→第二シリーズ表紙
第1話 「深川駈け落ち地獄坂」 1979.2.15
逃がし屋が跳梁、金さんは手がかりを求めて悪女と評判の婀娜っぽい姐さんに接触。その女は、復讐のため逃がし屋の黒幕が姿を見せるのを待っていた。
ロケ地
・いきりたつ筆頭与力をよそに闘鶏に興じるお奉行、大覚寺宸殿白州。
・逃がし屋と通じる目明しの指図で金さんを襲うならず者たち、上賀茂神社ならの小川。傷を洗っていると傍らで女たちが喧嘩をはじめる橋たもとは神事橋。
*水茶屋女は朝丘雪路、目明しは垂水悟郎、船手頭し永井秀明で手下に中田博久。金さんを襲うならず者の一人に福ちゃん(「子分」でクレジット)。
第2話 「黄金鳥の謎をとけ」 1979.2.22
抜け荷商人が隠したブツをめぐる大騒動、死んだ主は九官鳥に在り処を教えていた。一攫千金を夢見て働かない、実は腕のいい指物師の青年と、そんな兄を案ずる健気な妹が悪党にさらわれピンチのところへ金さん乗り込み。
ロケ地
・浦賀奉行が放った鳥刺しと北町同心が鉢合わせする水辺の林、広沢池北岸。
・九官鳥を探し疲れへたり込んだ兄とばったり会う仕立物届け中の妹、大覚寺天神島。
・拾った「お友達」の九官鳥を兄から隠す妹、大覚寺五社明神本殿床下。
・妹が金さんに兄のことをボヤくお堂、大覚寺護摩堂。
・浦賀奉行邸、相国寺林光院。
・西国屋が人参を隠していた麻布正念寺、招善寺(墓地と坂見下ろしを寺イメージに)。
*兄妹は志垣太郎と津山登志子、浦賀奉行は伊沢一郎で腹心は西田良、西国屋の倅は蟹江敬三。福ちゃん二態、九官鳥を求むもカラスでがっかりの町衆と、浦賀奉行の家来でラス立ち。*九官鳥の「カンノン、ゴクローサン」を解く金さん、33観音23番札所は大円寺だと思うが、突っ込まないほうがイイかも。
第3話 「火神に憑かれた娘」 1979.3.1 44
丁巳の娘のゆく先々で起こる火事、迷信深い人々の忌避で彼女は追い詰められるが、出火の因は放火で、大昔の父の仲間の仕業。白州で娘の出自が明らかとなり、「犯人」の実父は育ての父を選ぶ娘を見るが黙したまま引かれてゆく。
ロケ地
・娘の行く先に窮した父が預けにゆく清願寺、神光院。住職に挨拶は式台玄関、帰る父は山門、塀際に赤目らがいて見張っている。火が出ぬよう祈る娘は中興堂、お駒が本堂縁先から見守っている。火が出たあと怒って娘を追い立てる住職のシーンは西門付近。
・奉行所へ娘を貰い受けに来る大戸屋、お奉行と話すのは大覚寺宸殿縁先と中庭。
*娘は竹林真理子、羅宇屋の父は小林昭二で足を洗った盗っ人。むかし「父」を悪い仲間に引き込んみ、いままた悪辣な罠を仕掛けて苦しめる材木商・大戸屋は岡田英次。
第4話 「泣いて笑って艶姿」 1979.3.8 44
盗っ人の父を持ったせいでグレた弟を気遣う姉の哀話、我が身を顧みず尽くす姉を見た金さんは、意気がる弟をシメたうえで姉弟の危機を救う。
ロケ地
・町方から逃げた弟を問い詰めコソ泥の件を聞く姉、広沢池東岸(並木、水面映らず)。
*姉の芸者は今陽子、コソ泥に入った先であとから来た凶賊を見る弟は古代一平。賊の首領は神田隆、姉芸者を身請けと騙し目撃者の弟を消そうとする。手下は北九州男、秋山勝俊、大橋壮多。
第5話 「白洲に咲かせた父娘花」 1979.3.15 45
娘のため金を作ろうとした出稼ぎ親父を騙し、身代りで処刑させようとする盗っ人と役人。金さんの横槍で事が運ばぬことに焦れ、密談のところへ乗り込まれ。牢に入る際赤目をいたぶるなど小ネタたっぷり。
ロケ地
・南部牛追い唄を口ずさむお初に声をかける金さん、広沢池東岸。
・両国河岸の清兵衛の寮への道(小菊姐さんたちが呼ばれて行く道)、不明(小橋の傍らに低い塀、石畳が沿う。後段では腰高な石垣の塀が映る)。
*父と娘は塚本信夫と蝦名由紀子、表の顔は仏の盗っ人・毒蜘蛛は根上淳、つるむ南町与力は田中弘。
第6話 「桜吹雪に廻るこま」 1979.3.22 45
代官と悪徳商人の取り引きを見てしまった男たち、一揆の首謀者に仕立てられて追われ、遂に手は江戸まで伸びてくる。友の惨死を見た男は逃げるが、妻子が囮にされてしまうという、よくある筋立てだが、威勢良く監禁の屋敷に乗り込んだ金さんの立ち回り中、いたいけな坊が命を落とす鬱展開で、金さんの怒りと悲しみ、後悔が尺をとって描かれる。
ロケ地
・江戸を出ようとした藤七が関所を見て諦めるくだり、不明(落合か)。
*藤七は石山律雄、江戸で貰った女房は葉山葉子。悪代官は小笠原弘、賄賂商人は武藤英司。*坊は立ち回り中の金さんに飛びつき、しばらく抱いてチャンバラ。そこを美濃屋に撃たれる運びで、坊の絶命を見た金さんはもちろん怒り爆発、美濃屋には峰を返すが抑えて床の間の鎧を斬。お白州はうるうる湿ったお芝居が長く続く。
第7話 「八百八町の星が泣いた」 1979.3.29 45
辛酸を舐めたすえ得た恋に破れ罪を犯す女、それを身を挺し庇う姉。哀れな女たちの弱味に付け込み、更なる煉獄へ落とそうとする悪党どもはすぱっと成敗、女の罪についてはいいのかよ的すり替えで済ますお奉行なのだった。
ロケ地
・姉・お銀の回想、父母を亡くし窮した幼い三姉妹が入水未遂の川、木津河原か(画面はセピア効果/ここで「三人」なのがミソ)。
・南町吟味与力・半田邸、相国寺大光明寺(門を入ってゆく岡っ引を南東角の塀からお駒が見ている)。
*姉・お銀は磯村みどり、妹は稲川順子。妹の罪をタテに姉に言い寄る岡っ引は宮口二朗、グルの口入屋は小田部通麿で裏では人身売買。黒幕の与力は近藤宏。
第8話 「女が渡った泪橋」 1979.4.12 45
母心を利用して、嗅ぎ回る金さんを消そうとする賊の首領。道具にするのは己の息子という外道に、桜吹雪の制裁がお見舞いされる。
ロケ地
・子守に連れられた我が子に密かに会いに来る常磐津の師匠、上御霊神社舞殿前石畳(露店あしらい)。やって来た「父親」に会うなと言った筈と責められるのは福寿稲荷前。
・一人水辺に佇む子に会いに来る師匠、広沢池東岸(また親父が出て引き離し、薬包を出して金さん殺害を示唆)。
・骨董屋の寮、中山邸通用門。
*師匠は茅島成美、坊の父の骨董屋は山本清、手下の盗っ人は長谷川弘や阿藤海。
第9話 「秩父数え唄 ひとつとせ」 1979.4.19
辻斬り事件を追う金さんは、示現流の達人に目をつける。しかしその男は、娘の前では刀の振り方も弁えぬ、妻の仇も討てぬ設定で暮らしていた。娘の中の母親像を壊したくなかった父の気配りを無にする大悪党に、奉行は怒りを露わにする。
ロケ地
・頻発する辻斬りをネタにする瓦版売り、仁和寺水場。縁日のショバ荒しと事を構える金さん、そこに割って入る伊奈浪人のくだり、仁和寺塔周辺。
・伊奈の娘・お仲の回想、幼時の母の面影、民家母屋前。
・露店で小間物を売る金さんの様子を見に来る辰五郎、仁和寺観音堂脇。
・伊奈が金さんに斬りかかる祠、大覚寺天神島。
・娘を連れ江戸を出た伊奈がゆく甲州街道、酵素ダート。辰五郎一家に追いつかれ、刀を抜かず闘い膾となる伊奈、酵素河川敷(設定は高井戸宿はずれ)。
・北町奉行所門、大覚寺大門。
*伊奈半右ヱ門は永井智雄、お仲は栗田ひろみ。江戸中の香具師の元締を統括する野望を抱き、ライバル殺しに伊奈を使っていた三升松の辰五郎は須藤健。
第10話 「この命捧げます!」 1979.4.26
このうえなく哀れな境涯を生きてきた女に手を差し伸べ、なんとか陽のあたる道を歩ませようとする金さん+お奉行。たった一日だけ幸せを噛みしめて逝った女のため、桜吹雪は怒りをこめて悪を撃つ。
ロケ地
・お捨の故郷・石神井村へ向かうお駒、村人に道を聞くのは北嵯峨農地畦道。和尚に話を聞く境内は西壽寺石段(見上げ/背景に本堂と十三重石塔映り込み)。お捨の母の塚、北嵯峨農地・松の根方。後段、お捨の告白・回想シーンで出る、村人に押さえつけられ入墨をされた場所は西壽寺鐘楼。
・祈祷師に化けた盗っ人が入る本所の旗本・青山右京太夫邸、相国寺大光明寺門。あとで盗みに入って金箱をひとつぶちまけるのは南路地(来合わせたお捨が青山家の家来に見つかり)。
・お奉行のはからいで牢から出されたお捨が佇む川端、中ノ島橋下手右岸河川敷。
*お捨は水原麻記、夜鷹で登場。彼女から噂話を仕入れ盗み先を物色していた賊は山本麟一、吉田豊明、川浪公次郎。石神井村の寺の和尚は北見唯一。
第11話 「大奥からの黒い影」 1979.5.3
良縁を得て嫁ぐ日を心待ちにする娘に降りかかる不幸、挨拶に行った先で目撃したみそか事はとてつもない上つ方の秘事だった。
ロケ地
・福島屋の寮、不明(料亭ふうの門、銭平などでも見た覚えあり)。房事を見て逃げ帰るお美乃が走る道、大覚寺放生池堤(対岸に望雲亭を映し出し効果を上げる)。
・殺し屋に襲われるお美乃、仁和寺水掛不動参道。
・お美乃が大奥へ戻る件を聞き込み報告するお駒、大覚寺放生池源頭部。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・婚約者と心にもない別れをするお美乃、大覚寺天神島祠脇。
・大奥入りを前に母の墓に別れを告げにゆくお美乃、招善寺墓地か。
・将軍生母に会うお奉行、話す庭は不明(刈り込み、円の飛石)。
*お美乃は今出川西紀、相手の巨大さに死を決意し頑として沈黙を守るさまがあの被害者顔にハマりすぎ。婚約者は小林芳弘で父は西山嘉孝。大奥総取締は東恵美子、つるむ福島屋は中山昭二で殺し屋は山本昌平。お奉行がすがる将軍生母は風見章子。大奥老女をやりこめるお奉行が無茶やりすぎで見もの、ラス立ちもマジ斬り。
第12話 「さくら貝 母の祈り」 1979.5.3
恋しい男のため罪を犯した女は、遠流の地で残してきた娘を思って耐えやっと帰り着くが、男は嫁を貰い娘を引き取って暮らしていた。島帰りの身を思い娘との暮らしを諦めようとした女だが、事件後更正し大店を切り盛りするかに見える男の身辺はキナ臭いのだった。
ロケ地
・赦免船が着く浜、広沢池東岸(柵等あしらい)。戻ったおもんに接触した行商人が赤目らに追っかけられる道は大覚寺放生池堤。
・娘に会いたくて桔梗屋のまわりをうろついていたおもんを追ってくる主・新次郎、上賀茂神社ならの小川畔。
・盗品買いの元締が盗っ人たちを集める四谷・金性寺、西壽寺山門まわり(参道の茂みから捕り方がわらわらと湧く/寺名は聞き取っただけの当て字・きんじょうじ)。
・おもんの回想、島の暮らしに耐えかね自死しようとして彷徨い桜貝を見つけて子を思い断念した八丈の浜、琵琶湖岸(砂浜、ランドマーク見当たらず)。
・桔梗屋で細工した盗品の簪を見たおもんとその娘が拉致され連れ込まれる東橋の船小屋、広沢池東岸に小屋あしらい、ここでラス立ち。
・北町奉行所門、大覚寺大門。
*おもんは中村玉緒、彼女との間に娘をもうけた桔梗屋の主は西沢利明、手下に西田良。寺に盗品を持ち込む行商人の盗っ人に峰蘭太郎、一味の浪人に福ちゃん入り・ラス立ちのほかお白州にも登場。*おもんが八丈で心のよすがとした桜貝、言い逃れるためにそれを損壊する新次郎を見てお奉行は即桜出し、タイミングが妙。
第13話 「悪夢を覚ませ!女親分」 1979.5.17 45
恋人から一方的に別れを言い渡された女は、自棄になってやくざな家業を継ぐ。しかし別れの理由は彼女の稼業そのもの、金さんは二人の運命のもつれを解こうと動くが決着はお白州へ持ち込まれ、桜吹雪は罪償っての再出発を示唆。
ロケ地
・父・儀兵衛の墓に参る女親分のお志乃に声をかけ意思を確認する金さん、大覚寺護摩堂裏手に墓石あしらい。心経宝塔が映り込む。
*女を捨て二代目儀兵衛となるお志乃は田島令子、父は永田光男。父親の博打のため泣く泣く油屋の入り婿となる恋人は有川博。お志乃をとんだ悪事に引っ張り込む番頭は北村英三、荒事をしてのける手下は堀田真三。
第14話 「標的は桜吹雪」 1979.5.24
年貢のため売られた恋人を請け出しにやってくる猟師の青年だが、女のいる楼はとんだ悪の巣窟。貯めた金を掏られ焦った青年は、ヤバいと知りつつ一味の言うがままに動き、親切にしてくれた金さんを撃ってしまうのだった。
ロケ地
・江戸へ十五里の街道を走る仙吉、田んぼの畦道は木津川堤内地か。茶店のある土手は木津堤でここに道標。道端でお昼をつかいながらの仙吉の回想、女衒に連れられてゆくおみつ、流れ橋上。
・一味の指図で短筒を作り、言われるまま「標的」を撃つ仙吉、撃たれた金さんが振り向くのは中ノ島橋上。なお銃撃された金さんが川に落ちるのは嵐山公園堀端。
・女と逃げた仙吉が浪人たちに囲まれ捕まる道、木津堤(階段のついた法面から見上げ)。連れ込まれる根岸の寮、不明(料亭ふう、細竹編みの垣根で前の道は坂)。おみつの身代わりをつとめたお駒が外へ石見銀山売りに化けてやって来た六さんにツナギ文を投げるシーンも。
・甲府勤番支配邸、相国寺林光院。
*仙吉は大和田獏、毛皮着込み。阿片漬けにされていたおみつは小林かおり。任地で阿片栽培・江戸で売り捌く黒幕の甲府勤番支配は稲葉義男。仙吉の胴巻を掏った男は石山雄大、浪人は成瀬正、一味のゴロツキは有川正治。*タイトルの「標的」は「まと」とルビつき。
第15話 「嘘つき小僧が飛んで来た!」 1979.5.31 45
前科者を世話して仏と称される富商には裏の顔、悪行を目撃した少年の申し立ては虚偽とされ幼心を傷つけるが、二度目は金さんが信じてやり「狼少年」の汚名は雪がれる。
ロケ地
・縁日見回りの赤目らをからかう寅吉、今宮神社境内に露店あしらい。逃げた寅吉が身を隠すのは石橋下。
・寅吉が岡っ引殺しを目撃する寺、神光院本堂裏手(寅吉は縁下/後段回想シーンで再登場)。
・水野老中の御母堂の野点の席につくお奉行(実はお見合い)、阪口青龍苑。
・目明し殺しで自訴した巳之吉が送り込まれる大番屋、大覚寺明智門。
・お染が解雇されたのは大黒屋の仕込みと金さんに報告する芸者、仁和寺観音堂(走ってくるのは堂脇西側の石畳、金さんは堂正面階に腰掛け)。
・拉致されたお染が監禁される大黒屋今戸寮、不明(前回・14話の「根岸寮」と同所、円山公園か/門前は坂、下に池がのぞく。内部はセット撮り)。
・大黒屋の抜け荷船が着く水辺、広沢池東岸。金さんが出てラス立ち。
*寅吉は福田信義、姉のお染は瞳順子、恋人で大黒屋に因果を含まされ自訴した巳之吉は水上保広。大黒屋は森幹太で番頭は岩尾正隆、内輪揉めで殺された目明しは山本一郎。
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