エノケンの鞍馬天狗

1939.5.21東宝

キャスト
鞍馬天狗/榎本健一 杉作/悦ちゃん 桂小五郎/北村武夫 黒姫の吉兵衛/石川冷 近藤勇/鳥羽陽之助 芹沢鴨/如月寛多 隼の長吉/永井柳太郎 お登世/花島喜世子 宗像左近/柳田貞一 園江/霧立のぼる


 お馴染みのヒーローを喜劇王・エノケンがコミカルに演じた一作、ミュージカル仕立てのパートもある明朗活劇。

 お話は、角兵衛獅子と天狗廻状あたりを使い、新選組と天狗のすったもんだに杉作や宗像左近が関わってくる作り。
天狗のおじちゃんは「ちょいちょい」と敵をかわし、わるい二足の草鞋を懲らしめ角兵衛獅子の子らを引き取り、宗像の美しい娘に惚れて折鶴を拝んだり。
過激浪士リストを燃した天狗は、いきり立った新選組に追われ一時囚われこれも調子よく切り抜けるも、「忘れてきた」吉兵衛を助けに戻ったところで大立ち回り。
子らの助けもあり窮地を脱した天狗は、高らかに歌いつつ旅だってゆく。

壬生寺

ロケ地

  • 桂小五郎らの危機に白馬で駆けつける天狗が走る道、不明。土手〜田畔〜堤道(堤下に家並み、屋根と同じくらいの高さの堤)〜長屋門や蔵のある町なみ。
  • 宗像左近邸、中山邸門。
  • 新選組屯所へ入り込んだ天狗が見つかり逃げ込む壬生寺、本物。山門へ駆け込み千体地蔵のまわりをぐるぐる回ったあと、門脇で地蔵に化けてやり過ごし。その被りもののまま境内を横切って怪しまれ追われた天狗が走り出てくる門は島原大門、角兵衛獅子の杉作と新吉がいて巻き込まれお金を落としてしまう。逃げる天狗は白川巽橋、橋からひらりと下におり追っ手をやり過ごし、上がってきて隊士を一人川に叩き込み遁走。この間、落とした金をさがす杉作らは祇園町と思われる町並みから島原大門、巽橋。なお天狗を追う隊士らのシーンはまた壬生寺に戻り、境内で芹沢鴨が天狗にコケにされる。隊士が出張るシーンには壬生寺境内の一夜禅堂も映り込む。
  • 天狗のアジト・松月院、不明(門前に低い石段)
  • 新選組を揶揄する歌を唸りつつ歩く天狗に殺到する刺客、不明(一部瓦練り込み塀の路地、天龍寺か)
  • 松月院へ踏み込んだ新選組が逃げる天狗を追うくだり、不明(二層のお堂前〜両側が塀で奥に門の路地)
  • 角兵衛獅子の子らを引き取った天狗が凧揚げをしているところへやって来る桂小五郎、不明(背後のお堂は方形で宝珠つき)
  • 帰らぬ天狗のおじちゃんを探しに出た杉作らが、お登世と新選組のツナギを見たあとの帰り道でチェイス中の天狗と出会う道、不明(土手)
  • 天狗に桂への文を託された杉作が隼の長吉に見つかる街道、不明(道に松林、際に低山、土手下にクリーク←お登世が出て長吉が得た文を見たあと破いて投棄)
  • 天狗が捕われた屋敷へやって来る杉作ら、青蓮院長屋門(お登世が出てきて子らを天狗の仲間と告げ捕らえさせる)。このほか、逃れた天狗が塀を越えて馬に飛び乗るシーンで参道塀(坂部分が曲折)
  • 一旦逃れるものの、吉兵衛を助けに戻った天狗が大立ち回りの広場、広隆寺境内。講堂や鐘楼が映り込むほか、杉作らが投石で援護するのは塔頭前。
  • 大捕物から逃げた天狗が煙幕で新選組をやり過ごすくだり、不明(民家前溜池?に隊士を落しこみ)
  • 子らと歌いつつ山道をゆく天狗、谷山林道に似た切り通し。

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