1997年 2〜7月 テレビ朝日/東映
キャスト
遠山金四郎(南町奉行)/松方弘樹 奈津(奉行妻女)/水野真紀 橋本鉄太郎(南町同心)/高木延秀 脇坂玄之助(南町与力)/津嘉山正種 勘平(南町付目明し)/前田吟 お小夜(女ねずみ)/古手川裕子
時代劇の人気者である鉄火奉行と怪盗を絡ませた、「遠山の金さん」シリーズの末端に連なるバリエーション。遊び人の金さんは岡っ引の勘平親分の幼馴染なので互いに正体を知り、金さんは女ねずみの正体を知るが親分は知らず、女ねずみは金さんをお奉行と知らずという設定でお話は進み、それ絡みのお笑いも出る。またお奉行は新妻を迎えており、これ絡みのほわほわピンクねたも披露される。しかしなんといってもこの作品で特徴的なのは、筆頭与力の脇坂さま。先代に受けた恩義から金四郎に忠節を尽くす設定なのだが、何を措いてもお裁きが始まる前の「出」の「お町お奉行、遠山左衛門尉・かぁげぇもぉとぉ〜」とやる、格闘技の司会者のような津嘉山正種の声が聞き逃せない。
第1話 「八百八町に連続放火魔」
復職したお奉行は貰ったばかりの妻女を新床に置いて火事に出役、そこでは権力を傘に着た悪党どもが火事場泥棒を働いていた。一方、悪党に父の名を騙られた娘が義憤にかられて首を突っ込んでくるのだった。
ロケ地
- 釜焚きの丑松を装った臥煙が「身投げ」の大川、中ノ島橋。
- 丑松の死体検分、八幡掘白雲橋下手堀端。
- お小夜を連れ出し諭す金さん、八幡掘明治橋上手堀端。
*臥煙の親玉の旗本は原田大二郎、臥煙三人は浜田晃と大前均に岩尾正隆。役目を利用し泥棒を仕出かすほか、殺人に放火も。
第2話 「鏡の中の殺人トリック」 47
大奥の女の歓心を買うための小道具が、人の運命を狂わせる。加害者側にいたものの、女を憐れんで助ける若者がお話の軸に。
ロケ地
- 江戸城イメージ、姫路城天守(お奉行登城時に挿入)。
- お鹿を捜す鏡師の若旦那と手下たち、八幡掘明治橋下堀端。
- お鹿と小六が若旦那の手下に捕まる町角、八幡掘北側路地。
- 勘平が橋本同心に鏡師宅へ踏み込む算段を話す堀端、八幡掘堀端。
*若旦那に目をつけられるぽっと出の田舎娘・お鹿は小林綾子、彼女を引っ掛ける役をつとめるものの後で同情の小六は松田勝。若旦那は篠塚勝、つるむ勘定組頭は西田健、大奥がらみでグルなるも馬鹿なアクシデントで「頓死」のスケベ呉服屋は笠井一彦。不正を告発しようとしてトイレで毒殺される勘定方の役人に峰蘭太郎、若旦那の手下に福ちゃん(役名なしクレジット)で派手な衣装着込み。
*小道具は鏡屏風、ラブホ風使用のヤラしい企画。トリックは鏡に映った左右を取り違え「語るに落ちる」若旦那がトホホ。
第3話 「復讐通り魔!奉行の新妻襲う」
小藩の陪臣ゆえ妻女への無体に涙をのまされた男、二十年を経て恨み心が猛った訳は、他ならぬ遠山金四郎の奉行就任だった。
ロケ地
- 武家の妻女を狙った辻斬りが出る夜道、大覚寺参道石橋〜五社明神脇(襲撃)。逃れた辻斬りが女の操る船に乗り込むのは船着(大)から。
- 火盗改の彦野と自邸の庭で立ち会うお奉行、鹿王院客殿前庭。このあとの歓談は縁先で。
- 奈津がお参りの権現さま、不明(一段石積あって祠、奥に門らしき構え、手前に竹林)。
- 脇坂が金さんに秋庭の訴状を見せる茶店、大覚寺大沢池畔にあしらい。
- 深川地獄河岸、広沢池東岸。町方に追われるお浜を匿ってやる金さん、八幡掘堀端。秋庭に会うべく話をつけ船に乗るのは明治橋下。
- お参り帰りの奈津を狙う秋庭、下鴨神社河合社脇。彦野らが出張りチャンバラは裏手。
- 秋庭と奉行が対峙する観音ヶ原、不明(崖に小滝のアレ)。
- 秋庭の妻女の位牌を川に流す金さん、渡月橋。
*秋庭は西岡徳馬、彼に惚れて協力する船饅頭のお浜は一色彩子。奈津と旧知だった彦野は大橋吾郎、頑固老中は西山辰夫。福ちゃん三態、火盗の浪士狩り/地獄河岸で金さん囲む浪人/彦野の部下。地獄河岸での立ち回りには小峰さんもいてファンキーな格好。
*桜は立ち回りで衣裂かれて露出、お白州では袖まくってチラ見せ。
第4話 「財産狙い、草笛を吹く若妻」 47
富商殺しに二手の怪しい容疑者、いずれにしても財産目当てと見えた事件に、草笛に秘めた辛い思いを掬い取る金さんなのだった。
ロケ地
- 豊島屋が殺された夜の川端、八幡掘堀端。
- 素振り奉行とお掃除新妻、鹿王院客殿(前庭と縁先)。
- 旗本・郷田邸、大覚寺大門。
- 徳太郎に突っかかられたお鶴が金さんと出てくる川端、八幡掘堀端。
- 郷田邸、茶会の庭は中山邸無畏庵前苔庭に野点の席をしつらえ。
- お鶴の身の上話を聞く川端、八幡掘明治橋下堀端。
- 豊島屋が善光寺参りの帰りにお鶴を見初めた山道、保津峡落合落下岩。
- 郷田邸、水路へ通じる抜け穴は大覚寺御殿川暗渠出口(明智門前)。女ねずみが矢を射掛けられるのは同じ御殿川河床、参道石橋下手の塀際。
- 豊島屋の番頭が「縊死して」見つかる木、大覚寺天神島大木。
- 番頭は吊りの半刻前に死んでいたと金さんに報告する勘平、嵐山公園中州河川敷・桂川堰堤脇。
*金で買われた女と自らを規定し心を開かずにいたお鶴は春木みさよ、彼女をも消そうとする養子は鷲生功。
第5話 「殺人犯にされた恋人たち」 47
供養の灯籠流しが絶えたことから、大掛かりな悪事が発覚。してもいない殺しで己を苛んでいた男に向けた、お奉行の労わりが泣かせる。
ロケ地
- お君が父の命日に決まって名を記されて流されてくる灯篭を待つ川岸、桂川松尾橋付近河川敷。夜釣りの金さんたちも付近か。
- 伊佐次が初めて富籤に当たった寺、本法寺本堂。その後意地になって買い続けるも悉くはずれでクサる、他の寺社設定の「境内」は本法寺多宝塔(階に腰掛け)。
- 闇の富籤興行に加担している坊主がいる回向院、粟生光明寺。鳴海屋が印形を返却したり、伊佐次が籤を掴んで逃げる堂内は阿弥陀堂座敷、お小夜がお局さまに化けて坊主をたばかり情報を聞き出すくだりは本堂・方丈間の回廊。
- 籤を持ち逃げした伊佐次が煙草入れに籤を仕込む神社、上御霊神社本殿前。追いつかれる川端は桂川松尾橋付近河川敷。
*相棒を殺したと思い込んでいた刷り師は長門裕之、死んだ彫り師の娘のお君は本田理沙。闇で籤興行・あくどく儲ける鳴海屋は森章二、凶悪な飛び出し匕首が武器の弟は石山律雄、グルの坊主は山本昌平、伊佐次は中嶋俊一。
*お小夜のお供で回向院へ行く親分はなかなかキモチワルイ女装。
第6話 「ニセ小判!蟻が暴く殺人手口」 47
薩摩藩の借金始末に巻き込まれた錺職、しかし彼は自分を利用した武家女に心から惚れこんでおり、体を張って彼女を庇う。
ロケ地
- お律の待つ屋形船に乗り込む新納、嵐峡。伊勢屋の番頭がつけてきていて、船宿の女将にものを聞く。新納は伊勢屋へねじ込んだ帰りで、伊勢屋を今戸の窯場へ誘い込む企み。
*錺職人は遠藤憲一、お白州でもガンガンに庇いだて・最後は涙でぐしょぐしょの熱演が見もの。彼を利用した女隠密・お律は北原佐和子、横目・東郷家の当主という設定。勘定方の新納は沖田浩之、チェストで金さんと立ち回りも勇ましいが律の手裏剣で始末されという幕切れ。薩摩に借金踏み倒されの両替商は大林丈史、番頭は田中弘史。お白州で椅子に座り控える役人に福ちゃん。
*タイトルの蟻は衣についた砂糖にたかってるのが犯行時の証拠に。薩摩の借金は木曽川工事の出費。
第7話 「お白洲で火縄銃殺人の再現!」 47
邪魔者を消そうとした悪党の企み、手の込んだトリックはお奉行の愛妻がヒントを提出、お白州で前代未聞の実験つきお裁きが繰り広げられる。
ロケ地
- 村瀬がお妙にからむ堀端、八幡掘堀端。明治橋たもとに茶店あしらい。
- 手相を見る奈津、鹿王院客殿縁先。後段、天眼鏡でファイヤも同所。
- 植木屋に茶を出すお妙(盛田屋の庭)、鹿王院か。町方が走るのは八幡掘堀端。
- 脇坂に村瀬と大黒屋のつながりを話す金さん、大覚寺放生池畔に茶店あしらい。
・沈むお妙に声を掛ける金さん、八幡掘堀端。白雲橋を勘平がやって来る(奉行とツーカーの仲と発言、妙を連れて牢屋敷へ)。
- 村瀬邸、大覚寺大門。
*お妙は有沢妃呂子、父で業界肝煎の盛田屋は花上晃。猟仲間で火縄銃とギヤマン壺使ったトリックで盛田屋を殺す大黒屋は橋本功、お妙を狙う旗本・村瀬は清水昭博、ラス立ち福ちゃん入りで村瀬の家来・ど派手のけぞりを決める。
第8話 「謎!謎!!白い肌の幽霊殺し」 47
嫌われ者の婆さんが見たと騒ぐ幽霊騒動、羽二重の女には実体があり、連綿と続けられてきた悪事が露見する。
ロケ地
- お米婆さんが幽霊を目撃する閻魔堂、大覚寺護摩堂。回想シーンで綾乃らが参る場面も出て、羽二重の幽霊が「出る」のは石仏の向こうに・スモーク焚いて登場。
- 羽二重の女の土左ヱ門が上がる大川、罧原堰堤下手桂川。
- 脇坂が道庵に聞き込みの養生所内、仁和寺御所跡北塀通用門前。包帯などの洗濯物干し場をあしらい、御室桜林や蔵も映り込む。
- 長屋衆に幽霊騒ぎを馬鹿にされクサるお米婆さん、仁和寺水場。金さんが現れ握り飯を与え話を聞いてやる。去る婆さんは観音堂脇石畳。
- 再び出たものの浪人たちに連れ去られた「幽霊」が死体で見つかる大川、桂川松尾橋下手右岸水制上。
- 閻魔堂近くにある大和屋の寮(阿片窟)、中山邸通用門。
- 芥子栽培が行われていた養生所の薬園、不明(薬草園でよく出るアレ、畑の周囲は丈高いめの植え込みが巡らされている)。
*お米は園佳也子。阿片グループは北町与力が亀石征一郎、医師が河原崎建三、薬屋が塙恵介で番頭は野口貴史・用心棒は浦野眞彦。亀石氏はお奉行に切りつけるほか足蹴にされ、押さえつけられてなお泡吹いて呻き、期待通りの悪態を見せてくれる。
第9話 「密室の死美人 謎の出合茶屋」 47
密室で死んでいた娘の件、一人の男を犯人と示す証拠が続々と出るのに引っかかる金さん。果たして一連の動きには、悪党どもの汚い思惑が隠されていた。
ロケ地
- 鶴吉の兄弟子の大工が勘平に目撃情報を耳打ちの水辺、大覚寺大沢池畔。
- 脇坂と金さんがツナギをとる茶店、大覚寺放生池畔にあしらい。
- 長崎屋が婿がねの佐野を連れて入る元長崎奉行邸、中山邸通用門。
- お袖の墓、西方寺小谷墓地か(捕り方が池辺をゆくのを墓地から見る)。
- 鶴吉の回想、佐野と別れるよう諭すも不調の水辺、大覚寺大沢池畔(対岸に船舫い)。
*島帰りの大工・鶴吉は松澤一之、彼の妹だったお袖は大沢さやか。色悪の佐野浪人は冨永規政、悪徳商人は柴田p彦、阿片横流しの元長崎奉行は久高惟晴。
第10話 「花の舞台のお役者殺人鬼」 47
身持ちの悪い役者が保身のために仕出かす殺し、義理と野望のため実行犯となった男の哀話が展開され、落語風味の男女の泣き笑い芝居が挿まれる。
ロケ地
- 道具方の源六が殺される林、鳥居本八幡宮石段脇崖下。
*殺しを請け負わされる役者は佐藤和久、恋人のお茶子は長谷川真弓。看板の生島菊翁は川合伸旺、非悪人で加齢のため台詞忘れる設定。菊ノ丈は佐野圭亮、手下のチンピラは伊藤高、強請り芸者は藤吉久美子で彼女に惚れてて巻き込まれる足りない男は中西良太。
第11話 「怨念!おいらん幽霊小判まく」
憎い相手の名を刻んだ小判を撒いてゆく幽霊の正体は哀れな遺族、罪無き者を陥れのうのうと逃れかけていた凶賊が炙り出される。
ロケ地
- 幽霊が出没する千鳥ヶ原、大覚寺大沢池堤。夜昼ロケあり、夜鷹の溜まり場。
- 半次郎が七兵衛として死んだ刑場、不明(砕石場様のアレか)。
- おつやらの小屋、酵素か。
- 寄場の折檻小屋、不明(砕石場様の崖、抉れた下部に入口あしらい)。
- 抜け穴出口、酵素河川敷「木」の前に柵と井戸あしらい。石川大隈守屋敷跡の古井戸設定。
- 抜け出した「七蔵」と会う宮部同心、嵐峡に屋形船。金さんが釣り船をぶつけ中を窺う。
*身代わりを処刑させ自身は寄場に隠れていた賊・霞の七兵衛は本田博太郎、狂気じみた演技は無いが押しは強くて野獣っぽく不気味、お白州では桜見せられてフツーにがっくり。グルの北町同心は伊吹剛、現・寄場見回りで七兵衛に消される次第。花魁幽霊をしていたおつやは佐藤友紀。
第12話 「疑惑の罠!与力の妻が万引き」
自店で万引きを働いた女たちのリストを作り、与力の妻女が網にかかったところで行動に出る呉服屋。女の敵と怒ったねずみと、部下の窮状を救いたいお奉行が奔走、無理押しくさいお裁きも見ものの情話。
ロケ地
- 与力・脇坂邸、妙心寺雑華院。向かいの庇越しのアングル。
- 強請られて自死した経師屋の女房の検分、大覚寺大沢池汀。水は少なく北西辺が干上がり、駆けつける同心は放生池堤を走り。
*脇坂の妻女は秋篠美帆、強請り呉服屋は北町嘉朗。
第13話 「奉行の妻誘拐!人質交換要求」
爆薬を使って盗みをはたらく乱暴な賊、囚われた仲間を助けるのには老中の娘をさらう荒っぽさ。このときともに奈津が連れて行かれてしまい、奉行の苦悩はいや増すのだった。
ロケ地
- 鬼野次一味にかかる捕り方、八幡掘堀端。金さんが出て桜を出し矢源太を捕える竹林はわらびの里か。
- 老中の娘・八重がさらわれる野点の会、梅宮大社神苑。鬼野次の化けた尼が入ってゆく庵は池中亭。
- 老婆に化けて「矢源太の梟首」を見に来た鬼野次をつける勘平、墓地は普済寺墓地で林を抜けた先の小屋は酵素河川敷にあしらい(降り口付近に卒塔婆演出。後で爆発炎上)。
- 幕閣に責められる奉行のくだり、江戸城イメージに姫路城天守。
- 八重と奈津が監禁される賊のアジト、民家裏塀と裏手。畑地も使用。
- 矢源太を連れ騎馬でアジトへ向かうお奉行、嵐山自転車道。
*鬼野次(きのじ)は蜷川有紀、父の老盗は梅津泰靖、腹心の矢源太は吉見一豊。
第14話 「花嫁惨殺!完全犯罪を裁く」 48
花嫁とその父が斬り殺され、残された身重の後妻は嘆き悲しむ。状況証拠真っ黒の浪人が自刃するが、揃いすぎのお話を金さんは怪しみ、ねずみは女の勘を働かせる。
ロケ地
- おあきが犯人逮捕を祈願してお百度を踏むやしろ、木島神社本殿。
- 金さんが勘平におあきに対する疑義を話す夜の橋、上賀茂神社神事橋。後段、勘平の報告場面では金さんが橋たもとの川端に。いずれも夜間撮影。
- おあきの身の上話を聞く金さん、仁和寺参道(背景に塔、木は紅葉)。金さんと別れたあと仲間二人と落ち合うのは茶店。
- おあきが金を隠してあった法妙寺、神光院中興堂。容疑者三人を呼び寄せる趣向。
*後妻・おあきは辻沢杏子、グルの浪人は佐藤仁哉、同じくグルの手代は冷泉公裕。
第15話 「ねずみに殺人容疑 金さん困る」 48
お小夜の飯屋に駆け込んできた女は訳あり、家族の仇を討とうとする健気さに女ねずみが肩入れ。しかし事情は複雑で、直接の仇のうしろに悪党がぞろぞろ隠れていて金さんに暴かれるのだった。
ロケ地
- 黒河藩江戸屋敷、妙心寺隣華院。
- 家老とグルの医師・宇田川玄庵邸、妙心寺聖澤院。
- おみち(みわ)たちが父亡き後暮らしていた住居、酵素河川敷にあしらい(炎上)。みわが帰ってくる道は木の傍から。
- お小夜が玄庵宅を探りに行ったと金さんに話す勘平、大覚寺放生池堤(南側下方から見上げのアングル)〜護摩堂前(屋根越し見下ろしのクレーンショットあり)。
*実は誰一人殺していなかったおみちは中野みゆき、暗殺された勘定奉行の父は芝本正。黒幕の家老は小沢象、実はグルの横目付は石原良純で良い所全くナシの超悪党。始末される仲間の医師は立川三貴。家老の家来で福ちゃん登場、おみちを羽交い絞めにして殺しかけるところを金さんにどつかれ・その後も殺陣に参加、姿勢の良さにあらためて感心させられるシーン多数。
*脇坂さまぼそり呟き「美人に甘い」が大笑い。
*小夜が店を閉めているので勘平は奉行宅でおよばれ・グルメ映像はこちらに/おみち見送りで弁当を渡す際、小夜の台詞でグルメ描写あり。
第16話 「料亭女将の妖しい二つの顔」 48
老舗料亭の女将と名門道場の高弟、それぞれが邪魔とする人物が殺されるが二人には完璧なアリバイ。口封じで綻びが見え、相応の刑が言い渡されるが、苦労人の女将にだけは特に言葉をかける奉行なのだった。
ロケ地
- 藤八が殺されて見つかる大川端、八幡掘堀端汀。
- 藤八の死体を見てきた金さんが勘平に経緯を聞く道、大覚寺放生池堤(桜開花)。
- 桃井道場師範代の死体が見つかる四谷・鮫ヶ橋、広沢池東岸。後段、夜鷹が始末されるくだりでは映画村日本橋の上下を使ってある。
- 師範代の墓、二尊院墓地。
- おそのが中間に脅されているところへ寺尾兵馬が現れ蹴散らす波除神社、上御霊神社本殿前〜本殿裏手。
- お小夜に寺尾の首実検をさせて報告する勘平、大覚寺大沢池堤(桜開花、茶店あしらい)。
- 殺しの記憶に苦しみ物思うおそのに声をかける清吉、八幡掘堀端。
- おそのが兵馬に相談を持ちかけるも口封じされかかる夜の神社、鳥居本八幡宮。石段をのぼり舞殿脇で兵馬が出てくる。吊られかけたおそのを助けたあと、女ねずみが兵馬に追い回されるところへ金さん登場は広場の林間。
*おそのは二宮さよ子、板前の清吉は羽場裕一、兵馬は神保悟志、藤八は大木正司。
第17話 「不倫の清算!バラバラ殺人」 48
邪魔者を始末して人に罪をなすりつける悪党ども、付け込まれたのは不倫カップルと寝取られ亭主で、哀れな人妻は事態を誤解したまま悲嘆の裡に逝く。
ロケ地
- 畳職人が殺された川端、広沢池西岸湿地。
- 水辺に佇み沈み込む人妻を見かける金さん、広沢池東岸(灯台あしらい、後段入水未遂も同所・切断現場設定)。
- 他のパーツが出る両国の稲荷のやしろ、吉田神社竹中稲荷参道と境内摂社。
*不倫人妻は立原麻衣、面打師の夫は津村鷹志。殺された畳職人は小林健、雇い主で公共事業に吸い付いて丸儲けの親方は成瀬正孝、荒っぽい子分は中田博久と石倉英彦、汚職畳奉行は田口計・大奥納入の畳を安物に。
第18話 「偽装心中!箱根路の逃避行」
意に沿わぬ縁談から逃げ、殺人を犯したカップルは謎の山伏集団に襲われ危地に。金さんは後ろ向きな二人を諭し、彼らを始末しようとした黒幕を懲らしめる。
ロケ地
- 近江屋の娘が恋人の手代と逃げる途中、追ってきた番頭ともみ合い石段から落としてしまう神社、吉田神社摂社・神竜社。
- 二人は駆け落ちと観月に聞く勘平、吉田神社若宮社(石段を登ってくる二人を中から)。
- 東海道に娘と手代を追う山伏たち、山室(堤道のほか登り道下に茶店あしらい)。二人が走る海辺、琵琶湖岸(松原)。
- 金さんが箱根へ馬を飛ばす道、不明(植林杉の林道)。箱根山中で山伏に囲まれる二人、谷山林道分岐道。谷底を示す絵に落合を組み合わせ。
- 山伏を撃退したあと金さんが二人を諭す林、不明(巨石あり)。
- 手代の父が亡くなっていたと二人に告げるお小夜、琵琶湖岸(岩の見える岸辺、ヤナギの生えた湿地も)。
- 近江屋の後妻が山伏とツナギをとる茶店、広沢池東岸にあしらい。
- 江戸へ戻った二人が頼ってゆく観月邸、中山邸通用門。
- 絶望した二人が自刃しかけるも思い直すと、後妻と山伏が殺しにやって来る神社、吉田神社本殿前(セットと併用)。
*後妻は本阿弥周子、黒幕の鼓打ちは新藤栄作。
第19話 「笑う真犯人 裏切られた金四郎」 48
好いた女のため職を汚す同心だが、金を渡す相手と取る相手は同じという皮肉。お小夜が抱いたシンパシーは、哀れな境遇のほか「ご同業」なのだった。
ロケ地
- 凶賊を見張っていた目明しが見つかり殺される水辺、大覚寺大沢池北辺並木。目明しは一時池におりて身を隠す。呼子を聞く勘平たちは天神島朱橋付近。
- 目明し殺し現場で大倉同心を見た金さんが彼をつけてゆく道、大覚寺放生池堤。
- おなみに話をしに出かけたお小夜が当人を見かける町角、大覚寺五社明神本殿前。見遣る先の、おなみが佇む武家屋敷は不明(他作品でも出る薬医門、二段ほどのステップ付き・門前に堀川あり石橋が架かる。門前に竹林と「祠」。次シリーズ17話でも登場)。
*薄幸の女には違いない鬼面の賊のかしらは山下容莉枝、手下は中田浩二に草薙良一、竜川剛。おなみに惚れる同心は秋野太作。不人情で女ねずみを怒らせるどケチ商人は岩尾正隆、凶賊とダブルブッキングという趣向。すげー慎重な仕掛けを蔵に施していた次の的の商人は北見唯一。
第20話 「仕掛花火の怪!焼死体が歩く」
狙われていると訴えていた花火師が爆殺されるが、怨恨や欲がらみの事情がずらずら出てきて不穏。そして、先々に幽鬼のごとく「真っ黒焦げの男」の影がちらつき、怪しさを盛り上げる。
ロケ地
- 女中のお里に話を聞く金さん、梅宮大社神苑汀。二人を凝視する目に気付き追ってゆくくだりは境内〜楼門(勘平親分がやって来る)。
- 菊右衛門の墓に参るお里、不明(丘の上か/大きな五輪塔も見える)。
- 菊右衛門の回想、安蔵に相談を持ちかけた水辺、大覚寺大沢池畔(放生池堤の橋たもと)。同じく回想、安蔵が目をやられお里の父が死んだ花火事故の小屋、罧原堤下河原にあしらい。
*花火師・茜屋菊右衛門は大出俊、彼が心ならずも冷たく接してきたお里は魏涼子、菊右衛門の永年の庇護に感謝し身代わりを申し出る安蔵は野口貴史。茜屋の家つき娘で悪事のデパートな菊右衛門の女房は長谷川稀世、愛人の番頭は井上高志、実は女将の隠し子だった職人頭は柴田耕作。彼らが雇う用心棒の一人に福ちゃん、ラス立ちで見事なのけぞりを決めるほか、お白州では桜出しに一人だけ声を発し半ば立ち上がって驚き。
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