美男城
佐々木康監督作品 1959.2.24東映
御堂主馬之介/中村錦之助 伊能盛政/薄田研二 朝路/丘さとみ 美尾姫/大川恵子 千草/桜町弘子 須藤頼之助/徳大寺伸 宇部隠岐(伊能家家老)/原健策 宗太郎/植木基晴 多次郎/南道郎 宗禅(歓喜寺住職)/三島雅夫 家康/柳永二郎 竹中内蔵之介(徳川家軍使)/山形勲
関ヶ原において徳川方に勝利をもたらした「裏切り」の陰にあった愛憎劇、父子の相克は太閤の好色に端を発していた。父の死に際し真実を知った御堂主馬之介は、裏切り者と蔑まれる父の汚名を雪ごうと志すも、欲にかられて裏切った友との戦いを経て空しさを悟り城跡を去る。
ロケ地
・戦のあとの関ヶ原で孤児・宗太郎少年と出会う主馬之介、不明(幼松など植わる荒地の丘陵、尾根伝いの道も見える)。
・家康の大津の陣、いずこかの参道か(松林に石畳。幔幕や幟多数あしらい)。
・道をゆく主馬之介に伏兵ありと教える朝路、不明(山裾の道)。
・もと城に勤めていた多次郎と出会う主馬之介、不明(木橋を渡るシーンあり、地形は棚田)。
・日坂城、外観は書割。「焼け跡」は野外にセットを組んだものか。石垣には扇の勾配なども見え、凝っている。城門近く設定で、ラウンドした塀際なども出るがロケかセットか不明。
・父・伊能盛政の亡骸を荷車に載せ菩提寺へ向かう主馬之介、不明(棚田)。落ち合うのは歓喜寺と文を残し置き捨ててきた宗太郎と再会する塀際、不明(宗太郎は灯籠際にいる)。
・伊能家菩提寺の歓喜寺、不明。盛政を憎む民衆が押しかける門は龍潭寺山門に似たつくり、参道は松林で見返りに塀と門が見える。
*棚田や丘陵は湖西か。
御堂主馬之介(伊能信也)は母にDV・自分に冷たかった父を憎み、戦場で殺すつもりで関ヶ原の戦いに際し徳川方に与するも、当の父が三成を裏切り「味方」となってしまい適わず。戦功を捨てて浪人となるが、伊能家の嫡子という事実が友の裏切りを呼ぶ。
主馬之介の父・伊能盛政は太閤に妻をつまみ食いされたことで三成を憎悪、裏切りに至る。その行為を忌避し隠居を迫る家来にキレた盛政は天守に放火、大火傷を負い朝路に匿われる。裏切りの真相は臨終に際し主馬之介たちにのみ語る設定。孤児の朝路は城が焼け落ちたあとも盛政に仕え、主馬之介の頼みで盛政の日記を捜し当てるが須藤の軍勢に射殺される。
須藤頼之助は主馬之介の幼馴染で妹は彼の許婚者、はじめは友を案じるが日坂城主になる話が降って湧き豹変、妹も利用して主馬之介を亡き者にと謀る。妹の千草はひたすら主馬之介を慕うが、兄が彼に斬られたあと全てを諦め仏門に入る決心をする。
美尾姫は小早川金吾の妹、主馬之介に大坂方の落武者から助けられて彼を慕い援護する設定。家康の後室に求められているが、己が定めを自嘲気味。
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