暴れん坊将軍 II  →暴れん坊将軍 II 表紙


第140話「捨て子の父は辰五郎!?」 1986 (本放送時は第142話)

 急死した殿様の跡目をめぐる小田原藩のお家騒動、野にあった落胤を迎えようとした江戸家老は暗殺され、母はところを聞いていため組に赤子を置き、自身は捕われの身となってしまう。しかしよりにもよってめ組に赤子が来てしまったため新さんに事が知れてしまい、お家乗っ取りは一巻の終わり。

ロケ地
・落胤を連れて江戸へ向かった家老が暗殺される御殿山裏街道、および辰五郎の浮気と誤解して家出のおさいとおまちが箱根から帰る街道、谷山林道
*赤子の母は三浦リカ、悪口を吹き込まれていただけの御正室は工藤明子。我が子を跡目に据えようとした前藩主の弟は有川博、結託の若年寄は渥美国泰。悪の手先の藩士に福ちゃん、役名は「侍(一)」。中盤からかなりの頻度で登場、極めつけは藩邸乗り込みの上様の前に槍を突き出すくだり。槍をかわされ掴まれて障子破って廊下に引き倒され、庭に転げ落ちたその脇に上様が投げた槍がどすっと刺さる趣向。


第141話「悲願!お小夜アイヤぶし」 1986 (本放送時は第143話)

 埋立地スラムもの。司直の手も及ばぬ「隠れ里」備中島は、出羽備中守の祖先が神君のお墨付きを頂いたもので、潜入した岡っ引など虫けらのように消されてしまう番外地の無法地帯。お墨付きをタテに町方の調査を拒む備中守に、上様は自身で悪を見届けたらばと迫って言質をとり、無頼に身をやつし潜入。そこで顔も知らぬ父を捜す津軽娘と出会う新さん、力になろうとするが当の父は島を牛耳るワルの用心棒と成り果て、しかも死病に取りつかれていた。

ロケ地
・備中島に通じる橋、流れ橋(左岸側端に柵セット)。このほか、河原も処々使用される。
・宗兵衛を殺ってくれと豆蔵に依頼される新さん、仁和寺九所明神裏手。小夜が主水に声をかけるのは近くの林間か。
*お小夜は井澤明子、用心棒の山犬主水は青木義朗。島に逃げ込んでいる大泥棒は田中浩、黒幕の留守居役は外山高士で元本所奉行は石橋雅史。島に巣食うゴロツキは白木みのるを筆頭に佐藤京一、森章二など。福ちゃんや小峰さんもお仲間。


第142話「吉宗が愛した悪女」 1986 (本放送時は第144話)

 郡上藩のお家騒動。側室が我が子を次期藩主にと渇望、この動きは欲深老中に利用され、形勢変わるや切り捨てられてしまう。上様は側室が頑なな毒婦となった経緯に責任を感じ介入するが、女の命は救えずに終わる。

ロケ地
・忠相と手合わせ上様、姫路城西の丸。逍遥も同所。
・お道の方の駕籠に立ちはだかる上様、二尊院紅葉の馬場。悪い女になったのは上様のせいと難詰されるのは墓地
・郡上藩の若様が遠乗りの途中狙撃される道、下鴨神社馬場。粗朶拾いに来ていて目撃・騒ぐめ組は瀬見の小川河床、荷車は参道に置いてある。
*お道の方は浅見美那、黒幕の老中は菅貫太郎、武芸者は浜田晃で修験者は黒部進、忠義面の裏切り侍女は松村康世。武芸者について暗殺もする福ちゃん、スガカンの家来設定か。暗殺される若君派の藩士は峰蘭太郎、家老は幸田宗丸。*お道の方の「事情」、将軍になりたての上様が大奥に奉公していたお道に名を尋ねるがその夜御成りはなく恥をかいたという顛末。名前聞く→伽を命じる、の約束事を知らなかった上様、なんだか今も知らなそうなニュアンスで笑える。


第143話「倒産前夜の夫婦宣言!」 1986 (本放送時は第145話)

 日光改修のお役から逃げ回る小藩の悲哀を描く。次はお前んトコと耳打ちし賄賂を要求する老中に困じ果てた殿様と家老は、藩士に女を籠絡させ金を引き出すという奇策に打って出る。
お話は、相手の女にマジ惚れしてしまい苦悩する藩士と、夫の行動に疑惑を持つものの惚れ抜いている女が繰り広げる、中年ラブストーリー。

ロケ地
東照宮、本物をイメージに挿入。
・深川の料亭の女将と八戸藩勘定方の馴れ初め、墓参の寺は御室霊場放生池橋、お堂。
・料亭からの金がおじゃんと聞き老中を討ちにゆく藩士たち、仁和寺御室桜林、観音堂。
*勘定方はなべおさみで情けない男っぷりが○、女将は茅島成美。コミカルな江戸家老は南利明で殿様は小鹿番。欲深老中は田口計、腹心は宮口二郎。


第144話「ちゃんを返して、将軍様!」 1986 (本放送時は第146話)

 遠島になった父を待つ姉弟、御赦免を餌に金を毟るワル岡っ引。あまりに高額な金を要求され、幼い弟はたまたま顔を見た将軍が町場をうろついているのを発見、情けにすがろうとする。このがきんちょが将軍将軍と大騒ぎするので、新さんの町歩きが失脚した元老中に知れてしまい暗殺騒ぎに。上様危機一髪の場面もあったりして、最後は親子涙の再会で幕。

ロケ地
・六義園御成りの上様のくだり、はじめに大覚寺宸殿まわりを映し、映画村のセットを経て枳殻邸にスイッチ。いつものお城の庭と区別するためか、縮遠亭回棹楼を用い、蹴鞠には印月池畔の芝地も池上付近を使用。
・お城を脱けてきた新さんの船が着く堀端、嵐山公園中州堀・堰堤上に船着きセット(鶴吉に目撃される)
・鶴吉の家からの帰りの新さんを襲う刺客、鳥居本八幡宮広場。
・元老中・安藤邸イメージの甍、不明。
・鶴吉がさらわれ、脅迫状の指定場所・下谷長園寺裏境内へ赴く新さん、大覚寺有栖川(河床から見上げ)放生池堤。元老中の手下に囲まれる境内、鳥居本八幡宮本殿前。鶴吉をタテにされ窮地に陥るのは広場。
・事後、霊岸島に着く御赦免船、大覚寺大沢池船着(大)脇に船手番所の柵セット。
・じいから逃げる上様、枳殻邸侵雪橋〜印月池畔芝地(設定、吹上御苑)
*お咲は片山由香、鶴吉は池田直人。悪い目明しは早川研吉で下っ引に西田良、つるむ料亭の女将は藤江リカ、お咲を妾に望むヒヒ爺は有川正治。上様を害そうとする元老中は江見俊太郎で腹心は原口剛。家来で福ちゃんが出るが、六義園お成りのくだりで慌しく開門し平伏して待つ侍の一人にもいる。*健気なお咲に「お前、可愛いな」と述べる新さん、ちょっとオヤジくさくなってきてるが、ナレーションは「まだまだ若い吉宗」。*お城脱出に回る隠し扉から出て汚穢船で不浄門から出る上様、これは鶴吉が将軍様を見つけるシークエンスに使われるが、後段加納じいがヒミツ扉を釘打ちして籠めるも別のどんでん壁からひらりと出てゆく追っかけっこのギャグにつなげてある。


第145話「つめたい春の夫婦花!」 1986 (本放送時は第147話)

 おさいを診たことで知り合った医師は侍で仇持ち、目指す相手を見つけるも仇の武芸者は旗本の隠し子で、留守居役を抱き込んでの策謀がめぐらされ仇討ちは断念に追い込まれる。しかし医師の妻の、恩ある舅と旅の途に亡くした子への思いは遂に上様を動かすのだった。

ロケ地
・松井助四郎の父が久松玄蕃に射殺された門外、二尊院唐門前(門映さず)
・棚橋家が玄蕃を匿うと報告の庭番、仁和寺観音堂脇、塔前石畳。
・玄蕃は棚橋の子と報告の才蔵、姫路城城内塀際。
・偉そうに市中をゆく玄蕃、上御霊神社(舞殿脇でめ組と睨み合い、新さんは本殿脇を走って駆けつけ)
・見張りつきで強制的に長崎留学に向かわされる松井夫婦がゆく品川付近の街道、大覚寺大沢池堤(小休止の茶店あしらい)。後段、別々に取って返す夫婦も同所。
・松井夫婦が留学を強制されたと上様に報告の庭番、上御霊神社水場。新さんに妻女が戻ったと知らせる龍虎は楼門。
・留守居役が留学の道中で自分を消す企みと漏れ聞いた助四郎が怒気を発し走る道、南禅寺僧堂坂。斬られた助四郎の代わりに大刀を手に取る妻女をとどめた新さんがゆっくりと歩むのは僧堂通用門前〜三門
・房総の知行地へ向かう棚橋一行、仁和寺参道。立ちはだかる上様、中門。殺陣は金堂前へ移動してゆく。
・事後、お城の庭で野点の上様、姫路城西の丸(じい、西洋焼酎のスキットル持ち出し)
*助四郎は伊吹剛、妻女は山本郁子。久松玄蕃は佐藤仁哉、上様と知って斬りかかりマジ斬られ。父の旗本は内田稔、結託する留守居役は高城淳一。夫婦が棚橋家へ押しかけた際出てきて凄む家来の一人に福ちゃん。本屋の親爺に北見唯一。


第146話「惚れた病いを治す酒!」 1986 (本放送時は第148話)

 勘定奉行から大目付へ昇進の松浦主水正、在任中の蔵米を投機に使い私腹肥やしの過去の悪行がバレるのを恐れ、書付を記していた勘定方を殺害。書付を預けられた岡場所の女は、酒乱だが気のいい大工の熊さんに助けられ、ひとときの幸福を噛み締める。しかし迫る追っ手は女を拉致、上様は紫頭巾かぶって「冷や飯食いの暴れん坊」と名乗り介入するのだった。

ロケ地
・登城する松浦の駕籠に立ちはだかる熊さん、仁和寺参道。殺陣は御室桜林に移動し、松浦は中門をくぐって逃げてゆく。
*呑み助の熊さんはレオナルド・熊、岡場所の女は伊藤美由紀、松浦主水正は久高惟晴。ラス立ち福ちゃん・小峰さん入り。*上様の紫頭巾、御簾がするする上がると御座所に頭巾かぶった上様で「カーン」の運び。


第147話「罠にはまったカッポレ娘!」 1986 (本放送時は第149話)

 女幇間・染八ご難のお話、父殺しの罪で危機一髪。裏には油の安売りを阻止したい肝煎と油奉行の陰謀、というありがちなパターンの話だが、女だてらに野だいこのお染がきゃいのきゃいのと大騒ぎするトンデモ系の作り。牢で見る悪夢に長い尺を取っていたりする。

ロケ地
・油問屋・房州屋殺害の話をするじい、枳殻邸印月池畔、うしろで奥女中たちが武術の鍛錬。中段のツナギにも使用。
・肝煎とグルの同心がお染を始末しようとする道、大覚寺天神島橋たもと。逃げる同心をやっつける新さんの背後にに心経宝塔映り込み。
*女幇間は海老名美どり、父は中村錦司で妹は佐藤万理。肝煎は福山象三、人殺しもする極道者の弟は遠藤征慈。油奉行は藤岡重慶、肝煎の手先の南町同心は堀田真三。肝煎に雇われて邪魔な新さんを襲うならず者に福ちゃん。


第148話「吉宗危うし、消えた御神刀!」 1986 (本放送時は第150話)

 神君の御神刀を盗み出し、手柄にして復帰をはかる名門旗本。しかし手違いで刀は酒呑み浪人のもとに。そして回りまわって先々代の世に起きた絵島事件関係者が、幕府転覆に利用しようとする珍展開となる。

ロケ地
・加納邸付近で町方に追われる刀泥棒、相国寺大通院角〜鐘楼
・目撃者である浪人の娘に話を聞くため遊び場へ赴く新さん、大覚寺天神島
・旗本・橋爪大和守邸、相国寺大光明寺(弓の稽古の大和守は石庭、様子を窺う才蔵は仕切戸の狭間から)
*酒癖の悪い浪人に長門勇、暴将常連ゲスト。厚遇パターンが多いが今回も道場貰ってラッキー。ラス立ちでは独特の立ち回りを披露、槍じゃないのが残念。*絵島事件関係者がプランを開陳のくだり、将軍暗殺を映像化してあるのが笑える→上様、衣冠束帯で斬られてウググ。


第149話「あゝ、嫁入り志願三人娘!」 1986 (本放送時は第151話)

 主役はタイトルの娘たちではなく、その兄。ぐうたらで怖がり、二の丸お火の番をお化けが出るからとやめたその男、小納戸役を仰せつかりいやいや上がったお城で暴れん坊将軍に会う。
以降、将軍暗殺騒動に巻き込まれた男は替玉にされて危機一髪、怖気をふるって致仕を申し出るが土壇場で改心、男をあげて昇進でメデタシ。

ロケ地
・情けない小納戸役・小出三四郎がお忍びの上様を待つ門、東福寺六波羅門。上様が「徳田新之助」で現れるのは東司脇。畳職人のヘルプでめ組が入る門も六波羅門。畳替を終えた職人たちが帰る際の「廊下」、通天橋(潜入した忍びは洗玉澗を伝い走り橋に)
・陶山法印邸、不明(棟門で塀は生垣)
・三姉妹と花摘みの野、不明(桃江を担ぎ込む医者は三味線掘)
・致仕を申し出たあと、とぼとぼ歩きつつ忠相の言葉を反芻する三四郎、南禅寺僧堂坂〜三門(「夜明け」鳴るなか新さんも同じとこを歩く)。三四郎を拉致った忍びは経蔵前へ。
*三四郎に大地康雄、三人の妹に手を焼くダメ男を好演。妹たちは西脇美智子、中村江里、加藤由美。奥医師・陶山は田中明夫、友人の蘭方医は国一太郎。*今回の策謀は奥医師によるもので、徳川家を仇と狙う理由は犬公方に一族を滅ぼされた恨みから。手下の忍群は豊臣忍びの天魔一族、職人に紛れて入る刺客・左田次郎に福ちゃん。大工のカッコして侵入、将軍の寝所に斬り込むが、いたのは三四郎なうえ忠相らに察知されており追い詰められて自刃。仲間のくの一は沢亜紀で似たメイク。*忍び相手ゆえラス立ちは全員マジ斬り、ついでに法印もバッサリ。三姉妹を連れて帰る夜道での襲撃時は途中から峰打ち。


第150話「おんな大学 新さん疑惑の夜働き!?」 1986 (本放送時は第152話)

 遊び好きで金使いの荒い勘定奉行に金奉行とその一味、借金返済に追われ御金蔵からちょろまかし。蔵改めが近付いて大慌て、補填のため金蔵を襲うというトンデモを仕出かす。お話はこのワルどもに翻弄される金蔵同心頭とその娘を中心に進み、娘が関わっている塾で新さん大モテとなり、お屋敷探しの段で女の子たちが騒ぐ「堀端でいつも消える新さん」が御金蔵破りの犯人とされて大騒動。

ロケ地
・当世娘道場が開かれる「江戸の東慶寺」・常念寺、相国寺大光明寺(門、前庭)
・つきまとう娘たちをまく方法は無いかと歎ずる上様、嵐亭延命閣
・いつも平河堀あたりで消える新さんを探し、大名屋敷の門番に「徳田家」のありかを聞く娘たち、二条城外濠端(押小路通側、西南櫓が映り込む)
・不浄門から出て堀端へ上がる新さん、嵐山公園中州湛水域(渡月橋上手)
・金蔵同心頭の矢島が襲われているのに介入の新さん、相国寺宗丹稲荷、鐘楼脇。
・ワルの手に落ちた矢島の娘を救い出した新さんが身分を明かす神社、今宮神社(合祀摂社、稲荷社、境内)
*金蔵同心頭に小林昭二、娘は高橋彩夏。勘定奉行は西山辰夫、金奉行は御木本伸介で矢島の娘に言い寄る手下は本郷直樹。上様は御金蔵破りの汚名を着せられ蕎麦屋になったり幇間になったりするが、でかくて似合わない。


第151話「あかりが欲しい!恋の辻占」 1986 (本放送時は第153話)

 江戸の悪事の過半を牛耳る「闇の五郎兵衛」の正体は小普請支配の旗本、放火も仕出かし社会不安を出来させ忠相失脚を狙う。
お話は、五郎兵衛を追っていて殉職する火盗改与力の遺児を軸に進む。目の悪い彼女を陰から助けるちんぴらは、かつて簀巻きにされかかっていたところを彼女に救われた青年だった。

ロケ地
・五郎兵衛一味が盗品の荷運びをする湊橋船着き、嵐山公園中州湛水域岸辺(渡月橋下手、祠や塀あしらい)
・捕えた一味の男が釈放されたあと消される橋、中ノ島橋渡月小橋をミックスして使用(狙撃には中ノ島橋上、案内の男が橋から船に飛び乗るシーンに渡月小橋)。船は渡月小橋下手の掘割を逃げてゆく。
・伊那屋と堀が会う屋形船、罧原堤付近桂川
・留吉が片桐父子に助けられた神社(回想シーン)大原野神社(父子お参りは本殿、掏摸たちに追われる留吉は鯉沢池畔の参道)
・志乃が拉致されたことを知り走る留吉、嵐山公園中州岸。下谷池之端の伊那屋寮・古松庵、料亭・(あしらいものの竹垣越し)
*志乃は河野美地子、留吉は佐久田修。小普請支配は遠藤太津朗、グルの材木商・伊那屋は森幹太。闇の一味実行部隊のヘッドは市村昌治、与力狙撃犯で消される男は重久剛一、用心棒は小峰隆司。志乃の父の火盗改与力は唐沢民賢で母は三浦徳子。


第152話「吉宗泣かせた悪いガキ!」 1986 (本放送時は第154話)

 忙しい母に構ってもらえない正太は寂しさからイタズラを重ね、肝心なときに信じて貰えない。自らの幼時を彼に重ねた上様、危機から助けた子をぎゅっと抱きしめ、大人たちに身を震わせて説教垂れるのだった。

ロケ地
・下田奉行と海賊一味密会の茶室イメージ、錦水亭東屋。
・正太が岡っ引をからかう厩河岸、広沢池東岸(水無、池底の泥で親分たちドロドロ。汀に漁師小屋セット・ここへあとで海賊が入ってきて正太が殺しを目撃)
*下田奉行は山本昌平、海賊の首領は出水憲司で情婦は湖条千秋、手下で湯屋の主におさまっている町名主は汐路章。ラス立ち福ちゃん入り。正太を目の敵にする目明しは瀬川新蔵。


第153話「永代橋に消えた恋!」 1986 (本放送時は第155話)

 永代橋架け替え工事にからむ陰謀、町営推進派の町年寄が殺される。これを目撃して犯人の材木商を強請る者あり、彼女は忠相と経緯ある女だった。

ロケ地
・樽屋長右衛門暗殺の芝一の橋五社明神、大覚寺五社明神
・大川端の父を訪ねるお滝一家、罧原堤下桂川(船を出して網を打つ)
・お滝の父が新さんに語る回想、養子と苛められる幼い忠相、嵐峡船着汀(水神の縁日)
・お滝の亭主の回想、大槌屋に崖から落とされた飛騨山中、湖南アルプスか(幼松あり)
・逃げ出した作事奉行と大槌屋を追う上様と忠相、酵素ダート、退避所。作事奉行らが来かかる道、河川敷(見下ろしのショットあり)、ここでラス立ち(設定は品川御殿山裏間道)
・事後、忠相をからかうじい、嵐亭延命閣
*忠相と元辰巳芸者の関係がクローズアップされる。辰巳芸者の求愛を不器用に退ける忠相が見もの。舞台の永代橋は映画村日本橋。*お滝は本阿弥周子、亭主は北条清嗣、父は河合絃司。大槌屋は深江章喜、手下の強面修験者は五味龍太郎、普請奉行は江並隆。樽屋は溝田繁。樽屋の死体検分で筵をはぐってる同心に福ちゃん、一瞬だけ。


第154話「吉宗婚約、五郎左は家出!?」 1986 (本放送時は第156話)

 新さん、いたずらガキを追って入った屋敷で孤児を養育する娘を見てぞっこん、もういきなり御台にする話に。役目を終えたとじいが寂寥に沈むエピソードが描かれてしんみり場面も。しかし結局断られて「美しい思い出」にされてしまう上様、笑ってる場合か。
事件は不行跡の旗本が働く辻斬り、好いた女とじいを人質にされた上様、怒りのマジ斬り。

ロケ地
・辻斬りの段、夜回りが斬られるのは大覚寺放生池堤、職人が斬られるのは有栖川(河床から見上げ)
・志乃の家である長崎奉行・服部の留守宅、中山邸(参道、通用門、庭、門)
・子らと相撲とる新さん、日吉大社西本宮
・拉致された志乃とじいが監禁される飛鳥山麓の寺、坂本の慈眼堂
*志乃は岡本舞、母は桜田千枝子。辻斬り三人組、小普請支配は小笠原良知であと二人は有川正治と岩尾正隆、この三人はマジ斬られ。ラス立ち福ちゃん入り、志乃を試しにゆくじいが百姓に化けるくだりの背後で荷をなおす町人でもチラリ。茶店でじいにからむチンピラ「若者(二)」に清家光彦。


第155話「悲しい嘘に惚れた奴!」 1986 (本放送時は第157話)

 がちがちの猛母を持つ牢屋同心の、泣き笑い人情話。捕われた凶盗・鬼薊の銀次の情婦は、残党に強いられておかしらを救出すべく牢屋同心・五味勘助を籠絡にかかるが、母思いの勘助にほだされ使命を果たせず、凶刃から彼を庇って果てる。

ロケ地
・鬼薊の残党が隠れ住む寺のイメージ、仁和寺(茶店屋根越し)
・酒肆・桔梗屋の女将が鬼薊残党とツナギの汀、広沢池湿地。
・おもんの亡骸を船に乗せ川を下る勘助、桂川罧原堤付近(岸におもんの母が旅に死んだ際の「菜の花」を配してある)
・鬼薊一味が集まる采女ヶ原、白水峡
*猛母に辟易の、恋の遅花を咲かせる牢屋同心に松山英太郎、猛母は荒木雅子。彼を籠絡しようとした鬼薊の情婦・おもんは金沢碧。銀次は内田勝正で凶悪さ満点・マジ斬られ。銀次捕縛の際の立ち回りに福本先生チラリ、暗いが「おわぁ」の声で判る。牢奉行は中村錦司、牢名主は遠山金次郎。


第156話「庭番慕情、禁じられた恋の笛!」 1986 (本放送時は第158話)

 佐倉藩の内紛、藩政を壟断し民を泣かす江戸家老を糾弾しようとした有志が江戸へ。リーダー格の目付方の妻女は、かつて才蔵が思いを寄せた女だった。しかも彼女は嫁してなお才蔵を慕っており、再会により情熱はぼうぼうと燃え盛る。加えて上様は心のままにせよと任務を解く示唆を与えるが、才蔵が女の気持に応えることはなかった。

ロケ地
・夫を尋ねて江戸へ向かう香織がゆく街道、北嵯峨農地畦道。才蔵と再会するのは金戒光明寺三門
・佐倉藩有志のアジトが焼かれた火事へ出動しため組が鎮火後帰る道、金戒光明寺本堂西側の道。傷ついて倒れこんでいる目付役・佐竹主水を拾う寺、本堂前(樋の回所あたりに血のついた脚がにゅーっと出ている)。芝・蓮乗寺付近設定。
・自身の長屋に香織を連れ込んでいたことを忠相に質される才蔵、香織のことを語る回想シーン(和歌山時代)琵琶湖西岸・舞子浜(碑を使用)
・江戸入りした佐竹の同志が刺客に遭う道、大覚寺大沢池堤
・佐倉領、一揆の相談がぶたれる鎮守、鳥居本八幡宮(舞殿、石段)
・佐竹のことを香織に知らせにゆく才蔵、金戒光明寺石段鐘楼脇。
・香織に接触し才蔵をあきらめろと諭す新さん、大覚寺天神島
・家老と結託した両替商の手先に拉致される香織、金戒光明寺永運院下坂
・脅迫状を受けて出た佐竹を追って道をゆく新さん、大覚寺放生池堤(大沢池には水無し)大沢池木戸。挿入されるユリカモメ映像は別の場所か。
・上総屋の寮、望雲亭
・国へ発つ佐竹、この期に及んで才蔵にアタックの香織、流れ橋下。夫とともに渡し舟に乗り込む香織、見送る才蔵と新さんは橋上、その下を船がくぐってゆく。設定は行徳河原(普通、渡し場に使うときは橋を映さないが、これは橋をくぐって先へ行くのでOK)
*香織は奈良富士子、佐竹は左右田一平。悪い江戸家老は高野真二、結託する悪徳両替商は田口計で用心棒に浜田雄史や白川浩二郎、ラス立ち峰蘭さんや小峰さん入り。


第157話「天晴れ!赤穂の竹光夫婦」 1986 (本放送時は第159話)

 忠臣蔵から二十年、赤穂義士の人気いや増し、城中でも議論がなされたり。そして今回のお話は、愛する女のため義挙に加われなかった男の哀話。出自を隠し名も変え鬱屈の時を過ごしてきた男は、剣を抜かぬと誓ったことで恩人をみすみす死なせてしまう。新さんの厳しい叱咤を受けた彼は、もののふの道に立ち返り恩人の仇を討ちに出てゆくのだった。

ロケ地
・人々が詣でる泉岳寺墓地、不明(墓地奥に石段)
・勘定奉行・稲葉邸、大覚寺大門
・忠相が刺客に襲われた目付役・小堀に事情を質す庭、中山邸庭。
・世話をしている道場主・杉戸十内を釣りに誘う小堀、嵐山公園中州法面(中ノ島橋下手)。刺客を防戦の小堀の家士、大覚寺大沢池堤。空しく斬られてしまう小堀、天神島
・江戸を去り街道をゆく杉戸夫妻、日吉大社か。
*元赤穂藩士の道場主・杉戸は山本紀彦、妻女は服部妙子。杉戸のパトロン・小堀は大山克己で娘は香山真理子。勘定奉行は神田隆で腹心は中田博久。杉戸が赤穂出と言い出す商人は玉生司郎。*仇の勘定奉行を討ち果たしたのち、上様に「吉宗様が元禄の世にあれば」と杉戸、冒頭上様だったらどうなさるとの問いと対応させて締めくくり。でも上様ってば、「俺だったら」の空想の際は浅野内匠頭になって切腹するとこ想像してたり。


第158話「地獄行き、母が担いだ玉の輿!」 1986 (本放送時は第160話)

 川船奉行の側用人が船宿の主と結託し通行手形を横流し、抜け荷横行。これにからんで、奉行の奥方は殺されるは、ごまかすのに顔の似た役者の娘を連れて来て奉行と心中に見せかけて殺そうとするはの大騒動。娘が分限者の養女になって玉の輿と目論んだおばさんの夢は露と消える。

ロケ地
・富士の山開きに詣でるめ組の若い衆、白水峡(富士山イメージカット入り)
・河畔で警戒中の川船奉行の役人に抜け荷船を捕えてと叫ぶさぎり、罧原堤下汀。
・母の振る舞いに傷ついたちどりを慰める新さん、錦水亭を望む池端(南東側)
・手形の密売が行われる屋形船、罧原堤下桂川
・玉の輿で有頂天のあやめに忠告する新さん、錦水亭を望む池端、中堤に茶店セット。
・奥方が湯治から帰還と奉行を騙して連れ込む渋谷村の別荘、不明(門前にスロープ、母屋萱葺きの「民家」。また又三匹第4話にも出たアレ)。ちどりたちを乗せた駕籠が通る道は中山池鶯橋、新さんがゆくのは中山池堤
*中山座のあやめは園佳也子、娘のちどりは麻生美衣で鮫島の奥方と二役。川船奉行は西沢利明、遣い手設定で大立ち回りも。部下の忠実な目付は谷口高史、悪党の側用人は剣持伴紀。善人面の船宿主は長谷川弘。


第159話「暗殺計画、手引きは御生母!?」 1986 (本放送時は第161話)

 生母・お由利の方の「過去」を利用して上様の命を狙う尾張の陰謀、今回の首謀者はメチャ怖のおばさん、老女・初音。昔の恋人への思慕に揺れるお由利の方、娘を人質にされて苦悩する「過去の人」小谷右近、互いに死を覚悟しての最後の逢瀬は悲劇となる。

ロケ地
・由利の方の住まい・小梅清涼庵、中山邸(通用門、参道、門、庭)
・公家の姫とお見合いの庭、枳殻邸印月池(野点)
・尾張藩下屋敷、大覚寺大門
・遠乗り上様、大沢池北辺並木〜民家(萱葺で軒に瓦、不明)。爆破は酵素か。
・由利の方を呼び出して上様への目通りを依頼する小谷、仁和寺御室桜林(背景に蔵、塔、観音堂)
・由利の方の小刀を我が胸に導く小谷、仁和寺九所明神前。
・小谷の墓、化野念仏寺石仏群脇に卒塔婆セット。
*お由利の方の「昔の男」は高松英郎、尾張の老女は白石奈緒美、目付は小沢象で部下に丘路千と波多野博、雇う素破の一人に小峰さん。*お見合い相手の姫に素破が成り代わってて毒殺されかけるし、女の子の悲鳴聞いて田舎家に飛び込んでみると爆弾炸裂するし、母上には泣かれるしさんざんな上様、ラスト市中を浮かない顔でぶらぶら。


→暴れん坊将軍 II 表紙


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