→第二シリーズ表紙
第16話 「命ぎりぎり夫婦花」 1979.6.7
島帰りの男は、過労のため盲いた女房を治そうとして、舞い込んできたヤバいネタに関わる。健気な二人を見ていた金さんが割って入り悪党を一掃、女房はせめて恩人の顔を一目と願いお奉行の顔を触らせてもらうのだった。
ロケ地
・勝蔵に預けられたネタ(勘定奉行の汚職の証拠)を、約束の場所に行く前に木に結わく和吉、大覚寺護摩堂前の木(御籤あしらい/設定は浜町河岸)。
・おふじの回想、ヒヒ爺との婚礼の席から和吉と逃げた道、丘は北嵯峨の高台か。葦原は広沢池、北岸に黒紋付着た追っ手。
*おふじは早瀬久美子、和吉は河原崎健三。和吉の島仲間でネタを預けた勝蔵は出水憲司。勝蔵のネタを狙う強請屋の香具師は高野真二でグルの御数寄屋坊主は小堀阿吉雄。
第17話 「待ちぼうけの女」 1979.6.14
親子塚のそばで父と二人、小さな店を出してつましく暮らすことを夢見る女。彼女に絡みついたしがらみを断ち切り不明を詫びるお奉行、金さんからは茶店手配のプレゼントが。
ロケ地
・親子塚、大覚寺天神島祠。旅の親子連れが凍死したのを土地の人が弔ったもので、願い事に効くと伝わる設定。ここを大好きなおたかが参りに来るほか、彼女の父が絶望して吊りかけるのもここ。
・勘定吟味役への賄賂を横取りした男が殺されて見つかる水辺、不明(草深い汀、金さんの背後に石段と鳥居)。
・宇三郎に「うまい話」を持ちかける金さん、相国寺鐘楼脇。落ち合う約束の蓮池の辻堂は大覚寺護摩堂。
*チンピラや金貸しに弄ばれ、勘定吟味役への貢物にされかかる薄幸の女・おたかは丘みつ子。金貸しは南祐輔、子分に五味龍太郎や浜伸二、同じく子分で元おたかの情夫の宇三郎は内田昌宏。金貸しに公金を流していた勘定吟味役は北原義郎。
第18話 「石川島怨み唄」 1979.6.28 46
思う女の店あたりが大火と聞き、たまらず島抜けする男。火盗の道具だった男は欲深どもにハメられ、約束の期日を過ぎても島から出して貰えないでいた。
ロケ地
・島抜けのあとお冴を呼び出す藤五郎、赤山禅院本殿脇。
・藤五郎を見たとの垂れ込みを聞く警戒中の赤目、大覚寺護摩堂。
・逃げようと縋りつくお冴、そこへ赤目が御用と現れるのは大覚寺五社明神裏手(藤五郎は逃亡)。
・備前屋の寮、嵐山公園・錦(「臥龍」の扁額)。
*お冴は葉山葉子、藤五郎は辻萬長。人殺しを見逃してもらう代わりに火盗の「付人」をつとめる設定、その後因果を含められ石川島へ。火盗の役人は菅貫太郎、彼に頼みお店乗っ取りを企んだ番頭上がりのお冴の亭主で現備前屋当主は中村孝雄。寄場の乱暴名主は有川正治。
第19話 「桜吹雪に散る涙」 1979.7.5 46
男と逃げた母を求め十八年という青年の哀話。金さんが母の居所を教えたことを悔いる苦い結末で、さぶが祝言を挙げようとしていた女郎を死に至らしめるえげつない女将が母その人なのだった。
ロケ地
・女房に去られ絶望したさぶの父が無理心中の断崖、保津峡落合落下岩。その後一人助かった幼いさぶが母を求め旅ゆく道、流れ橋上。
・母に会うもけんもほろろに扱われたさぶを岡場所から連れ出し話す金さん、大覚寺護摩堂。
*さぶは林ゆたか、女郎屋の冷酷な女将は長谷川待子、そのお抱え女郎でさぶが結婚を約束した女は瞳順子。女郎屋の手代は蟹江敬三、女衒は大木正司と司裕介。
第20話 「姉弟ふたり」 1979.7.12
父を探しに岩槻から出てきて途方に暮れる少年、それを保護する心優しき娘。しかし娘の家は押し込みに遭い一家皆殺し、己を気遣う少年を弟と恃む娘だが、憎き一味の中に岩槻出の男が含まれていた。
ロケ地
・父母の墓に参り犯人を捜すと誓うおとせ、招善寺墓地。
・一味と思しき男のあとをつける金さん、アジトの寺は招善寺、寅吉が入ってゆく門が墓地入口の門(墓地側から)。本堂の破風も映る。内部はセット。
*おとせは清水めぐみ。岩槻出の男は左右田一平、心ならずも加担した苦悩があのお顔にぴったり。一味の首魁の寅吉は玉川伊佐男。
第21話 「女掏摸母子草」 1979.7.19 46
抱きつき掏摸をやらかす母と子、病の亭主のため体を張る女に、香具師の元締はシマ荒らしと制裁を加える。長命庵メンバーの援助で亭主を医者に診せようとした矢先、再度の制裁が加えられ胸を病んでいた男は逝ってしまう。遠島となった母と別れ難くて泣く子を、自らも涙しながら説得するお奉行の芝居に尺が割かれる。
ロケ地
・亭主に掏摸がばれやめるよう頼まれたあとお由が佇む水辺、大覚寺大沢池水門そば。
・子を使うのはやめたものの再び掏摸をはたらくお由、大覚寺五社明神(露店あしらい)。
・思い詰めた新次郎が入水未遂のくだり、橋は映画村日本橋で直前にどこかの川の流れを挿んである。
・新次郎の回想、許されぬ結婚に家よりお由をとると宣する新次郎、柊野堰堤落差工前。設定は京。
・みんなの気持ちとお由に金を渡す金さん、大覚寺天神島に茶店あしらい。
*お由は今陽子、新次郎は山本豊三。香具師の元締は須賀不二男。
第22話 「いれずみ無情」 1979.8.9 46
先を諦めきった岡場所の女の哀話、彼女を惨めな境遇に落した男は、今また女の弟を嵌めお店乗っ取りを画策しているのだった。
ロケ地
・貸本屋の伊助が「伊勢屋の娘」を頼まれて狂言で監禁する船頭小屋、広沢池東岸。
*番頭に弄ばれ消えぬ印をつけられた挙句捨てられ苦界に身を沈めたおしんは松尾嘉代、弟の伊助は石田信之。独占欲からおしんの背に刺青を入れた番頭は川辺久造、グルの後妻は原良子。彼らに手を貸すヤクザは福山象三。
第23話 「炎の罠から消えた女」 1979.8.16 46
勘当息子の兄を改心させようと罪を被り、火刑に望む小町娘。兄は彼女を刑場から助け出すが、助け手と見えた船宿の主はお店乗っ取りを画策しており、はなからまるっと企みの裡なのだった。
ロケ地
・引き回し途中のお初、兄が役人に願い出て会う西念寺は大覚寺大沢池木戸。役人が待つのは観月台下、台の脚に幔幕張り巡らせ。浅草の刑場も大覚寺か。
・取り戻したお初を籠め殺そうとする船小屋、広沢池東岸にあしらい。立ち回りは汀で。
*お初は京春上、兄は岡崎二朗。船宿の主は森幹太で船頭の一人に福ちゃん、ラス立ちのほかお白州にも登場。火刑立会いの役人は中村錦司。
第24話 「死を商う男」 1979.8.23
真剣勝負を賭博の対象にする悪党ども、彼らが好事家を釣る餌にと目をつけた腕のたつ浪人は、御前試合で友を斬ってしまったことを悔いて生きてきた男だった。
ロケ地
・又兵衛さんが道具屋を開く町角のくだり、仁和寺観音堂脇〜水場脇。
・又兵衛が斬った友の墓がある常念寺、不明(丘の上の墓地)。
*又兵衛さんは山内明、実は友の遺児の七重は斎藤浩子で恋人の板前は内田喜郎。賭け試合をプロデュースする隠居は武藤英司、グルの旗本は剣持伴紀で隠居の手下に江幡高志、彼らのタマの剣客に福本清三(クレジットはベタ、劇中呼称は九鬼斬馬←字は適当。決め技は地摺りの剣をかちゃっと返して円月殺法ふう。又兵衛さんを追い詰めるも斬られて仰向けに倒れる)。又兵衛さんの「生徒」の粗相に怒り刀を抜く浪人は千葉敏郎(あとで福ちゃんの餌食)。
第25話 「殺しに愛を賭けた女」 1979.8.30 47
全ての幸をあきらめて生きる岡場所の女、心の夫のため殺人も買って出るが、男は彼女を道具としか見ていないのだった。全てが明らかにされた白州で、お奉行は夢を壊したことを女に詫びる。
*ロケなしセット撮り。悲惨なお女郎は鮎川いづみ、彼女を利用する伊勢屋は平井昌一。
第26話 「幸せにまっしぐら」 1979.9.6
人の弱味に付け込み強請りを繰り返す瓦版屋、脅迫のネタになった「島帰りの父」は体を張り、富商の養女として祝言を控えた娘を守る。
*ロケなしセット撮り。元巾着切りの父は大木実、娘は千野弘美。養親は相馬剛三とたうみあきこ、脅迫者たちは川村真樹、上野山功一に有川正治。
第27話 「裏切り」 1979.9.13 47
不幸な境涯の男は、悪事を犯しても己が幸を得ようとする外道に堕ち、土壇場にも恬と恥じぬ態度を見せる。白州を去る息子に呼びかける父に涙する男だが、なにもかもとうに遅い、重苦しい結末。
ロケ地
・三谷清右ヱ門の葬儀が行われる寺、相国寺大光明寺(門で宇三郎が受付)。宇三郎を連れ出しシメる金さん、グルの一味が現れ大立ち回りは法堂と方丈前を使って展開、法堂基壇や回廊も使われる。
*町会所出納係の宇三郎は小野進也、用達人の三谷清右ヱ門は根上淳で娘のお妙は沢井桃子。宇三郎とつるみ清右ヱ門を陥れる悪徳商人は田島義文で用心棒は三上右京。無実なのに佐渡送りになった宇三郎の父は北見治一。
第28話 「地獄極楽蛇の目傘」 1979.9.20
業つくばりと評判の金貸し婆さんだが、裏で密かに善行を積む。困じ果てた者が縋るお地蔵さまの金、それを掴みに現れたにっちもさっちも行かなくなっている男は大火で生き別れとなった婆さんの倅で、婆さんの心優しき養女と愛し合っているのだった。
ロケ地
・回向院付近にある地蔵の祠、大覚寺五社明神に祠あしらい。捕物シーンでは放生池堤から護摩堂前が使われ、仙吉たちは放生池堤の石橋下に潜みやり過ごす。
・苫船に隠れる仙吉とおゆう、広沢池東岸。
*おゆうは結城しのぶ、おとら婆さんは北城真記子で両のこめかみに膏薬という懐かしいビジュアル、倅と判明する仙吉は森次晃嗣。仙吉を鉄砲玉に使った親分は中庸助、グルの役人は高木二朗。ラス立ち福ちゃん入り。
第29話 「若君誘拐」 1979.9.27 48
大筋は民草の命など歯牙にもかけぬ侍の非道、お家を裏切り私腹を肥やす悪行つき。ワルどもの口約束を信じ、哀れな男をむざと死なせてしまった金さんの怒りは凄まじい。
ロケ地
・小名木川の川普請場、嵐山公園中州下手河川敷。坊が遊ぶシーンに中ノ島橋たもとや岸なども。
・若君が代参の大円寺、永観堂の甍か。
・若君をさらった弥助が籠るお堂、大覚寺五社明神本殿。
*子を亡くした人足・弥助は中野誠也、人足頭は高桐真。子を蹄にかけた留守居役は外山高士、腹心は田中浩に唐沢民賢、五十嵐義弘で治水工事ごまかしメンバー。
第30話 「怨みをはらす紅化粧」 1979.10.18 48
弟を不具にしてしまったその日に、帰ってみると親が殺されていたという娘。三年後のいま借金取立てや嘘芝居で彼女を苦しめる外道が、そも三年前の不幸の因というもつれた話を鮮やかに裁いたお奉行は、娘のトラウマをも取り除いてやる。
ロケ地
・紅を買いに走るおときが、まとわりつく弟を突き飛ばしてしまう石段、吉田神社若宮社。設定は縁日。
・仁三と七兵ヱのことを釣りの金さんに報告するお駒、大覚寺大沢池水門傍(釣り禁止の看板あしらい)。
*おときは瞳順子。兄とか称して入り込む仁三は遠藤征慈、升屋は土方弘で殺される取り立て人は井上茂。一味のかしらの鐘つき番は福原秀雄。*鐘つき番が一軒三文集める金を、高利貸しに使うという設定。一味の前身は盗っ人で、金を隠してあった家におとき一家が越してきてしまった次第。
→第二シリーズ表紙
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