暴れん坊街道 内田吐夢監督作品 1957.2.19東映 近松の「丹波与作待夜小室節」を元にしたお話、細かい部分が原作や芝居と異なるが、大筋は同じ。子の命を救おうとして本陣の玄関で腹を切った与作の亡骸を見て、運命への呪詛を叫ぶ重の井のベルさんが圧巻。 家老の娘・重野は許されざる子を産み咎を受けるところ、格別の慈悲をもって許され折りしも生まれた姫の乳母となる。重野の赤ん坊は里子に出されるが、いつしか遺棄され流れ着いた先で馬子をしているところ、浪人の与作と出会う。互いに実の親子とも知らず、三吉の面倒を見ていた小まんと三人睦み暮らすが、由留木の姫様一行が宿場にやって来たことで輪はちぎれはじけ飛んでしまう。 ロケ地 *伊達与作は佐野周二、三吉たちには別の名を使っているがややこしいので文中では与作で統一。三吉は植木基晴、達者な子役ではじけるような暴れっぷりがいい。彼の世話を焼く飯守女の小まんは千原しのぶ、苦労人の姐さんを好演。重野(重の井)は山田五十鈴、三吉が実子と知った際の葛藤も、武家社会への呪詛を喚き散らす身も世もない風情も良し。その父家老は薄田研二、稲葉家の老女は毛利菊枝。親方は進藤英太郎。 |