描かれた一人・おこうの死体上がる大川、罧原堤下汀
・南町の取調べを終えて帰る寛斉を襲う口入屋の手下、大覚寺有栖川畔(河床から見上げ)
・絵姿が出て以降行方不明のお秋が妹に新しい奉公先のことを話す茶店、有栖川畔(御殿川落ち口前に茶店あしらい)
・絵師になった経緯を新さんに話しながらゆく寛斉、大沢池南堤下汀(水の少ない時期の撮影)心経宝塔前。
・大目付邸、不明(門を右下から見上げた例のアレ、脇に出窓・前に短い段、五本線)
*口入屋の手下に福ちゃん、役名は仙八。女の死体を橋から投棄したり、言う事を聞かない女をささらで打ち据えたり、極めつけは監禁した絵師や娘たちを蔵ごと焼こうと嬉々として油撒いて回るというメチャ悪チンピラを熱演。火をつけようとした腕に上様の小柄がぶっすり。*口入屋は大木正司、黒幕の大目付は伊達三郎。


第63話「女の戦 うわなり討ち!」 1984

 富商の後妻に入り込み緩やかに毒殺、身代を巻き上げる悪女たち。彼女らを操る旗本を成敗するお話の小道具に、古習・うわなり討ちが使われる。ドラマは水茶屋女にイカれた亭主に離縁された女房を主軸に、お笑いムード満点で進んでゆく。例の「パパパーヤ」「ダバダバダバダバダー」等のお笑いBGMがガンガン鳴っていて、それなりにシリアスな場面もあるものの、加納の爺さまの助平談義や福本センセイの金ぴか衣装など悪ノリが横溢。

ロケ地
・旗本・加賀爪の情婦お富についてツナギを取り合う庭番、仁和寺茶屋脇(背景に塔)
*伊勢屋の先妻は宮園純子、若い後妻は丸山秀美、亭主は平凡太郎。黒幕の寄合旗本は御木本伸介。


第64話「天誅!窓ぎわの反乱!」 1984

 不本意な早期引退を目前にした南町同心は常々忠相の寛容な方針に反発しており、夜な夜な黒イカとなって天誅に走る。イカ仲間には元与力など四人のおっさんたち、世を正すと悦に入るが、実は裏にいた元南町奉行の使嗾。彼らが殺したのは元奉行とグルの悪徳商人で、賄賂授受の証拠隠しに利用されていたのだった。そして彼らが使い捨てられようとする場に新さん、元奉行と刺し違えた同心を殉職扱いにしてやる温情を見せる。

ロケ地
・黒イカのアジトの荒れ寺、大覚寺大日堂(手前に塀あしらい、内部はセット)
・窓際同心・高村に天誅騒ぎについて糺す与力、御室霊場放生池の石橋。その場を憤然と去った同心に声をかける新さん、仁和寺観音堂脇。ラスト、「忠相の駕籠」が襲われるのも同所、他に御室桜林なども使用。
・高村の墓、二尊院か。
*高村のダンナは左右田一平、彼の娘と恋仲の与力は大場順。元南町奉行は井上昭文、高村らを直接使嗾していた元与力は千葉敏郎、他のイカは玉生司郎と五十嵐義弘。天誅を下される悪党は有川正治と川浪公次郎。


第65話「男無用む組の喧嘩!」 1984

 女ばかりの火消し・む組に取り込まれるめ組の若い衆、これは忠相失脚を目論む北町奉行の仕掛け。女所帯となっため組が火事で不手際をやらかすのを狙うが、女火消したちは鉄火肌で彼らの意のままにはならないのだった。

ロケ地
・お城を下がる北町奉行、二条城北大手門本丸御殿式台玄関本丸西虎口
・ぬ組のお春がお参りの神田明神、上御霊神社境内。
・め組の窮状について話す上様と忠相、二条城清流園
・忠相の非を鳴らそうと勇んで登城の北町奉行が騎馬の上様に回りこまれてしまう道、二尊院紅葉の馬場(ここでラス立ち)。ここへ行くのに不浄門から出て船をやる情景は罧原堰堤上手の桂川
*北町奉行は外山高士で腹心の与力は遠藤征慈、手懐けてある放火魔は山本一郎。ぬ組のお春は井上麻衣。*北町を見張るさぎり、蕎麦の屋台を営業。出すのはくっついて一塊りになった代物で嫁に行けないと才三の評が。


第66話「纏に誓ったやせ我慢」 1984

 小頭の源さんが新たな旅立ちの回、彼が巻き込まれる恋人絡みの事件が主軸となる。
ご禁制の品を商品の伊万里焼の壺に隠して運ぶ肥前屋、ブツを盗った男を消す際放火してのけ、アリバイ作りに源さんを利用。火事で人死にが出て責任者の源さんは窮地に陥るが、辰五郎と新さんの働きで事実が明るみに出てメデタシ、晴れて高崎の火消しの頭となって「女房」も伴いお江戸を発つシーンで締めくくられる。

ロケ地
・源さん捕縛の一件を話し合う上様トリオ、妙心寺退蔵院庭園。
・おせきと夫婦にと源さんに意見の新さん、中ノ島橋下河川敷。
・肥前屋を調査し見つけた禁制品を新さんに見せる庭番、神護寺鐘楼下坂(背景に和気公廟所、見下ろし)
・禁制品入札が行われる向島林松寺、堂外でラス立ちは神護寺五大堂前と林間、明王堂前。
*肥前屋に菅貫、にたにた笑って悪事を働く。冒頭、ブツ持ち逃げのならず者を消すシーンは見もの、殺される凶悪な外見の男は小船秋夫。黒幕は森幹太でグルの役人は野口貴史。おせきは野平ゆき。ラス立ち福ちゃん入り。*小頭と牢で知り合って「アニキ」で六さんめ組入り、龍虎が出戻り。


第67話「男ひでりの花板修行!」 1984

 おじゃるモノにして新さん惚れられモノ。おじゃるのほうは帝のお使い、持ってきた献上品を盗ませ懐に入れた挙句、江戸の治安が悪いと上様を馬鹿にし謝罪させる悪辣な男、御数奇屋坊主とグル。惚れられのほうは女板前の子持ち未亡人が、娘のためにとびきりの配偶者を求めて新さんを口説くが、おじゃるの魔手から救ってくれたことでいつも傍にいる男とまとまってメデタシ。

ロケ地
・九条金麿がやってくる東海道、北嵯峨農地畦道。
・御数奇屋坊主の密談を漏れ聞くさぎり、不明(唐門の前)
・料理人たちが出入りする伝奏屋敷通用門、中山邸通用門、参道。
*急に料理に凝る新さん、うきうきとお買い物の果てできあがった夏のお鍋は地獄鍋、久ちゃんにぱたっと蓋されてオシマイ。*暴将のおじゃるは剣の達人多し、今回のはヤモリを畳に突き刺して見せたりするわりに、ラス立ちではあっさりバッサリ叩き伏せられる。*女板前は三林京子、ほぼ喧嘩友達の板前頭は小野進也。おじゃるは内田勝正、御数奇屋坊主頭は北九州男。


第68話「いま、ひと夏のいのち唄!」 1984

 ふと見かけた、人生を諦めて捨て鉢な態度の女郎を救おうとする新さん、しかし彼女の負った運命は既に破滅をさして傾ききっていた。夫の公金横領の穴埋めに苦界に身を沈めた女、金を払って僅かな元妻との逢瀬に刹那的に生きる男。遂に手を血に染めて登楼の金を作るまでに堕ちた男を刺し、自らは彼を刺客に雇った一味に消されてしまう女を見送った新さんは、彼らの悲劇の最後の後押しをしたワルのもとに乗り込んでゆく。

ロケ地
・米高騰の情勢下、忠助に良心的な米問屋の話を聞きお蔵米放出を命じる新さん、木島神社本殿前。
・お葉のもとに登楼った新さんが「外」で馴染みの浪人のことを聞く橋、神泉苑法成橋
・松浦浪人が常盤屋の放った刺客に襲われる水辺、広沢池東岸(夕景)
・松浦浪人が塒としている回向院裏墓地の小屋、回向院イメージに東寺塔のシルエット(南大門越し)。そこでお葉が松浦に語る婚前に行った精霊流しの汀、広沢池東岸(桟橋セット、夜景)
・勘定奉行邸イメージ、青蓮院長屋門
・松浦「夫妻」の墓、山腹に墓標並ぶ墓地。
*お葉は島村佳江、松浦浪人は剣持伴紀。常磐屋は北村英三で勘定奉行は小林勝彦、殺される良い米問屋は河合絃司。*勘定奉行と米問屋の悪事はほとんどつけたり、ライバルの米問屋を消す刺客に松浦浪人が雇われる設定。


第69話「さらば百人力の片思い!」 1984

 とてつもなく粗暴なため辰五郎がシメて島送りにした男が帰還、当初ものを破壊して暴れるがすっかり改心していて人には手を上げず。この男を可愛く思った新さん、行方不明の恋人捜しにも付き合ってやる。しかし見つけた女は妾奉公をしており、囲っているのは加賀藩江戸家老、御用金強奪事件と藩金横領疑惑の渦中にいる男だった。

ロケ地
・加賀藩が献上の御用金が強奪される巣鴨新田の野道、広沢池北岸。翌日、庭番が調査するのは汀、葦の茂みに大八の車輪を発見。
・百力の権九郎がおはんを捜しにゆく深川の料亭・津之国屋、嵐山公園中州料亭・錦
・川筋を探索してきた庭番が探し当てる加賀藩江戸家老の別邸中山邸通用門(後段では参道と庭も使用)。ここをを探し当てる前に庭番が船からおりる川端は罧原堤付近か。
・おはんの消息を話す権九郎と新さん、茶店のバックに古びた楼門、不明。
・江戸家老の悪事について話す上様トリオ、妙心寺退蔵院石庭。
*権九郎は苅谷俊介、おはんは山本みどり。江戸家老は宮口二郎。福ちゃん、家老の家来で金箱運び/ラス立ち参加のほか、島から帰って来た権九郎に恐れおののく町衆でも登場。


第70話「男は愛嬌女はチカラで勝負する!」 1984

 勘定組頭の乱暴旗本、産品の公儀買い上げを宰領する立場を利用し諸藩留守居役に金品を強要。お話は、これに窮する米沢藩の若き留守居役を援護に来た元気のいい別式女が巻き起こす騒動を描く。

ロケ地
・上杉家の留守居役・庄田が破り捨てた書状を拾いに船を出したおくらを待ち構える新さん、広沢池観音島
・新さんの腕前を見るのに棒きれで背後から殴りかかるおくら、広沢池東岸汀
・勘定組頭が庄田を呼びつけ金を要求する屋形船、広沢池東岸から出る(中之橋近くの船宿からという設定、東岸にあった建物か)
・米沢藩城イメージ、小倉城天守
・庄田が金をたかられている件について庭番の報告を受ける新さん、木島神社本殿前。
・庄田が自決しようとする菩提寺・妙正寺、二尊院墓地
・おくらの幼時の回想、変えるから庇って貰った祭りの日の野道、北嵯峨か。
・奉行所へ訴状を上げると決意した庄田が襲われる道、二尊院三帝陵下。
・勘定組頭が知行地へ赴く行列に斬り込むおくら、薙刀をはねあげられたところで新さん登場、鳥居本八幡宮(小柴垣、鳥居下に広場、石段に舞殿と各所をフル活用)
*おくらは蛙が大嫌い設定、事あるごとに出てきて最後の上様の回想も蛙。わけても殴られた仕返しに雨蛙をホレホレと近付ける新さんの悪童じみた顔が笑える。*おくらはあき竹城、庄田は小林尚臣、上杉の殿様は峰蘭太郎。勘定組頭は小笠原良知、配下の剣客は鈴木康弘、中間は福ちゃんでめ組へ膏薬貼って意趣返しに現れる。


第71話「疑惑を呼んだ小さな命!」 1984

 お中揩ェ懐妊し早や三月、もちろん上様の子ではなく野心ぎらぎらの元作事奉行とお局様が組んでのはかりごと。無理矢理養女にされた中揩ノは恋人がおり、始末されかけるのを救った新さん、ビビるのを励まし証人として彼を黒幕のもとに伴い成敗の雨嵐。

ロケ地
・長岡越後邸の庭、不明(池泉)
・侍に拉致されかけたおてるを助ける新さん、日吉大社走井橋(橋上、橋下手河原)
・おてるの兄・中揩フ恋人が隠れている寺、阪本の慈眼堂(山門、参道、廟所)
・庭番とツナギ、日吉大社境内か。
・兄がめ組の探索チームに見つかる水辺、走井橋橋脚と周辺。
・病死扱いで不浄門から出された中揩恋人が出迎える船着き、広沢池東岸
*中揄妊を聞き、加納じいの「誰の子」発言をはじめ、忠相や庭番も誰一人上様が手出したと思ってないあたりがやはり笑える。*元作事奉行は深江章喜で腹心は黒部進、グルのお局さまは長谷川待子。中揩ヘ吉沢京子で恋人は寺泉哲章。ラス立ち福ちゃん入り・長岡の部下。


第72話「座布団の雨 上様初舞台!」 1984

 「鈴ヶ森」で大当たりをとる菊之丞は実は女で、親の仇を狙っていた。目指す相手は元大坂奉行と、グルの悪徳商人。こやつらはまた、国宝級の書画骨董を海外に売り捌く抜け荷一味なのだった。ワルが菊之丞一座を招くように仕向け大坂での事件を再現した芝居を演じさせる、お決まりの展開。

ロケ地
・元大坂奉行・大葉典膳邸、金戒光明寺瑞泉院。忍び込んだ菊之丞が塀を越えて逃げる際新さんとバッタリ、長安院下坂
・菊之丞が新さんに大坂での経緯を話す、嵐山公園中州北岸(桂川堰堤脇)
・菊之丞をお局さまに仕立てて新さんは供侍になって大葉邸へ乗り込む際通る路地、金戒光明寺永運院下坂
・浪花屋が処刑された刑場、不明。
・天満屋の抜け荷を運んでくる汀、広沢池東岸
*菊之丞は高田美和、座頭は中村錦司、浪花屋は波多野博。大葉は江見俊太郎、悪徳商人の天満屋は山本清、つるむヤクザは市川青虎で用心棒・馬渕は福本清三。菊之丞を憎み悪に加担する兄弟子は坂口徹郎。*タイトルは、足を痛めた座頭の代役に出た新さんが、黒子の龍虎の余計な軽口まで大声で語ってしまい浴びるブーイング。


第73話「暴走!哀しき愚連隊」 1984

 女郎の母から生まれ、お定まりにぐれる少年。悪さはエスカレートし手配書まで出回る始末、果ては火盗改が忠相を失脚させるための道具に使われてしまう。幸薄い母子にいたく同情した上様に働きかけられた大岡さまは、定法は曲げられぬとしながらも温情判決。とっても優しい新さんだが、ひねくれガキには鉄拳制裁も。

ロケ地
・おさいに大荷物担がされ町をゆく新さん、真如堂門前。
・やんちゃガキの母が勤める掛茶屋、仁和寺茶店
・悪ガキ三人組を追う町方、中ノ島橋(橋下の水路背割を走る町方、群集は橋上、堰堤上を走る岡っ引、悪ガキは堰堤下で水遁の術、濡れた衣を乾かす悪カギたちは中州下河原)
・岡場所での客が騒ぎ茶店をクビになったお妻に声をかける新さん、仁和寺九所明神鳥居脇。
・悪ガキたちが火盗改に捕まる川べり、桂川・松尾橋上手中州流れ込み汀
・運上金を積んだ船が襲われる両国水門手前の大川、広沢池東岸(夜)
・旅立つ母子を見送る戸田の渡し、広沢池東岸
*元服以前は罪を軽減の御定法が、筋立ての鍵に。*お妻は范文雀、火盗改長官は石橋雅史で腹心は曽根晴美、配下の捕り方に福ちゃん。


第74話「猫に小判の父娘船!」 1984

 捨て子を男手一つで育てている香具師の清太が、掏摸に財布を預けられてから起こる大騒ぎ、中の小判は贋金だった。これは強奪された公儀の砂金から作られたもので、勘定吟味役と回船問屋が主導。引き込まれておどおどと従う両替商が清太の養い子の祖父という奇縁があり、ワルの手に落ちた孫を庇い死にゆく彼から黒幕が明かされる。

ロケ地
・陸奥からの砂金が強奪される山道、谷山林道
・清太が怪しげな薬を売っていて掏摸に財布を捻じ込まれる縁日、神光院蔵前。
・追われている清太親子を助ける新さん、今宮神社東門内石橋〜境内。
・掏摸の死体上がる川、桂川か。
・贋金入り財布のことで忠助や庭番とツナギをとる新さん、今宮神社合祀摂社前。
・贋金つくりの工房がある伊勢屋寮、中山邸(門、無畏庵前)
*清太に高橋元太郎、小判ガメたり養い子のことで泣き入ったりと活躍。最後は桃太郎の絵草紙をエロ本と称して売ってたりする。*悪徳商人は北原義郎で勘定吟味役は出水憲司、腰の引けてる両替商は中山昭二。掏摸は妹尾和夫。


第75話「そっくり新さん恋の仇討ち!」 1984

 松平健二役もの。上様にそっくりな男・栄次は正義漢だが暗いキツい兄ちゃん、背負った過去が悲惨に重い気の毒な身の上。
 罷免されたのは忠相の讒言と恨む、元大御番頭の旗本のお話、忠相暗殺の鉄砲玉に栄次を使おうとする。栄次は先代に拾われた恩から旗本の言いなり、殿様の働いた悪行の被害者との板ばさみになって半ば自棄ぎみ。また上様のほうもその先代に恩義があり、罷免にとどめ処断しなかった自分の甘さを責める。そして、恩義は私ごとと気持ちにケリをつけた上様は栄次を死なせない方向で解決に持ってゆくのだった。

ロケ地
・桟橋近くに寝転び鳥を見る栄次、広沢池東岸(桟橋や灯台セット)
・赤松に忠相襲撃を止めたことを詰られる栄次、屋形船は広沢池東岸から出て観音島に接岸。これは中ノ島橋たもとにうまくスイッチし、ここで赤松を仇と狙う女・おさんが斬り込み、しくじり橋から川に身を躍らせたおさんは渡月小橋下に潜んで追っ手をやり過ごし、栄次が彼女を見つけ引き上げてやるくだりでは堀端(南岸)に木組あしらい。
・両親が赤松に殺された経緯を話すおさん、嵐山公園中州法面。
・忠相の駕籠を窺う栄次をシメる新さん、鳥居本八幡宮(小柴垣道、広場)
・赤松家の墓に参る栄次に家名は存続と伝える新さん、金戒光明寺本堂裏手墓地。
・事後、おさんと旅立つ栄次を見送る渡し場、広沢池東岸
*凶暴な殿様に遠藤太津朗、コミカル要素全くなくメチャ怖。上様にも栄次にも温情を掛けてくれた先代もエンタツ。部下に五味龍太郎や有川正治、小船秋夫など強面がずらずら。おさんは丘祐子。


第76話「才蔵覚悟!死者からの挑戦」 1984

 お庭番試験の戦いで才蔵に敗れ、死んだと思われた男が現れる。試技の際見せた卑劣な心根のままで復讐に燃える彼は、上様の国産生糸奨励策に反抗する糸割符商人の手先となって怪しの忍群を率い暗躍、しかし襲った店から盗った利休の茶釜がめ組乗り込みで確保されてしまい悪行バレバレで一巻の終わり。

ロケ地
・上州の養蚕家を送ってゆく途中襲われ、才蔵が弓で射られる板橋宿はずれ、酵素(ダート待避所、降り口)
・才蔵の回想、紀州藩目付邸で鷹を狩ったため咎められ庭石に括られる幼い才蔵と十郎太、相国寺大光明寺石庭
・十郎太の妹・お葉が藍染を洗い干す河原、桂川か大堰川か(河原は礫)
・養蚕家襲撃の件を報告の忠相、今宮神社境内(舞殿脇)
・お葉を訪ねたあと十郎太のことを話す新さんと才蔵、大覚寺放生池堤。回想、吉宗立会いのもと行われた十郎太のテスト、嵐亭延命閣。
・才蔵が消えたと報告のさぎり、大覚寺参道石橋
・事後、紀州へ帰るお葉たちを見送る新さんと才蔵、木津川流れ橋
*十郎太は鹿内孝、妹のお葉は根本律子。糸割符問屋年寄は須藤健、上州の養蚕家は加賀邦男。紀州の目付は牧冬吉、ラス立ち忍者に福ちゃん入り。


第77話「こんな悪事が俺にも出来た!?」 1984

 江戸の五分の一を焼く大火に乗じ被災者への給付金を私するばかりか、お救い小屋を追い立てて妾の店にと企む鬼畜は北町奉行。お救い小屋係を命ぜられた窓際同心が民衆の苦境を見て文書偽造をはたらくのを奇貨として、横領した五百両分を彼に乗っける奉行らの策はさすがにバレて上様に乗り込まれてしまう。同心の文書偽造は上様と忠相が洒落でチャラに。

ロケ地
・忠相と漫才じみた禅問答で同心の罪を赦す弓のお稽古上様、相国寺大光明寺石庭(中仕切ぎわに同心が控え会話を漏れ聞く)
*窓際同心は谷村昌彦、奉行は亀石征一郎でグルの与力は浜田晃、消される勘定方同心は北見唯一、奉行のおねだり愛人は湖条千秋。上様の視察の際被災者を追い立てる役人に福ちゃんでラス立ちにもちらり。


第78話「少女監禁!天使たちの反乱」 1984

 孤児を養育する「いい人」の酒屋、これが凶賊である正体をごまかす隠れ蓑のうえ、育った娘は女郎に売り飛ばすという大ワル。いなくなった年嵩の娘を案じる少女たちの声は目安箱を通じ上様に届き、裏で糸を引いていた旗本も焙りだされる。旗本の狙いが、治安を悪化させ中町奉行所を復活させトップに座ることという設定もなかなか面白い。

ロケ地
・酒屋・三州屋の深川万年町別宅で盗っ人・月の輪一味のアジト、中山邸(参道、門、庭)。ここへ新さんを案内する養い子たちに抜け穴通らされて、新さんブツブツぼやき。
*子らが大きくなるのが楽しみという鬼夫婦は葉山良二と珠めぐみ、手下に長谷川弘や西田良、黒幕の旗本は原口剛。ラス立ち福ちゃんチラリ。


第79話「花の江戸城つまみ食い天国!」 1984

 懐の苦しい直参旗本が内職で小銭稼ぎ、ここへお城で備品をガメたりタダ飯を食らったりする風潮に我慢ならない古風なへそまがり侍が登場。事件は彼が養女に迎える予定の娘の父が不審死を遂げること、新さんは頑固親父に婿がねに目されたり坂下門で不審人物扱いされたりしつつ、公儀用材を私し我が世の春を謳歌するワルを断罪にかかる。

ロケ地
・登城の触れ太鼓が打ち鳴らされるイメージに相国寺鐘楼。旗本たちの登下城風景、姫路城菱の門
・同僚の不正を咎めた蜂屋が腹いせに襲撃される道、広沢池東岸堤道(後段、養女と歩いているところを突っかかられるのも同所汀)
・大国屋の材木置場、「材木置場」とセット併用。
・弓のお稽古上様にさぎりが帰らないと報告の才蔵、姫路城西の丸
・天英院に会うため早道の坂下門を通ろうとして、頭巾取らないとダメと蜂屋に阻まれる上様、りの門と付近(強情めが、とぼそっと漏らす上様に「あ〜ん?」とからむ蜂屋が傑作)
*へそまがり親爺は長門勇、妻女は谷口香で養女は千野弘美、からむ朋輩の首魁は鶴田忍。悪徳材木商は早川研吉で凶悪な手下は谷口孝史、黒幕の老中は山本昌平で腹心は高崎隆二。ラス立ち福ちゃん入り。*「欲に呆けて余の顔も見忘れたか」。


→暴れん坊将軍 II 表紙

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ