続・三匹が斬る!
  1988-1989 東映/テレ朝


第1話「女の砦 降るは涙か血の雨か」1988.12.1 *スペシャル拡大枠

 お奉行なのに殺人犯として追われる陣内、わけの判らない襲撃を受ける残り二匹。存外早く合流した三人が、山賊に狙われる女ばかりの里を守って戦う。悪党は、公金横領を糊塗しようとはかる所司代や、謎の財宝狙いの欲深と取り揃い、里に血の雨。
 ロケ地、京都町奉行所、大覚寺明智門。寝ていた千石に矢が降り注ぐ神社、鳥居本八幡宮。船の殿様に槍が飛んでくる川、木津川。郷士・川野杢兵衛邸、民家門。体を洗う千石がSOSメッセージの布を拾う川、保津峡落合河口。追われていた娘を助けた千石が彼女をおぶって里へ向かう道、落下岩前〜千草の里(そそり立つ岩壁に小滝落ちる山中、「あずみ」等でも出たあそこ)。夜を待って京へ向かう千石を襲う赤虎党、下鴨神社泉川。町奉行所へ辿り着くも陣内の仲間として追われる千石、二方から挟まれ川に飛び込んで逃げる橋は流れ橋(船を出す追っ手を岸辺で寝ていた陣内がひっくり返し/衣を乾かす千石は橋下)。里へ向かう三匹に小田島浪人が合流する山道、谷山林道。京都所司代、大覚寺大門。陣内が探りにくるシーンでは前の御殿川を伝う。
*紅一点の新顔は里にたまたま来ていたおせん、藤代美奈子。千石との別れが悲しい村娘に高樹澪。所司代は田中浩で杢兵衛(兼赤虎)は勝部演之、女たらしの浪人は中条きよし。*陣ちゃんの頭、今回はずっと月代剃ったまま。


第2話「雇われの三日亭主で剣難女難!」1988.12.8

 薬屋の女房が喧嘩に巻き込まれているのを難なく助ける殿様、大覚寺護摩堂前。人数の中には福本清三氏の姿が見える。この「見栄え」から三日間だけ亭主のフリをして岩井城下に一緒に行ってくれと旅の女に頼まれる殿様。
 千石、川に入り魚を掴み取りにしようとするが獲れず。釣りの少年・大助に鱒を貰う、清滝川。橋の上から大助に声かける父親、岩井藩中老・松崎修理、橋は西明寺参道の指月橋。その夜修理が次席家老・太田監物の手先に斬られる、中ノ島橋。
 たこ、太田監物に精力剤売りつける。
 千石の寝ている小屋に松崎の門下生たちが役人に追われ逃げ込んでくる、広沢池東岸。役人の中を斬り抜ける千石、池の中で大暴れ。太田監物の圧政を糺そうとした松崎が襲われた経緯聞き、鱒三匹の恩決して忘れはせんと加勢決める千石。あーやっぱり千石に餌やるとイイことあるのね。
 一方公家侍に仕立て上げられる殿様、理由は志乃が松崎に会うためで、大助は松崎が養育していた志乃の子だった。父の死を受け遺志継ぐこと決意した大助をサポートする志乃、もちろん三匹は監物邸で大暴れ。
 先に発った一行を追いかけて走ってくる千石、谷山林道。江戸家老が帰着し一件落着と語る。
ED、旅ゆく千石、保津峡落合桟道。船の殿様、流れ橋下。


第3話「上様の茶は甘いかしょっぱいか」1988.12.15

 お茶壺道中もの。水口藩では特産の茶を将軍家御飲料にと丹阿弥に工作していて、無理難題を吹っかけられている。これに怒った藩の若侍たちが丹阿弥密殺の相談をぶつ、鳥居本八幡宮。堂の中には千石がいて自分を人数に加えろと言い出す。
丹阿弥工作の中心人物の水口藩家老・片桐がゆく夜道、大覚寺有栖川畔。千石と若侍に囲まれる、五社明神。千石を止めに入る殿様、数合いではあるが二人の対決が見られる。
 その後たこのちょっかいが丹阿弥らの不興を買い、家老の娘を伽に出せと迫られる。娘・雪路は自ら丹阿弥のもとに赴き刺そうとするが阻まれ殺されてしまう。尚も耐える家老に殿様は丹阿弥誅滅を示唆し出立、天領鈴鹿峠で一行を皆殺しの三匹。この報を聞き切腹の片桐、旅立つ三匹は伊勢路をゆく、谷山林道


第4話「お七里のイジメが元で不倫妻」1988.12.22

 茶壺の後は大名飛脚もの。
 お千を追いかけるたこ、鈴鹿川の橋を渡る、流れ橋上。
 千石は茶店で弁当使う百姓の老爺を見つめていて飯を恵んで貰う、伏見・松本酒造脇の東高瀬川堤下(茶店は堤上にセット)。
 殿様、菰野藩藩主の遠乗りを見る、谷山林道。藩主らはその後紀州藩の「お七里(大名飛脚、葵の紋入りの文箱を担ぎ江戸と紀州往還)」と行き会い下馬のうえ土下座させられる。嘲り笑う七里の非礼に怒った近習の高村小一郎は抜刀、割って入る殿様。藩主は騒ぎをよそに逃げ出す。
 鈴鹿川・尾花の渡しでは千石に餌をやった百姓の息子・太郎次が七里に斬られる、木津河原
 小一郎には藩から謹慎処分の命下る。菰野藩陣屋、西明寺山門。石高の少ない小大名であることがビジュアルでも示される。殿様は城下の飯屋で無銭飲食のうえ住み込み。千石は今回は欲にかられてではなく意図をもって七里役所の用心棒に就職。
紀州藩七里役所(菰野藩領にある)に遠慮した藩は遂に小一郎に切腹を下命。これを聞いた殿様が高村家を訪ねた帰り千石と会う、大覚寺石仏群前。太郎次の野辺送りの列が心経宝塔前から天神島のほうへ通って行く。高野家では若くして死ぬ運命の小一郎に同情した兄嫁・ぬいが牢で謹慎中の義弟に肌を許す。そんななか七里役所は世評憚り切腹中止を申し入れてくる。
微妙な雰囲気の高山家では中間が金を盗んだことを咎めた当主の小一郎の兄が刺されてしまう。犯人の中間は七里役所の知人頼り逃げ込み、手も出せなくなってしまう。小一郎は荒れ兄嫁との一件に対する天罰と言い酒に溺れる。事態を毒づく千石、大覚寺護摩堂脇の楠の上。聞く殿様は護摩堂前。
夫の墓前で自害しようとするぬいを止める殿様、神護寺の山上の墓?そこへ小一郎が七里役所に斬りこんだとの報入る。小一郎の死を受けぬいは仇討ちを決意、藩士二人に家老もついて来る。千石が開門と呼ばわる声に内から応じ逃げ込んでいた仇の中間を門外に放り出し仇討ちは成就、七里役所の人数は三匹が皆殺し。七里の一人に福本清三先生がいて千石に斬られるが、画面隅に残った足首が見えなくなるまで目を離せない。
 四日市まで半里の峠で四国遍路にゆくぬいと別れる殿様、谷山林道


第5話「忠犬と力丸、娘十八盗っ人稼業」1989.1.12

 白犬との連係プレーで殿様から握り飯盗る娘、正篇九話で千石と岡っ引が村人に話聞いてた御堂と一緒(未だ不明)。犬・白浪と娘・お菊および連れの力丸じいちゃんと共に松岡宿へ向かう殿様。娘は義賊・日本左衛門の忘れ形見で盗まれた熊坂長範より伝わる椀を探している。
 千石、夜鴉の仁兵衛を警戒する庄屋に用心棒として雇われる、あー庄屋屋敷例の判らん民家鬼一法眼でもからくり人でも使ってたよなーここ。庄屋宅にはその凶盗がキッチリ押し入り千石除いて皆殺し、千石も肩を斬られる。
 松岡宿は浜松屋に牛耳られていて米屋も油屋もみんな屋号は浜松屋。そこでボコられた旧知の夢吉の手当てしてやるたこ、大覚寺御殿川のなか。
浜松屋の隠居所に赴き妾のお甲から探ろうとするたこ、売り物取られて叩きだされる、法然院山門
 一方椀は夜鴉が盗ったとの情報から隠居所にコナかけるお菊と力丸、見つかり斬られかかる下鴨神社糺の森河合社前。白犬が斬られてしまい葬る、広沢池畔。この毛並みの良い舌べろーんて出して死んだ演技をするむくむくの白犬はEDによると松方弘樹の愛犬「若」と「姫」二頭がつとめたらしい。
 親元へ帰されるお甲を襲い情報とるたこ、鳥居本八幡宮(宮下の広場と竹林、井戸映る)。
 よろけながら松岡宿へ辿りつく千石、陣屋から漏れる笑い声が夜鴉のものと認めるがそれは浜松屋の隠居だった。
 白浪五人男仕立てで傘さして乗り込む三匹と菊+力丸、一斉に傘を放り投げ名乗り上げラス立ち開始、大暴れの皆殺し。
 別れゆく三匹とお菊たち、谷山林道


第6話「御神水、飲んで飲まれて悪徳商売」1989.1.19

 三人連れの浪人を探している蝮の弥市(福本先生)と行き会う駆け出し渡世人の仙太、仕留めて名を上げようとついて行くと殿様と弥市が竹林で一騎打ち、倒された弥市の首を一両で貰い受けることに。これを功名として故郷で一家構える仙太のもとに千石が用心棒として入り込む。千石が仙太に剣を仕込む、西明寺境内。
 仙太は父親が権利を残した村に一つの井戸を占拠し、盃を交わした捨吉一家と組んで御神水に仕立てて大儲け企む。姉のおもんは殿様の入れ知恵で山から竹筒で水引いて対抗、利権に食い込もうとする捨吉一家に三匹介入し大立ち回り。千石は真剣白刃取りを力で押し返す荒技を見せる。殿様の殺陣もトリッキーな部分アリ。


第7話「黒髪の、尼に乞われて用心棒」1989.1.26

 殿様、通りかかった社の前で侍たちに駕籠に乗ってくれと頼まれる、日吉大社白山宮。国境を越えるまでは「青山利勝」でいてくれと依頼される、侍たちの主君の身代わり。
 千石、茶屋で団子食う侍の口元を凝視、一文も使わず旅する方法があると誘いかけられ、いきなり斬りかかられる。そこへ往来で喧嘩したと役人が出張り二人して唐丸駕籠に押し込まれてしまう。これがその巧い手立てだと笑う侍、共に護送されてゆく、流れ橋上。
 たこ、寺の前で縁切りのお守り売る、その前を千石が護送されてゆく。たことお千は妙な尼僧と行を共にするがたかられまくり。
 殿様に替え玉依頼の侍たちは池上藩の家老と目付が藩主の影武者を仕立ててすり替え藩を壟断しようとしているのだと言う。また藩主は身の危険感じ脱出し、今は「秘策」用いて領内に入る予定という。自分達には藩祖以来の軍資金があり、そのありかを記した密書は目付の妹が盗み出し消えたのだとも言う。この目付の妹はたこにまとわり付く尼僧で、秘策用いて領内に入る藩主というのは千石が道連れにされた侍。尼僧の持つ密書は殿様を雇った侍たちの手下が奪い、千石と護送中の侍は藩主として迎えられるが千石唐丸駕籠のまま放置。
 殿様、途中で用済みとして斬られかかる、谷山林道。千石、藩主と間違えられ斬られかかった挙句駕籠ごと川に落とされそのまま、木津河原
 密書を盗られた尼僧が休息する、柊野堰堤(落差工下の大岩の上)。密書なくして城下へ入れない死んで詫びねばというところへ殿様。
 池上藩の城へ現れる殿様、彦根城。家老らに話聞き藩主に会い、今まで関わっていた侍達の話が正反対の虚偽で現在領内に向かいつつある千石ハメた侍こそ替え玉の武州浪人と知る。これはもともと目付の妹・秋乃が偶然見かけ城に連れて来たものだった。秋乃が殿とそっくりの浪人を見かけた、神護寺金堂前石段
 秋乃は偽藩主のいる本昌寺へ乗り込むが斬られてしまう。そこへ早桶担いだたこ、中には殿様が入っていて大立ち回り、灯籠だらけの寺、暴将でも使ってたとこ、不明。流れたままの千石も加わりメッタ斬り。
 殿様が隠し金の謎解きをする藩公代々の墓所、神護寺?
 ラスト、役人に追いかけられる千石と旅立つ一行、木津川堤?


第8話「消えた夫、無礼講祭りに消えた女」1989.2.9

 千石、腹減らし谷水飲んでる街道筋、馬込宿へ一里の道標見て無礼講祭りがあること思い出しタダ飯目指して走り出す。
 殿様、川で行水中財布盗られる、清滝川。追いかけて女と知り合う。お甲というその女は夫の死の真相を知るべく馬込にやってきたのだった。馬込宿に入り事情聞く、大覚寺天神島祠脇。
 千石は造り酒屋の大黒屋に祭りの間の臨時用心棒に入る。たこは祭りで父を亡くした少女に会う。お甲は夫の影追ううち命を狙われる。あまつさえ死んだと思った亭主は生きていて混乱。
全ての起こりが大黒屋に集中してゆく。途中で大黒屋の用心棒から抜けた千石とともに残りの二匹も大黒屋と地回りを血祭りに。


第9話「連発銃、昨日の友は今日の敵」1989.2.16

 物騒な公儀無届の20連発銃の試し撃ちが鉄砲鍛冶の勘右衛門によって行われる山中、酵素。とんでもねー連結の仕方したビジュアルが笑える必見もの。発射音が響き驚いて駆けつける殿様、勘右衛門に斬りつけ銃を奪う山賊、それを追う侍。
 甲山鉄砲村で着物に水かけたと凄む地回りの元結斬りおとす千石、腕を見込まれ代官所に。地回りのツレに福本先生。20連発銃盗難の話聞き泰平を願う代官に感動し銃探しに応じる千石、勘右衛門方に遺留品貰い受けに赴き拒否する殿様と決裂。
 町で銃強奪した山賊を見かけ尾行する殿様と勘右衛門の娘の許婚・幸助。山賊が入ってゆくアジト、大覚寺五社明神(本体の御堂)。中にまさしく盗まれた銃の箱、押し入って取り戻し村へ走るが次々とそれを狙う西国の藩の手先や京の公家の間者が現われどたばた。最後は千石が出てきて取り戻すが箱の中身は石、保津峡落合(清滝川岸辺〜河口)。怒った千石、石を保津川にどぼーん。
 一方、代官は勘右衛門の寝所に忍び込み密殺。じいさんは犯人の名言い残し死、殿様は銃は代官所にあると看破。
 勘右衛門の娘・おまちが幼い頃銃を弄び旅の行商人を殺めてしまい、代官は不問に付すのを条件に勘右衛門に20連発を作らせていたのだった。また、幸助はその行商人の息子で、勘右衛門が養育していた事情も明らかになる。これらを代官所の物陰で聞いた千石、また騙されていたかと盤嶽ふうに怒りおまちの調書を盗み出す。
 殿様たちは山賊を縛り上げ代官所に乗り込むが、代官は20連発をやおら抱え上げぶっ放す。反動でひっくり返るのを嘲笑い三匹が襲い掛かる。皆殺しのあと刀を拭う殿様の懐紙の量が増えている。このあと三匹は20連発を爆破し旅立つ、落合


第10話「浜千鳥、幻の父恋しオルゴール」1989.2.29

 富士の見える汀をゆく殿様、行商の途中休息しオルゴールを聴く姉弟を見る、近江舞子。そこへ我儘いっぱいの将軍の29番目の姫・雪姫が通りかかりオルゴールを所望するが娘・美里は聞かず。ゴリを押そうとする出雲守と睨みあう殿様。割って入りとりなすじい、前島源左衛門。千石はこの姫一行に雇われていて金魚鉢持ちでこそこそ。
 出雲守は土地の有力者・遠州屋に公儀御用を餌にオルゴール奪取を命じ帰路に受け取ると言い置き姫とともに久能山へ。姫の一行がゆく山道、谷山林道。供先を横切った幼女を成敗しようとするのを止めた源左衛門は出雲守に打擲され病の床に。千石が看護し面倒見るも甲斐なく死、怒る千石。
 一方美里たちに伸びる遠州屋の手、商売の邪魔をされ窮地に立つ。そこへ現れる七年前死んだ筈の父、重吉。しかし記憶を失い凶状持ちとなっている。父と呼ばれるも心苦しいと出立する重吉を剣で脅しつけ恐怖によって記憶を取り戻させる殿様、堅田の浮御堂。七年前日向沖で遠州屋徳兵衛に殴られ船から落とされ浜に流れ着いた時には記憶を失くしていたのだった。
遠州屋が浪人集め美里たちを襲おうと準備しているところへ単身切り込む重吉、斬られ捕えられる。美里には父とオルゴールを交換と脅迫状。美里が遠州屋に赴き父を引き取るも家へ搬送中事切れる重吉。
 三匹合流、雪姫がオルゴール入手しいい気になっている遠州屋の寮に乱入、姫の金切り声の「斬れ斬り捨てい」でラス立ち。斬られるところは確認できなかったけど福本先生縦横に駆けちがい大活躍。雪姫の髪を千石が切り落とし幕。たこの「尼寺へ行け!」は二回目。女は斬らない硬派の三匹。


第11話「獅子舞の童が聞いた子守唄」1989.3.2

 凶盗が出て非常線が張られ、僧形のたこが捕まるのを行き合わせた良源上人が方便を述べ立て救う。
 千石、駕籠かきが目の悪い女を手籠めにしようとするのを救う日恵という僧を見る。捨て台詞吐いて逃げてく駕籠かきに福本先生、台詞あり。
 老爺と少年だけの角兵衛獅子の一座「つばめ座」、小屋に置いてあった昼飯を取りに入ると殿様が貪り食っている。少年・太一は座頭と称し殿様を連れまわし魚獲ったり食料を盗んだりする。魚とりのロケ地は中ノ島橋下。太一は浅草の大火で母とはぐれ行方を探すため旅をしている。
 蔵と大きな木が特徴の民家、庄屋屋敷、摩気の里の民家。橋を渡ってその家に赴く千石、摩気橋。屋敷には先にお千がバイトに入っている。金の茶釜愛でるドケチ庄屋に用心棒として売り込む千石。
 日恵に助けられた女・おたきは生き別れの子を探していてそれを良源上人に探してくれと依頼、寺に居着く。浅草の大火の折子とはぐれ荷車に頭を強打し目が不自由になった過去を持つ。
 つばめ一座が芸をする、摩気神社。殿様の短剣投げなどを見せる。
 庄屋屋敷から茶釜が消え、良源上人が在り処占う。釜を求め桜街道をゆく良源上人と庄屋、有栖川畔〜大沢池堤〜天神島。釜は託宣通り大木の根方より掘り出される。
 評判を聞き母の行方知るべく良源上人の寺へ来る太一と殿様、西明寺山門。一旦断り太一に今度は一人で来いと耳打ちする日恵。
 茶釜消失に用心した庄屋は千石を用心棒に雇い入れる。千石は下男の目つきが気に入らない。
 太一は一人で良源のもとへ行き母に会わせるとの甘言に乗り実は盗っ人の良源一味の片棒担ぐハメに。おたきはその前に盗っ人の密談聞いてしまい監禁されている。
 盗みの夜、下男ばかり気にしていた千石は誘き出されその間にまんまと太一使った盗賊に蔵を破られてしまいお千と一緒に放逐される。事後母子は小屋で再会を果たすが良源らに火をかけられてしまう。間一髪で殿様が救出。
 六部に化けた盗賊一行がゆく、谷山林道。たこが石落とし殿様と千石が斬りこむ。山道に死屍累々。
 おたきがつばめ一座の荷車を待つ、谷山林道作業場(松の高木が二本)。荷引いて来る息子の姿が見えるようになったおたき、で終幕。


第12話「さすらいの姫君、哀れ菊一輪」1989.3.9

 橋を渡る公家の行列、殿様も遅れて渡ってゆく、流れ橋。河原で姫たちが蹴鞠に興じるのに殿様が加わる、木津河原。小納言五條為貞の名は京都所司代から回った廻状により各藩(萩尾藩、外観彦根城。田川藩家老屋敷、大覚寺・参道石橋と大門)で接触を拒否される。
とぼとぼと街道をゆく五條の一行、木津川堤。街道筋では都を追われた「さすらいの一行」と異名をとる。
 亀石藩の若い藩主が城下で覗きを働いていた現場に行き合わせ意気投合の千石、陣屋へ。風呂に入れて貰い豪華な衣装に着替えさせられるが似合わない。
 本陣に滞在の公家・大納言今出川公久に招かれ化粧品を商うたことお千、今出川は訪ねて来た五條に野宿でもしろと悪態。その夜、五條の供たちが逃亡、これも裏に今出川。
仕打ちの理由は五條の次女・麻子を側女にしようとしたのをはねつけられたこと。以後都を追われさすらう五條たちを執拗に追い回すのだった。
 殿様の勧めでなりを軽装に改め街道をゆく五條一行、山道で亀石藩の迎えが待っている。
亀石藩陣屋外観、彦根城。玄関、大覚寺式台玄関、殿様と千石再会。藩主は千石と町に出た折見染めた麻子に求婚するが五條はプライドから拒否、その後親子で言い合いになる御堂、大覚寺聖天堂。殿様が麻子の気持ちを聞いていると千石が騎馬で駆けつけ(五社明神のほうから出てくる)、亀石藩に今出川が横槍を入れたことを告げる。これを聞き憤激した長女・豊子は抗議に赴き、供も一緒に斬られてしまい、死体は河原に打ち捨てられる、摩気橋下の園部川左岸河原。橋上で見る殿様、怒りのゲージがレッドゾーンへ。
 道中の今出川が駕籠を止め竜胆を摘む河原へ現れる三匹、下鴨神社泉川。襲いかかる三匹、殺陣は泉川から参道河合社前へ移動。殿様は今出川に斬りかかるが一人称「まろ」って言わなかったっけ。珍しく手傷を負わされるが「麿の秘剣・菊一文字」には笑った。
 旅立つ三匹、谷山林道切り通し分岐道


第13話「母恋のお世継様と修羅の旅」1989.3.16

 縁日でコソ泥働くガキを追う髭面千石、曰く言い難い個所に石礫攻撃受ける。その悪ガキの連れ・道中師のおつまが賭場の代貸に追われるのを成り行きで助ける千石。
 たこ、南蛮飴を売っている、大覚寺五社明神舞殿前、ゼンジー北京ふう。お千がおつまを追う代貸に絡まれている、大沢池北西畔
 殿様、釣りをしていると沼津に入る前に女と子供をと密談の侍たち、清滝川?
 おつまは死んだ蒲原宿の女郎・おまさの依頼でその子の初太郎を沼津の東海屋へ送るべく千石を用心棒にして三人連れでゆく山道、沢ノ池右岸ダート。初太郎は沼津へ行きたくないと駄々こねる。
 立石藩、彦根城。世子が亡くなり正室の悋気で追放された庶子の初太郎を探している。
 焚き火たいて小休止のおつま、侍たちが襲ってくる、沢ノ池東岸。助勢する武家姿の女あり。
 再び沼津への道辿る千石たち、谷山林道。侍たちに初太郎さらわれかけるが殿様が行く手を阻む。初太郎が狙われていることが明らかになる。辛うじて東海屋に初太郎を託すが何かモヤモヤの千石とおつま。その後殿様たちと合流し初太郎がお世継だったこと知る。また殿様は立石藩改易を狙う公儀隠密が暗躍していることを示唆。
 たこ、手品師として初太郎君の御前に召され、面つけて従いてきた千石は初太郎に迎えに来ると約束。そこで藩主が初太郎など次に男子できれば廃嫡と吹いているのを聞く。
 一方、公儀隠密が立石藩に放っていた草は城代家老で初太郎を密殺しようとするが千石と実は隠密の一味だった十和(前に助勢した武家女)によって初太郎は水辺で待つおつまのもとへ、沢ノ池東岸
 山狩りかかるのを見て三匹が腕を鳴らす、谷山林道切り通し崖道。まず公儀隠密のアジトに乗り込み大暴れ。ミニ鉄球(浅間山荘を破壊した奴に酷似)も三匹には通用しない。その後千石は騎馬で立石藩大手門に乗りつけ開門させ初太郎は二度と戻さんと宣言し去る。
 初太郎がおつまを母と呼ぶのを見届け旅立つ千石、谷山林道?沢ノ池ダート?


第14話「人質の母娘が送る流人舟」1989.3.23

 山道で囚人護送の一行を狙う浪士の一団、待伏せの小屋に寝ていて捕われる殿様、下田奉行所へ引っ立てられる。
 街道で足を痛めた子をおぶってやる千石、大覚寺護摩堂前。
 下田へ一里の茶店で殿様が引き立てられてゆくのを見るお千、近江舞子
 下田奉行所で殿様は釈放と引換えに護送されてきた彦坂正次郎から真実を聞き出せと奉行所の役人(彦坂と同門)に頼まれる。彦坂はほぼ完黙、しかし奉行が助けに来てくれると口走る。
そのうち、山道で護送の一行襲おうとした浪士たちが船宿に客を人質に立てこもるという事態が出来、彦坂の釈放を要求。人質のなかには千石と、おぶってやった幼女・おみよとその母もいるが、これが彦坂の妻子。出張ってきた勘定奉行が仕切り彦坂を引き渡す。彦坂はこの配下で、同僚の横領を見つけ証拠掴もうと役宅に忍び込んだのを不義密通目的の傷害とされ捕われたもの。
浪士たちが釈放された彦坂を連れて舟を出す、大沢池北東畔、船の行く手に庭湖石。アジトに連れ込まれた彦坂は勘定奉行こそ横領の黒幕だったことを知らされ始末される。
直後に三匹乱入、大暴れの末皆殺しにするが彦坂を救うことはできず、頭を抱える千石。
 事後、彦坂の妻子に遠島になったと虚偽を告げる千石、近江舞子
 千石イイ奴ぅ、な回。人質の中から最初の贄を選ぶ籤を引く際当たり籤を作らず真っ先に自分にお鉢が回るようにして、見破られると照れてこよりを食ってしまう仕草など描かれるのに、たこが助けに来た際のウ×コ発言は…。イイ奴だけどむさ苦しいのね。


第15話「箱根路は湯煙立って鬼退治!」1989.4.20

 山道で風車を回す少女と話す殿様、足柄山から金太郎が鬼退治に来るのを待っているのだという。ここらには悪い鬼がいっぱいいて少女の父も殺されたという。鬼、と聞いて眉を顰める「桃太郎」。
 「鬼」の出る場面が描かれる。豪華な衣装着けた鬼面の侍が里を駆け抜け手当たり次第に斬りまくる。ヤクザに抑えられワシャ直参旗本、阿片をくれなどと喚く。聞いた村人はヤクザに殺されてしまう。
 沢ノ湯を譲れと地回りの酒呑組に迫られている娘、殿様割って入るが娘も柔術で投げ飛ばす。しかし娘は謙虚に礼を述べ殿様を自分の宿の賓客として迎える。娘・おときは湯之元の梅屋が「奥の院」を沢ノ湯に移転させるべく狙っていて、奥の院と「鬼」には関わりがあると言う。座敷には小五郎という面打師の作った能面がかかっていて褒められると嬉しそうに微笑む。
 千石、道に迷い草を掻き分けているうち崖から落ちる、保津峡落合。そこで出会った無愛想な男の小屋に転がり込む。男は面打師。
 たこ、金太郎オタクの梅屋の若ボンを騙し坂田金時の系図売りつける。その梅屋の離れ・奥の院が阿片窟なのを目撃。
 殿様、沢ノ湯の従業員の老爺に小田原藩目付役・秋山孫兵衛が城内で暴れた阿片中毒の侍出たことの責負って切腹、おときが奉公していた秋山家は取り潰しになり子息・小五郎は以来山に一人住まいし面を打っているのだと聞く。その小五郎は自棄になったように安値で梅屋に面を売っていてそれは奥の院で偉いさんたちが着けるのに使われている。
 沢ノ湯を譲らないおときに郡代は小五郎の帰参と引換えにと交換条件出し、証文に捺印させその後牢に監禁、沢ノ湯を強奪。このことで父が嵌められた相手を覚った小五郎は単身郡代陣屋に乗り込みおときを救出、しかし押し包まれ膾に。その直後殿様と千石が駆けつけるが深手負った小五郎はおときに求婚ののち死。
郡代が人数整え三匹を狩ろう陣屋の門を開けると爆薬炸裂し煙の中から小五郎の打った憤怒の形相の金太郎の面着けた三匹が立っていてラス立ちの大暴れ、皆殺し。阿片窟はたこの仕掛けた爆薬でどかーん。


第16話「名物の喧嘩団子が結ぶ恋」1989.4.27

 早朝の相模原宿、店先を掃くめ組の女将…じゃなくて団子屋の女将。向かい同士で本家の元祖のといがみ合い。
 殿様、お堂で寝ていると若いカップルがいちゃつきながら心中の方法を相談しているのが聞こえ慌てて止めに入る、大覚寺護摩堂。カップルは件の団子屋の息子と娘、狂言仕立てで仲を認めさせようと画策していたのだった。そこへ母親のお辰、放生池堤を歩いてきて護摩堂を拝み、自家の息災と向いの店の災難を祈願する。お辰は帰路千石が五社明神舞殿前で芋を焼いているのを見咎め水を掛けこの宿場は火にうるさいのだと注意。その後水をかぶった芋を悲しそうに突付く千石に開墾現場の監督をしないかと誘う武蔵屋、応じる千石。
 ロミ&ジュリ状態のカップルに同情した殿様は成り行きでお秋のほうの団子屋に居候、店がゴロツキに荒らされたり主人・吉兵衛が夜回りに出て危ない目に遭ったりするのを助ける。吉兵衛は硬骨漢で、宿の掘割が上流の開発によって潰されるのに反対し沙汰やみとした中心人物。
 千石、とても作物など取れる見込みの無さそうな荒地を耕している、柳谷?人夫の中には吉兵衛の店を荒らしたゴロツキも混じっている。ここへ代官が視察に来て肥沃な土地と空言を言うのに目を丸くする千石。武蔵屋は二年前もここを開発しようと画策した江戸のデベロッパー。
 そのうち武蔵屋は吉兵衛の店に放火、類焼は免れたものの店は焼け落ちその上失火のかどで代官所へ引っ張られる吉兵衛だが、お辰が代官所に乗り込み火付けを見たと証言。二人して代官所からの帰路しみじみと昔語りの末互いを憎からず思っていたことを確認しあう(げろげろ)が代官が出てきて二人とも斬られてしまう、五社明神裏手。殿様が駆けつけるも遅し。
 例の開墾地で高笑いの代官と武蔵屋、崖上に現れる三匹、ラス立ち・大暴れの皆殺し。事後たこが「これで俺たち当分お尋ね者」…今度が初めてだとでも…。


第17話「評判の早春蘭が死を招く!」1989.5.4

 丹羽城、彦根城天守閣。蘭マニアの藩主が城下の植木屋・長治が新種の蘭作ったと大騒ぎ。
 ゴロツキに絡まれている母子を救う殿様、仁和寺九所明神前。腕を見込まれ丹羽藩家老・木暮に蘭の輸送の際の用心棒頼まれる。
 千石、これも蘭狂いの三河屋佐兵衛に蘭泥棒除けの用心棒として雇われている。しかし蘭の頭から無造作に水をかけている…害虫飼ってるようなもんだな。
 たことお千、蘭輸送のダミーに雇われ水飴の瓶を運んで山道をゆく。殿様の守る蘭のつづらのほうは襲撃される、酵素。曲者を蹴散らすも家老が斬り死に、のちに植木屋が人質に。
 自分達が運んでるほうに蘭入っていることを知ったたこ・お千・千石は欲に駆られ蘭を三河屋に売ろうとするが殿様が説得、中山邸の庭。この間に植木屋の女房が夫の捕まっている玄妙寺へ蘭を持ってゆく、くぐる木戸は大沢池木戸。直後三匹が乱入、大立ち回りの最中たまりかねた植木屋自身が蘭を火中に投じ、三河屋はそれを追って火の中へ。
旅立つ三匹、谷山林道桂川松尾橋上手右岸汀


第18話「さらば三匹、今宵大江戸の露と消ゆ!?」1989.5.11

 江戸へ入った殿様と千石、スリに遭い笛作りマニアの笠間藩主・沢井と知り合う。沢井の行きつけの料理屋は正編の紅一点・お恵の経営する店だった。藩内は次席家老がブイブイいわせていて遂に藩主を暗殺、殿様駆けつけるも遅し、大覚寺五社明神
 この事件を報じる瓦版見て驚愕するお千、実は沢井の妹で出奔中の千鶴姫。
 笠間藩江戸屋敷を覗き込む殿様、次席家老が仕立てた偽の千鶴姫の婿予定者・伊達の六男坊と似ていて用人に付き纏われる、大覚寺大門・御殿川越し。これを利し笠間藩邸に乗り込む殿様、ワルの座敷へ一直線、家老も若年寄もばっさばさ。
事後、千鶴姫に戻り伊達亀之助(高橋英樹二役)を迎えるお千、大覚寺式台玄関
再び旅立つ三匹、罧原堤自転車道


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ