千両獅子

内田吐夢監督作品  1958.2.12東映


 将軍家ご落胤と称する押し借り強盗「葵太郎」が跋扈、蛮社の獄で名前の出ていた本物のご落胤・松平鶴太郎が難儀を蒙る。風貌振舞いともに似たその凶賊は実の兄と知り従容として縛につく鶴太郎ぎみだが、母と異父弟が妖怪・鳥居の手に落ちたと知った兄「葵太郎」は、己が正体をさらしに現れる。

大覚寺明智門

ロケ地

  • 南町奉行所、不明(門のパーツのみ)
  • 町場を出歩く鶴太郎ぎみ、不明(楼門をくぐり緩やかな坂、屋形見えて下に塀際の路地)
  • 掏摸の仙太をひねったあと話を聞く神社(?)、不明(川沿い、対岸に家並。そこから橋渡ったたもとに鳥居。「境内」は瀬田橋竜宮に配置は似るも橋とかスケールとか違う。川には船が上下)
  • 母里信濃守邸、大覚寺明智門
  • 飯田屋のもてなしを受けるため浜御殿へ赴く将軍の行列が出る城門、東映城か。
  • 南の国へ向け出帆する美代太郎の船、琵琶湖か。

 葵太郎の新城美代太郎と松平鶴太郎は市川右太衛門の二役、二人の母・松野は松浦築枝。鶴太郎ぎみに嫁ぐはずだった母里家の姫は大川恵子、悪党と通じる家老は三島雅夫。鶴太郎ぎみを慕い助ける軽業の太夫は千原しのぶ、叔父さんの目明しは渡辺篤で掏摸の仙太は西岡タツオ。南町奉行・鳥居甲斐守は山形勲、つるむ奸商・飯田屋は進藤英太郎で手下の親分は阿部九州男。水野越前守は大河内傳次郎。
*葵太郎として跋扈する兄上は、将軍の横暴で父母を奪われ確執を抱く設定、母がお手つきとなったあと父は追放されて死亡、母は弟の日陰者となるご落胤・鶴太郎ぎみを産む運び。葵太郎が無辜を殺めている件について触れられずバツっと終わるあたり、乱暴で笑える。


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