2005年NHK(BK制作・金曜時代劇) キャスト 細かい対話を積み重ね、淡々と進行するドラマは緻密で濃厚。今は現地でもあまり聞かれない古い言い回しが情感を添える。紀州で顕著な「男子の長子偏重」も的確に描写し、見る者を滅入らせるに至る運びは見事、美しい山河の情景がこれに肉をつける。 第1話 夫のいない婚礼 2005.1.21 「名手本陣」の娘・加恵に来た縁談は格違いの筋から、しかし幼時より憧れていた於継さまからたってと望まれ、加恵は嫁いでゆく。肝心の夫は不在ながら暖かく迎えられて日々は過ぎ、ようやく雲平が遊学から帰ったそのとき、「姑」の態度が急変する。 ロケ地
第2話 嫁と姑 2005.1.28 はっきりと敵意をみせる於継、お産のため実家へ戻った加恵は母に不満をぶちまけるが、嫁と姑の関係は古今東西変わりなしと諭される。一方、雲平の実験はうまくゆかず、哀れな猫たちの墓標が徒に増えてゆく。 ロケ地 第3話 献身 2005.2.4 於勝の発病と死ののち、ようやく動物実験は成功を見る。次の段階である人体への投与、ここで嫁と姑は火花を散らす。 ロケ地
第4話 悲しみをこえて 2005.2.18 真に危険を伴う量を投与しての実験を引き受ける加恵、事実を知らぬ於継が「二度目」の己の結果に勝ち誇るのを見て北叟笑む。しかし小弁の死を経て、加恵から競う心は消えてゆく。 ロケ地
第5話 別離 2005.2.25 失明という大事にも関わらず加恵の体質などと言う母に、同じ薬を投与していない事実を告げてしまう雲平。その後折れ崩れるように弱り、遂に息を引き取る於継だが、時を同じくして跡取りとなる孫が産声をあげる。 ロケ地
*米次郎の求婚を断る小陸の逸話が出てきて、彼が故郷へ帰る際に加恵に語る華岡家像も心象に深く関わる。 第6話 永久の花々 2005.3.4 占い師と同じく血筋の者は救えないと呟く青洲、その通りに小陸の病は彼の手に負えない。死にゆく義妹から加恵と於継の確執は見るに耐えなかったと聞かされ、加恵の心は千々に乱れる。しかし初の乳癌手術を成功させた青洲は、母の築いた礎を加恵が立派に育て上げたのだと、己を責める妻を掻き抱く。 ロケ地
|