剣客商売スペシャル 2008.4.11CX
外道に堕ちた剣士は小兵衛旧知の剣客の子、大治郎を陥れる企みの裏では政敵を葬ろうとした巨悪が糸を引いていた。倅の不幸な境涯を憐れみ、行いを知ってのちも庇おうとする老剣客に小兵衛が引導を渡しにゆく。
ロケ地
- 松平家家中の井上主計助が「秋山大治郎」を名乗る頭巾の侍に斬られる夜道、上賀茂神社神事橋、ならの小川畔を経て大覚寺大沢池畔。原作では主計助は旗本なので芝愛宕下という設定も変えてあり、ドラマでは松平家巣鴨中屋敷へ出向いて戻る道。
- 永山同心に呼び出される弥七、奉行所は大覚寺明智門。
- 小兵衛隠宅、酵素民家セット。
- 田沼に会いにゆく小兵衛、話す庭は随心院本堂脇池端。
- 辻斬りに殺された主計助の小者で現場に居合わせた権造が犯人逮捕を祈願する金王八幡宮、上御霊神社に露店あしらい。権造が願をかけるのは本殿、「頭巾の侍」が通りかかるのは舞殿脇で楼門をくぐって境外へ(つけてゆくが白髪の別人、茶店はセット)。再び境内、また一人出た「頭巾」が消えてゆくのは福寿稲荷のほうへ、ここから随心院裏土塀へスイッチ、権造は林の中を尾行(原作設定では門前町から参道、渋谷川岸を宮益坂のほうへ・権造が斬られて見つかるのは麻布の藪の下←桜田仲町から南日ヶ窪へ抜ける細道が谷間へ下ったあたりで崖上は毛利候下屋敷の土塀)。
- 松平の上屋敷近くで家中の侍が斬られる越中橋、中ノ島橋。八丁堀にある松平越中守上屋敷表門前の道の北面に流れる楓川に架かる橋、松平邸正面に架かるゆえ「越中橋」と原作にある。屋敷のシーンはセットに切り替え。
- 家臣を殺した辻斬り・秋山大治郎にかんかんに怒った松平定信が田沼に苦情を申し立てに来るくだり、江戸城イメージに姫路城天守(西の丸から遠望/はの門下坂から見上げ)。城中御廊下は金戒光明寺方丈縁先、前庭の西塀越しに東望。
- 大治郎が評定所に拘禁されたあと田沼と会うため不二楼へ出向く小兵衛、おはるが櫓を遣る大川は西の湖。園地の岸辺に凧揚げの子らを配置。
- 金王八幡宮で張り込む傘徳、上御霊神社舞殿脇。小兵衛が様子見にやって来て桶屋の太次郎が見張り交代。掏摸を叩きのめした「頭巾の侍」を辻斬りと見てつけてゆく太次郎、随心院土塀際から北嵯峨付近と思われる竹林にスイッチ、「渋谷川沿いの道」は西の湖園地西端の焼田橋を渡り北岸沿いの地道へ(西望)。隠田の屋敷手前の塀は民家塀際、「頭巾」が入ってゆく戸羽邸はセット。このルートは原作では青山・善光寺境内からはじまり「見わたすかぎりの田畑と木立」の隠田で渋谷川沿いへ、と書かれている。
- 事後、田沼と事件の次第を語る小兵衛、随心院書院縁先。
秋山大治郎と名乗り松平家中の侍を斬る戸羽平九郎は鈴木一真、父の老剣客は松方弘樹(原作では祖父で故人)、下男はうえだ峻。大治郎に助けられて弟子入り志願の芳次郎は宮川一郎太、平九郎が恋敵設定くらいで身の上は詳しく出てこない。彼が執心の岡場所の女は平川晴絵。青臭さ丸出しの松平定信は福士誠治、定信と田沼の対立を激化させて共倒れを画策する一橋治済は村井国夫で腹心は鶴田忍。桶屋の太次郎は蟹江一平。
参考文献 池波正太郎著「剣客商売 春の嵐」 新潮文庫
剣客商売 表紙
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